暁美ほむらと一人
あれから数年経った。
その中で、小学校低学年ぐらいだろうと思われる、千歳ゆまの虐待を録画しておき
警察に送りつけ、千歳ゆまは孤児院に送られたが、それを佐倉杏子が引き取り
今では佐倉家として一人前に成長している。
呉キリカの性格も変えて学校に通うようになったし、現在は巴マミと一緒のクラスになっていて、
美国織莉子は前の学校をやめ、見滝原中学校に転校してきた。
ついでに佐倉杏子も見滝原中学校に通っているという状態である。
マミ父親も事故以来、足の骨折などによりひどい有様だったが、マミとマミ母親が退院してから
二週間後にはもうリハビリを兼ねての退院となった。
ついでに言えば、マミ父親と杏子父親と織莉子父親は私が救ってくれたと称し、三人で
話し合っているらしい。
無論、マミ母親と杏子母親と織莉子母親ともだ。
さて……現在私は病院にいた。
病院通いをし続けたせいかどうなのかは知らないが、病院の看護師から『救世主』と
変な呼ばわりを受けてしまった。
当然ながら数ヶ月前に事故に起こりそうだった天才ヴァイオリニスト、上條恭介が事故にあい
左手が動けないでいたが、知り合いの友人が医学会のスペシャリストであり、
治らないとされた腕がモノの数時間で動くようになったという結果をもたらしたのが
原因でもある。
それでも、私は病院で困っているという人物の顔合わせをしなきゃいけなかった。
『暁美ほむら』
という名前らしい。
彼女は長い間心臓病で入院していたが、手術も終えあとは退院をまつだけとなったが、
性格が内気らしく、励まし相手として選ばれたらしい。
私は断る理由さえないので、承諾したあと、さっそく向かっているというわけだ。
私は軽くノックして入室すると、まだ眠っていた。
うん。時間も時間だし早いからね。仕方な……
ガバッ!
くないか。
起きたよ。
「あ、おはよう。暁美ほむらさん?」
私は声を掛けると、いることにびっくりしたのか、身体が少し動き、メガネを掛けた。
「あ、ごめんね。驚かせちゃって」
私はそういうと、しばらく見つめたあと
「貴方………誰?」
と聞いてきた。
「七夕かなみです。かなみって呼んでね」
「どうして、ここに?」
「ここの担当医さんが、暁美ほむらさんは長い間入院していて友達が少ないから退院するまで
話してくれないか? って頼まれたの。あ、初対面だよ?」
「そ、そう……」
困惑している表情をするほむら。
看護師の話だと内気だとは聞いたが、どちらかといえばクールビューティーである。
一晩で性格が変えられるとは考えにくいし、長い間性格を形成しなけらばならないということに
なるな。
「退院するまでまだ、一週間あるから、色々お話でもしようか?」
「ええ」
落ち着きを取り戻したのか平常心にそういった。
「そうだなぁ………」
と呟いて左手を見たら魔法少女の証である指輪がハメられていた。
「あれ? ほむらは魔法少女なの?」
私はそう呟くと驚愕した顔をしたあと私をみた。
「どうしてそれを……。あなた魔法少女なの?」
「その質問の前にキュゥべえについて知っている事を全部、包み隠さず話して」
私はそういうと
ほむらは躊躇しながらも、キュゥべえの情報を話してくれた。
数分後。
私は聞き終えると
「なるほど。私が知っているキュゥべえに違いはないね」
そういうと
ほむらは
「どういうこと?」
と問いただした。
そのため私は今までの出来事を話すと
「そ、そんなことが可能だなんて………」
「うん。可能だったんだよね。じゃあ、ソウルジェムを取り出して」
ほむらは素直にソウルジェムを取り出した。
「じゃぁキュゥべえに戻してもらおうかな」
《呼んだかい?》
キュゥべえが現れると、ほむらはキュゥべえをきつく睨んだ。
《おや? 契約した覚えのない魔法少女だね。前の契約者リストにも載っていないし》
「ほむらは一ヶ月後の未来から来たらしいんよ」
私はそう説明すると
なるほど、とキュゥべえは納得し
「キュゥべえのことや、魔法少女の秘密も知っているみたいだから一旦ソウルジェムを
元に戻して」
「!? そ、それは……駄目!」
「あ、大丈夫だよ。魔法少女が魔女になる魔法少女を旧魔法少女。なんだけど、それだと
ソウルジェムが濁りきったら魔女になる。けど、新魔法少女は、そうならないで済む」
「え? どういうこと?」
「魔法少女が魔女になる運命を完全に逸らしたんだよ。魔法少女が魔女にならない運命を。
新魔法少女になった場合、ソウルジェムは必要な時だけ取り出して魔女の変わりに魔獣
と戦う。魔獣は、不幸と絶望のエネルギーだから、夜が収集していける。
もちろんソウルジェムは穢れることなく常に光り輝いている存在にしかならない。
ついでに、20歳になったら引退という形で魔法も使えなくなるし、キュゥべえも
見えなくなる。ソウルジェムは元の場所に戻る。というわけ」
「………そ、そう。凄いわね。そういうことならお願いするわ」
旧魔法少女のソウルジェムを戻す方法。
キュゥべえの耳毛(?)で強制送還されるが痛みは生じない。
以上。
《これで、元に戻ったよ。再び契約なら、同じ契約内容でも構わないし、違う契約内容でも
構わない。普通の人間の生活もできるよ》
キュゥべえは相変わらずの無表情でそういい
《暁美ほむらの素質は少ない方だから、増やす方向でも構わないよ。魔獣退治で倒し続けたら
それなりの素質も使うことも可能だけど》
付け加えでそういった。
「一つききたいのだけど、ワルプルギスの夜は来るのかしら?」
ほむらは少し困惑しつつそう聞くと
《旧魔法少女が生んだ魔女は僕らの方で回収させてもらっているから来ないよ。
もし来るなら、魔獣の集まりである満月の夜がくるくらいだ。》
「満月?」
《月に1度満月が見られる日があるだろ? 満月や日曜日などは負の感情が多いのさ。それを
総称として満月の夜と呼ぶんだ。
各地方に出現してり巨大魔獣どもだから、魔獣を倒し続けたらそれほど困る相手じゃないよ》
「もう一つだけど、ソウルジェムが壊れたらどうなるのかしら?」
《ソウルジェムは壊れないように高性能にするようにしているよ。旧魔法少女のソウルジェムの
形と新魔法少女のソウルジェムの形は違うからね。サンプル品はこれだよ》
キュゥべえが取り出したのは新魔法少女のソウルジェムのサンプル品。
《落としても、投げても壊れたりしないから安心だ。旧魔法少女たちが必ず質問する言葉だね》
キュゥべえはそういつつサンプル品をいつもの場所に入れた。
「分ったわ。じゃあ、契約内容は『私が今まで繰り返してきた時間軸の魔法少女が幸せになって
欲しい』」
《それが君の願いなんだね。君はエントロピーを凌駕した。受け取るがいい》
ほむらは新しいソウルジェムを手にして涙をながした。
「ありがとう………。ありがとう………」
ほむらは泣きながらそう呟いていた。
文字数が多くなるけど仕方ない。
ほむらは繰り返してきた分だけ辛い思いをしてきたと思うので、
救ってあげました。
願い事も縛られることなく生きていて欲しいですね。