昨日の放課後、美樹さやかと志筑仁美に話があると誘われて、
近くの喫茶店へと寄った。
「で……話しって何かな?」
私は頼んでおいたコーヒー(砂糖三個、ミルク一個)を飲みつつそう聞くと
最初に切り出したのは志筑仁美からだった。
「今の魔法少女じゃない前の魔法少女つまり、旧魔法少女について教えていただきたいんです」
まず、目を見開いた。
「……キュゥべえから説明は言ってないの? ………あぁ、そういえば、仁美とさやかは
勢いで決まったって言ってたような」
仁美とさやかの願いは一致していたため、どちらか素早く魔法少女になるかを争っていて
勢いで決まったらしい。
そういえば、他の街のキュゥべえからもそういう話しを聞いたことがある。
私は、ミルクをもう一個入れてかき混ぜながら、
「まどかやほむらから聞いていないわけ?」
そういうと、
「いや~……なんというか……恥ずかしくて……」
さやかは頭を掻きながら苦笑いを浮かべてそう言った。
「それで、なんで私に?」
そういうと
「かなみさんは、新魔法少女の設立を行って相談相手になれるだろうと聞いたことがありました
から」
仁美はそういいつつ紅茶を飲む。
「だからさ、かなみに話した方がいいって決まったんだよね」
さやかは付け足して言う。
「じゃあ、大まかに説明するけど、ここじゃなんだし、私の家に来てくれるかな?」
私はそういって、喫茶店を後にした後、さやかと仁美を連れて私の家に着き、あがらせた。
《お帰り、かなみ。それといらっしゃいさやか、仁美》
キュゥべえは最近家政婦状態である。
そうするように勧めていないのだが……。
「それじゃあまずどこからか説明しようかな……」
私は仁美とさやかに紅茶を差し出したあと床に座り、旧魔法少女がどんなものかを説明した。
数十分後。
「うそ……それじゃあ、旧魔法少女のソウルジェムが濁って黒く染まったとき魔女になる。
しかも今のキュゥべえが説明なしだなんて……」
「それをしないように提案したのが私。もし旧魔法少女の状態で契約していたら今頃最悪
だったかも知れないよね。それを無くす方向で提案したのよ」
さやかは愕然とし、仁美は言葉が出ないでいた。
私は二人の様子を見て、しばらく無言を押し通すことにした。
「そっか。じゃあ、最悪だったてわけじゃん。かなみがいなかったら最悪の状態が続いてた。
いたからこそ、それをなくなって今の魔法少女があるんだって」
数分後さやかは、あきらかに無理しているように笑顔を作りだした。
彼女の悪い癖だ。
一方の仁美は差し出された紅茶を一口飲んでから深呼吸したあと
「ありがとうございます。もうそろそろ時間なので帰りますね」
仁美は笑顔でそう答えると、私の家から出ようとしたのを止めた。
「さやか、仁美。貴女達は勢いで魔法少女になったとはいえ、魔女になるわけではない。同じよう
に説明し、同じような態度を取る人物はよくあること。
だから、旧魔法少女が悲しまないように二人で頑張って。苦しくなったら相談に乗るから」
私はそういうと、仁美は私の方を向き直り深々とお辞儀したあと
「はいっ! ………っ。あ、ありがとう………ございます!!」
そう言って、立ち去った。
「ほむらが言ってた通りだ。『かなみは苦しみから救ってくれる救世主』って。……本当
だったんだね……」
さやかはそう言って私の所に近づき抱きついた。
「しばらくさ……こうしてていいかな?」
「もちろん」
私はそういうとさやかは思いっきり泣いた。
声が枯れるまで泣いた。
さやかが泣き止んだのはそれから数十分後であって、
「また何かあったら相談に乗ってよ」
と赤い目をさせながらそう言って家に帰っていった。
《かなみ》
キュゥべえに呼ばれ振り向けば、何故か泣いていた。
《これは……何かな?》
「それはね。悲しいっていう感情だよ。嬉し泣き、笑い泣き、なんていろんな泣きがあるんだけど
キュゥべえはどっちかな?」
私はそういうとキュゥべえは私の膝に乗り
《僕も、さやかの真似をするよ》
そう言って、キュゥべえは珍しく泣いた。
他の地区のキュゥべえが来るまで泣き止まなかった。
キュゥべえに感情が生まれました。
さやかと仁美を二人登場させたのは契約内容が同じで、
それぞれ恭介にかんする事なんですが、その前にかなみの知り合いの医者が直しているので
現在は違う契約内容になっています。
片方が恭介で、もう片方がさやかのための契約内容だと思ってください。
魔女の方は、キュゥべえが戻しているので、人に危害を加えることなく終わらせてます。