そのあとかなみさんはしばらく黙ってから
「もう遅いし寝ようか。ちょうど明日は土曜日みたいだからね」
そう言ってその場から離れた。
時間は23時。
今日はもう遅い。
魔女も、魔獣も気配も感じないしさっさと寝たほうが良いみたいね。
「鹿目さんと美樹さん、夏樹さん、モエさん、志筑さんは先に寝てて。
こっちは高野さんとお話があるから」
まどか達は申し訳なさそうな顔で頷いて寝室へと向かった。
「さて、高野さんは七夕さんの話を聞いてまだ恨んでいるかしら?」
巴さんはまどか達を見送ってからそう話すと
「…………恨んでません。でも私はそれでも許しませんし許そうとも思いません。ただ……」
「ただ?」
「七夕さんのことを信じることにしました。両親と親友を殺したことに変わりはないけれど、
死んで償うより生きて償って欲しいんです。そうしたら殺そうとした医者や看護師だって、
許してくれるとは思うんです」
かなめは、すこし笑みを浮かべてそういった。
志筑仁美side
巴先輩は、暁美さん、佐倉さん、八十住さん、宝蔵院さん、本堂さん、美国さん、呉さんを残して
高野さんとお話をするようです。
夕食もお風呂は、七夕さんが高野さんと別の部屋で話している時に済ませたので問題はないです。
お父様やお母様にはお泊まりに行くと言えば簡単にお許しをもらえました。
「寝たいのは山々なんだけど、かなめや七夕さんが心配なんだよね」
さやかさんは頭を掻きながらそう言っていますが、夏樹さんは眠そうにしていますし……
「じゃあ、こういうのはどうでしょうか? 私はモエさんと夏樹さんを寝かせますので、まどか
さんとさやかさんは様子をみるのはいかがでしょう?」
そう提案すると、まどかさんは目をキラキラ輝かせ
「そうだね! そうしよう!」
「だね! ごめんね仁美」
「いえ、お気になさらずに、あとまどかさんお静かに」
「あ、ご、ごめんね?」
まどかさんとさやかさんと別れ、モエさんと夏樹さんを寝室にいれて既に敷かれてあった
布団の中へ入るようにした。
「あ……ありがとうね……仁美様……」
夏樹さんは眠そうな声でお礼を言って目を閉じるとそのまま眠ってしまった。
モエさんの方を見たら既に眠っていて寝息をたてていた。
美樹さやかside
仁美にモエとリンを任せて、あたしとまどかはまず、七夕さんの様子を見に行こうとすると
八十住さんとばったり出くわした。
「美樹に鹿目どうし…………ああ、なるほどね。心配になって様子を見に来たのね」
心を読むことができる八十住さんに隠し事は無理のようで
「こっちの方は丸く収まったわ。明日、貴女たちに謝罪をするそうよ。七夕のことは許されない
けれど信じることから始めるとも言っていたわね」
あたしたちが知りたかった情報も教えてくれた。
「そ、そうなんだ……よかったぁ…」
まどかは安堵するように胸をなでおろした。
「今から全員寝るそうよ。だから美樹と鹿目も寝なさい」
「で、でも七夕さんはどうするんですか?」
「今はお風呂よ」
「「あっ……」」
察したあたしとまどか。そういや七夕さんお風呂どころか夕飯すら食べてなかったけ?
「察しが良くて助かるわ。魔女や魔獣が出たら起こしてあげるから今は寝ることだけ考えて」
八十住さんにそう言われ、あたしとまどかは八十住さんにお辞儀したあとその場を去った。
《今更で悪いのだけど、美樹。上條の右腕はどういう状況か今教えてくれないかしら?》
テレパシーで八十住さんいそういわれそうえいばワルプルギスの夜が来る前だったからなぁと
思いつつ数分間悩んでようやく思い出した
《えっとですね『違和感はないけれど、昔に比べたら身体が重い』って言ってましたよ》
あたしはそういうと
《昔に比べたら……ね。わかったわ。ありがとう》
八十住さんはそう言ってテレパシーを切った。
ははは……。