織斑一夏(有里湊)   作:たぬたぬたぬき

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第3話

 

箒と二人仲良く教室に戻った。

 

待っていたのは山田先生と千冬姉さんだった。

 

教師としてのお叱りを受けたのだが、千冬姉さんの説教には慣れているし山田先生にはそもそも迫力が伴っておらず考えていたよりも気力を消耗せずに済んだ。

 

とはいえ授業をサボってしまったのは良くない、今後は出来る限りきちんと出席した方がいいだろう。

 

 

「――以上だ、織斑・篠ノ之は後で反省文を提出するように」

 

「放課後にきちんと出して下さいね? 今度は絶対ですからねっ」

 

 

貴重な自由時間が削られることになった。

 

とはいえ箒との再会も楽しいものに出来たし反省文程度なら安いものだろう。若干気難しい性格をしている箒との久し振りのコミュニケーション、何かが違っていたら気まずい関係から学校生活を始めるはめになっていたかもしれない。

 

だがもう心配する必要は無いだろう。

 

横目で箒の姿を捉えて確信する。目が合うと、恨めしい視線を投げて寄越すも此方が構わず片目を瞑って見せたら呆れた後に表情を緩くして崩し微笑んでいたのだから。

 

 

「説教中に目と目で通じ合うとはいい度胸だ!」

 

 

頭部でなく首が心配になるお仕置きが飛んできた。

 

 

………。

 

……。

 

…。

 

 

 

「はい、確かに反省文を受け取りました」

 

 

放課後、千冬姉さんに強制的に追い散らされ人気の減った教室で箒と二人にで反省文を書いて提出する。流石に教師の、或いはブリュンヒルデの言葉には女子生徒と言えども逆らえないらしい。

 

折角の機会だ、このまま山田先生にISについて分からない部分を聞いてもいいし、少し早いが寮に向かって施設の確認をするのもいいかもしれない。

 

 

「本当にサボりは駄目ですよっ。それも初日からなんて…久し振りに恋人と再会したからって、もう……本当に駄目ですっ」

 

「こ、こい…ち、ちち違います!私と一夏は単なる幼馴染で――」

 

「恋人なんですよね? 」

 

「違います!」

 

「で、でもでも、あんなに目と目で通じあってたのに…」

 

「いえ、一夏の場合昔から割と色々な人と……」

 

「えええ………」

 

 

山田先生の目が此方に向かう。

 

流石に会って間もない人と目でコミュニケーションを取るのは難しい。とはいえ先生はそもそも表情に出やすい性格の様なので一方的になら感情を読み取りやすいといえる。困惑から戸惑い、羞恥。

 

………読めない人はいないのではと思う程に分かりやすい人らしい。

 

後千冬姉さんへと向ける少し危ない目を自分に向けられても困るのだが。こちらは歴とした男であるし、そういう意味合いで女丈夫である姉と重ねられるのは魅力があるとも取れて嬉しさもあるのだが、正直な所複雑な気持ちで一杯になってしまう。

 

 

「はぁぅぅぅ…そっくりで凄い格好いい。けどけど何処かクールな所も少し違ってて織斑君の方がミステリアスでちょっと怖いというかちょっと危険な感じ?織斑先生は格好良くて素敵だけど硬派っていうか…だとしたら織斑君と結婚したらダブルクールでえへえへへへへ。どどどどんな旦那さんになんだろ織斑先生みたいにSっ気があるのかなそれとも甘やかし上手で仕事から帰ったらご飯食べさせてくれて愚痴も聞いてくれてその後はもうドロドロに…」

 

 

ISについての質問はまた明日でもいいだろう。

 

箒は遅くなってしまったものの部活に少しだけでも顔を出すというので途中で別れ、自室についての詳細を聞くために取り敢えず千冬姉さんいるだろう職員室へと向かった。





ごめんね山田先生。

ごめんねセッシー。



感想評価ありがとうございます。

やっぱり見てもらってるって実感があると嬉しいですね。
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