「なっ……!?」
そう、どうでもいい。
オルコットさんが貴族尚且つイギリスの代表候補生であってどれだけ自分に自信を持っていようと。誇りの高さから男であり元一般人だった僕を下に見て馬鹿にしようと。専用機を携えてクラス代表となり勝利を重ねて行くのが彼女の中で決定事項なのだとしても。
僕には関係ないだろう。
「決闘ですわ!!」
「………」
「あら? 代表候補生との戦闘が怖くて声も出ないのかしら」
はぁ。
「………分かった」
挑発する様な返事を促す言葉に気怠い口を開いて承る。
だというのに何が気に入らないのか、さらに機嫌を損ねまだ上がるのかと言う程に眉を釣り上げて怒りを露わにするオルコットさん。一体何がそんなに癪に障るのだろう。
「人を駄々っ子みたいに扱って……!! 下男にしてその態度を改めさせてやりますわ!!」
「………」
「その目をやめなさい!!」
いつの間に決闘の勝敗に身分が賭けられたのか。
言葉のドッジボールを振り返ってみても全く身に覚えがない、訂正をしようにも既に決まったこととして言い切るセシリアさんにとてもじゃないが質問など出来そうにない。意見を翻させるのにも大変な苦労が伴いそうだ。
「話は決まったな。勝負は次の月曜日に、第三アリーナで行なう」
「はい」
「宜しいでしょうか、織斑先生」
「何だ?」
「決闘について、条件をつけておかなければなりませんわ」
「……好きにしろ」
オルコットさんに無理矢理指名され相手をして早十数分、ようやく開放されると思った所だったのだが。まさか此処で今更身分を賭けたことについて確認をするのだろうか。
「さて、私も鬼ではありませんわ。代表候補生としてハンデを差し上げるつもりです」
なるほど。
自分はISに乗った機会は偶々起動させてしまった時たったの1回であるのに対して、向こうは代表候補生。専用機持ちだ。日常的に訓練で乗るのに加えて候補生になるまでやなった後の他者との戦闘等々、詳しく彼女の経歴は知らないが長い経験があるに違いない。
そこで現れる差というものを、先人として少しでもなくそうと言っているのだろう。もっとも大分好意的に解釈したらこうだろうと僕が思っただけで、実際は優位な条件を得た僕を叩き潰したいだけなんだろう。
「いらない」
「…正気ですの?」
折角個人用に作られた高性能な専用機と戦う経験が得られるんだ。自分が乗ることになる打鉄か、ラファール・リヴァイヴか、もしかすると相手と同じ僕の為に作られる専用機か、分からないがまともにぶつかり合って直接体感するのが一番だ。
「ええ……」
「いや、普通に無理だよね?」
「うん、無理だよ……」
周囲がざわつく。
だがしかし既にいらないと言ってしまったのだからしょうがない。やっぱり今のはなしでハンデをとは……何とかなるかもしれないが、する気はない。
「では決まりだな、両者とも試合までに充分準備をしておくように」
千冬姉さんが話をまとめに入る。
「はい。……私は優しいので少しこき使ったらすぐに解放して差し上げますわ」
「はい。……どうでもいい…」
「貴方は…! またそうやって…!」
またしても怒りに震える気配が伝わって来るもののこれ以上はとさっさと前を向いて視線を切る。まだ授業に入ってすらなかったのですぐに始まった。なのでオルコットさんからの追撃はなく疲労を重ねなくて済むと安堵し、怒りはこの後か試合当日まで持ち越されるだろうことには目を背けた。
セッシー、原作より怒りましまし。
クラスの皆、原作よりフレンドリーでない。
千冬姉、原作よりやや受け。
箒さん、原作と同じ。
大変なことに気付いた。
今回でアニメ一話分だ。