とある血盟物語 -Lineage-   作:三方真白

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#3 ゲレン

 

 それは入って突然起こった。

 

「わしがゲレンだ」

 

 白いローブを纏った老人が突然目の前にあらわれたのだ。

 

「うわあああああああ!」

 

 ジュンは思いっきり後ろにのけぞり驚いた。それと、少なからず緋之元も驚いているようだった。無言ではあるのものの、瞳孔がかなり見開かれていた。ちなみに、ポーズは二人とも左右対称で全く同じ物だったりする。

 

「なかなか気が合うではないか、緋之元」

 

 カカカと笑いながら老人は言う。

 

「ふん・・・・・」

 

 イシターに見送られ、『話せる島』にワープした二人。小さな村から南にしばらく歩いた所にある『ゲレンの家』を目指した。途中でゲレンについて聞いてみたが、解答というものは得られず、むしろ最初は「ジュンティーヌ様」だったのが、「ジュン」と呼ばれていた事に気がついたことくらいだった。

 

「・・・・余計なお世話です」

 

 なんでか、このゲレンという人に対して使う敬語には違和感がない。どうやら緋之元はゲレンに対してはいつも敬語のようであった。ウィザード達の師に当たる人物だから尊敬しているのだろうか?

 

「つれないヤツだ」

 

 そう言いながら部屋の奥に案内される。奥といっても読書用の机が1個、椅子が4個あるだけの小さな部屋だった。

 

「ま、席につきなさい」

 

 こんな性格だから緋之の反応を楽しんでいるのだろう。しかし、やおらジュンの方に向き直ると、さっきの雰囲気はどこへやら張り詰めた空気が支配する。

 どこを見回しても、部屋一帯魔法関係の書物ばかりで落ち着かない。挙句の果てにゲレンの両脇には腕っ節の強そうなガードが二人。ガードは何も言わずに黙って立っているだけだ。

 

「さて・・・」

 

 老人がそう言っただけで、周りにはピンとした空気が流れ始める。なんとも言いがたい圧力を感じる。コレも魔法なのだろうか。

 

「あなたがジュンティーヌ殿とな?」

 

「・・・・・・はい」

「ふむ・・・」

 

 しげしげと、顎下に蓄えたヒゲをなでながらジュンを見る。

 ジュンは歌う島に流れ着いた時と同じ赤と白の装束に身を包んでいた。

 

「本土のウワサは『象牙の塔』の情報網で伝え聞いています。ひとつお断りしますが、あなたがデュークの子孫であるとしても、その証拠はありません。知っているのはガトレア王妃、王子の母親のみです。そして、その王子も公には死んだことになっ

ています・・・・・・・・・だが、その王子と思われる人物がここにいる・・・・・・」 

 

 オーレンの『象牙の塔』は、公益のために魔法を行使する機関であり、多くのウィザード達が所属するところである。

 目の前の王子となのる人物を本物として扱いたいのだが、あえてそうしない。そんな感じがした。

 

「前王デューク・デフィルはおそらく『反王』によって討たれている・・・・・・・・・そうですな?」

 

 ジュンはコクンと一つ頷く。短い沈黙をおいてから、ゲレンは「ふう」と息を吐くと語り出した。

 

「デュークの血盟はそれはとてつもなく強く、優しき者達ばかりでした・・・・『義理の騎士バルセン』、『トリアのオレイン』、『エンデのセバスチャン』、『高潔なカストロ』、『大魔法使いハーディン』・・・・・・・」

 

 そう、彼らは父王デューク・デフィルの血盟の者として有名な人間達だった。中でも、ハーディンは星を降らせる魔法が使える事で有名で、ウィザード達の間でも伝説の存在でもあった。そして、星を降らせる魔法を使える者がもう一人、オーレンの『影法師オリム』である。現在は行方不明だが、デュークの血盟を影から助けた功労者である。

 

「・・・・・・歴史はまた繰り返すということでしょうかな、今度は貴方の番だ。貴方がデュークの子ならば、デュークと同じように貴方自身の力で取り戻して見なさい」

 

 歴史は繰り返す。デュークもまた、反王からアデン城を取り戻した事があったのだ。常にアデン王国は戦乱が起こっている。歴史は留まることを許さないのだろう。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 ジュンは答えない。

 

「反王によって、ギラン、ハイネ地方の税率が上がり圧政に民が苦しんでいる。火竜の住むと言われるウェルダンが落ちるのも時間の問題だ」

 

 緋之元が語る。

 これも、オーレンの象牙の塔の情報網だろう。

 

「アンタは、もう死んだ人間になってるんだ。死んだまま生きるか、怨霊となって反王を討つか二つに一つだろ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 何も言えないまま押し黙るジュン。

 

「そうだな、死んだ存在なら何もする必要が無いよな」

 

 立ち上がると吐き捨てるようにそう言い残し、緋之元はスタスタと歩いて家を出ていった。

 

「きっと修練場に戻ったのでしょう。負けず嫌いですからな」

 

 無愛想なのもその性格が生んだのかもしれない。

 あまりにヒドイ顔をしていたのだろう。誰の目から見ても悩んでいるという風が見て取れる。声には出さないものの「どうしうよう。どうしよう」という優柔不断なセリフが聞こえてきそうだった。

 

「・・・それは、貴方が決める事です」

 

 

 

【リネージュ 豆知識】

 

     ゲレン

 

 ゲーム内ではもっと真面目な人です。レベル3までの魔法はこの人から習いますが、SIに行けるときはそっちに行った方が手間がないと思われます。

 ただ、ゲームでの貴重な設定の話とかが聞けるためそう言うのが好きな人は訪れてみてもいいかもしれません。

 ちなみに、話せる島の南(西も含む)はジャイアントスパイダーの生息地なので、極まれにゲレンの家のそばにいたりします。(私は取材用キャラが一度コイツに殺されましたww)

 それにしても、どうやって歌う島を造ったんだろうか??

 

 

 

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