エンジェルとの戦闘から数時間経ち、今は夕暮れ。僕はヒビキさんを運びながらウェンディたちを探していた。僕の結界の1つ、
「おーい、ゴーシュ~!!」
「ハッピー!」
「オイラがウェンディとシャルルの所に連れて行くよ!」
「それじゃ頼むよ。この結界を押して行って」
「あいさー!!」
ハッピー…というかエクシードがいてくれると助かる。
「これ、すごい軽いね!!オイラ、1人しか持つことできないのに」
「浮かせているだけだけどね。シャルルにも押してもらったことあるけど、その時は5人くらいは乗れたよ」
「へぇ~、ゴーシュの魔法って便利だね!」
まあ試したのギルドメンバーでだし、一回しかないけどね。
「あ、見えてきたよ!」
「ホントだ。おーい、ウェンディ!シャルル~!」
「あ、ゴーシュ!無事だったんだ、良かった~!」
「遅かったわね」
「とりあえず、ヒビキさんを起こさないと…ヒビキさん、起きて下さい」
「う、うう…」
ウェンディたちと合流できて良かった。…もう、ニルヴァーナの光の柱が黒から白へと変わっている。もうすぐ、ニルヴァーナが姿を現すだろう。
「ゴーシュ君…ウェンディちゃんたちも…」
「あんたたちが無事ってことは、あのエンジェルって女は倒したのね?」
「ああ。苦戦したけど何とかね…ルーシィさんとナツさんが流されて行ってしまったけど」
「ナツとルーシィが!?」
「これからどうするの?」
「ゴーシュ君、ニルヴァーナは…」
「さっき、光の色が白くなりました。多分、もうすぐ…」
次の瞬間、大きな地響きが起きた。これは、ついに来てしまったか…!
「な、何!?」
「地面が、揺れてるよ~!!」
「皆、一先ず乗って!」
ウェンディたちが
「ついに、ニルヴァーナが…」
「ハッピー、シャルル!あっちの足まで行ってくれ!」
「どうして!?」
「多分あの川の付近から現れた足の所に、ナツさんたちがいるはず!一度合流した方が「いや、待ってくれ」…ヒビキさん?」
「ゴーシュ君は僕と一緒に来てほしい。ウェンディちゃんたちはナツ君たちの所へ向かってくれ!」
「…分かりました。それじゃ、3人はこのまま行ってくれ!」
「でも…」
「ウェンディ…ナツさんたちを手伝って、ニルヴァーナを止めるんだ!きっと君の魔法も必要になる…大丈夫、ウェンディならできるよ!」
「…うん!」
「それじゃこのままオイラが押していくよ!」
もう1つ
「それでヒビキさん、どこに行くんですか?」
「ニルヴァーナが起動してしまったということは、どこかに発射するつもりだろう。発射された時に照準をずらす準備をしておかないとね」
「ずらす準備?」
「ああ…クリスティーナの墜落地点へ向かってくれ!」
「なるほど…了解!」
原作通り、クリスティーナの爆撃で照準をずらす考えなんだろう。確かに、船体を安定させるなら僕の魔法はピッタリだ。ニルヴァーナが移動し始めている…やっぱり、方角は僕たちのギルド…
「ヒビキさん、そういえば念話は?」
「ちょっと待って…ああ、いけそうだ!どうやらニルヴァーナが最終段階に入ったことで、念話の妨害が薄くなってきている!」
「じゃあ繋がる人全員に繋げて下さい!クリスティーナの破損が激しかったら、僕の魔法でも支えきれないかもしれない。あと、ニルヴァーナの止め方も調べることはできますか?」
「分かった。任せてくれ…ニルヴァーナの止め方も、必ず見つけてみせる!」
そう言えば…クリスティーナはどうやって破壊されたんだろう?エンジェルから情報が流れていたとはいえ…ブレインか。あいつなら時間差で破壊する魔法とかも使えそうだ。一夜さんに変身してたのが痛いな…クリスティーナは
☆
クリスティーナの墜落した場所へと到着すると、人影が見えた。
「レン、イヴ!」
「ヒビキ!」
「無事だったんだね!」
「2人だけですか?」
「ああ。だが、これはひどいな…」
レンさんがクリスティーナを見てそう呟く。船艇に片翼…甲板もほぼぶっ壊されている。でも、まだ魔法で支えれば浮かせられそうだ。
「あとはリオン君たちか…」
「俺達はここにいるぞ」
「リオンさん!シェリーさんも無事でよかった!」
「それで、念話で話していたことは本当ですの?」
「ああ、本当だ。僕達でこのクリスティーナを、また空へと浮かせるんだ!」
ヒビキさんが段取りを説明している。少し遠くにあるニルヴァーナから、さきほどからすごい爆発音が聞こえる。これはきっと、ナツさんとコブラが戦っているんだ。急いで向かわないと…!
☆
「これ…私達のギルド、
「え……?」
「なんでウェンディたちのギルドに!?」
シャルルがそう呟く。でも、ホントだ…このまま進んでいくと、私達のギルド、
「…それも含めて、あのブレインとかいう親玉をとっちめて聞き出そうぜ」
「うむ…
グレイさんとジュラさんがそう言ってくれる。そうだ、あのブレインって人を倒せば、ニルヴァーナも停止するかもしれない。だったら、あの人を問い詰めた方が早いよね。
「ウップ…!!」
「おい、いたぞ!」
「ナツ!どうしちゃったの?」
「これ、乗り物だから…」
「うぅぅ~…皆~」
「ハッピー!」
「猫殿も無事だったか」「「「猫殿?」」」
ナツさんとハッピーが倒れてる!しかも、ナツさんはあのブレインって人に引きずられてる…どこかに連れて行こうとしてる?でも、なんでナツさんを…?
「ナツを助けて…連れて行かれちゃう…!」
「六魔も半数を失い…地に落ちた。これより新たな六魔をつくる為、この男を頂く」
「いつか来るとは思ってたが…本当に闇ギルドにスカウトされっとはなぁ…」
「ナツは、あんたたちの思い通りにはならないんだからね!」
「ニルヴァーナがこやつの心を闇に染める…私の手足となるのだ…「なるかっ!!」まだそんな力が!!」
「ナツさん!!」
ブレインに抵抗してナツさんがブレインの左腕に噛みついているけれど、地面に叩きつけられてしまった。
「…体調が、悪そうだな」
「あいつは乗り物に、極端に弱ぇんだ」
「乗り物酔い?」
「そうなの…ハッピーとかは大丈夫なんだけどね」
「情けないわね…」
「こいつ、早く倒し、て……これ、止めてくれぇ…!」
そうだ。この人を倒すことが出来れば、ニルヴァーナもきっと止まる!そうすれば、私たちのギルドも助かるんだ!!
「お前の為じゃねぇけど、止めてやるよ!」「うん!」「はい!って、お二人ともひどくないですか…?」
「止める…?ニルヴァーナを?できるものか。この都市はまもなく、第一の目的地…
「やっぱり…」
「そんな…」
「ウェンディとゴーシュとシャルルのギルドだ…なんで?」
「目的を言え。なぜウェンディ殿のギルドを狙う」
「超反転魔法が…一瞬にして光のギルドを闇に染める…楽しみだ。地獄が見れるぞ」
そんな…ひどい。そんなことの為に、私たちのギルドが…!絶対に、止めなきゃ…私達のギルドを、守るんだ!
「聞こえなかったか…?目的を言え…!!」
「ひっ!?」
じゅ、ジュラさんからすごい魔力を感じる…!すごく頼もしいけれど、ちょっと怖い…でも、あのブレインって人は怯むどころか高笑いをし始めた。それほど自分の力に自信があるってことなの?
「困った男だ…まともに会話もできんとはな…」
「消えろ…ウジ共が!!」
「ぬんっ!!」
ブレインが杖で魔力を高めて攻撃してくる。ジュラさんがそれ目掛けて飛ばした沢山の大岩がブレインの至近距離でぶつかり合い、爆発した。す、すごい威力…近くにいるだけで吹き飛ばされちゃいそう…!
「な、なんだ…この魔力は…」
「立て。
ほ、本当にジュラさんが味方で良かった…
「ひえぇ…」
「な、情けない声出さないの!」
しゃ、シャルルに怒られちゃったけど…こんな戦いを見せられたらそんな声も出ちゃうのは仕方がないと思う。それほどに、すごい戦いだから。
「そういえば、ナツさんとハッピーは…?」
「…あそこね。さっきので吹っ飛ばされたみたい」
「…今のうちに治療しに行こう」
「こんな戦いの最中に!?無茶よ!!」
「ジュラさんなら、ブレインも気が抜けない相手だろうし…きっと大丈夫だよ」
「俺も行く。戦闘の余波が来たら守ってやるよ」
「あ、ありがとうございます、グレイさん!」
グレイさんと一緒に、ナツさんとハッピーの元へと向かう。思った通り、ブレインもジュラさん相手じゃあこっちに気を向ける余裕もないみたい。グレイさんも守ってくれるみたいだし、これなら治療に専念できる!
「ナツさん!ハッピー!今治しますからね!」
「ありがと、ウェンディ~」
「ウップ…」
「ナツさんには、バランス感覚を養う魔法もかけてあげますね」
乗り物酔いだったら、トロイアをかければ大丈夫かな?
「覇王岩砕!!」
「うおっ!!な、なんつー威力だ…リオンがさん付けで呼ぶわけだ…」
「ぶ。ブレインを…」
「倒しちゃった…!!」
これが、聖十大魔道に選ばれた魔導士の力…!ブレインも気絶しちゃったみたい…
☆
「よし、高度はこのまま…皆、頑張ってくれ!」
ようやく、船体が安定してきた。このまま行けば、もう少しでニルヴァーナに追いつく。ほぼ同じ速度で進んでるから、じれったく感じるけれど…壊れた船で向かってるんだ、そこは仕方ないか。
「でも、本当なのかい?ニルヴァーナが
「ええ…間違いないです。あと数十分ってところでしょうか…もうすぐ見えてくると思いますよ」
空から見た限り、ニルヴァーナの燭台が1つ壊れているのが確認できる。つまり、コブラとの戦闘は行われたのが確定になった。王の間にも魔法陣が展開されていないことをみると、ブレインも倒された可能性がある。
「ニルヴァーナが発射される前に、爆撃で足を破壊できればいいのだが…」
「いや、ヒビキさん。攻撃はニルヴァーナ発射直前にしましょう」
「何!?お前、自分の仲間がどうなってもいいのか!?」
僕の発言に怒るレンさん。まあ、そりゃそうか。確かに、今攻撃して確実に停止させて再起不能にできるならいい。
「今発射しても、もしかしたら損傷した箇所を修復してまたニルヴァーナが動き出すかもしれない…なら、ニルヴァーナ発射直前に足一点に集中攻撃して、確実に軌道をずらす方がいいと思うんです」
「確かに…魔導弾の数も限られている。ゴーシュの言う方が確実だろう」
「うん…発射できるのは、多分1回分しかない」
「そ、そうか…すまん、ゴーシュ。言い過ぎた」
「いえ、大丈夫です。それより、脱出用の
船の後ろに、少し大きめの
「あなた…本当にやるつもりですのね」
「はい。魔力も回復できましたし、何より…ウェンディが心配ですから」
「これぞ愛、ですわ~」
「妬けるね~ゴーシュ君」
「い、いいからほら!速く真上まで移動しましょう!いつ発射されるか分からないんですから!」
そう、いつ発射されるか分からないんだ…いつでも軌道をずらすことができるよう、待機しておかなければ!
新しい結界の設定は下記をご覧ください。といっても新しく出たの一つだけなので少ないですが。
そして今更ですが、原作が終わってしまいましたね…個人的には、もっと
浮遊結界(バルーン):浮かび上がる結界。黄色で細長い球体で使用。自分や仲間を運ぶ。