FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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ちょっと日が空いてしまいました。ちょっとゲームにはまりすぎなのはいつものことですけど、小説設定を考えておりました。少しずつストックをためていこうと思います!


第26話  連携(リンチ)

 ヒューズが指揮棒を振るおうとする。彼の魔法は無機物を操るというものだったはず。つまりこの場所、遊園地の遊具が多くあるこの場所は彼に地の利があると言える。でも、この世界の魔導士はアースランドの魔導士よりも戦闘向きではないんじゃないかと僕は思う。

 

防御結界(ディフェンド)(トーテム)!」

 

「痛っ!?」

 

「ナイス、ゴーシュ!」

 

「火竜の劍角!!」

 

「ちょっ…!?」

 

 小さな棒のようにした結界をヒューズの指揮棒を持つ手に当てる。彼はそのまま指揮棒を手放してしまい、その隙をついてナツさんの炎を纏った一撃が彼を瞬く間に包み込んだ。この世界の魔導士は所有(ホルダー)型しかいない。即ち、何か道具を使うタイプの魔導士しかいないということ。魔力の宿った道具を敵の前で見せるなんて、僕らを甘く見過ぎている。こんなふうにそれを弾かれたらおしまいだ。

 

「ン、ン~…。まさかヒューズがこんなあっさりやられるなんてね…」

 

「よそ見してんじゃねぇよ!氷刃、七連舞!!」

 

「ンン~ッ!?」

 

 ヒューズの方を向いていたシュガーボーイの背後に回ったグレイさんが、両腕に氷で作った刃を纏って流れるような連撃を放つ。背中に攻撃をまともに食らったシュガーボーイは、そのまま気絶してしまった。

 

「なんだ、こいつら大したことねぇな」

 

「早く王様んとこ行くぞ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

 あれ、もっとこの二人には苦戦していたような気がするけれど…。まあ、いいか。消耗しないで倒すことができるならそれに越したことはないしね。これで残りの魔戦部隊隊長はパンサーリリーとナイトウォーカーの二人だけ。ナイトウォーカーはエルザさんと戦闘中だから、残る敵は実質パンサーリリーだけだ。こっちにはまだナツさんやグレイさんもいるし、倒すのに時間はかからないはず。

 

「ねぇ、あれ!」

 

「道が三つも…」

 

「分かれて探すか。ゴーシュはルーシィと一緒に行ってくれ。ナツは…」

 

「俺はこっちに行く!残りは任せたぞ!」

 

「ったくあいつは…。それじゃ俺はこっちに行く。後で合流しようぜ」

 

「うん!ゴーシュ、行くわよ!」

 

「あ、はい!」

 

 道なりに進んでいくと正面と左右に道が続いていて、ナツさんが正面でグレイさんが左の道、僕とルーシィさんが右の道へと進むことにした。もしパンサーリリーがこの宮殿内にいて、僕らが真っ先に出くわしてしまったら…。よし、その時は逃げよう。僕らじゃ多分火力不足だし。

 

「それにしても広いわね、この遊園地…」

 

「ですね…。なんでこんなもの作ったんですかね?」

 

「さあ…?この町の人を楽しませる為ってことかしら?」

 

 もしかしたらさっき倒したヒューズって人の魔法を最大限に使えるようにした結果なのかも。こんな遊園地でも遊具を操ることができたら兵器だらけの場所と一緒だ。できるだけ兵器だと思わせないように作り上げたってことだと思う。

 

「「あうっ!?」」

 

「ルーシィさん、大丈夫ですか?」

 

「う、うん…。っていうか、あんた誰?って、足どうしたの!?すごい怪我じゃない!」

 

「うう…。もう走れないよ…」

 

また十字路に差し掛かり、ルーシィさんがピエロみたいな衣装を着た女の子と曲がり角でぶつかった。確かこの子は王の側近の、ココって言ったかな?ルーシィさんとぶつかるのもデジャヴのような感覚があるし、原作で似たようなことが起きていた気がする。と、ココが走ってきた通路の方から小さな老人がやってきた。あの人も見覚えがある。バイロって研究員だったと思う。アニメではなんか滑舌が悪くて聞き取りにくいなって思ってたな。

 

「ココ、待たぬか!」

 

「!た、助けて…!これを…!」

 

 ココが右手に持っていた大きな鍵を僕らに渡そうとして、何かに気づいたような反応をした。そして困ったような顔をしながら鍵を大事そうに抱える。これは竜鎖砲の始動に必要となる鍵だったはず…。原作と違って滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の魔力を抽出できていないはずなのに、なんで…?

 

「ハァ、ハァ…。は、早く鍵を渡せ!」

 

「!?あんたなんかに鍵は渡さないわよ!」

 

「…ルーシィさん?多分鍵ってそのことじゃ…」

 

「大丈夫、あたし達でやっつけましょう!」

 

 多分、ココの持っていた鍵をよこせとバイロは言ったんだと思うけど、ルーシィさんは星霊の鍵を狙われていると思ったらしい。まあこいつを倒すことには賛成だ。このバイロって人を気絶でもさせておけば、竜鎖砲の発動に時間がかかるはず。この人が一番偉い研究者だったはずだから。そうだ、この人から竜鎖砲について聞き出せば何か分かるかも。そうなったら、尚更この人を倒しておかないと!

 

「お前はアースランドの魔導士!ヒューズとシュガーボーイはどうしたのだ!」

 

「その二人ならやっつけましたよ」

 

「なんだと!?おのれ…!早く鍵を渡さんか!」

 

「あんたなんかに渡さないって言ってんでしょ!ゴーシュ、サポートは任せるわよ!」

 

「了解です!」

 

 もう勘違いしていることは放っておこう。倒してから話せばいいや。

 

「開け、金牛宮の扉!タウロス!」

 

「モォ~!!」

 

「なんじゃこりゃ、牛!?」

 

「この前のご褒美がまだですな!」

 

「あいつをギャフンと言わせたら考えてあげる!」

 

 あ、地下通路でのこと根に持ってたんだ。でもこれ、タウロスがあっさりやられるフラグに聞こえなくもないような…?

 

「ギャフンと、言え~!!」

 

「ヒィ!」

 

「意外と素早い!」「ヒィじゃなくてギャフンと言え!」

 

 タウロスの一撃を軽やかに躱した。もうかなりの年齢だと思ったんだけど、まさか簡単に避けられるとは思ってなかった。バイロは懐から薬品か何かが入った瓶のような物を取り出す。

 

「小癪な!フレイムリキッド!」

 

「モォ~!?」

 

 タウロスに赤い液体がかかった次の瞬間、かかった場所から突然発火しタウロスを包み込んでいく。ああ、やられるフラグだったか…。どうやらカナさんとかレビィさんと同じように、属性を変えて戦うタイプらしい。

 

「タウロス!何、今の魔法?」

 

「その液体に気をつけて!」

 

「ストームリキッド!」

 

「ルーシィさん、こっちに!防御結界(ディフェンド)円蓋(ドーム)!」

 

 バイロが薬品を放つ前にルーシィさんとココを守るように結界を展開させる。直後、青い液体が竜巻となり僕らを包み込んだ。

 

「開け、処女宮の扉!バルゴ!」

 

「また別の何かじゃと…!まさか、アニマと同じ原理なのか…?」

 

「お仕置きします!スピカホール!」

 

「ぬわぁ~!」

 

 バルゴが作り出した穴に落ちていった。これならいくら元気な老人だろうと登ってこられないだろう。変な薬品持ってなければ大丈夫だ、うん。…フラグ、じゃないと信じたい。でも少し嫌な予感がする。

 

「ナイスです、ルーシィさん!」

 

「す、すごい…!」

 

「姫!お仕置きですか?」

 

「なんでよ!」

 

「あの、ココって言ったっけ。足を治療するからちょっと見せてくれる?」

 

「え?あ…」

 

 ルーシィさんとバルゴがいつもの漫才に入ったので、僕は聖結界(ホーリー)をココの足に展開する。一応、痛みを和らげることくらいはできるはずだ。

 

「ところで、あの老人の狙いってその鍵だよね?」

 

「…!そ、それは…」

 

 その時、何か大きな音と地震のような揺れが起こった。…しまった、やっぱりさっき思ったことはフラグだったか。

 

「何?この揺れ…」

 

「お腹の音ですか、姫?」

 

「あのね…」

 

「皆、これに乗って下さい!」

 

 地面が揺れるってことは、さっき穴に落ちていったバイロが何かしているはず。だったら地面から攻撃が来るだろうから浮遊結界(バルーン)を展開してココとルーシィさんとバルゴ、そして僕が乗り込み少しずつ浮かんでいく。

 

「きゃあ!」

 

「ったぁ…。何あれ!?」

 

「タコの足です、姫」

 

「そこじゃなくって!」

 

「あ、危なかった…」

 

 地面がひび割れて、巨大なタコの足が出現する。その内の一本が浮遊結界(バルーン)を攻撃してきたけど、狙いが逸れたのか掠る程度でなんとか割れずに済んだけど…。もう少し遅かったら直撃だった。

 

「オクトパスリキッド、自らあの薬を飲んだのだ!これで妙な魔法を使っても効かんぞ!」

 

「ど、どうかしらね…?」

 

「姫。効かないと思います」

 

 なんでタコなんだろう…?もっとカッコイイ生物にすればいいのに。

 

「やる前から諦めてどうすんのよ!」

 

「って、そんなこと言ってる場合じゃ…!」

 

 僕らを叩きつけようと、巨大な足を振り下ろしてきた。ルーシィさんはバルゴが抱え、僕はココを背負って、跳んで回避する。浮遊結界(バルーン)は元々簡単に壊れる結界だったけど、相手の巨大さもあって、下にあった建物ごと押しつぶされるようにして破壊されてしまった。

 

「ココを渡せ!そして貴様らも返り討ちにせんと気が済まん!」

 

「根に持つタイプ!?」「男運ないですね、姫」

 

防御結界(ディフェンド)(ボックス)!」

 

 相手の攻撃から身を守る。ルーシィさん達の方にも同じ結界を作っておいたから、これでとりあえず大丈夫だけど…。このまま食らい続ければ数分で壊れてしまうだろう。

 

「姫、これを」

 

「何これ?」

 

「伸縮可能な星霊界の鞭、エリダヌス座のエトワールフルーグです」

 

「星の大河…?」

 

「役立てて下さい。効かないと思いますが」

 

「なんでそんなにマイナス思考なのよ!やってみないと分からないでしょ!」

 

「二人とも、あんまり長く持ちませんよ!」

 

「分かった!バルゴは一回戻って!」

 

「それではご健闘を、姫」

 

 なんでか分からないけど、ルーシィさん達の方だけ攻撃が激しい。どんだけさっきのことが悔しかったんだよ…。しかも思ったより攻撃力が高い…!もうルーシィさんを守る結界に罅が入り始めている。

 

「解除しますよ!」

 

「行くわよ!」

 

「なんじゃそりゃ。そんなものは効かんぞ!」

 

「やぁっ!」

 

 ルーシィさんが真正面から、鞭を振るって攻撃する、けど…。残念、効果はいまひとつのようだ…。まあ、あんな巨大な化け物相手では効かないんじゃないかと思ってたけど。

 

「痛くも痒くもないですなぁ~…」

 

弾性結界(バウンド)(スフィア)!」

 

 ルーシィさんに向けて、また巨大な足による攻撃をしてきたので、弾性結界(バウンド)でルーシィさんを包み込む。バイロの攻撃により弾かれ、建物と建物の間をバウンドしていきやがて床を転がり止まった。

 

「ルーシィさん、大丈夫ですか!?」

 

「ちょ、ちょっと酔ったかも…。でも、なんとか、大丈夫よ…!」

 

 僕も結界を解いて、ルーシィさんに近寄る。目を回しているけど、本当に大丈夫なんだろうか…?弾性結界(バウンド)のこの使い方は止めた方がいいかもしれないな…。

 

「ルーシィさん、それを使ってあいつの攻撃を封じることはできますか?」

 

「…そっか!うん、いけるわ!」

 

 どうやら僕のやろうとしていることが分かったみたいだ。ルーシィさんが星の大河(エトワールフルーグ)を足に巻き付け、ターザンのように移動する。その間に僕はココを背負いながら見晴らしのいい場所へと移動を開始する。

 

「あんた、あの子がいるのになんでそんな攻撃ができるの!?巻き込まれるわよ!」

 

「あれは我が軍の物だ。貴様には関係なかろう!」

 

「仲間なら、守るべきものでしょ!?」

 

「…っ!」

 

「ええい、儂の体でチョロチョロするな!!」

 

 ルーシィさんは攻撃を紙一重で躱していく。少しすると、攻撃の手数がほとんどなくなり、それを見計らってルーシィさんが絡まっている足に鞭を巻き付ける。

 

「そんなことも分からない人に、負けられない!!ギルドの人間として、絶対に!!」

 

「あ、足が…!いつの間に…!?」

 

「その通り。そしてこれで、終わりです!!防御結界(ディフェンド)(トーテム)!!」

 

「ぬあぁ~っ!!?」

 

 ルーシィさんが時間を稼いでくれたおかげで、結界を展開することに魔力を注ぐことができた。超巨大な柱を生み出し、それをバイロへと突き立てる。これで、動くことは出来ないはずだ。

 

「ま、まだ負けるわけには、いかんのだ…!」

 

「まだ意識があるのか…!」

 

「…!大丈夫よ、ゴーシュ!」

 

「え?」

 

「火竜の咆哮!!」

 

「アイスキャノン!!」

 

「ぐはぁっ!!!?」

 

 バイロが僕の結界を動かそうとしている隙をついて、炎と氷の一撃が別々の方向から放たれ、バイロはあらぬ方向へと吹っ飛ばされてしまった。…なんだ、結局おいしい所は持ってかれてしまったわけだ。

 

「ナツ、グレイ!」

 

「大丈夫か、お前ら!」

 

「なんでここに?」

 

「そりゃお前、こんな面白そうなタコがいたら向かうっきゃねぇだろ!」

 

 なんともナツさんらしい。ただ面白そうだからこっちに戻ってきたと…。グレイさんの方を見ると視線を逸らしたので、グレイさんも同じ理由か。

 

「で?その子は誰なんだ?」

 

「あ、そうだった!ごめんね、背負ったまま話し込んじゃって」

 

「…」

 

 とりあえずココをゆっくりと降ろし、話を聞こうとしたんだけど何も話さずにただ鍵を見つめている。多分、葛藤しているんだろうな…。鍵を僕らに渡せば、永遠の魔力とやらは手に入らない。けど王様に渡してしまったら今魔水晶(ラクリマ)の元にいる仲間が巻き込まれてしまう。というかこうして鍵を持ってココが逃げ出しているということは、多分原作通りに魔水晶(ラクリマ)の元へパンサーリリーが向かっているということかな。

 

「どうしたの?」

 

「腹でも痛いのか?」「なんでよ」

 

「これは、あなた達の仲間が死んじゃう装置の鍵…」

 

「これが、竜鎖砲って奴の鍵ってことか!」

 

「あいつの言ってた鍵って、こっちのことか!」

 

「ルーシィさん、やっぱり勘違いしてたんですね…」

 

「私は永遠の魔力より、皆で仲良く暮らしたいよう…!だから、この鍵、壊して…!」

 

泣きながらココはこちらに鍵を差し出す。この子みたいな人もちゃんとこの世界にはいるんだな…。魔戦部隊とか王国軍の人って、目的の為なら簡単に人を傷つける人ばかりなのかと思っていたけど、ちゃんとこの子みたいな人がいて良かった。

 

「ありがとう。君のおかげで、僕らは仲間を守ることができる。ナツさん、任せていいですか?」

 

「おっし、任せておけ!火竜の鉄拳!」

 

 ココから鍵を受け取り、ナツさんに鍵を渡す。ナツさんの炎で少しずつ鍵に罅が入り、やがて粉々に崩れた。

 

「それで、これからどうする?これで竜鎖砲とやらが起動することはなくなったんだろ?」

 

「いえ、まだ鍵を破壊しただけです。装置自体は破壊できていない」

 

「そうね…。また鍵を作られていたら竜鎖砲を起動されてしまうってことだもんね」

 

「そういえば、竜鎖砲って滅竜魔法で動くはずって聞いた気がするんですが…」

 

「えっと、私も詳しくは分からないんだよう…。バイロとゴーシュが言うには、滅竜魔法じゃなくても動けるようにしたらしいの」

 

「ゴーシュって、こっちの世界のゴーシュか?」

 

「あのビビり野郎だよな?あいつも研究員だってのは聞いていたが」

 

「ゴーシュはバイロの上司なんだよう」

 

「…マジで?」

 

 …なるほど、こっちの僕がいることで竜鎖砲が改良されて、滅竜魔法以外の動力でも始動できるようにしてしまった、と。僕というイレギュラーがいることで敵に有利になってしまっているようだ。でも、バイロより役職が上だとは思ってなかった…。この世界の僕、どんだけ頭いいんだろう?

 

「それじゃあ、目的通りその竜鎖砲を探すぞ!」

 

「おっしゃあ!その装置ぶっ壊して、王様とっちめてやんぞ!」

 

「ココって言ったっけ?あんた、道案内頼める?」

 

「うん、もう走れるよう!」

 

 会話中もずっと聖結界(ホーリー)で治療していたから、ココも走れるくらいにはなったようだ。これで装置さえ破壊してしまえば、もう何の懸念もなくなる。

 

「お前たち、こんなところにいたのか」

 

「エルザ!」

 

「いや、待て!こいつは…!」

 

 服装がいつもの鎧姿ではなく、露出の多い黒を基調とした装備を纏っている。つまり、このエルザさんは…エドラスのエルザさん?

 

「俺達のエルザが…負けたのか…?」

 

 ナツさんが、吹っ飛ばされた。

 

 

 




エドラスの敵キャラが好きな方、ごめんなさい。主人公の魔法を考えるとこうした方が自然な感じがしたのでこのような形になりました。
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