FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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少し短めです。区切れるところで区切っておかないと一万字とか超えそうだったので。四千~七千くらいが目安だと思ってます。


第28話  DRAGON SENSE

「皆さん!王国軍はエクシード達を魔水晶(ラクリマ)に変える武器を持っています!エクシード達を守って下さい!」

 

 ナイトウォーカーとレギオン部隊がこちらに接近しているのを確認しながら、皆にそう伝える。

 

「裏切り者め。所詮は堕天、元エクシード。王に救われた恩を忘れ刃を向けるとは」

 

「リリー、大丈夫!?」

 

「ああ、大丈夫だココ。…すまない、助かった」

 

「いえ、それよりも早く散開しましょう!このままじゃエクシード達が危ない!」

 

「あの野郎、よくも俺の猫を狙いやがったな!」

 

 ガジルさん、まだあなたの猫ではありませんよ?

 

「スカーレット!!」

 

「ナイトウォーカー…!」

 

「お、重い~…」

 

 あとごめん、シリアスな場面なのは分かっているんだけど、エルザさん換装して自分で飛んで下さい。鎧姿のエルザさんを持っているエクシードがめちゃくちゃ辛そう。

 

「待て、エルザ。…エドラス王国王子であるこの私に刃を向けるつもりか、エルザ=ナイトウォーカー!」

 

「王子!?」「ぐっ…」

 

 ミストガンの王子発言で、ナイトウォーカーに躊躇いが生じる。そのせいかナイトウォーカーが率いていた部隊にも戸惑いが見られ、膠着状態になった。このまま相手が何もしないなら、急いでエクシード達を……

 

『フハハハハ!王子だと?笑わせるでないわ!儂は貴様を息子などとは思っておらん!』

 

「王様の声だ!」「え、どこにいるの?」

 

 辺りに声が響く。でもどこから響いているのかが分からない。あの王様もレギオンに乗って…?いや、王様がわざわざこの部隊の誰かのレギオンに乗っているとは考えづらい。もし乗って来るんだとしたらそれはナイトウォーカーとだろう。それにこの声、どこか機械的というか、スピーカーで話しているかのような…?

 

『七年も行方を眩ませておいて、よくもおめおめと戻ってこれたものだ。貴様がアースランドでアニマを塞いで回っていたのは知っておるぞ?売国奴め!貴様は自分の国を売ったのだ!!』

 

「この声、どこから…?」

 

「まるで、地の底から聞こえてくるみたい…」

 

「おい!姿を現せ!」

 

「そーだそーだ!」

 

「あなたのアニマ計画は失敗したんだ。もう戦う意味などないだろう」

 

 その時、ある場所が光を放ち始める。王都ではなく、どこかコロシアムを思わせる廃墟の中央、その地面からだ。

 

『意味?戦う意味だと?』

 

「なんだ、この音?いや、これは…!」

 

「魔力で大気が震えてるんだ!」

 

 世界全体が揺れているような感覚。エクシード達が僕達を掴んで飛んでくれている現状で地震はあり得ないから、ルーシィさんの言う通り大気が震えているとしか考えられない。…これほどの魔力を、初めて体感した。

 

『これは戦いではない。王に仇なす者への報復!一方的な殲滅!』

 

「何よあれ!?」「魔導兵器か!?」

 

 光る地面から徐々にせり出したそれは、一見銀色の卵のようにも見える。だが鎖で所々繋がれていて、まさしく封印されていた物が出現したって感じだ。恐らく王様はあの魔導兵器の中に入っているんだろう。

 

『儂の前に立ちはだかるつもりなら、たとえ貴様であろうと消してくれる!!跡形も無くなぁっ!!』

 

「父上…」

 

『父ではない。儂は、エドラスの王である!!そう、貴様をここで始末すればアースランドでアニマを防げる者はいなくなる!また巨大な魔水晶(ラクリマ)を作り上げ、エクシードを融合させることなど何度でもできるではないか!!』

 

「あれは…!」

 

 変形を繰り返し、やがてその姿はドラゴンを模しているような形となった。以前マグノリアで見たドラゴノイドを彷彿とさせるその姿、だがその魔力はドラゴノイドより遥かに上だ。ナツさんの魔力を増幅したドラゴノイドと、エドラス中の魔力を集めたあの魔導兵器では、比べようもないのが当然とも言える。

 

『フハハハハ!!王の力に、不可能はない!!王の力は、絶対なのだぁっ!!!』

 

 ただの叫び。それだけでさらに大気の震動を感じる。そして本能なのか、あいつに近づいてはならないと警告が鳴っているように感じる。

 

「おお…。あの姿、あの魔力…」

 

「ま、間違いない…」

 

「な、なんということじゃ…」

 

「あ、あれは…」

 

「ドロマ、アニム…」

 

 老エクシード組とクイーン・シャゴットが絶望するかのように口々に呟く。

 

「ドロマ・アニム、こっちの言葉で竜騎士の意味…!ドラゴンの強化装甲だと!?」

 

「ドラゴン…!」

 

「言われてみればそんな形…」

 

「強化装甲?」

 

「強化装甲って、何…?」

 

「対魔戦用魔水晶(ラクリマ)・ウィザードキャンセラーが外部からの魔法を全部無効化させちゃう、搭乗型の甲冑…!王様があの中で、ドロマ・アニムを操縦してるんだよう!」

 

 …魔導士用の初見殺しじゃん。そんなのに襲われたら魔導士には一溜まりもない…。

 

『我が兵達よ!エクシードを捕らえよ!!』

 

「はっ!」

 

「まずい、逃げるんだ!!」

 

「皆、散って!!何が何でも、生き延びることだけ考えて!!」

 

 先に魔水晶(ラクリマ)に変える武器の存在は伝えている。これだけでエクシード達も、一塊になって逃げるより、散開した方がいいということに気づいてくれるはずだ。

 

「逃がすな!追えーっ!!」

 

「マジカライズキャノン、充填完了!」

 

「させない!防御結界(ディフェンド)(トーテム)!!」

 

「何っ!?」

 

 あの武器は、どうやら充填するための時間が必要らしい。だったらその間に、全部ぶっ壊せばいい!

 

「皆さん、あの武器は充填している間を狙いましょう!」

 

「よし、エクシードを守るんだ!」

 

「うん、そうだね!…そういえばナツ、あんたこのレギオンに乗ってても酔わないけど…。乗り物酔いに効くトロイアでもかけてもらったの?」

 

「なぬっ!?こいつだって仲間みたいなもんだろ…!乗り物扱いすっか、フツー?引くわー」

 

「そ、そうね、ごめんなさい…。なんかこのやり取り、すっごい久々な感じ…」

 

「無駄話はともかく、あのデカブツはどうする?」

 

「無駄とか言うな!」

 

 …ナツさんたち、余裕そうだね?こっちはあのマジカライズキャノンとかいうのを壊してるんだからちょっとは手伝ってほしいんだけど。

 

「相手にするだけ無駄だよう。魔法が効かないんだから」

 

「躱しながら行くしかない!今のエクシードは無防備だ。俺達が守らないと!」

 

「よーし、行くぞ!」

 

「…話まとまったんなら手伝って下さい」

 

 ちょっとジト目気味に言ってしまったけど、僕は悪くないと思う。途中から会話に夢中になりすぎです。ちゃんと手を動かして、ホントに僕だけが疲れるから。

 

「わ、わりぃ…!氷造形(アイスメイク)槍騎兵(ランス)!」

 

星の大河(エトワールフルーグ)!!」

 

 レギピョンが移動を始め、辻斬りに近い形で兵士が持っている武器を破壊、もしくは強奪していく。それに加えて、防御結界(ディフェンド)を小さく大量に作り出し、放たれたエネルギー弾にぶつける。こうすればエクシード達の身代わりとなってくれるから。これで逃げ切れるといいけど…

 

『躱しながら?守る?クハハハハハッ!!人間は一人として逃がさん!!全員この場で塵にしてくれる!!消えろっ!!!』

 

「防御…っ!」

 

 レギピョンに向かってピンポイントに放たれたドロマ・アニムの口撃。それはやや低空を飛んだ瞬間に狙われたこともあり、あっという間にすぐ目の前へと迫って来た。結界を展開しようとした瞬間、ミストガンと彼が乗っている白いレギオンが庇うように目の前に現れた。

 

「ミストガン!」

 

『ミストガン…?それがアースランドでの貴様の名前か、ジェラール?』

 

「……ぐっ!エルザ!今のうちに行け!!」

 

「しかし…「行くんだ!!」…!」

 

 あのドロマ・アニムという兵器、思っていたよりも威力が高い。このままではミストガンは撃ち落されてしまうだろう。だが、ミストガンには小さい頃に僕らを守る為に使ったあの魔法がある!

 

「三重魔法陣・鏡水!!」

 

『何!?撥ね返した!?』

 

 ミストガンの目の前に三つの魔法陣が現れる。するとドロマ・アニムから放たれた一撃がその魔法陣に触れた途端に真逆の方向、つまりドロマ・アニムへと反射される。自分の攻撃をそのまま撥ね返す魔法。これなら少しはダメージがあるはず…

 

「やったか!」

 

 …グレイさん、フラグ回収されちゃうよそれ。強敵相手にそれを言ってしまうと必ずその敵は無事ってフラグ。

 

「すごい…!これがミストガン」

 

『クハハッ!チクチクするわ!』

 

 ほらぁ…。元々漫画なんだから仕方ないのかもしれないけど、そういうフラグは止めてホントに。現実となった今ではフラグを恨んでしまいそうなレベルになっている気がする。……意外と余裕あるな、僕。

 

「傷一つねぇぞ!」「あれが…!」

 

『そう、これがウィザードキャンセラーの力!魔導士ごときがいくら足掻こうと、ドロマ・アニムには効かん!』

 

 再びドロマ・アニムから攻撃が放たれる。さっきの口撃よりも広範囲を攻撃するように放たれた光線は、ミストガンの方へと伸びていく。でもこれくらいなら…!?

 

「うわああっ!!」

 

「ミストガン!!」

 

 ミストガンへと直撃した…!?いや、それよりも今のは、どういうことだ!?今、気づきにくかったけれど確かにミストガンはわざと攻撃を食らった…。小さくジャンプして自分から当たりに行ったように見えた。証拠に彼が乗っていたレギオンには攻撃は当たっていない。自分だけが当たるようにしたとしか思えない。でも、何の為に…?

 

 そのままミストガンは重力に従い地上へと落下していった。

 

「王子!!」

 

「黒猫!!」

 

 その後を追ってリリーがミストガンの元へと向かった。…今は考えていたって仕方ない。理由なんか後で聞けばいいんだ。全員無事に帰ればそんなこといくらでも聞けるんだから。

 

『クハーハッハッハッ!!貴様には地を這う姿が似合っておるぞ。そのまま地上で野垂れ死ぬがいいわ!!』

 

 まずい。ミストガンを撃墜したことで士気が上がったのか、兵士達の攻撃でエクシード達が徐々にその姿を魔水晶(ラクリマ)へと変えられ始めている。あのドロマ・アニムの攻撃もエクシード達を魔水晶(ラクリマ)に変えることが出来るようだ。しかも威力が高いのか、僕の結界など無かったみたいに…!

 

「くそっ!あれを躱しながら戦うのは無理だ!」

 

「レギピョン頑張って!」

 

「でも、どうすればいいの?」

 

「ルーシィが囮になればいいと思います」

 

「鬼~っ!」「猫です!」「ほら、話の腰を折らないの!」

 

 段々あのどんな状況でもいつもの調子でいられることが羨ましく思えてきました。

 

と、次の瞬間。

 

『な、何!?』

 

 ドロマ・アニムの背中部分から突然爆発が起こり。

 

『ぬおっ!?』

 

 続けざまに強烈な一撃をもらったかのようにバランスを崩し始める。

 

「天竜の…咆哮!!」

 

「ぬうっ……!貴様らはっ!」

 

 ドロマ・アニムが見つめる方向には、三人。

 

「やるじゃねぇか、ウェンディ」

 

「いいえ、二人の攻撃の方がダメージとしては有効です」

 

「どっかのバカ女と同じだな。ドラゴンの誇りを汚しやがる」

 

 ナツさんとガジルさん、そしてウェンディ。三人の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)

 

「ナツ!」「ウェンディ!」「ガジル!」

 

ハッピーとシャルル、ルーシィさんがそれぞれの名前を呼ぶ。

 

「行け。猫たちを守るんだ」

 

「……そっちは任せたぞ!」

 

「でも、あんなの相手に三人で大丈夫なの?」

 

「問題ねぇさ。相手はドラゴン、倒せるのはあいつらだけだ。ドラゴン狩りの魔導士―――滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)!」

 

「…ウェンディ!!」

 

「…!うん!」

 

 ウェンディに向けて両手でガッツポーズをつくる。頑張れ、ウェンディ…!僕らは、エクシード達を守りに向かった。

 

 正直に言って、ナツさんたちの加勢に行きたい。でも、六魔将軍(オラシオンセイス)との戦い。ゼロと戦うナツさんの加勢に行こうとした時と一緒だ。アースランドのジェラールに諭された時と一緒だ。……信じてるよ、ナツさん。ガジルさん。ウェンディ。

 

 

 

 

 




うん、前も書いたことあるような気がしますが、キャラ多いと喋ってることが多くて書きづらいですね…。こうやってアニメを見返しながら書いていると、このキャラここでこんなこと言ってたんだとか気づくことが結構ある。
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