FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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間に合った!けど短い!




第38話  守る意思

 ナツさんとザンクロウの戦闘後、僕はザンクロウを浮遊結界(バルーン)に乗せて浮上させ、水晶結界(クリスタル)をいくつか浮遊結界(バルーン)に突き刺す。水晶結界(クリスタル)の優秀だと思うところは操作性だ。例えばただ飛ばして攻撃する際、軌道を途中で変えることが出来る。その特徴を利用すれば、浮遊結界(バルーン)と併用して好きな方向に運ぶことも可能だ。

 

 それを利用して、ザンクロウを海へ捨てることにした。目を覚ましたらまた襲ってくるかもしれないから。防御結界(ディフェンド)以外はあまり離れすぎると強制的に解除されてしまうので(と言っても天狼島の中なら大丈夫だと思うけど)、それまでに目覚めなければ溺死するかもしれない…という話をウェンディにしたら。

 

「敵だから、しょうがないんだよね……」

 

 と、落ち込んでしまった。甘いと言われるかもしれないけれど…正直僕もそれはさすがにやり過ぎかなと思ったので、ザンクロウを包み込むように防御結界(ディフェンド)を展開させておく。これなら目を覚ますまでは大丈夫だろうし、もし海底で目を覚ますことになってもこの人の魔力なら炎を噴射させて海上まで行けるだろう。水圧とか諸々他に問題があるかもしれないけど、そう思うことにした。ウェンディは気づいてないみたいだし。

 

 で、ザンクロウを海の方へと輸送した後、ウェンディがナツさんとマスターの治療を再開したのだが、なぜかナツさんに治癒魔法をかけても効果が見られない。僕も聖結界(ホーリー)を使ってみたけど同じく効果なし。その様子を見たマスターが、ナツさんへの治癒魔法を黒くなったマフラーが阻害している、と言っていた。それで、試しにマフラーに魔法を使ったら少しずつだけど黒から灰色に近づいた。

 

「そもそも、ナツのマフラーはなんで黒くなったのかしら」

 

「さあ…ハッピーがいたら分かったかもしれないけど」

 

 本当に、ハッピーはどこに行ってしまったのだろう?今回の試験でパートナーだったんだから、ずっと一緒にいるものかと思っていたけど…もしかして、崖の上でザンクロウと戦闘になってはぐれた?

 

「探した方がいいかもね」

 

「だったら一度、ベースキャンプへ向かった方がいいのではないか?ハッピーももしかしたら戻っているかもしれん」

 

「そうね…どこかで二人を休ませた方がいいわ。特にマスターはね」

 

「じゃあ、二人を浮遊結界(バルーン)に乗せよう。ウェンディも乗って治療を続けてて。あ、譲渡結界(ランブル)もちゃんと食べながら、無理しないように」

 

「うん、分かってる」

 

「本当に、無茶しちゃ駄目よ」

 

「大丈夫だよ、シャルル」

 

 というわけで、ウェンディとナツさんとマスターを浮遊結界(バルーン)に乗せて森の中を進んでいく。上空を飛んだ方が敵に見つかることもないかとも思ったけど、今の天気は快晴に近い。さすがにそんな中を黄色い結界が飛んでいたらバレるんじゃないかということで却下した。マスターもさっき気を失ってしまったようだし、安静第一だ。

 

 ベースキャンプは、さっき僕たちがアズマに奇襲を受けた崖の近くの森の中にある。今、ベースキャンプには…ミラさんとリサーナさんがいたはず。僕たちがザンクロウと戦闘している間に向こうでも遭遇してしまっているかも…急がなければ。最悪の場合、ベースキャンプ以外に休める場所を探しておいた方がいいか。

 

「ゴーシュ、ベースキャンプはこっちでいいのか?」

 

「うん。この上にあるはずなんだけど…」

 

 やっぱり岩壁がある。方角的には合っているはずだから、これを登らないといけないんだけど…

 

「このまま登るのは危険かもしれないわね。上に敵がいたら的にされるわ」

 

「だね…どうしようか」

 

 相手が下っ端の軍勢だったら問題ないけど、もしまた煉獄の七眷属みたいな奴らがいたらと思うと、これ以上マスター達を危険な目に遭わせるわけにはいかない。

 

「俺が見てこよう」

 

「私も行くわ。ゴーシュは三人を守ってて」

 

「……分かった。二人とも、無茶はしないようにね」

 

「気をつけてね、シャルル、リリー!」

 

 今はマスター達を早く安全な場所に運び、休ませることが最優先。サッと見た感じ、近くに登れそうな所もない。ここは、二人に頼むしかない。

 

「…ウェンディ、ナツさんの方は僕がやるよ」

 

「え?」

 

聖結界(ホーリー)でもマフラーは治せる。ウェンディはマスターの方を任せて良い?」

 

「…ありがと。じゃあ、お願いするね」

 

「了解」

 

 これまでずっとウェンディは、マスターへの治療とナツさんのマフラーの修復を同時に行っていた。マスターの怪我は僕ではどうしようもないけれど、少しでもウェンディの負担を減らしてあげたい。ただでさえウェンディは無茶するし。

 

 僕たちを包むように防御結界(ディフェンド)円蓋(ドーム)を展開しておいて、僕もマフラーの修復へと取りかかる。二人が戻ってくる頃には終わるかな?

 

 

 

 数十分後、リリーとシャルルが戻ってきたので崖の上へと移動し、森の中へと進んでいく。ハッピーが崖下の木に引っかかっているのを二人が上空から戻ってきた時に発見した。気絶していたようだけど、特に大きな怪我はなかった。ただ少し焦げたような火傷があったので、ザンクロウとの戦闘に巻き込まれたのは間違いないだろう。無事で良かった……勝手にどっか行っちゃったけど。

 

 ナツさんが崖の上に登るって時に目を覚まして、なんかよく分からないけどガルナ島で会った敵?の匂いがしたとかでどこかに走って行っちゃって…ハッピーもすぐ目覚めたから、そっちは任せることにした。確かに気になるのかもしれないけれど、今じゃなくても…って言おうとしたらもう姿が見えなくなっていた。

 

とにかく、マスターを休めることを最優先として行動することにした。そして、ようやくベースキャンプに到着した僕たちが目にしたものは…爆撃によって出来た戦闘の跡だった。

 

「…ゴーシュ、これって」

 

「うん……あのアズマって奴の攻撃の跡だ」

 

 植物が爆発したような痕跡もある。これだけの戦闘があって、よくベースキャンプが無事だったと思う。

 

「ミラさん!リサーナさん!」

 

「ミラさんまでやられるなんて……」

 

「ゴーシュ、ウェンディ……!」

 

 やっぱり、アズマは強すぎる…奴に対抗できるのは、エルザさんかギルダーツさんくらいでは…?いや、確かギルダーツさんは先に帰ったって言っていたから、エルザさんだけか…?

 

「ひどい怪我…早く治療しないと!」

 

「待ってウェンディ!一旦休まないと!」

 

「でも……!」

 

「疲弊し切っていたら、治療に時間がかかりすぎる。少し休憩してからでも、十分間に合うよ」

 

 確かにマスターもミラさんも深手を負っているけれど…二人とも、今すぐどうこうってなるわけじゃない。マスターだってここまでずっと治療してきたおかげで、大分容態も落ち着いたように見える。ミラさんはマスターほどではないし、このままじゃウェンディが倒れてしまう。

 

「マスター……!?」

 

「リサーナさんは、大丈夫ですか?」

 

「う、うん……私は、ミラ姉が守ってくれたから……」

 

 リサーナさんも休まないとまずい…軽傷だけど、痛々しく思えるほどボロボロだ。もしも今、敵に襲われたら…

 

「ウェンディもリサーナさんも、一度休んで下さい。僕がここを死守しますから」

 

「そんな、ゴーシュだって疲れてるのに…」

 

「……私は大丈夫。ウェンディは休んでて」

 

「駄目です!軽傷とはいえ、一度休んでいて下さい。僕はまだそこまで消耗してないから、二人は少しでも回復しておいて下さい…また、敵が襲ってくるかもしれないので」

 

 譲渡結界(ランブル)を入れた袋を投げ渡し、術式を書く準備に入る。フリードさんほど早くは書けないけれど、時間をかけてでもここを守る為の術式を書いておけば少しは安心できる。二人もシャルルやリリーの説得でようやく休んでくれる気になったようだ。

 

 ここの守備がある程度終わったら…一度、他の皆を捜索した方がいいかもしれない。今回の敵はあまりにも強大だ。他にも負傷してる仲間がいるかも…探索でシャルルやリリーはずっと飛びっぱなしだから、あの二人も魔力を消耗しているだろう…だったら。

 

 もうこれ以上、ギルドの皆を傷つけさせない。僕が全部、守ってみせる…!

 

 

 

 




今回は繋ぎの話って感じになってしまいました。

今年の7月に始まったこの小説を読んで下さっている皆様、本当にありがとうございます!リクエストなんかも下さった方もいて、参考にさせて頂いたものもすでにいくつか登場していますが、こんなの出してほしい!っていうのがあったら活動報告のコメントでも感想でもメッセでもなんでもOKですので、気軽に送っちゃって下さい(^^)作者が知っている原作であれば、出しやすさが1.5倍になりますw


てなわけで、来年もまたよろしくお願い致します!皆様、良いお年を!
次回はちょっと期間が空いてしまうかもしれません…

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