FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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第42話  瓦解の危機

「…どうしたんですか?」

 

「…あっちの方から、攻撃されたのよ。結界で弾かれたけど、その攻撃、見覚えがあるの…多分、ガジルが戦った奴ら」

 

 レビィさんが僕の問いに答えてくれた。その方向を見ると、なんか…ドロッとした透明な液体と黄色い液体…というか、卵に見える。なんで卵…?

 

「…随分ふざけた攻撃ですね」

 

「でも、あのガジルをここまで追い込んだ奴らよ」

 

「それと、東洋の立体文字(ソリッドスクリプト)を使っていた魔導士もいたはずなんだけど…」

 

 レビィさんがそう言った瞬間、別の方向から何か飛んでくるのが見えた。その何かは設置してあった術式と、その先にあった五重に張ってあった防御結界(ディフェンド)の、一番外枠の結界を打ち消した。

 

「結界が…!」

 

「術式までも打ち消すとは…」

 

「今言った奴の攻撃だよ!」

 

「敵の数が二人だけなら、手分けして戦うか?」

 

「でも、ここで誰かが怪我してる皆を守っていないと!」

 

 いや、まだ敵が二人とは限らない。これだけ人数がいるのだから、ここは役割を分担して戦うべきだろう。

 

「よし、俺とフリードで敵を倒しに行くぜ」

 

「それが得策だろう。まだどこに敵が潜んでいるか分からん、他の者は守備を頼む」

 

「私も行くわよ!」

 

「エバ、お前は手負いだ。今は休んでいろ…エルフマン、お前もだ」

 

 動き出そうとしていたエバーグリーンさんとエルフマンさんを、フリードさんが窘める。

 

「私たちは行ってもいいよね?相手の魔法知ってるの、私だけだし」

 

「私だって、まだ戦えるもん!」

 

「しかし…」

 

 そう言って、レビィさんとリサーナさんがフリードさんへと詰め寄る。これは…早くしないと、またあの結界や術式を無効化してしまう攻撃が来てしまう。

 

「防御は僕に任せて下さい。もう少しすればエルフマンさんとエバーグリーンさんの怪我をウェンディが治してくれるはずなので、それまでは守り切ってみせますよ」

 

「…そうか」

 

「それじゃ、早速…!」

 

「いや、リサーナは残ってくれ。レビィとゴーシュに来てもらう」

 

「え…?」

 

「なんで!?」

 

「上手くいけば、すぐに敵を倒すことが出来る。この作戦には二人の力が必要なんだ」

 

「なるほど、ゴーシュが離れたら守る奴がいなくなっちまうな。ほれ、行くぞ」

 

「ちょっ、もう少し詳しく…!?」

 

 フリードさんの言う作戦を詳しく聞く前に、僕はビッグスローさんに引きずられる形で連れて行かれた。その後ろにフリードさんとレビィさんが続く。リサーナさんはまだふて腐れていた。

 

 

 

 やがて、敵の二人の姿が見えてきた。一人は武者のような姿をしているが、角のような物が頭に二本生えている。そしてもう一人は鶏のような姿で、もはや人とは思えない。もしかするとモンスターの一種…なわけないか。とはいえ、もう少しまともな格好は出来ないのかな…

 

「お前らか、うちのベースキャンプに攻撃してきた奴は?」

 

「フッフッフ…その通りナリ!」

 

 武者の方がそう答える。うん、あれだけでキャラ作ってるのが分かる。そして、手負いの人達を襲うってだけで…性根が腐っている。

 

「では頼むぞ、ゴーシュ」

 

「了解」

 

 奴らへと一歩ずつ近づいていく。それに合わせて敵も警戒するが、それもお構いなしに歩を進める。

 

「ぺぺぺ…これでも食らうペロ!ヘビーエッグレイン!」

 

防御結界(ディフェンド)(ウォール)!」

 

 鶏の方が上に向かって口から沢山の卵を乱射し、それが僕に向かって降り注ぐ。が、結界によってその攻撃は無駄に終わった。それを見て武者の方が反応を示す。

 

「む…奴があの魔法の使い手か!ならば…轟!」

 

 武者が手をこちらに向けながらそう叫んだ、が。

 

「…な、何と!?」

 

「バリオンフォーメーション!」

 

 後ろにいたビッグスローさんの周囲に浮いていた五体の人形が円を作るように配置され、人形達が回転を始める。その中心に魔力が収束され、ビームが発射された。

 

「ど、どうしたペロ!?」

 

「魔法が…ぐはぁっ!?」

 

 武者の方にビームが直撃し、大きく後方へと吹っ飛ばされる。それに気をとられている鶏の前にはフリードさんが距離を詰めている。

 

「闇の文字(エクリテュール)・絶影!」

 

「ペロ~……!!」

 

 自身を強化したフリードさんの一撃で鶏が吹き飛ばされ、武者のすぐ横へと倒れ伏す。どうやら、今の一撃で鶏は気絶したようだ。武者の方も気絶こそしていないがあのビームをまともに食らってるんだ、立つのは不可能だろう。

 

「す、すごい…私とガジルが苦戦した相手をこんなあっさり…」

 

「ほんとですね…僕ら、いらないんじゃ…?」

 

「何を言っている?お前たち二人がいたから出来た作戦だぞ」

 

「ま、作戦勝ちってことだな」

 

 僕がレビィさんの魔法、立体文字(ソリッドスクリプト)に対して制限結界(リミット)を相手二人が見えた瞬間に発動する。そして他の結界を使えばあの打ち消す魔法の使い手が反応を示すだろうから、それをビッグスローさんが遠距離攻撃で倒す。上手くいったらそこから全員で残った方を倒す…っていう作戦だったんだけど、まさか一撃で倒してしまうとは。

 

 

「ぐ…お、おのれ……!!」

 

「よしゴーシュ、こいつらも結界使って島の外へ投げちまえよ」

 

「了解…」

 

 結界で二人囲い、そのままザンクロウを飛ばした時と同じ要領で浮かせる。一つ違うのは、フリードさんが結界の縁に合わせて魔法を少しの間使用出来なくしたことか。武者の方が途中で結界を打ち消したら意味ないし、立方体だから書きやすい。

 

「ま、まだだ!皆の衆、かかれーー!!」

 

「囲まれた!?」

 

 森の木々からゾロゾロと、悪魔の心臓(グリモアハート)の紋章のある鎧を着た人達が現れた。かなりの数がいるようだけど…今更、これくらいで手こずるわけにはいかない。

 

「フッフッフ!今この島にいる、悪魔の心臓(グリモアハート)全魔導士である!!」

 

「…ゴーシュ、今のうちに――――」

 

 突然、フリードさんの声が途切れる。それだけでなく、僕は足に力が入らなくなり膝をついてしまった。フリードさんも、ビッグスローさんも、レビィさんも同じような状態らしい。これは、一体…魔力が、吸い取られてる………?

 

「ち、力が…」

 

「入らねぇ……」

 

「目も…霞んで……」

 

「くそっ………!」

 

 まずい。今は戦闘中なんだ…!このまま魔力を失ってしまったら、周囲の敵にやられてしまう…こうなったら、残った全魔力を!

 

防御結界(ディフェンド)……円蓋(ドーム)!!…………あうっ」

 

「ゴーシュ…!」

 

 防御結界(ディフェンド)は、作り出すときに魔力量によって出現時間や大きさ、距離が変わる。出現時間というのは、魔力を込めれば込めるほど長い間出現させていられるということで、距離はどれだけ離れた場所に出現させることが可能か。魔力を込めたからといって、強度が増したりするわけではない。

 

「ぐっ…なぜだ!なぜ拙者達を囲う結界が消えぬ!?」

 

例えば、エドラスの時に合図代わりで使った小さな防御結界(ディフェンド)は、大きさに魔力を割かずに出現時間と距離に魔力を注いだ物。自分の意思でオンオフも出来るけど、それ以外…破壊される場合はこの魔力量の分配が重要となる。そして、この魔力量というのが出現させた瞬間の自分の魔力量(・・・・・・・・・・・・・・)を指している。何が言いたいかというと、これで僕が魔力切れになってしまっても僕たち全員を守ることは出来るということだ。

 

 今作った円蓋(ドーム)は、出現時間をメインに据えている。ベースキャンプにある結界や、あの武者と鶏を囲んでいるのもそうだ。この謎の脱力現象が何かは分からないけど…敵の魔導士軍団は平然としているから、敵からの攻撃か、もしくは敵によって何か特殊な現象を引き起こされているかだ。そしてこれがもし天狼島にいる妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバー全員に起こっているのだとすれば、その敵というのは煉獄の七眷属だろう…でなければ、これほどの広範囲に影響を及ぼせるとは考えにくい。つまり…誰かがその敵を倒してくれることを信じて、待つしかない。

 

「三人とも…意味があるか、分かりませんが……譲渡結界(ランブル)を」

 

「わ、分かったけど……ゴーシュも、食べておかないと…!」

 

「魔力欠乏症になっちまったら……ウェンディでも、きっと治せねぇぞ…!」

 

「とにかく、全員回復に専念するんだ……!ゴーシュが作った時間を、無駄に出来ん…!」

 

 確かに、魔力欠乏症は魔導士にとっては致命的なもの。ウェンディが治療したり譲渡結界(ランブル)を全部食べたとしても、もうこれ以上戦闘には参加できなくなってしまうだろう。それは困るので、レビィさんに僕の腰についているポーチから譲渡結界(ランブル)の入った袋を取り出してもらい、一つを口の中に放り込んでもらう。

 

 今は、仲間を信じるんだ…誰か分からないけど、きっと、チャンスはやってくる…!!

 

 

 








後半説明みたいになってしまった…


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