FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

43 / 96
第43話  逆転

「おい、いつまで時間かかってんだ!」

 

「もっと強力な魔法弾持って来い!」

 

 敵の攻撃がずっと続いているが、僕の結界が破られる気配はない。これくらいの攻撃なら、まだ時間は稼げるだろう。ただ…この結界を作った時の僕の魔力がどれだけ残っていたのかが分からないのが不安だ。それに譲渡結界(ランブル)を食べても魔力が回復しないということは、譲渡結界(ランブル)による自然回復作用よりも魔力吸収の方が上回っているということ。十分の一の魔力量じゃすぐにまたなくなっちゃうし……このままでは、誰も動くこともままならない。

 

「ねぇ、このままじゃ…」

 

「誰か動ける奴、いねぇのかよ…」

 

「くっ………!全員、伏せろ!」

 

 フリードさんの声で全員がその場で伏せると、攻撃が頭上を掠めた。その攻撃は、さっきまで僕らが戦っていた相手…あの武者のものだったことに気づく。なんで、あの武者が攻撃出来るんだ…!?

 

「フリードさん……術式は…」

 

「…どうやら、解除されてしまったらしい。敵に解除魔導士(ディスペラー)がいるんだろう」

 

 解除魔導士(ディスペラー)…確か、封印や罠などを解除する魔法を扱う魔導士のこと、だったか。その魔法で武者達を捕らえている防御結界(ディフェンド)に書かれている術式を取り払ったことで脱出出来たということか。だから、またあの立体文字(ソリッドスクリプト)で結界を無効化されてしまった。

 

「フッフッフ…さっきはよくもやってくれたな!貴様らの命、もらい受けるぞ!!」

 

「させ、るか……!!」

 

 ただ立とうとしただけなのに、意識が遠のきそうになる。やっぱり魔力が吸われているのか…それでも、仲間を傷つけさせないぞ…絶対に!

 

「ゴーシュ、無茶だよ…!」

 

「くそっ、ベイビー達を動かせれば……!」

 

「ハッハッハ!よく立ち上がった!ならば貴様から始末してやるとしよう!」

 

 何とか立ち上がった僕に対して、武者が攻撃態勢に入る。それを見て、結界を出した時にレビィさんにとってもらった譲渡結界(ランブル)を一つ口に入れる。

 

「ゴーシュ…逃げろ!」

 

「もう遅いわ!斬!!」

 

 飛んできた攻撃を、僕は両手を伸ばして受け止めた(・・・・・)

 

「何!?」

 

「うわっ…!」

 

 よし、成功した!十分の一でも魔力が回復すれば一瞬だけ防御結界(ディフェンド)を出して一撃くらいは防げるんじゃないかと思ったけど、上手くいって良かった……威力殺しきれなくて尻餅ついたけど。

 

「!?」

 

「な、なんだ!?」

 

「あの光って…?」

 

 天狼樹がある方から、巨大な炎のような光が迸る。これは…ナツさん?いや、ナツさんの炎とも違うような気が…っていうか、天狼樹がない…?今まで何処にいても見えた巨大な天狼樹が、なくなっている。いつからだ…?

 

 

 

 

「ええい、静まれ!こうなれば…皆の者、一斉攻撃!!」

 

 

 

「まずっ………!!」

 

 

 

 しまった、囲まれた…!まだ、まだ何か手はないのか…!!

 

 

 

「ぐあっ!!」

 

「!?」

 

 敵の一人が、突然吹っ飛ばされた…!?

 

「…!皆!!」

 

「魔力が…!」

 

「戻ってきたぜ!!」

 

 本当だ…魔力が戻ってきている。さっきの光と関係が…?いや、とにかくだ。魔力さえ戻れば!

 

「これまでの分、お返ししてやるぜ!ラインフォーメーション!!」

 

「闇の文字(エクリテュール)・絶影!」

 

 フリードさんとビッグスローさんが敵を次々となぎ倒していく。よし、この間に武者を!

 

制限結界(リミット)!!」

 

「そうはさせん!轟!!」

 

「それはこっちのセリフ!静寂(サイレント)!!」

 

 レビィさんと武者の立体文字(ソリッドスクリプト)がぶつかり合い、真逆の効果を持つ二つの文字は互いを打ち消し合った。レビィさん、ナイス!またあいつを制限結界(リミット)の中に入れることが出来た!

 

「何と!?また同じ手に…!」

 

「レビィさん!」

 

「もう中に入ったよ!」

 

「よっしゃ、今度は俺が仕留めてやるぜ!!バリオンフォーメーション!!」

 

「ぐわぁぁ!!」

 

 武者はビームに飲み込まれ、意識を失った。

 

 

 

「あ、帰ってきた!」

 

 近い場所で戦っていたからそこまで遠くなかったのに、ようやく帰ってきたって感じがする。

 

「皆、大丈夫だった?さっき魔力が…」

 

「こっちは大丈夫だ。マスターたちは?」

 

「もう大丈夫です。さっきは危なかったですけど、容態は安定しました」

 

 ウェンディがテントの中から出てきた。良かった…。魔力が吸収される現象はどうやら妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバー全員に起こったらしい。フリードさんとビッグスローさんの話によると、天狼樹には妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章を持つ者を加護する力があるんだとか。そして、その天狼樹が倒されてしまったことによって反対の効果が出たのかもしれない、らしい。どうして天狼樹が倒れたままなのにその現象が無くなったのか分からないけど…

 

「ゴーシュ…」

 

「えっと…ただいま」

 

「無茶しなかった?」

 

「結構危なかったけど、大丈夫だったよ」

 

 まあ、結構賭けに近いこともした気がするけど。

 

「…本当に?」

 

「信用無いなぁ…」

 

「仕方ないじゃない、あんたが無茶しないことの方が珍しいし」

 

「シャルルまで…そういえば、誰か目を覚ました人いる?」

 

「?ううん、まだ誰も…なんで?」

 

やっぱり違うか…光が収まった直後の、敵が一斉攻撃しようとした時に吹っ飛ばされた人がいたから、残った痕跡を見て誰かの援護かとも思ったんだけど…

 

「僕らが戦っている時に、誰かが助けてくれたみたいなんだ。これが手がかりなんだけど…」

 

「これは…?」

 

「鉄球…かしら」

 

 敵を全員で空に飛ばした後に、この鉄球が地面に落ちていることに気がついた。

 

「ガジルさんかと思ったけど、鉄球を飛ばす魔法なんて見たことないし…」

 

「そもそも目覚めてないもの」

 

「誰だろうね…」

 

「おーい、皆ー!!」

 

 その時、聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

 

 




ようやく今まで考えていた設定が固まってきました!

あと、先日少しの間ですがお気に入り登録者数が200になっていたことにビックリしました。今後ともよろしくお願い致します!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。