なので、多分ですがこれから更新頻度も増していく、はずです。
後書きにお知らせがあるので、本編後にご一読下さい。
「妖精に尻尾はあるのか無いのか。永遠の謎、故に永遠の冒険…ギルドの名の由来はそんな感じであったかな」
僕が作り上げた結界がいくつも消え、エルザさんの金剛の鎧やグレイさんの氷の盾すらも罅が入っている。その時…ハデスの乱射攻撃が止まった。
「ナツ…!」
「おう!!」
「ルーシィ…いけるか」
「任せて、エルザ!」
「ウェンディ…
「うん…!」
まだ、僕たちは戦える。どれだけ絶望的だったとしても…絶対に、倒すんだ…!皆でギルドに、帰る為に……!
「…汝らの冒険はここで終わりだ」
「そんなこと、有り得ない……!!」
「汝を最初に仕留めるとするか、童子よ……バン!!」
「ぐっ……!?」
「ゴーシュ…!!」
「あの野郎……!」
一回攻撃を止めたのは、また魔力を込めた一撃を与える為か…!エルザさんとグレイさんが前に出て守ってくれているのに、鎧と氷の盾の間を正確に打ち抜いて僕の結界を破壊してきた…僕はその弾をまともに食らってしまう。痛みに蹲ってしまい、次の瞬間左腕に衝撃を受けたことに気づくのが遅れる。
「ふん」
「ゴーシュ!!」
ナツさんが手を伸ばしていたが、僕は掴めずにハデスの足下へと鎖で引っ張られてしまった。ハデスはうつ伏せに転がった僕の頭を踏みつける。
「メイビスの遺志が私に託され、私の意志がマカロフに託された…しかしそれこそが間違いであった。マカロフはギルドを変えた」
「変えて何が悪い!!ぐっ…!」
「くそっ…!!」
「きゃあっ…!」
「ナツ、さん…皆……!」
勢いよく飛び出したナツさんを、ハデスは鎖で繋ぎ僕のすぐ横へと叩きつけた。さらにハデスは後方の皆にも先程の魔力弾で攻撃を行う。僕の結界が全て消え去り、グレイさんやエルザさんも魔法を維持出来なくなる。ルーシィさんやウェンディも反撃する隙を見つけられていない。
「魔法に日の光を当てすぎた」
「それが、俺たちの
「喧しい、小鬼よ」
「ぐあっ!」
「ナツ……!!」
この至近距離で、ナツさんを撃った……!このままじゃ、ナツさんが持たな―――
「恨むなら、マカロフを恨めよ」
「やめっ……!!」
「マカロフのせいで、汝は苦しみながら死ぬのだ」
「よせっ……!!」
「ひぐっ……うぅっ………」
「やめ、ろ……!!」
これ以上、仲間を……攻撃させて、たまるか……!!
「ほう、立ち上がろうとするだけの力はあるか。あの研究者の元で何をされたのか知らぬが、随分と感情的になったものだ」
「感情、的……?」
「以前の汝ならば、感情を露わにすること自体稀であった。それが戦闘中であろうとな」
昔の僕…ウェンディやジェラールと出会う前の僕。僕がこの世界に生まれたのは、この男の具現のアークで作られた特殊な門が原因だってラスティローズが言っていた…。その頃の記憶もなく、ダフネと一緒にいたという話も現実味がない。
「おい、どういうことだ……」
「…?」
「ゴーシュのこと、知ってるの……?」
そうだ、皆にはまだちゃんと説明すらしていないんだった…!
「この童子のことも知らぬのか…汝は知っておるのではないのか?」
「…僕も、七眷属のラスティローズって人から少し聞いただけです。昔の記憶は全くありません」
「なるほど…では、改めて説明してやろう。汝は私が生み出した存在…具現のアークという魔法によって生を受けた存在だ」
「そんな……」
「ゴーシュが、生み出された存在…?」
…そう明確に言われると心にくるものがあるけど、それ以上に皆が心配だ。明らかに、ハデスはこっちを揺さぶろうとしている。魔法の力は心の力…マスターの話といい、僕らを試そうとしているように思える。
「生まれた頃は兵士達との戦闘訓練をさせていた。ある時、竜を研究している者との取引にてこの童子を引き渡したのだ。それ以降はどうなったのかは知らぬが…何かしら実験をされているのだろう。汝らも先程感じたであろう、あの魔力を」
先程……ウェンディが消されそうになった時か。あのすぐ後の記憶が曖昧だから間違いないだろう。
つまり、僕はダフネによって何らかの実験の被験体にされていたと思っていいってことか…そして、さっきはウェンディを失ったという精神的ダメージによって暴走し、それが引き起こされそうになった、と。そういうことなんだろう。
正直、どうして僕がこの世界に生まれたのかは分かっていなかったし、前世の記憶を持ったままだったことから普通とは違う人生ではないかとは考えていた。だからあまりショックは受けていない、と思う…考えるのを後回しにしているだけかもしれないが。
「実験……そんなこと、どうでもいい」
「何?」
「僕が誰に生み出されたとか、実験されたとか、どうでもいい…!僕の名は、ゴーシュ=ガードナー…
「ゴーシュ…!」
「…なるほど。随分と威勢が良くなったようだ」
「ぐっ……」
立ち上がろうとしていたが、思いっきり踏む力を込められてまたうつ伏せに戻されてしまった…
「へっ、今の
「汝もか、小鬼よ」
さっきまで倒れたままだったナツさんが、また立ち上がった。けど、どう見てもフラフラだ…くそ、どうにか…ならないのか!
「お前は…じっちゃんの、敵だ……!!そう、だよな…ゴーシュ」
「…!はいっ……!この人は、僕達の大切な仲間を……家族を、傷つけた…倒す、相手です…!それ以外の感情は…ありません!!」
ナツさんはきっと、自分の生みの親とも言える相手に戦う覚悟はあるのかを尋ねてきているんだと思った。そして、僕は断言した。ようやく本当の意味で、
「もう良い。消えよ」
指先の光が一段と増した…さっきまでの、僕に撃ち込んできたレベルの比じゃない……!このままじゃ、ナツさんが…何とか、結界を…!!
「止めてーーーーーーーっ!!!」
ルーシィさんの叫びが響いたその時。
船に、雷が落ちた。
辺りは、光に包まれる。
「こいつがジジイの敵か…ナツ」
「ラクサス…!」
「小僧…!?」
「…ふんっ!!」
光が収まると…ハデスとナツさんの間に、金髪の男が立っていた。
「ラクサス……」
「ラクサスが、来てくれた…!」
「この人がマスターの…」
「………」
「此奴…マカロフの血族か」
ラクサスさんの体には、電気が迸っている。聞いた話だと、確か滅竜魔法の
「ふっ…情けねぇな。揃いも揃ってボロ雑巾みてぇな格好しやがって」
「…だな!」
…てっきり、ナツさんのことだから怒るかと思ったけど。ナツさんは笑いながらそう答えた。
「なぜ、お前がここに…」
「先代の墓参りだよ…これでも元
収穫祭の時のバトル・オブ・フェアリーテイルでナツさんとガジルさんが共闘して見事撃退されて(ナツさんとガジルさんは認めていないんだとか)、マスターに破門されてしまったって聞いたけど。破門されてるのに聖地に入ったらマスター怒りそうだなぁ…
「俺はメイビスの墓参りに来たつもりだったんだがな…こいつは驚いた。二代目さんがおられるとは…折角だから墓を作って、拝んでやるとするか…!」
…怖っ。あのハデス相手にそこまで言い切るなんて…。S級魔導士だから強いのは知ってるけど、この殺気…こっちまで萎縮してしまいそうになった。
「ふっ、やれやれ…小僧にこんな思い上がった親族がいたとはな」
ラクサスさんの魔力とハデスの魔力がぶつかり合っている。僕たちは、ただ息を呑んで見守ることしか出来ないけど…ふと思った。
僕、こんな至近距離にいて大丈夫なんだろうか…?今僕は、ナツさんよりもハデスに近い場所…というか、さっきまでハデスに頭を踏まれていたわけで…ラクサスさんのほぼ足下に転がっている状態だった。
「…おい」
「は、はい!」
「投げるぞ」
「えっ」
次の瞬間、いつの間にか僕は投げられていた。何をされたのか分からなかった…そのまま、僕はナツさんの後ろの方へと転がっていく。
「ゴーシュ、大丈夫!?」
「だ、大丈夫…加減してくれたみたい」
ただ投げられただけなんだけど…多分、雷を纏ったスピードでやられただろうから、上手く加減か何かしてくれていなかったらきっと、投げられた方向の壁に激突しているだろう。
「っていうか…」
「うん…動きが、見えない」
ナツさん達は見えているのだろうか…僕とウェンディが初見だから目が慣れていないだけ?ラクサスさんの動きが止まった時しか見えないし、それ以外の移動中とかはただ電気が走っているだけにしか見えない。
でも、ラクサスさんが現状押しているのは分かった。と言っても、ハデスがまだ様子見しているだけなのかもしれないけれど。
「ふむ、中々の身のこなしにその魔力…小僧め、ギルダーツ以外にもまだこんな駒を持っておったか」
「ハッ、前にジジイが言ってたっけな…強ぇ奴と戦うとき、相手の強さは関係ない。立ち向かうことの方が大事だってな…だよなぁ、ナツ」
「ラクサス…」
「下らんな…弱者の言い訳に聞こえるぞ。準備運動はもう良いだろう?かかってこい、小童!」
「面白ぇ…!」
ラクサスさんが口から雷を放ち、ハデスはそれを避けながら鎖をラクサスさんに目がけて放った…が、それをラクサスさんは容易く躱す。鎖はラクサスさんの背後にあった巨大な地球儀のようなオブジェへと接続され、ハデスはそのままラクサスさんに当たるように操るがそれすらも躱していく。
「ちょ…嫌な予感がするんですけど……!」
「ルーシィさん!」
鎖は外れているようだが、勢いのついた巨大な球体が僕らの方へと転がってくる。が、結界を出そうにも魔力がなく…球体の転がる軌道上にいたルーシィさんの腕を掴み引き寄せる。
「あ、ありがと~」
「どういたしまして…っ!ラクサスさん!」
「え…!?」
ラクサスさんがハデスの作り出した魔法陣に囲まれていた。これは…今までで、一番強い攻撃…!
「散れぇい!!」
「しまっ―――」
「うっ…くっ!」
「うわあっ…!」
あまりの威力に僕らは吹っ飛ばされてしまう。な、なんて威力だ…!余波で壁まで吹っ飛ばされるなんて…思いっきり左肩ぶつけてしまった。こんなのまともに食らったら…
「これを食らった者は四肢の力を失い、まともに動くことは不可能。たとえ防いだとしても、その魔力の消耗は致命的…ぐわっ!」
ラクサスさんが雷を纏いながら飛び出し、軌道を変えながらハデスの背後へ回り込み蹴りを入れた。あれを躱したのか…!
「すげぇ…!」
「こんなに強かったのか…」
「今の威力で片足分だ。まだもう片方もある、両手もある…頭もあれば全身もある!全部一撃に込めたら何倍どころじゃねぇ……試してみるか?」
「言うわ!若さ故の自信か!魔の領域において必要な物は、若さとは違うのだよ!若さとは!!」
「ぬかせ!!」
ラクサスさんが、一歩も引かない…!それどころか、ハデスと互角に渡り合っているなんて…!こんな相手を、ナツさんとガジルさんはどうやって倒したんだろう……?
「…!ゴーシュ、それ!」
「え?…あ」
ルーシィさんに言われて気づいたけど、左腕、というか肩から大量に血が出ていた。さっき吹っ飛ばされたときか…?そして気づいたことで、痛みがやって来る…!あれ、なんか、どこかに強くぶつけたとかハデスの銃弾にやられたとか、そんな感じじゃ無い…?
「ウェンディ、ちょっといい!?」
「あ、はい!どうしたんですか…って、ゴーシュ!?」
「さっき気づいたの…治せる?」
「任せて下さい!」
「いや、ウェンディ、魔力はいざって時に…!」
「それが今だよ!!こんな大怪我じゃ、戦うのも難しいでしょ!」
「ウェンディの言う通りよ。今はラクサスが戦ってくれているから、少しでも治療してもらいなさい」
「は、はい……」
確かにこれだけ血が出ていたら貧血になるし…仕方ないか。でも、いつの間に…?やっぱり、さっきラクサスさんがハデスの技を食らった余波で吹っ飛ばされた時だろうか…これだけ血が出ていたらさすがに気づくだろうし…くそ、こんなよく分からない怪我でウェンディの魔力を消耗させてしまうのかと思うと…
「あれ…?」
「どうしたの?」
「この傷…何か変です」
「変って…」
「何か鋭利な刃物で切りつけられたような…」
やっぱり。痛み方?が、そんな感じの痛みだったからおかしいと思った…でも、余計に謎だ。そんな攻撃、食らってないし…打ち付けたけど、どっかに引っかけたとかもないし…何でだ?
「ウェンディ、よく分からないけど止血だけ頼むよ。後は服千切って包帯代わりにしておくから」
「わ、分かった!」
「鋭利な刃物なんて…ゴーシュ、心当たりは?」
「全くないですね…いつの間に出来たんだか」
「そう…誰かの魔法かしら」
時間差で効果を発揮する魔法か…あり得る、か?そんな魔法があっても不思議じゃ無いけど…今は考えていても仕方が無いな。
「…うん、終わったよ!」
「ありがとう、ウェンディ」
「そうだ、ラクサスは…!」
ラクサスさんの方を見てみると、ハデスはまだ立っていたけれど、ラクサスさんが片膝をついていた。
「くっ…」
「おやおや、どうしたね。大口を叩いた割には膝をつくのが早すぎるではないか」
「ラクサス!!」
「あいつまさか…!」
「さっきの魔法、食らってたんだ…!」
四肢が動かなくなる、とか言っていたか…あれだけの威力の魔法を食らって、身体をまともに動かせなくなっていたのにあれだけの戦闘を…
「ク、ククク……世界ってのは、本当に広い。こんなバケもんみてぇな奴がいるとは…俺も、まだまだ―――」
「何言ってんだーーっ!!」
「しっかりしろよ、ラクサス!!」
「やってくれたのう、ラクサスとやら。だがそれもここまで…汝はもう消えよ!!」
「立て!ラクサス!!」
ラクサスさんに向かって、ハデスは巨大な魔力の塊を放った。だが、ラクサスさんは動く気配がない。
「俺はよ…もう、
「避けて!!」
「それを食らったらダメです!!」
「ラクサスーーー!!」
「くそ、くそ……結界を、何とか…!!」
魔力が残っていないのも分かってる……けど!無理矢理にでも、魔力を……!じゃないと、ラクサスさんが…!!
「ジジイをやられたら…………怒っても良いんだよな…?」
「!」
「当たり前だーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ラクサスさんから雷が溢れ出し、雷光が視界を埋め尽くす。
光が収まると同時……ラクサスさんが、倒れる瞬間を目にした。
「ラクサスーーーっ!!!」
ラクサスさんがいた所の床が抉られ、その中に力なくラクサスさんが落ちていく。が、その表情は。
「俺の……奢りだ…………ナツ」
ラクサスさんがそう呟いたのが聞こえた。その時、ナツさんから魔力を感じた。…炎ではなく、雷を纏っていた。
「えっ…!?」
「ナツさん…?」
「帯電…?」
「俺の…全魔力だ」
「何…!?」
「自分の魔力を、ナツに…?」
「ってことは…」
「雷、食べちゃったの…?前はそれで寝込んじゃったって聞いたけど…」
くっ…結局、結界を出せなかった。自分の無力さが腹立たしい…!
「なんで…俺に………俺は、ラクサスより……弱ぇ」
「強ぇか弱ぇかじゃねぇだろ…傷つけられたのは誰だ?ギルドの紋章を刻んだ奴がやらねぇでどうする…!ギルドが受けた痛みはギルドが返せ…百倍でな!!」
「…っ!!ああ………百倍返しだ!!!」
「炎と雷の融合……!」
「雷炎竜……!」
ここに今、二つの滅竜魔法を併せ持った魔導士が生まれた。
前書きで言っていた通り、皆さんにお知らせが一つ。
実は他のアニメとクロスオーバーさせようとしています。ほとんど設定が出来上がっておりますので、そういうのが嫌な方はこの天狼島編までで読むことを止めた方がいいかもしれません。すでに伏線も入れてるので、ここからクロスオーバーを避けようとするのは厳しいです。因みにこれ以上はクロスオーバーするつもりはありません。話もそっちの原作に行くわけではなく、FAIRYTAILの世界で続けていきます。これってネタバレになるのかな…?まあ、これぐらいなら大丈夫ってことで。
予想がついている人にはもう分かっているかもしれませんね…次の投稿時にタグを追加しておきます。
以上、お知らせでした。近日中に更新します!