FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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今回から大魔闘演武編が始まります!

本当は7日に投稿したかった…!しかし間に合わないことが分かって諦めました(T_T)

今度一気に書き溜めでもしようかな、とも思ったんですが…そうすると今から一ヶ月以上空いちゃうかもしれないし、以前書き溜め出来ていたのは初投稿前に既にニルヴァーナ編の終わり辺りまで書いていたからであって、リアルの状況もかなり違うので…

結局はこのままのペースで、もしくは更新頻度を少し早めようくらいの気持ちで頑張っていこうと思います!



大魔闘演武編
第73話  そして俺達は頂上を目指す


「ゴーシュ、朝だよー」

 

「……ん………んん…」

 

 朝の日差しと僕を呼ぶ声に抗って、寝ている間に蹴っ飛ばしてしまった布団をかけ直し二度寝の姿勢に入る。このままならまだ寝直すことも出来るだろう…とボーッとした頭で考えていると、僕のいる部屋の扉が開く音がした。

 

「ゴーシュ、起きて」

 

「…もう、ちょっとだけ……」

 

「もう…さっきも同じ事言ってたよ?今日は早く出かけるんだから、もう起きないと遅れちゃうよ」

 

「んー……んじゃ予定変更するから…それなら……」

 

「いいから、ほーらっ!」

 

 毛布を外されて外側の空気に晒されたことで、僕はできる限り体を丸める。しかし既に頭がクリアになってきている為、寝惚けながら体を起こす。

 

「おはよ、ゴーシュ」

 

「…ん……おはよ…」

 

「もう朝ご飯出来てるから、早く顔洗ってきてね」

 

「あい……分かった…」

 

 ウェンディはクスッと笑った後、部屋を出て行った。とりあえずパジャマのままではどうしようもないので、まずは着替えをする。

 

 そして最後に、いつも頭の上にあるデジヴァイスを着ける為にいつも置いている場所に手を伸ばして…デジヴァイスがないことに気づいた。

 

「…あー、そうだった」

 

 別に盗まれたとかそういうことではない。昨日の夜、イーロンとロメオがデジモン達とも特訓したいからと言ってきたんで、デジヴァイスをイーロンに預けたんだった。進化は僕じゃないと出来ないけれど、まあ成長期で特訓すること自体は可能だし…今日の朝にギルドで返してくれるって言ってたし。しかし最近はずっと頭の上に着けていたから、何だか落ち着かないなぁ…。

 

 ないものは仕方が無いので、とりあえず居間の方へ向かう。既にシャルルは朝食のトーストと好物のダージリンティーで朝の一時を楽しんでいるようだ。

 

「おはよう、シャルル」

 

「ええ、おはよう。急がないと朝ご飯食べる時間、無くなるわよ」

 

「…?まだそんな時間じゃ――」

 

 壁掛け時計を確認すると、出発予定時刻まで20分くらいしか無い。あれ…そんな寝てた?

 

「私、何度も起こしたからね?」

 

「あはは…ごめん」

 

「いいから早くしなさい。朝食抜きになるわよ」

 

 とにかく急いで準備しよう。腹が空いては戦は出来ぬ…朝食抜きで出かけるのは御免だ。

 

 

 

 昨日、ナツさんとマックスさんがバトルした。マックスさんが七年間何もしていなかったわけじゃないと言ってナツさんを煽ったから始まったんだけど、まさかのナツさんの攻撃がマックスさんに防がれ、反対にマックスさんの攻撃が徐々にナツさんの体力を徐々に削っていくという、殆ど一方的な展開だった。最後にナツさんがモード雷炎竜を使いパワーで圧倒したことで勝利したんだけど、それもナツさんの魔力を殆ど持っていった為実戦ではあまり使えない手だ。

 

 で、七年のブランクを手っ取り早く埋める方法はないかと考えた結果、僕らはマグノリアの近くの森に住んでいる薬剤師、ポーリュシカさんを訪ねた。勿論そんな都合の良い薬なんてあるわけもなく、ポーリュシカさんの人間嫌いもあって速攻で追い出された。

 

その後どうするかと話し合っていた時、ウェンディがポーリュシカさんのことを知っていると言う。匂いも、声もウェンディのお母さん…天竜グランディーネと同じらしい。話し方や雰囲気は全然違うらしいけど。グランディーネは優しいっていつも言っていたし。

 

 で、ポーリュシカさんがエドラスのグランディーネであることを本人が語ってくれた。そしてウェンディはポーリュシカさんがグランディーネから預かっていた魔導書を受け取り、滅竜奥義のヒントを得ることが出来た。

 

 

 

「うーん…」

 

「ウェンディ、少し休憩したら?」

 

「うん、もうちょっと…」

 

 今、ウェンディはずっと魔導書と格闘中だ。結構な分厚さだし内容もビッシリなので時間はかかるのは仕方が無いけれど、かれこれ二時間くらい読み続けているとさすがに不安になる。三ヶ月で強くならないといけないから急ぐ気持ちは分かるけど。

 

 

 

 話を戻すけど、ウェンディが魔導書を受け取ってギルドに戻るとマスターがある発表をしていた。それは、マスターを引退するという話だった。かなり高齢で、元々次のマスターを選ばなければとは思っていたらしい。そして、五代目マスターとして選ばれたのはギルダーツさんだった…姿は見せなかったけど。

 

 ギルダーツさんは手紙だけを残して旅立ったらしく、手紙にはギルドマスターとしての仕事が二つだけ書かれていた。一つはラクサスさんを正式にギルドに復帰させること、もう一つは六代目をマカロフ氏に任命するということだった。マスターを辞退した理由は、性に合わないからだって。

 

 手紙の最後に、帰ってきた頃には妖精の尻尾(フェアリーテイル)がまたフィオーレ一のギルドになっていることを願うと締め括られ、それを聞いてロメオがあることを提案した。それが三ヶ月後に開催されるフィオーレ一の魔導士ギルドを決める大会、大魔闘演武への参加だった。勿論天狼組はそれに賛成、それ以外のメンバーと六代目は反対だったけど優勝賞金が三千万Jであることを知ったことで六代目は参加を即決。こうして僕達は優勝を目指しいくつかのグループに分かれて各地で特訓することになった。

 

 

 

 で、僕とウェンディ、シャルル、ロメオ、イーロン、ミッシェルさん、キナナさん、レビィさんの計八人は浮遊結界(バルーン)に乗ってある場所へと向かっていた。そこは世界図書館と呼ばれていて、先日の無限時計の部品集めの際にウェンディ達が向かった場所だ。そこには魔導書が山のように保管されていて、強くなる為、新たな魔法を習得するつもりだ…多分、約一名は別の目的もあるだろうけど。魔導書をいくつか拝借した後、ドルガモンにキナナさんをギルドまで送ってもらって、他はナツさん達と合流して貰う予定だ。

 

「ここが、世界図書館…」

 

「すっげぇ本の数…」

 

「探すだけでも一苦労ッスね…」

 

 塔の壁に沿って置かれた大量の本。外からでもかなりの高さがあることは分かっていたが、一番下からだと天井が見えない。それに何だか埃っぽい…ずっと放置されている証拠だろう。

 

「じゃあここからは自由行動、午後にはナツさん達に合流したいのでそのつもりでお願いします」

 

「よっしゃ、上まで行ってみようぜ!」

 

「あ、俺も天辺まで行ってみるッス!兄貴達は?」

 

「僕は下から見ていこうかな」

 

「私達も下からで良いよね?」

 

「ええ、ウェンディに任せるわ」

 

 話し合った結果。ロメオとイーロン、ミッシェルさん、レビィさんはまず上の方へ登っていって、ウェンディと僕、シャルル、キナナさんは下の方から順に回っていくことになった。

 

「三人はどんな魔導書が欲しいの?」

 

「私はこの魔導書が難しい言葉で書かれているので、参考書みたいなのがないかなって」

 

「私は目についた物を貰っていくつもり。いつまでも(エーラ)だけじゃ力不足なのは否めないわ」

 

 何か結界魔法について書かれている魔導書とか、滅竜魔法とか魔水晶(ラクリマ)について書かれている魔導書が欲しいな…それか、魔法辞典的な物でも良いな。それなら結界で再現出来るだろうから。

 

「僕は探すの一杯あるので、とりあえず全部見て回ろうかと思います」

 

「そうなんだ…じゃあちゃんと決まってないのは私だけかぁ」

 

「やっぱりキナナさんも魔導士になるんですか?」

 

「…うん。今まで踏ん切りがつかなかったけど、最近決めたんだ」

 

 そう話しているキナナさんは、どこか遠くを見つめているように見える。今のギルドは財政難だから、魔導士が増えて働き手が増えるのは良いことだ。出来るなら使い勝手の良い魔法が良いだろうけど…こういうのは魔法と使い手の相性が重要だ。つまりキナナさん自身の感性に合った魔法を習得してもらうのが一番だ。

 

「ウェンディ、ここら辺じゃない?魔導書の用語辞典とかもあるよ」

 

「あ、ホントだ!」

 

「じゃあ私達はここにいるわ」

 

「あれ、シャルルも上に行かなくていいの?」

 

「いいのよ、私はそこまで急いでないから」

 

「まぁ…ウェンディ一人だと危ないかもだから、シャルルに任せるよ」

 

 最近は少なくなったけど、たまーにドジするからな…今回だったら本棚の本を崩すとか、そういうのありそう。

 

「え?それどういうこと?」

 

「アンタは気にしなくて良いの。それより、目的の本が見つかったら私の方を手伝ってくれる?」

 

「あ、うん。分かった」

 

「じゃあ僕ら上に行きますか」

 

「ええ」

 

 本棚を眺めながら、螺旋状の階段を上へ上へと登っていく。イーロン達は先に上に行くって言っていたから、真ん中の吹き抜けを浮遊結界(バルーン)で登って貰ったけど…これどこまで続いているんだろう?多分まだ半分も登っていないような気がする。

 

「それにしても、魔導書ってこんなに沢山あるのね」

 

「でも古そうなのが殆どですね…ここまでの道も獣道同然だったし、ここに来る人ってもういないんでしょうか?」

 

「そうかもね…シャルルも言ってたけど、本当に勿体ないね」

 

 こういう場所って評議員では関与しないのかな…これだけの魔導書、ヤバそうな魔法とかもありそうなのに。

 

「まあ、だからこうやって魔導書を拝借しに来れるんですけど…あれ?キナナさん?」

 

 隣を歩いていたキナナさんの姿が見当たらず、後ろを振り返ると本棚をジッと見つめていた。

 

「気になったの、ありました?」

 

「あ、うん…これなんだけど」

 

 キナナさんが一冊の本を取り出し、僕はそれを受け取って中身を読み始める。因みに、ここに来ている人は風詠みの眼鏡をレビィさんから借りている。風詠みの眼鏡とは、本を読むスピードが何倍にもなる魔法の眼鏡だ。品質によってスピードが違うけど、レビィさんの持っているのは大体16~32倍と高性能なので、多少分厚い物でも数分で読破出来る。

 

「この魔法って…」

 

「どうしたの?」

 

「いや…この魔法の使い手にちょっと心当たりが」

 

「本当!?どんな人?」

 

 あ、しまった。これ正直に言って大丈夫なんだろうか…これの使い手が犯罪者(・・・)だって知ったらショックなんじゃないかな…よし、言葉を濁すことにしよう。

 

「知ってるには知ってるんですけど…僕も今どこにいるのかまでは知りません」

 

「そっか…ちょっと残念」

 

「キナナさんはこの魔法、覚えたいんですか?」

 

「うーん…もうちょっと探してみようかな。ただ本当に少し気になっただけだから」

 

「そうですか」

 

 良かった、深く聞かれなくて…僕って分かりやすいらしいから気をつけないと。

 

 

 

 何とか午前中の内に目当ての魔導書を全員が探し出すことが出来たようで、僕も新しい結界魔法のヒントになりそうな物を見つけることが出来た。この後ナツさん達の三ヶ月間の合宿に参加する予定だったから、リュックはそれなりに大きい物を持ってきている。だから魔導書も各自荷物に入れることが出来たんだけど…レビィさんは少し多すぎたようだ。っていうか一人だけ修行と関係無い物が多すぎた。

 

「じゃあ私はギルドに戻るわ。皆、頑張ってね」

 

「ああ!」

 

「はいッス!」

 

「キナナさんもお気をつけて!」

 

「それじゃドルガモン、任せたよ」

 

「ああ!」

 

 ドルガモンとキナナさんがギルドの方角へと飛び立ったのを見送り、僕らもユニモンの後ろの浮遊結界(バルーン)に乗り込む。ここからアカネビーチへと向かい海合宿が開始されるわけだけど…ナツさん達、ちゃんと特訓してるのかな?今向こうにいるメンバーだと、ツッコミがルーシィさんしかいないから暴走したら大変かも。

 

 とにかく、これから三ヶ月間でどれだけ強くなれるか…出来る準備はした。あとはどれだけ修行できるかだ。

 

「ゴーシュ」

 

「ん?」

 

「私、もっと強くなるから。ゴーシュの、ナツさん達の力になれるように」

 

「俺達だって負けないぜ、ウェンディ姉」

 

「今は弱くても、この三ヶ月で追い上げてみせるッス!」

 

「私も…ギルドの一員として、頑張るわ」

 

「ミッシェルは十分強いんじゃない?」

 

「そんなことないわ、今の私じゃきっと足手まといだもの…もっと姉さんや皆の役に立ちたいの」

 

僕だって、大魔闘演武までに覚えておきたい結界もある。魔水晶(ラクリマ)も使いこなせるようにしたいし、覚えたい魔法だってある。デジモン達だって、まだ成熟期までしかなれない…言い換えれば、もっと彼らも強くなれる。

 

「目指すは大魔闘演武優勝か…大変だけど、妖精の尻尾(僕ら)なら絶対出来ます。皆で力を合わせて、他のギルドの人達に見せつけてやりましょう…家族の絆の強さを」

 

正直時間が足りるかどうか分からないが、頑張ろう。大魔闘演武で出てくる一夜さん達やジュラさん達は勿論、剣咬の虎(セイバートゥース)ともまともに戦えるように…そして今後の敵から家族や仲間達を守り抜けるように。

 

 

 

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