FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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お気に入り数が増えて嬉しかったけど、評価が下がってしまって落ち込んだ今日この頃…これからも頑張ります。


第75話  修行開始

 海合宿二日目。今日からは本格的な修行に入る為、僕らはそれぞれ別行動をとることにした。ロメオはナツさんと、イーロンはエルザさんとそれぞれ修行に入り、レビィさんとウェンディとシャルルは魔導書の解読を始めた。ロメオとイーロンは先に自身の強化から入ったようだ。デジモン達も僕の修行だと飽きるだろうということで、グレイさんとジュビアさんが模擬戦の相手をしてくれることになった。今頃彼らは人目を気にしなくて済む海の上で頑張っていることだろう。

 

「ルーシィさん、よろしくお願いします」

 

「ええ!って言っても、あたしもカプリコーンに見て貰うんだけどね」

 

 そして僕はルーシィさんと一緒に魔力の総量を上げる修行をすることにした。魔力が高ければ高いほど、より強力な結界魔法を使えるようになる。最初の一ヶ月は魔力の底上げを重視して、残りの二ヶ月で新しい結界の発案と習得、そして滅竜魔法のコントロールを平行して行っていこうと思う。

 

「魔力の器そのものを底上げするには、精神を鍛えるのです」

 

「精神を鍛える…」

 

「大地を、風を、気を肌で感じるのです。そして自然と一体化するように呼吸を整えて下さい」

 

「分かりました」

 

 ルーシィさんと同じように座禅を組み、目を閉じて集中する。大地の温度、風の流れ、周囲の気配…そして大気中の魔力を感じ取り、僕の中の魔力を周囲の魔力に馴染ませるように意識してみる。

 

「その調子です、ルーシィ様。ゴーシュ様はもう少し肩の力を抜いて下さい」

 

カプリコーンさんの指示通り、深呼吸をして余分な力を抜く。……少しずつ、僕の周囲に魔力の流れが生まれているのが分かる。

 

「お二人とも、魔力をもう少し解放して下さい」

 

「ん……くっ!」

 

「……!?うわっ!」

 

 ルーシィさんは魔力解放を維持させる事が出来ず、僕は自分の魔力の流れが突然変化した(・・・・・・)ことによって乱れ、少し後ろへと弾かれる。

 

「今のは…」

 

「ハァ、ハァ…キッツ~…」

 

「いてて…」

 

 何だろう、今のは…途中までは安定していたのに、魔力を少し強くした途端に乱れてしまった。

 

「カプリコーンさん、今のって…」

 

「…恐らく、ゴーシュ様の体内にあるという魔水晶(ラクリマ)が原因でしょう。魔力を解放させようとすると魔水晶(ラクリマ)も反応してしまうようです」

 

 なるほど…つまり魔力底上げの修行をするには魔水晶(ラクリマ)を完全に自分の物としてからじゃないといけないわけか。

 

「大丈夫?ゴーシュ君」

 

 ルーシィさんの付き添いでずっと傍で僕らの修行を魔導書片手に見ていたミッシェルさんが、僕に手を差し伸べてくれた。

 

「ありがとうございます…あ、そうだ!ミッシェルさん、僕と手合わせしてくれませんか?」

 

「私と?」

 

「戦いながらの方が早く魔水晶(ラクリマ)をコントロール出来ると思うんです。ミッシェルさんも、戦ってみたら感覚的に何か分かるかもしれませんし」

 

「確かに…そういうことなら、分かったわ」

 

 というわけで、ルーシィさんとカプリコーンさんから距離を取ってから模擬戦を行うことにした。早速魔水晶(ラクリマ)の魔力を発動させ、両手の皮膚を緑色の鱗へと変化させる…うん、まだ見慣れないな。自分の手とは思えない。あれから少しは使いこなせるよう特訓してはいたけど、まだ変化させることが出来るのは両手両足が限度だ。

 

 それから、ミッシェルさんにも変化があった。あの戦いの後、ミッシェルさんが今どんな状態かをマスターやレビィさんと調べてみたらしいんだけど、どうやらミッシェルさんの中にある魔力はあの時マスターから預かった分だけ。こうして擬人化しているだけでも魔力を少しずつ使うので、ミッシェルさんの魔力総量は減り続けていることになる。そこで、ミッシェルさんは大気に流れている魔力を取り込む魔法を習得することにした…まあこれは魔導士なら出来ていることなんだけど、魔法を一から覚えようとする人の為の、謂わば初心者用の魔法なのでミッシェルさんなら数日でマスター出来るだろう。

 

話が脱線したけど、ミッシェルさんがこうして戦闘服に着替えるのは無限時計の一件以来初めてのことだったので、今目の前で起こった変化に少し戸惑っていた。

 

「ミッシェル、服が…!」

 

「これは…」

 

 ミッシェルさんの今の姿は、これまでの戦闘服の色違い。黒い薔薇ではなく、薔薇の赤と植物の緑を思い浮かべる色になっていた。これも妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドマークを刻まれた影響かもしれない。戦闘時に装備していた剣と盾も色が変わってはいるものの、使い方は同じようだ。ミッシェルさんも簡単に動かして確認しているから間違いない。

 

「準備は良いですか?」

 

「ええ、問題ないわ!先手はどうぞ!」

 

「それじゃ、遠慮無く!」

 

 両足も緑色の鱗に変化し、脚力を上昇させてから思いっきり踏み込む。その最初の一歩でミッシェルさんの懐まで飛び込んだ僕は、右手で引っ掻くように攻撃する。

 

 ミッシェルさんは盾を使って僕の攻撃を防ぐ。その後も僕は立て続けに攻撃していくけれど、剣と盾で防いだり躱したり…僕の攻撃はミッシェルさんには一切当たらない。でも、ミッシェルさんも攻撃に転じることは出来ないはずだ。

 

「……」

 

「…!」

 

 僕の連続攻撃に耐えかねたのか、ミッシェルさんは大きく後ろへと後退する…けど、今の僕の脚力なら!

 

「そこっ!」

 

「甘い!」

 

「なっ…くっ!?」

 

 そうだ、あの盾って鞭のように使えるんだった…!僕が一歩踏み出した瞬間、横から盾による攻撃を与えられて体勢を崩されてしまう。

 

「しま――――」

 

 何とか体勢を整えた時には既に遅く、すぐ目の前までミッシェルさんの剣があった。どうやら寸止めしてくれたらしい。

 

「…負けました」

 

「…ゴーシュ君、どう?」

 

「うーん…まだ調整は出来ないですね。たまに力が強すぎて飛びすぎてしまうし、腕の方も少し力を弱めすぎたみたいですし」

 

 加減が上手くいっていない…まあ、模擬戦とはいえ初めての戦闘でこれだけ動ければ上出来か。

 

「もう一回、良いですか?」

 

「ええ、勿論」

 

 

 

「じゃあ、早速…あ、もしもの時は僕を気絶させるくらいのつもりでお願いします」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「それじゃ…行きますよ!」

 

 

 

 今度は部分的にではなく、全身を変化させる。レビィさんとこの魔水晶(ラクリマ)を封じようとした時は、全身緑色の肌になっていたって後から聞いた。それがこの魔水晶(ラクリマ)の魔力をフルで使った状態だ。つまり、その状態でも意識を飛ばさず且つ自由自在に魔力をコントロールすることが出来れば良い。

 

 

 

「ちょ…ゴーシュ、本気!?」

 

 

 

「…姉さん、もう少し離れて!」

 

 

 

「ぐ、ううウ…!」

 

 

 

 しかし…これは賭けだ。あの時のような暴走を起こす可能性が高く…今まではそれが怖くて、全力で発動させることは躊躇していた。でも今は、僕よりも強く人間の急所を当てることが出来るミッシェルさんがいる。ミッシェルさんなら一撃で僕を気絶させることも出来るだろう。

 

 

 

 でも……これ以上、仲間を傷つけたくない。この一回で、絶対に成功させる!

 

 

 

「はぁぁぁアアァァぁぁぁっ…!!」

 

 

 

「全身が…!」

 

 

 

 全身が緑色の肌に変化し、髪が逆立つ。僕を包む魔力はどんどん高まっていって、僕の意識は何度も飲み込まれそうになるがギリギリで耐え続ける。

 

 

 

「ゴーシュ様、先程の修行と同じです!魔力に抗うのではなく、自身の魔力と合わせるのです!」

 

 

 

 …!そうか、確かに僕は意識を持って行かれないようにコントロールしようとしていた。でも、そうじゃないんだ…この魔力も僕の魔力なんだ。支配下に置くんじゃない、僕の体で共存させるんだ…!

 

 全身の力を抜き、ただ魔水晶(ラクリマ)から発せられる魔力を感じ取る。そして段々と僕の全身を駆け巡っているような魔力の流れが生まれているのが分かり、溢れ出ていた魔力が体に定着していった。

 

 

 

「これって、もしかして…!」

 

 

 

「…ええ、もう大丈夫」

 

 

 

「……ありがとうございました、三人とも。これで、僕はもっと強くなれる」

 

 

 

 こうして、僕は魔水晶(ラクリマ)を扱えるようになった。

 

「やったね、ゴーシュ!」

 

「はい!あの、ミッシェルさん」

 

「こっちは準備出来てるわ。いつでもどうぞ」

 

 ミッシェルさんが先程と同じように戦闘態勢に入った。どうやらまた先手を譲ってくれるらしい。

 

「ありがとうございます。では…行きます!」

 

 僕も先程と同じようにミッシェルさんに一気に接近して攻撃しようとした…んだけど。

 

「え―――」

 

「きゃっ!」

 

 先程とは段違いの身体能力で、僕は加減することが出来ずにミッシェルさんに突撃してしまった。

 

「ちょっと二人とも、大丈夫!?」

 

「…どうやら、自由に発現出来るようになったようですがコントロールはまだのようですね」

 

「いたた…ご、ごめんなさい!大丈夫ですか、ミッシェルさん?」

 

「え、ええ。でも驚いたわ、凄い身体能力ね」

 

「確かに、横から見てても全然見えなかった…それ使いこなすのは大変ね」

 

「しばらくは自主練ですね…」

 

 まだまだ使いこなすには時間がかかりそうだ…でも、思っていたよりも早く制御出来るようになれたから、これからは魔力の底上げや新しい結界魔法の習得も問題なく出来るぞ…!

 

「とりあえず退いたら?ゴーシュ」

 

「え?あ、すみません!」

 

「ふふ、ありがとう」

 

 ミッシェルさんを押倒している状況だということをルーシィさんに言われて気づいた僕は、魔水晶(ラクリマ)の魔力を抑えて元の状態へと戻して、急いで立ち上がりミッシェルさんに手を貸す。こんな所、ウェンディに見られたら大変だ…あらぬ誤解を受けそう。

 

「それじゃ、修行を再開しましょうか!」

 

「そうね、カプリコーンお願いね」

 

「お任せ下さい、ルーシィ様」

 

「姉さん、私も一緒にやって良いかしら?」

 

「勿論!」

 

「良いんですか、ミッシェルさん?効果無いかもしれませんよ?」

 

「ええ。何だか今ならうまくいきそうな気がするの」

 

 というわけで、僕達は魔力強化の修行を夕方まで続けた。そしてミッシェルさんは少しだけ魔力吸収の感覚を掴むことが出来たのだった。

 

 

 

 海合宿三日目。昨日の夜は一昨日のように誤って酒が出回ってしまうなんてことも無く、普通に食事も温泉も満喫させて貰った。格安の民宿って言っていたけれど、普通に料理は美味しかったと思う。それに結構開放的で、外の景色が部屋からでも一望できるから人気があってもおかしくない気がするけど…お客さんは僕ら以外殆ど見ない。多分開放的過ぎて虫が入ってくるとかそんな理由かな。僕も虫は嫌いだけど、結界とか術式使えば入ってこないし。

 

 現時刻はまだ朝日も顔を出していない頃。僕はデジヴァイスを持って海水浴場の端っこの、昨日の昼間に僕らが修行していた場所を目指していた。あそこはヤシの木がちらほらあって、人も殆ど来ないから隠れながら修行が出来る。変にデジモン達を見られて騒がれることもない。

 

「ふぁ~…」

 

「無理して来なくても良かったんだよ?」

 

「んーん、大丈夫…」

 

 ウェンディが目を擦りながらそう言った。まだ他の皆は起きていなかったから、こっそり抜け出そうと思ったんだけど…偶然ウェンディと鉢合わせて、修行に行くことを話したら一緒に行くから待ってるように言われ現在に至る。普段ならまだ僕達二人とも眠ってる時間だし、僕も正直眠い…朝ご飯までには戻ろうと思う。っていうかウェンディとシャルルが一緒にいないのって珍しい気がするな。

 

「そういえば、何でこんな時間に修行するの?人目につかないようにするなら昨日のグレイさん達みたいに海上でやれば良いんじゃない?」

 

「ああ、まだウェンディには言ってなかったっけ」

 

「?」

 

「実はデジヴァイスの中には、ドルモン達以外にもう一体(・・・・)いるんだ」

 

「へ…?確か、ドルモン達以外のデジモンって…」

 

「そう、この世界に迷い込んだっていうデジモン達。この前無限時計の部品を回収しに行った場所で見つけたんだけど…その子、ちょっと恥ずかしがり屋でさ。僕ら以外にはまだちゃんと会話出来ないくらいだから、誰もいないこの時間帯に様子を見ておきたくて」

 

 マリー=ヒューズとの戦闘でボロボロになったあの湖の中に住んでいたようで、戦闘後に伸びてました。デジヴァイスで回収した後、しばらくデジモン達に見て貰っていたんだけど…見事にパニック状態で落ち着いて貰うまで会話も出来なかった。最近になってようやく僕も会話させて貰えるようになって、そのデジモンの住んでいた場所が水の中ということで、海で伸び伸びさせてあげたいと思ったんだ。

 

「そうだったんだ…私ついてきて大丈夫だったかな?」

 

「多分大丈夫だよ。ナツさん達みたいに騒がしいのは苦手みたいだけどね…この辺でいいか」

 

 デジヴァイスを操作し、デジモン達を全員リアライズさせる。昨日の夜にちゃんとこの朝練のことを言っておいたはずなんだけどな…案の定プロットモンだけ寝てる。他の三体はちゃんと起きてるのにね。

 

 ウェンディは今まで見たことがなかったデジモンに目を向ける。ピンク色の貝殻のような体の中で、本体である緑色のスライムがこちらを涙目になりながら見ている。

 

「はじめまして、私はウェンディっていいます。あなたの名前は?」

 

「……………しゃ…シャコモン…です」

 

 シャコモンは成長期のデジモンで、図鑑によれば体内で生成される硬玉を撃ち込むブラックパールという必殺技があるらしい。このシャコモンというデジモンは可愛い顔で相手を誘い込み、近づいた相手に攻撃を加えるズルい奴、という説明がされているけれど…このシャコモンは人見知りで少しでも刺激したら貝殻を閉じてしまう。その点、ウェンディはシャコモンの性格が分かったのか優しく声をかけて落ち着かせようとしているようだ。シャコモンもそろそろ落ち着いて――

 

「ん…んん~!おはよーっ!」

 

 プロットモンの目覚めの声にビックリしたシャコモンが、ガチンッ!という音を鳴らした。台無しである。

 

「あれ、皆どうしたの?」

 

「いや…今のは仕方ないかな、うん」

 

 寝ていたのに空気読めとか言えないよね…さすがに可哀想だ。

 

「おーい、シャコモン。僕達は砂浜で修行しているから、海でリラックスしてきて良いよー。一時間くらいしたら戻って来てねー…よし、もう少し向こうへ行こう」

 

「え?でも…」

 

「一回貝殻を閉じちゃうとしばらくは開けてくれないんだ。声は聞こえてるはずだから、そっとしておこう」

 

 ウェンディはシャコモンを一度撫でてから僕らの後ろをついてくる。目視出来るギリギリの距離で足を止め、早速修行を始めることにした。今回は近接戦闘をメインに訓練するつもりだ…というのも、昨日の夕方に僕が魔水晶(ラクリマ)の魔力を使えるようになったと言う話をしたら、ナツさんにグレイさん、エルザさんまで僕に決闘という名の戦闘訓練を申し出てきたんだ。断ろうとしたけど、半ば強引に決められてしまい…こうして急遽対策をしなければいけなくなった。

 

 偶然だったけど、ウェンディについてきてもらえて良かった。今の彼女の攻撃方法は天竜の咆哮と天竜の翼撃のみだが、S級試験の一次試験でのエルザさんとの戦いの時は疑似的にとはいえ天竜の砕牙という近接攻撃も行っている。前世の知識も絡んでいると思うけど、ウェンディは鍛えれば接近戦の方が得意なんじゃないかと僕は考えている。そんな彼女と特訓出来れば、僕も近接戦闘のコツというか…何かを掴めるんじゃないかと思うんだ。

 

「それじゃ、デジモン達は全員進化してもらうとして…今回は近接戦闘の訓練だから、まずは一対一、ローテーションでやっていこう。全員が四回ずつ戦うことになるから、そのつもりで」

 

「ねぇねぇ、買ったら何かご褒美とかないの?」

 

 ああ、最近はそういうシステムにしてたっけ…トーナメントとか総当たり戦で模擬戦して、一位の人が好きな食べ物をプレゼントっていうルール。今回もそれで良いかな。

 

「それじゃ、一番勝ち星が多かった人がここら辺の海の家にあるもので食べたいものを買ってあげるよ」

 

「やったーっ!」

 

「今回は負けないよ!パタモン、プロットモン!」

 

「僕だって負けないからね~」

 

 うんうん、デジモン達は良い感じにモチベーションが上がってきているな。普通に修行するよりもやる気が違うんだよね。

 

「ウェンディもそれで良い?」

 

「えっと…何でも良いの?」

 

「え?うん、海の家にあるものならね」

 

「分かった…私も頑張るね」

 

 …気のせいかな、ウェンディのやる気の入り方がデジモン達以上な気がするんだけど。え、なんでそんなやる気満々なの?

 

「ほら、早速一戦目やろうよ!」

 

「あ、うん…それじゃ最初は…」

 

「はーい!私いっちばーん!」

 

「私も最初で良い?」

 

「わ、分かった…」

 

 というわけで、最初の組み合わせはブラックテイルモン対ウェンディ。ブラックテイルモンは身体能力がズバ抜けているから、ウェンディはかなり苦戦しそう。ひょっとしたら今の二人だと、ブラックテイルモンの圧勝かも知れない。

 

 

 

 

 

 

 ――――そう考えていたのが、三十秒くらい前の話。

 

 

 

「キュ~…」

 

 

 

「ふぅ…」

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 一撃。たった一撃でブラックテイルモンは倒されてしまった。今、何が起こったんだ…?

 

 

 

「ゴーシュ、次は?」

 

 

 

「あ、え、えっと…じゃあ――」

 

 

 

 その後、ユニモンとドルガモンが一対一で戦ったが…どちらも同じく一撃でノックアウト。そして僕は、ウェンディが何をしているのか全然見えなかった。

 

 

 

 ――――このままじゃ、やられる。

 

 

 

「ハァァッ!!」

 

 

 

 魔水晶(ラクリマ)の魔力を全開させる。身体能力が格段に上がったこの状態なら…!

 

 

 

「うおおおおっ!!」

 

 

 

「――ふっ!」

 

 

 

 

 

 

 数時間後。僕はある海の家へと続いている行列に並んでいた。どうやら、ウェンディはこのアカネビーチにある海の家の中でも、女性に絶大な人気を誇るスイーツを食べたかったらしく、その思いが力に変わってあんな惨劇になったのだ。

 

 この海の家の人気スイーツは、開店から僅か数分で売り切れるらしい。なので僕も開店まで何時間も前の早朝から並び始めたというのに…人数を見る限り、ギリギリ買えるかどうかというラインだ。中には無理だと諦め、行列から抜ける人も後ろの方で何人かいた。それでも並ぶ人は後を絶たないが。

 

 因みに分かっているとは思うが…デジモン達も僕も再起不能によってウェンディが優勝である。僕は腹部を思いっきり殴られた為、朝食は食べずにデジヴァイスをウェンディに預けて行列に参加することになった…今後、ウェンディを怒らせることがないようにしようと僕は心に決めるのだった。

 

 

 




詰め込みすぎた気がしないでもない。

シャコモンの件、急すぎじゃない?って思う人もいると思いますが、一応伏線は張ってありました。下手だから分かりづらかったでしょうが…66話の前半辺りにそれらしき部分があります。

もっと読みやすく伝わりやすくなるよう、頑張っていきますので…今後ともよろしくお願い致します。感想なんかで良い点とか悪い点とか教えていただけると嬉しいです。
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