FAIRY TAIL 守る者   作:Zelf

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あけましておめでとうございます(遅)

まだ復活したとは言えない現状ですが、今後とも長い目でよろしくお願いします。



かなり久しぶりなので前回のあらすじ。
ゴーシュの記憶が全部戻ってウェンディとシャルルに話しました、以上。


第94話  ナツVS.双竜

「――大体、こんな感じかな」

 

 全部話した。前世の記憶があること、知らない記憶もあること、そして僕がいない世界…この世界によく似た、本来の漫画の「FAIRYTAIL」の世界の知識があること。勿論、漫画とは言わずパラレルワールドの知識があるって言い方したけど、間違ってはいない。

 

 ウェンディに初めて会った時にも前世の記憶は持っていたことも話した。それが何故かどんどん薄れていって、昨日まではもう殆ど残っていなかったことと、それはあの黒ローブが原因だったらしいことも伝えた。なんで話してくれなかったのかとも聞かれたけど、あの時五歳だったウェンディには未来にあたる知識を与えたくなかったと伝えたら、ちゃんと理解してくれた。シャルルも未来予知が出来るからか共感してくれてるみたいだった。

 

「ジェラール…ミストガンには会った日の夜に勘づかれたよ。前世の記憶があるってことは話した」

 

「そうなんだ…」

 

「じゃあ、アンタはこの後何が起こるか知ってるわけ?」

 

「…うん。大魔闘演武がどうなるのかも知ってる。でもさっき話したように、僕以外の人にパラレルワールドの知識を話すべきではないと思ってるよ。参考にならないかもしれないし」

 

「どういうこと?」

 

「そのパラレルワールドは、僕がいない世界なんだ。だから違う点もあったりする。例えば、僕が連れてきたイーロンは本来ギルドにはいなかったりね」

 

 大体僕が関わってきたことで起こったことは原作と乖離してしまっている。イーロン、ミッシェルさん、あとロメオもそうか。原作以上には強いと思うし。

 

「その点で言えば、一番あり得ないのはドルモン達なんだけど…」

 

「そうなの?」

 

「デジモンに関する知識も前世の記憶にあったんだけど、この世界とは無関係だったはずなんだ。それがどういうわけかデジモン達がこっちの世界に現れるようになってしまった…まあその理由は分からない。コレに関しては関係があるかも怪しいし…それより重要なのは、僕も全く知らない敵がいることだ」

 

「ゴーシュの知識を盗んだ奴ね」

 

「アイツが何をするつもりか分からない。僕は今後、アイツの行う悪事を止めることを前提に動こうと思う。今は全く情報が無いけどね」

 

 前世の記憶を持った転生者がすることって言ったら、大体は俺TUEEか知識を悪用した良からぬ事だろうからね。下手したら、こっちが原作で起こったピンチに対応しているのに乗じて何かしてくるってことは大いにあり得る。

 

……あれ、僕はどっちもしてないような?別に魔法を覚えてから俺TUEEした記憶もないし…まあ、いっか。

 

 

 

「ゴーシュ」

 

 

 

 そこで、ウェンディが真剣な表情で僕を見つめてながら僕の名前を呼んだ。僕も少し戸惑いながらも、真っ直ぐに彼女の目を見る。

 

 目を見れば相手の言いたいことが分かる、というのを初めて実感した。彼女から感じるのは、僕が恐れていた軽蔑ではなく、信頼だった。これまでと変わらない…いや、これまで以上の信頼を僕は感じた。

 

 

 

 信じて、くれてるんだ…今までこんな大事なことを黙ってたのに。理由があったとしても、こんな大事なことを隠していたら…普通、怒ったりするもんだと思うんだけど。

 

「…良いの?」

 

「何が?」

 

「いや、二人からしたら僕はただ変なことを言ってるだけだし…普通信じられないでしょ?」

 

「だって、ゴーシュだから。それだけで、私は信じられるよ」

 

「ハァ…私は色々言いたいことあるけど、ウェンディが追求しないなら何も言わないわ」

 

「ウェンディ…シャルル……ありがとう」

 

 

 

 そう言って微笑んだ姿が、凄く輝いて見えた。ホント、僕の幼馴染みがこの二人で良かった。

 

 

 

 さて、と。具体的にこれからどうするか。二人が僕のことを手助けしてくれるなら出来ることも多くなるだろう…とはいえ、今は特に何もすることは無い。というか、編に行動したら怖い。

 

原作と違う行動が出来るのはメリットが多いように思えるが、デメリットもある。例えば、今このタイミングでルーシィさんの部屋にウェンディがいないことで、王国軍が再び攫おうとする、とか。

 

 まあ、これはあり得ないとは思っているんだけど…アルカディオスが攫う気がないと言っても、その部下までもやらないとは言えない。時間ループ…とは違うけど、そういう話を読んだことがある。つまり、原作を変える行動をした時に全ての人物がどう行動するかを考えなければいけないのだ。

 

 そう考えると、二人に原作の展開を教えても良いものだろうか…とも思うんだけど、ここまで話しておいて黙っておくなんて出来ないとも思う。未来に影響しすぎないように、小出しにして伝えるようにしよう。今から「もう少ししたらフェアリーテイル解散するんだよ」とか伝えるのは、ちょっと…僕が躊躇う。

 

フェアリーテイルは僕らの家だ。フェアリーテイルの皆は僕らの家族だ。もう家族と一時的にだとしても失うのは…辛い。特にウェンディには酷だ。彼女にとっては、唯一の家族だから…あんな顔、もう二度とさせたくない。ただ、先延ばしになるだけだとしても。

 

 

 

 とりあえず今、伝えた方が良いのは…ルーシィさん誘拐と、ドラゴン襲撃、その元凶であるエクリプス…くらいか。大魔闘演武の結果は言わなくても良いだろう。重要なのはドラゴン達の特徴と大体の出現場所か…流石に、全部は分からないが、少しでも情報があるに越したことは無い。

 

「あ…そ、そういえば皆が探してるって言ってたっけ?」

 

「質問攻めされるの間違いなしね」

 

「と、とりあえず体調が悪かったって言っとくよ…ウェンディに治療して貰ってたって言えば信じて貰えると思うし。それより、これから起こることについて話しておきたいことがいくつかあるんだ」

 

「うん!」

 

「分かったわ」

 

 

 

 

 

 

 それからしばらくして。突如、ドオオオオン!!という凄い音と振動が、会場からした……もしかして、いやもしかしなくても………うん、遅刻した。

 

 

 

 

 

 大急ぎで僕達三人はギルドメンバー用の観客席へと向かう。到着したときに目に入ったのは、中央に広がる巨大な穴と魔水晶(ラクリマ)ビジョンに映ったナツさんとガジルさんの姿だった。

 

「ゴーシュ兄!」

 

「ゴーシュ、お前さん何処行っとったんじゃ」

 

「お待たせしました…ちょっと体調が優れなかったので、外で休んでまして」

 

「大丈夫なのかい?」

 

「ウェンディに治癒魔法かけて貰ったので、何とか。それで、これはどういう状況ですか?」

 

 ちょっと白々しいくらいの演技だったけど、気づくのはウェンディとシャルルくらいだろう。何も知らない人からしたら当然の疑問だろうから。ここで会場の大穴に触れなかったら違和感あるしね。

 

「ウチからはナツとガジル、セイバーからはスティングとローグだってよ!」

 

「さっき、凄い音がしましたけど…」

 

「スティングの咆哮で、こんな大穴が空いちまったんだよ!」

 

「凄い威力ね…」

 

「最初はナツとガジルが押してたんだけど、途中から向こうが急に強くなって…」

 

 なるほど、あれが第三世代の力。自身の滅竜魔法と同じ属性の魔水晶(ラクリマ)を体内に埋め込むことでいつでもドラゴンフォースが使えるっていうあれか。ここからでも膨大な魔力を下の方から感じる…この穴、どれだけ深いんだろうか。スティングの滅竜奥義で地表だけ破壊したから内部が見えたのか、ここまで貫通させたのか…まあどっちにしろあれだけの力ならナツさん達相手に善戦出来ているのも頷ける。

 

 

 

「…ゴーシュ、この後どうなるの?」

 

 小声で話しかけてくるシャルル。何で今そんなこと聞くんだ?

 

「話して良いの?」

 

「話して欲しいというか…ホントに知ってるのよね?」

 

「どういう意味?」

 

「気づいてないのね…汗、凄いわよ」

 

 シャルルに言われて自覚したのは、手汗を強く握りしめていたことと額から滴るほどの大粒の汗が流れていたことだった。

 

「言い方悪いけど、結果が知ってるなら安心して見てられるんじゃない?それとも、私が予想する結果とは違うのかしら?」

 

「…多分、皆が信じている通りの結果だよ。でも、心配したり不安になったりしないわけじゃないんだよ」

 

「…成る程ね、納得したわ」

 

何について納得したのか分からないけど…それは一旦置いておくことにする。目の前の映像に集中したい。

 

 ナツさんとスティングがぶつかり合い、ナツさんが大きく吹き飛ばされる。ガジルさんも攻撃に加わり二人がかりでスティングを攻撃していくが、スティングは防御し、見切り、全ての攻撃を捌いている。これが、ドラゴンフォース…!あのナツさん達が、二人がかりでも…。

 

 

 

 やがて、スティングがナツさんとガジルさんを地面にひれ伏させた。

 

「ナツぅ…!」

 

「ガジル…」

 

「どうした立て!お前はそんなもんじゃないだろう!」

 

「ナツ達でも勝てねぇのかよ…」

 

「悔しいぜ、チクショー…!」

 

「ナツ兄ぃ!立ってくれよーっ!!」

 

「…ナツさん、ガジルさん」

 

 

 

 剣咬の虎(セイバートゥース)が勝利したかと思われたその時、二人が、立ち上がった。

 

 

 

「ナツさん…!」

 

「ホント、しつこいというか何というか…」

 

「意外と、元気そうだよね…」

 

 しっかりと立っているし、準備運動が終わったかのような動きをしている。まあ、あの二人ならスティングの攻撃によるダメージを最小限に抑えるくらいは出来るだろう…ラクサスさんと戦った時の成果、なのだろうか?

 

 その後、ナツさんとガジルさんがスティングとローグに向かって何か言っているが、すぐに喧嘩を始めてしまった。

 

「何をやっとるんじゃ、バカたれ共が…」

 

「元気が有り余ってますね!まだまだこれからということでしょう」

 

「流石だなぁ…」

 

 スティング達からすればナツさん達の行動って煽りっぽいんだけど…それよりも驚愕が勝っているってことか。

 

…あ。ナツさんがガジルさんをトロッコに乗せて、ガジルさんが何処かへ運ばれて退場してった。そしてナツさんはスティング達に対して手の炎でCOMEONの文字を作っている。

 

 

 

「もうすぐ、決着…かな」

 

「「!」」

 

「何でそう思うんだよ、ゴーシュ兄!まだまだこれからだろ?」

 

「うん、そうだね…でもきっと、ナツさんが勝つよ」

 

「ああっ、だよな!」

 

 ロメオが満面の笑みを浮かべる中、ウェンディとシャルルは僅かに反応した。どうしてもと言われてさっき教えたことを思い出したんだろう。これが、僕が未来の知識を持っている証明になる。

 

 

 

――もうすぐ決着。それが試合終了間近の合図。ナツさんが、スティングとローグを打ち倒すよ。

 

 

 

 ナツさんがスティングとローグの攻撃を全て捌く。しかもナツさんの方から仕掛けてスティングとローグは徐々にダメージを負っていっている。

 

 追い詰められたスティングとローグは並び立ち、それぞれ左手と右手に魔力を集める。双竜を双竜たらしめたその魔法は、ナツさんへと解き放たれる。

 

 

 

 ユニゾンレイド――聖影竜閃牙と対峙したナツさんもまた、滅竜奥義――紅蓮爆炎刃で迎え撃つ。

 

 

 

 想いの力は、時に魔法の威力を何倍にも上げる。ドラゴンフォースを持って全力で放たれたであろう彼らの最高の一撃は、火竜の刃とぶつかり合った。

 

 

 

 

 

 

 そして、余りの威力によって一時的に破損した魔水晶(ラクリマ)ビジョンが回復し、映し出されたのは……倒れるスティングとローグ、そしてボロボロながらも勝ち誇っているナツさんの姿だった。

 

 

 

 

 




そして一つご報告…というか宣伝を。

つい衝動的に新しく小説書き始めました。デジアドが元ネタです。興味を持っていただければ見て下さると嬉しいです。
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