ナイツ&マジック“NEXT”   作:アストラル饅頭

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カティさんの過去

カティさん目線での過去語りです。後に絡むかどうかはよく分からん。

…テレスターレ奪ったあのヘンなの許すマジ、イクゾー(デッデッデデデッ)



Story/extra.
extra.カティアの過去 vol.1


私は捨てられた。家に、親に、あの人に。

 

私の生まれた…もう前の家のことなど忘れたが、捨てられた理由ははっきりと覚えている。

 

私が生まれた家は、貴族だった。貴族といっても末端の辺境貴族も良いところだが。私の家はその昔…私の何代も前のおじいちゃんがサロドレアを設計したことで名が売れた。しかし、その栄光も長くは続かず、100年ほど前、カルダトアが生まれたことでサロドレアは一線を引き、家もそれから特に成果も上げていなかった為、辺境に飛ばされた。

 

それからは酷かった。今まで国から貰っていた全てがなくなり、自前のサロドレアでさえまともに整備できずやがて家はどんどん荒れていった。

 

きっかけはあのサロドレアの右腕が墜ちた時だと思う。そこから父は、使用人や母、私や妹に容赦なく手を上げるようになった。

 

…結果、使用人は誰も居なくなり母と父は離婚、……そして妹は、度重なる暴力の末、自ら命を絶った。母は私を引き取ろうとしたが、父がそれを拒否…私を物のように扱う父には、もうついて行けなかった。

 

私は家を出た。父の手を借りず、一人で生き延びてやる、と。…どちらにしろ、下手をすれば死ぬのだ。ならば、自分でそれを決められる方を選んだ。

 

三日三晩…いや、実際はもっと経っていたのだろう。森の中を、草原を歩き続け、雨風に晒され、太陽に焼かれても這いつくばってでも前に進んだ。

 

たどり着いたのは王都。あぁ、ここに戻ってきたのかと汚れた布を肩に掛けて笑った。自分でも好きだったあの綺麗な金髪は、太陽による日焼けとストレスで色が抜けかけていた。

 

なんとか見張りの目を盗み、王都の中に入ると狭い路地を見つけては、そこで夜を過ごした。食べる物も無く、残飯を漁っていた頃は全く考えなかったが、あれが貴族の娘か、と今なら笑ってしまう。

 

ある夜、その日は雨が降っていた。その日に限って気温もあまり高くなく、屋根も無かった。いつものように路地に身を隠し、壁に頭をより掛け、思った。あぁ、死ぬのか、と。それも良いか、と思った。父の暴力に飲まれて死ぬよりはよっぽど良い。

 

やがて寒さのあまり眠くなってくる。寝てしまうと死ぬ、起きろ、と必死に意識を保とうとするが、それも諦め、瞼を降ろした。次に産まれる世界は、平和な世界だと良いな…。そう思いながら。近づいてくる足音にも気づかず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、暖炉の近くのイスに毛布をかけられた状態だった。これが天国か、と周りを見渡すと遠くのソファで男が寝ていた。眼鏡を掛けた優しそうな男だった。それなりにイケメンだと思うのだが、そのあまりにも酷い寝相のせいで台無しだった。なんでソファに刺さってるの?

 

「…ん、んぅ…フランシスコ・ザビ……」

 

誰だろうか、私が勉強した中だとそんな名前の人は居なかったが…なんか、この人のあだ名が分かった気がする。

 

「…ん?あぁ、起きたのか。体は大丈夫か?」

 

「…なんで……」

 

「ん?なんでって?」

 

「なんで助けたりしたの!?私なんかあそこで死ねば良かったのに!!」

 

まるで意味が分からない。なんで助けたのか、どうしてそんなことができるのか、私の名前も、私の性格も、何も知らないはずなのに。どうして────

 

「…そう、か。ごめんね、僕のエゴで勝手に助けたりして。…でも、なんでという問いに答えるとしたら“僕が、そうしたかったから”かな。本当にごめん、…でも、そんな僕の身勝手に付き合ってくれるかい?」

 

「あ…あぁ…ぁぁあ……」

 

本当に分からない、こんな“優しさ”なんか貰ったことがないから。こんな、こんなの────────

 

「うわぁぁぁぁあ────────」

「あー、よしよし。」

 

思わず飛び込んでしまった。初めて受ける優しさに目頭が熱くなって頭が真っ白になったのを覚えている。

 

「…僕の名前はフロイド・シャノン。ここでシルエットナイトの設計技師をやっている。君は?」

 

「……カティア………。」 

 

「カティアちゃんか、良い名前だね。苗字は…無いか。だったら君は今日から、カティア・シャノンだ。良いかい?」

 

「……うん。」

 

「良い子だ。こっちにシチューが作ってあるから……あぁっ!?焦げてる!?」

 

シチュー、生まれて初めて食べるものだ。今までは簡素な味付けのスープとパンだけだったから…

 

「あー、ごめんね。やらかしちゃった。」

 

「……ザビ技師、不器用。」

 

「ザビ技師っ!?」

 

いきなり訳の分からないあだ名をつけられ驚愕の顔をするフロイドを横目に、食器棚から勝手に皿を二枚だして盛り付けるとテーブルに出す。

 

「…いただきます…」

 

「え、あ、いただきます…?」

 

…11歳になって初めて食べたシチューの味は

 

「……美味しい」

 

「そう?良かった」

 

ニンジンの甘みと鳥の肉の旨味とシチューのコクが混ざり合ってとても美味しかった。

 

「…でもちょっと苦い」

 

「…焦げたからね仕方ないね。」

 

なんかちょっと苦かった。




カティさんの過去は別枠で作った方がいい?

絵はね、なかなか上手くいかないのよ。納得いかないというか…

シャノンさん分かる人なんてリンクス位だろ…と思いつつ書いてました。皆分かる?

あ、海編はカティさんの過去が終わってからだよ。…ヘタしたら八月下旬?

まぁいいや。それではまた!
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