『おはよう。ねぇ…どうして___
『……君は?』
『私は___
あの日…春のおひさまがやけに眩しく見えた日。まるで照らした全ての物を陽のあたる場所へと導くような眩い光。そんな全てを明るく照らすおひさまでさえ、僕の感情を救う事は出来なかった。僕はそのおひさまから逃げるかの様に木の下の木陰へと向かって……それで________
×××××××××××××××
「………」
憂鬱なのだろうか?罪悪感がないわけじゃない。でもまだ僕はあの娘の事を忘れられない。だからこんな夢を内浦まで来ても見てしまうのだろう。
「ん?…」
感傷に浸って数秒、なんか身体に違和感がありまくりだ。と言うか布団の膨らみ大きすぎだろう。まあだいたい分かった。僕は布団をおそるおそるまくると
「Good morning!ユウナ!」
「…………」
絶句した。言葉も出ないです。はい。
「あー……これは早急に引越しが必要だね」
「ユウナ!?そんな悲しいこと言わないで!」
「あのですね鞠莉姉さん!仮にも僕は思春期の高校生男子なんです!そういうことされたらいろいろ不味いんですよね!分かる?」
「……what?」
「いや、what?じゃなくて!」
「もー…ユウナったら何を想像してるのかな〜?」
分かりやすく鞠莉姉さんは強く抱きしめ自分の胸を当ててくる。しかもやけに色っぽい表情をしながら
「な///…っ///鞠莉姉///!」
「フフ…あれれ?ユウナもしかして……」
「あぁぁもう!」
強引に起き上がり鞠莉姉さんを引き剥がす。そして少し荒くなった息を整え、鞠莉姉と向き合う
「鞠莉姉はどうしてこう…かな姉もだけど……大人の魅力みたいなもので攻めて来るのかな?」
「それで流されそうになってるユウナもユウナだよ?」
「うっ…」
思い当たる節が二件くらいある…
「でもねダイヤの邪魔が入らなくても多分あのキスは失敗してたよ」
「え?」
いや…僕はほとんど抵抗できてた気がしないけど
「その感じだと無意識なのかしら?ユウナ右手でキスを止めようとしてたのよ」
「……そ、そうだったんだ」
そっか…ちょっとホッとしたな。僕の理性は中々に強いらしい。
「でも本当にやめてほしい。心臓に悪いから」
「じゃあ事前に言えばいいのね!」
「そう言う問題じゃない」
結局のところ何度もお願いしたものの時間が迫りうやむやになったままホテルを後にすることとなった。このまま時の流れとともに忘れない様にしなくては…へ?フラグ?そんなもん知ったことか
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「ククク…よく来たわね我がリトルデーモン。さあ旋律を奏でましょう!」
時は放課後へと進み本日は作曲の手伝いとなった。と言うか本当に作曲に関しては皆無だ。本当に僕は何をすれば良いのだろうか?と言うか鞠莉姉さんとヨハネは作曲できるのか?
「ヨハネは作曲できるの?」
「………我にできない事などないわ!」
「嘘つかないで善子ちゃん。善子ちゃんは早く歌詞を進めてね」
「分かってるわよ!あとヨハネ!」
ふむヨハネは作曲できないらしい。でも歌詞ってどう言う事?そういえば曲も歌詞もで来てないのに衣装作れるのだろうか?昨日作ってた衣装って一体…?聞けばわかるか
「梨子、ここは作曲班だよね?」
「ああ……ええとねAqoursには三人づつ三組に別れたユニットが存在するの__
なるほど。梨子の説明をまとめると……幅広く活動するために三組のユニットに別れたらしい。
元気なイメージの強いCYaRon!
アザレアの花がイメージのAZALEA
小悪魔でクールなイメージのGuilty Kiss
この三組に分かれてると…今回の歌はあくまでAqoursがメインだが、歌詞ができるまでは衣装班と作曲班はユニットの作業を進める事になっていたらしい。ちなみに昨日作ってた衣装もユニット衣装だったらしい
「そうだったんだ」
「ええ、夏休みに各地のイベント周るにはユニットが一番最適だったのよ」
確かに効率的かつ一人一人の個性が出やすい。Aqoursの知名度に人気も出やすい。
人数を生かしたやり方は素直に素晴らしいやり方だと感心してしまう
「さて、じゃあ僕は何をすればいいかな?」
「その前にやるべき事があるわよ?ユウナ?」
「へ?」
「その通りよ!リトルデーモン!このヨハネと交わすべき契りがあるわ!」
「へ!?」
「そうだね…先に済ませないといけないわね」
「へ!!?」
どう言う事だ?僕何かしたっけ?梨子に関してはなんか怒って_
「怒ってないわよ?」
「え!?」
心読まれた?いやそんな事よりやっぱ怒って_
「怒ってない」
「あ…はい」
きっと女の勘とやらなのだろう。もう触れるべきじゃないと心が叫んでる
「それでやる事とは?」
「あら忘れたの?カナンとデートの約束をした件」
「………………フッ…俺に過去など必要ない」
「カッコイイ!」
「Wao!?ユウナいつのまにリトルデーモンに?でも確かにCoolな台詞じゃない!」
異常事態につい僕も堕天してしまった。顔半分を右手で隠す様に手をあてそれっぽいポーズを取った結果ヨハネと鞠莉姉さんには好印象だったようだ。でも梨子の表情は俯いてるためわからない。でも雰囲気がよろしくない事だけは察知した。そして俯いた顔を上げた梨子の表情を見て僕は氷ついた
「…優奈?バカなこと言ってないで、ね?」
うん…笑顔でいられるのが一番怖いパターン。変になっていたテンションは強制的に元に戻る
「はい、すみませんでした」
「じゃあ話を戻すけど優奈は作詞の案を出すために果南さんとデートするのよね?」
「その通りです」
「……//…今回は果南さんを中心に作詞して私は作曲を担当してまします」
「う、うん//」
「…何か私にもするべき事が……あるんじゃない//…かな////」
梨子は何やらソワソワして横目になりながら話を進めてる。その仕草が可愛いくて見てるこっちは少しドギマギしてる自分がいる。でも梨子の言うすべき事が残念ながら僕にはわからない
「すべき事……作曲に必要な事だよね?」
「ええ//…作曲に必要な事よ」
「………」
「………」
「……う〜ん」
「どうして分かんないの!?」
「いや、そう言われても…」
「はぁ…ユウナってこう言う時は鈍感なのね」
「本当によくわからない人よね…」
え?なんか鞠莉姉さんにヨハネまでため息ついてるんでけど?だって作曲に必要な事でしょ?作曲知識ゼロの僕に何かできることと言えば
「…?」
「っ〜////どうして分かんないの!?」
「リコ?ここは一旦落ち着いて。ここはチェンジよ」
「……はい」
顔を赤くして興奮気味となった梨子を鞠莉姉さんが制してチェンジとか言ってる。
ふむ、もうついていける気しない
「さ〜てユウナ?一旦梨子の話は置いておいて…マリーともデートしてくれるよね?」
「それはもちろんなんだけど…とりあえず引っ越しが終わってからでいいかな?休日に予定を入れすぎると最悪学校を休んで引っ越し作業になるからね」
「うーん…少し先になるけど仕方ないわね。OKよ!」
「ありがとう」
果南姉さんとデートすると決まった時点で鞠莉姉さんとダイヤ姉さんともデートしないといけないと思っていたから、僕自身躊躇はなかった。鞠莉姉さんは恥じらいがない分あさっりと約束を交わせてホッとしてる。
「リトルデーモン!」
「どうしたんだいヨハネ?」
「あなた昨日私が言ったこと覚えてる?」
「あー……下僕がどうとか言ってた気がする。気のせいと思いたい」
「気のせいじゃないわよ!いい!こ、今度…//…こん…ど//…っ〜//」
「ヨシコ!ファイトよ!」
「うっさいわい!」
何か言いづらいことなのだろうか?一体何をやらされるのだろうか?できれば無理な事は避けたい…
「っ〜//………ふぅ…リトルデーモンに告げるわ。私は今度次の黒魔術の儀式に必要な贄を調達しに行かなくてはいけないわ。本来ならば一人で調達するものなのだけれど……今回は特別にリトルデーモンを連れて行ってあげるわ!ヨハネに感謝しなさい!」
「おー!じゃあ感謝してついて行くよ!」
「「え!?」」
「え?」
「…Why?」
ん?どう言うことだ?感謝してついて行くと言ったら梨子とヨハネに驚かれた。鞠莉姉さんは僕と似た反応なんだろうけど…どうして驚いているんだ
「ちょっと待ってよ優奈!どうして儀式とかよくわからない事言ってる善子ちゃんの誘いに乗るのよ!?」
「よくわからないって何よ!あとヨハネ!」
「善子ちゃんは少し黙ってて!どうしてなの優奈!?」
「お、落ち着いてよ梨子。別にヨハネの誘いを断る理由がない。それに僕自身その黒魔術の儀式とやらに興味があるしね」
「せ、先輩……うん!流石我がリトルデーモン一号だわ!」
ヨハネがちょっと泣きそうになりながら感動してる。どれだけ自身の趣味が受け入れられて来なかったのか何となくわかる反応だな。
「ゆ、優奈…さっきもだけど……もしかして優奈も厨二病?」
「厨二病って……まあヨハネの影響は受けてるだろうね」
「フッ…流石リトルデーモン一号。我の美しさの虜になってしまったのね」
「そんなぁ〜…」
「そう言われてもね…とりあえず今度ヨハネと儀式に必要なものを調達に行けばいいんだね?」
「その通りよ!この契約は絶対に破れないわよ!」
(ヨシコも不器用ね〜まあ遠回しとはいえ結果オーライか)
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「さーてユウナ?貴方この流れで梨子の言いたい事も少しわかったんじゃないの?」
「え?」
「いやいや流石に分かると思うんだけど…」
「………作曲って考えるとどうも」
「Oh…OK…梨子?貴方もうぶっちゃけた方が早いわ」
「ぶっちゃけるって…えぇぇぇ!?」
「まあ昔から天然な部分はあったけど…まさか妙なとこで鈍感になるとは」
「本当に先輩ってよくわからないわよね」
「ふむ?話が全く持って理解できないよ。一体どう言うことなんだい?」
「どうして分かんないの!?優奈って勘は鋭い方だよね?」
中学生時代優奈と一緒に過ごして私が思った事がある。それは勘が鋭い事。と言っても私がピアノで悩んでる時にいつも勝手に側に来て…頼んでもいないのに必要な時にいつも寄り添ってくれて……それくらいしか例はないけど、でもそれって察しが良いからだと思うんだけど…
「……どうだろう?でも現に今梨子が求めてる事が分からないし…」
「うぅ…じゃあ聞くけど今回の歌のテーマは何?」
「えーと……恋…だよね?」
「そうよ!だ、だから果南さんと作詞のためにデートに行くのなら///…その作曲をする…わ、私とも/////…」
「え//?り、梨子///?」
「いい、よね/////?」
自分の顔の熱が上がってくのがわかる。恥ずかしさで目を合わせられくて…
横目で指先を合わせながら彼に問いかける
「うん//…僕でいいなら///」
「う、うん///…果南さんの作詞ができたら…」
そう!これはあくまで作曲のため!作曲のためなんだから!
「さてじゃあ各々デートの約束もした事だし、Let’s make a song!」
「僕はどうすればいいのかな?」
「ヨハネと作詞!」
「うーん…まあ音楽作りはよくわからないだろうし今回はヨハネと作詞でいいんじゃないかしら?」
うぅ…本当に側にいてくれるだけでいいのに。でも優奈にピアノを聞いてもらう時は二人きりがいいなぁ…とも思ってたし……それに善子ちゃんの歌詞厨二全開すぎるし…あの歌詞をもう少し良くしてくれるかもしれないし……そ、それに本来はAqoursのためだし……
「決まりね!行くわよリトルデーモン!」
「え?ヨ、ヨハネ!?」
優奈が善子ちゃんに手を引かれて…
「あぁ…優奈…」
「やれやれね…じゃあわたし達で作曲スタートといきましょ?」
「……鞠莉さんはこれで良かったんですか?」
「ウーン…良くはないんだけど……勘違いしたままってのも可哀想だしね?」
「?……」
勘違い?私はその意味を察する事が出来ないまま作曲作りする事となった
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「さて、ここで詠唱するべき新たな呪文を創作するわよ」
私がリトルデーモンを連れて来た場所は放課後の空き教室。ここで作詞をする訳だけど…まず確かめないといけない事があるわ。私は自分の席に腰掛け、先輩は向かいの席の椅子を借りて向かい合わせになって座る。
座って思ったけど…想像以上に先輩との距離が近い///……なんか調子狂いそう///
「よし、じゃあ始めようか」
先輩は机にノートを広げペンを手に持ち、作業体制に入ろうとしてる。でも作業を始める前に確認したい事がある。本来なら他人事なのに…どうしても放っては置けない事
「先輩、作詞の前にちょっといい?」
「ん?いいよ」
「先輩は、その…ダイヤさんの事が好きなの?」
「……それは恋愛的な…意味合いだよね」
「はい」
「今は特にはいない…それにね。僕は僕が好きになった人に恋をしたいと思ってる」
「え?」
先輩の言葉を聞いたとき何故か鼓動が高鳴った気がする。 そもそもどうして私はこんな事聞いたんだろう?でも聞いとかないと何かモヤモヤしてしまう自分がいて…そして今嬉しいと思ってる自分がいる///
なんで!?わからない…
「先輩は…あの、その//」
最初から私を受け入れてくれて…変な娘とか思わなくて…むしろかっこいいって言ってくれて……誇っていいって言ってくれて…私が言うのもアレだけど本当に変な人…よくわからないわ。自分の気持ちも目の前の先輩の事もよくわからない……少なくともただのリトルデーモンでは済ませられない
「私の事///…どう思ってますか?/////」
なんか恥ずかしくてうつむき気味で横目を向けながら問うてしまった///
「…////……んと…それはこの前も言った気がするけど」
「そ、そうじゃなくて…ヨハネヨハネ言ってる私じゃなくて今の津島善子のことです////」
「…え、えっと…まだよくはわからないかな?でも…津島さんは……その//…か、可愛いんじゃないかな?//」
「…!?///」
先輩も横目を見ながら少し頰を赤くして言ってる!それにか、可愛いって//////どうしよう!////嬉しすぎてど、どうすればいいかわからない////私にはわからないよ/////
「えっと、あ、ありがとう///…ございます////」
「う、うん////」
「そ、それと……その////」
もうよくわからない。こんな時に限ってなぜかヨハネが出てこない。何故か二人でいるとヨハネじゃなくて正真正銘の津島善子として喋ってしまう。こんなこと今まで一度もなかったのに////
そのせいか普段だったら絶対に思わないような事を思ってしまった。今までじゃ絶対にありえない事を望みたくなってしまった
「ふ、二人でいる時は///…ヨハネでもなくて、津島でもなくて…よ、善子って名前で呼んでほしいです/////」
恥ずかしくて、恥ずかしすぎて目を瞑りながらお願いしてしまった…目を開けるの怖い!
「うん、いいよ…えっと……善子ちゃん?」
「…ちゃん付けなんてしないでください///」
「っ…//わ、わかったよ………よ、善子///」
帰ってきた返答に目を見開く。ちゃんと名前で呼んでくれた事に胸が熱くなる様な感覚を覚える。先輩は恥ずかしいのか少し頰を赤くしながら横目になってる…先輩の照れてる姿可愛い////
(基本的には後輩のこと名前呼びにしないからなんか慣れない。それに……///)
「先輩!ありがとう!嬉しいです////」
「っ/////…う、うん///」
理由はわからない。でもきっと私にとって先輩は凄く特別なリトルデーモンなんだと思う。津島善子にとってもヨハネにとっても
「う…そろそろ始めようか//」
「そ、そうですね…ふぅ……」
ギラン!と目を見開き自然とヨハネスイッチが入る。普段はスイッチとかなく普通にでてくるのだけれど…
「ククク…リトルデーモン!まずは貴方の紡ぐ人々を魅了してしまう言霊を聞かせてちょうだい?」
「うーんと…ユニットの曲だよね?それで持って小悪魔なイメージ…貴方のハートを掴み取るとか?」
「悪くないわね…まあ適当に案を並べて並べていきましょ」
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
そしてヨハネもとい…つし…じゃなくて善子との作詞も終わり一人の帰り道。あたりは薄暗く、かすかに夕日が差し込むなか、今日の事を振り返る。本当にいろいろとあった一日だった。鞠莉姉さんとデートの約束をして、ヨハネと買い物?…てゆうかもしかしてデート?の約束をして、梨子ともデートする事になるとは…この内浦に帰ったらいろいろあるんだろうと思っていたけど完全に予想以上だ。と言うか異常事態と言ってもいいだろう。Aqoursの仮マネージャーになって…ダイヤ姉さん達と梨子と再会して……自分の考えや想いを過去の出来事、いや自分が引っ張り………あの娘を思い出すようになったり…ため息出るね
それにしても……誰よりも女の子なのって本当は善子なんじゃないかなと思った////国木田さんといい善子といい、後輩も可愛いすぎてドギマギする…///後輩を名前呼びするのって……ルビィちゃんを除いて一人しかいなかったのに…それも立った一度だけだし…
頰が熱くなるのはかすかに刺す夕日のせい……と言う事にしてダイヤ姉さんの家へと一人向かう
いかがでしたでしょうか?感想いただけたら幸いです。
もうすぐバレンタインですがroot ifが書ける気しません。すみません。もし2月14日に上がってたら奇跡と思ってください。ではでは