どうしても忙しくて書けませんでした。何とか徹夜で書ききったので許してほしいです……
それと今回のお話は優奈君が中学二年の時の物語です。番外編みたいなものなのですが、本編の優奈君と深く関わる部分もあります。この過去編を読まなくても本編は読めますが、読んだらより、本編が楽しめるかも知れません!……多分
Black Valnetine
2月14日、バレンタインデー
確かローマ帝国発祥……だった気がする。
もう各国でいろいろな歴史があるからもはやバレンタインデーとは
それぞれの国独自のものとなっているのではないだろうか?
確か日本では1950年代後半ごろから出てきたものの、定着せず……
1973年のオイルショックを機に売り上げが上昇。それ以降は若者を
中心に定着し、今では義理チョコ、友チョコとかいろいろ聞くよね。
だが本来は女の子が好きな男の子にチョコレートをプレゼントする日。
これがごく一般的に知られるバレンタインデーだろう。
ちなみににわか知識だから正しいかどうか怪しい…
「ふぅ…」
ついつい溢れるため息、理由は学校の下駄箱にある。
自分の下駄箱の中を見たらそこには三つの包装されたチョコレート
青い箱が一つ。赤い箱が二つ。
去年より一つ増えてる。
「誰からだろう?」
もちろん三つの箱にはそれぞれ手紙がある。
一つは後輩、一つは先輩、一つはクラスの女の子から
こうして気持ちを伝えてくれるのは嬉しいんだけどね……残念ながらこの
人達に良い返事はできない。だって僕は恋と言うものをしていない。
よく聞く、とりあえず付き合っている人達やとりあえず告白されたからOK
を出す人……それは片方の恋であり、恋愛では決してない。
僕はとりあえずでOK何て出せない、出したくない。そんな曖昧でふわっと
した関係何て持ちたくない
ちなみに…まだ恋はしていないけど、頭にチラつく人物が4人いる。
それは許嫁に幼馴染、それと同級生に1人
恋とは言えない______________
恋とは言えないが、僕はこの4人の事を間違いなく特別視している
困ってたら力になりたい、悩んでたら一緒に悩みたい、泣いているのならそ
の涙を拭いたい、落ち込んでいるなら励ましたい、一緒に笑顔を分かち合い
たい、幸せでいてほしい……そう願っている
だから、このチョコレートをくれた3人の想いは実らない。僕がこの人達の望
む返事をする事は出来ない……
ふと人気のない場所へと移動して箱の中身を確認してみる。どれも手作りだ。
きっと僕の事を想って作ってくれたのだろう……僕のために時間を割き、僕に
『好き』と言う気持ちを伝えるために
でも、僕には僕の想いがある。僕は僕の気持ちを大事にしたい。だから僕は
この人達にごめんなさいと断る事しか出来ない。
できれば誰かの悲しむ姿を見るなんて事はしたくないさ。それが僕を想って
くれた人達ならばなおさらだよ…
「バレンタインって本当に迷惑だよね」
「どうして?」
「へ?…梨子!?どうしてここに?」
「優奈がこっちに行くのが見えたから……迷惑だったかな?」
「いや、そんな事ないよ」
「そう…良かった」
見られる相手が梨子で良かった。他の人に見られたら面倒な事になっていた
かもしれない……クラスの男子に見られたら場合は一日中追いかけ回されて
いたかもしれない
「それで、どうして迷惑なの?」
「……バレンタインデーってさ、女の子が好きな男の子にチョコレートを
渡す、又はそれを機に告白何がしやすいイベントだと思うんだけどさ」
「う、うん、そうだね」
「人に気持ちを伝えやすいって考えたら素晴らしいイベントだとも思う。でも僕個人としては辛いイベントなんだ。この手元にある想いを受けとった後に僕は彼女たちの悲しい表情を見なきゃいけないから……」
「……断るの?去年と同じように?」
……僕のどこが良いんんだろう?別に特別関わった関係ではないはず何だ。
一応委員会に入ってるから先輩後輩関係がないわけじゃない。でもちょっと
考えづらい人何だよね
「優奈は優しいね」
「…どうして?」
「相手の気持ちを考えて悲しませたくないって言えるから…優しいよ」
「そ、そうかな?」
「うん…でも優しすぎると思う。だって“また”傷つくでしょ?」
「………多分」
「あんまり考え過ぎないでね?」
「ありがとう梨子…そろそろ教室に行こう」
「うん」
そう言えば梨子は僕にチョコをくれないのかな?
去年は下駄箱に梨子の義理チョコが入ってたけど…
僕は梨子のチョコが食べたいんだけどな……
そんな事を思いながら校舎裏を後にした
「……」
僕らの姿を見ていた視線に気づかずに
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
キーンコーンカーンコーン
お昼休みを…憂鬱を知らせる鐘が学校に響き渡る。
僕はこれから校舎裏に行って彼女達の申し出を断ら
ないといけない。彼女達の悲しむ表情を見なくては
いけない
席を立ち、校舎裏に向かうとしよう_____________
「柴先輩…好きです!どうか私と付き合っていただけませんか?」
少し潤んだ瞳に上目遣い、見た目は少し幼さが残る顔立ちで、かなり
可愛いと思う。実際モテているのではないだろうかと思う。
足が震えてるし…何となく引っ込み思案な印象を受けてしまう。
きっと、相当勇気を振り絞って今僕の目の前に立っているのだろう。
そして想いを告げたのだろう。素直に尊敬するよ。
できればこの娘が笑っている姿を見てみたいが……それ以上に大事な
物が、譲れない気持ちがある。だから___
「ごめんなさい」
「……あ…やっぱり……そうですよね」
「やっぱり?」
「はい…先輩は桜内先輩とお付き合いされてるんですよね?」
ん?……梨子と?もしかして周りには勘違いされてるのだろうか?
まあ確かによく2人でいるけど……
「いや……別に付き合ってはいないけど」
「え?付き合ってないんですか?」
「うん…」
「他に付き合っている人がいるんですか?」
「いないよ、好きな人がいるわけでもない」
「そうなんですか?………でしたら…その……試しに付き___
「ごめんね……僕は試しにとか、そう言う曖昧な関係は築きたくない」
「…………私じゃダメでしょうか?」
「………………」
僕は沈黙し、無言の回答を言い渡す。これ以上は、はっきりした言葉は不要だろう。
それにもう…必死になっている彼女を見たくない、悲しい顔を見たくない
「……そうですか。しつこくかったですよね?すみませんでした。今日は来てくれて
ありがとうございました……私の想いを聞いてくれてありがとうございました」
「うん……」
こう言われるとどう返していいかわからない。だって僕は彼女の申し出を、お願いを
断ったのだ。下手な事は言えないし、言いたくない
「それじゃあ私は教室に戻りますね……今日はありがとうございました!
そして………さよなら」
僕は走り去って行く彼女の後ろ姿をただ眺める事しか出来なかった。
……ああ…………本当に嫌になる
こんな事を後二回も繰り返さなければいけないのだ……憂鬱にもなるさ。
でも彼女達の気持ちを蔑ろにする事は出来ない。先輩が待っているであろう
屋上へと僕は重い足を運ぶことにした__
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「………///」
放課後である現在…私、桜内 梨子は彼の下駄箱の前でいろいろ想い悩んでいます。
理由はもちろんチョコレート
ちなみに優奈は委員会で私はピアノのレッスンがあるから今日は一緒に帰ることは
できないです……だから今こうして彼の下駄箱に私のチョコレートを入れました
本当は彼に直接渡すつもりだったけど、恥ずかしくてできませんでした。
優しい彼ならちゃんと貰ってくれるとは思うけど……うう///
彼に告白した人達はすごいなぁ……どうしてそんな勇気が出るんだろう?
今回渡すチョコレートだって去年同様いつものお礼と言う名目で渡すのに
「…去年みたいに美味しいって言ってくれるかな?」
……///……誰もいないよね?…うん、どこを見ても人の気配はしない。
良かった、今の独り言を聞かれなくて…
きっと彼は傷ついて帰ることになる…だから少しでも私のチョコレートで
癒すことが出ればなぁ……何て/////
「ああもう/////……早く行こう///」
私は熱くなりつつある頰を感じながら一人で走り出してしまう///
胸のドキドキを押し隠すかのように……
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「失礼しました」
思ったより早く委員会が終わった…いつもは1時間する会議が40分程度で終わ
ってしまった。理由は委員長が好きな高校の先輩にチョコレートをあ渡しに行
くためらしい……委員会メンバーの前でよく言えたなと思う。
と言うか完全に私情なのだが良いのだろうか?まあいいや…考えてもしょうがない
「……さて、行きますか」
僕は最後の呼び出しに応じるために足を玄関先まで運ぶ。最後は同じクラス
の女の子だ。彼女は放課後に2人で話したいと申し出てきていたので校舎裏で
待ち合わせをしている。もちろん委員会の件は伝えてある。
少々時間がずれてしまったが遅くなったわけじゃないからよしとしよう
僕は玄関先まで足を運び終えると、そこには_______
「何してるの?」
「これは……その…」
「それさ…………梨子のチョコレートだよね?」
僕の目の前には無残に踏みつけられた赤い箱があった。
それとその上に置いてあったであろうメッセージカードは真っ二つに
破り捨てられていた
『いつもありがとう』
梨子より
「…………」
言葉を失う。僕が一番欲していた梨子のチョコ。先ず、梨子が僕のためにチョコ
を作ってくれてた事に喜びたい…でもそのチョコは目の前にいる彼女が……僕に
チョコレートを渡して想いを告げようとした彼女が踏み潰していた
もはや怒りなんて感情は通り越してる。ただ酷く悲しみが僕の感情を支配するだけ
「どうして…どうして君は梨子が作ってくれたチョコを踏み潰しているんだい?」
「っ……だってズルいじゃない。あの女は少し私より貴方と会うのが早かっただけ
で貴方の隣にいる。貴方に寄り添える……貴方を励ませる」
励ませる?……もしかして朝の校舎裏の一軒を見ていたのか?
「貴方の隣にいるのが私だったら良かったのにって思ったわ…あんな地味で目立たな
い娘がどうして貴方の隣にいるのよ!目障りなのよ!」
「………それで君は梨子が僕のために作ってくれたチョコを踏み潰していたのかい?」
「梨子梨子って……そんなに彼女が作ってくれたチョコが大事なの!?」
「大事だよ!」
僕の怒号が廊下に響き渡る。僕が怒鳴ったせいか目の前の彼女は少し怯えた表情を
しているがどうでもいい
「“俺”にとっては大事なんだ!大好きな事に夢中になれる彼女の力になりたい!悩んで
たら一緒に悩みたい!泣いているのならその涙を拭いたい!落ち込んでいるなら励まし
たい!一緒に笑顔を分かち合いたい!……俺に取って梨子はそんな特別な存在なんだ!」
「……っ…」
彼女が言葉に詰まると同時に僕は彼女から貰ったチョコレートを差し出す
「え?……どう言うこと?」
「君から貰ったチョコレートは受け取れない……だから返す」
「ふざけないで!私だって貴方の事を想って……」
「梨子だって俺の事を想ってくれたと思うよ?」
「っ!……また梨子って…」
「ここで君のチョコレートを踏みつけてもいい」
「な!?嘘でしょ?」
うん、嘘だよ。僕には人の作ったチョコレートを踏み潰せる自信がない。
でも俺なら上っ面の脅しくらいならできる
「嘘じゃない」
「っ………」
「もう一度言うよ、これは返す」
「……」
彼女が渋々チョコレートを受け取ると、僕は梨子のチョコと二つに破れた
メッセージカードを拾いあげる。できれば綺麗な状態で見たかったがそれは
もう叶わない
「……君が僕の中で特別になる事はない」
僕はそう一言だけ彼女に吐き捨てるかのように言い残し学校を出て行く
彼女の小さな泣き声を聞きながら____________
帰り道、僕は形の崩れた箱を開けてその中に入っていたチョコを口に運んだ。
甘さ控え目のビターチョコレートだった……
ああ_____________
恋とは何だろう?
……恋は人をあんなに苦くしてしまうのだろか?
……恋がわからなくなってしまいそうだ
いかがでしたでしょうか?
初めての過去編(番外編)でしたが……皆さんが望むようなお話ではなかったと思います。
感想お待ちしております