それから一週間ほど月夜の黒猫団と共に迷宮区に篭るツナ達三人。
ロッタのバトルフィーリングスキルも熟成し、月夜の黒猫団のレベルも攻略ギルドに近いものになっていた。攻略ギルドの平均レベルは30である。
「今日で最後かな。ありがとね。」
「お礼を言うのはこちらの方ですよ。ありがとうございました。」
ツナはあれから超直感がなにも訴えてこないこともあり、今日を最後に別行動をすると切り出す。ケイタもそろそろかと予想していたため、お礼を言って感謝を示していた。
「アネットさん。ロッタちゃん。メールするね。」
「また食事でもしましょう。」
「次は友達も紹介します。」
サチは泣きながらアネットとロッタに抱きついて別れを惜しんでいたが、アネットとロッタに永遠の別れじゃないんだからと次の約束をし励まされていた。
月夜の黒猫団と別れて三日後、ツナ・アネット・ロッタは自宅にて寛いでいた。
「ッ!!」
「ツナさん?」
「どうしたのですか?」
ソファーでゆったりとしていたツナが急に立ち上がったため、アネットとロッタは心配して声をかける。
「サチが危ない!」
「え?」
「サチさんからメールです。マイホームを買うことになっていつもより高い階層の迷宮区に入っています。時間があったら手伝ってほしいです。場所は27層!?」
ツナは超直感でサチの身に危険が迫っていることを感じていた。ロッタに届いたサチからのメールを読み、三人は急いで転移門へと向かう。夜の炎でも違う階層へは飛んでいくことができず、また人の目がありすぎて夜の炎を使用して直接転移門に行くこともできずにいた。
「間に合え!」
ツナ達は27層に到着すると宿を借りて部屋から夜の炎を使用して迷宮区へと飛んだ。ツナの超直感により人の目がなくサチに近い場所に転移する。
転移すると目の前にはドアがあり、夜の炎でも進入することができず、破壊不能オブジェクトで攻撃も通らなかった。
「アネット、ロッタ。離れてて。」
ツナはグローブと指輪を装備して、X BURNERの構えを取る。
「綺麗。」
「ツナお兄さん?」
「X BURNER!!」
アネットとロッタは初めて見るツナの姿に見惚れるが、ツナが技を放つとその威力に驚いてしまう。
X BURNERにより扉が壊されて中に入る三人。
「サチ!」
「「ハッ」」
ツナが見た光景は大量のモンスターに囲まれたサチの姿であり、しかも背中に攻撃を受けて前に倒れ込んでいる最中だった。
ツナはサチに駆け寄り正面から受け止める。アネットとロッタが周りのモンスターを駆逐し、二人には近づかせないようにする。
「サチ!しっかりして!ポーションを飲んで!」
「ツナさん。ありがとう。助けに来てくれたんですね。みんなが・・・」
サチはポーションを飲み体力を回復させる。残りは数ミリしか確認できなかったため、一撃でも当たっていたらHPは無くなっていただろう。
サチの言葉を聞き周りを確認するが、他のメンバーを確認することができなかった。とりあえずは、この場からの離脱を優先するためにツナはサチを抱えながら向かってくるモンスターを蹴散らすことにした。
「サチ。怖いだろうけどまずはこの状況を乗り切らないといけない。俺の首に手を回して掴まっててくれないかな。」
「わかった。」
ツナはサチのことをお姫様抱っこする。片手を離しても大丈夫なようにサチにしっかりと掴まっててと注意し、片手で向かってくるモンスターを蹴散らしていく。
無事にモンスターを倒し迷宮区を出る四人。途中でサチが寝てしまった為、22層のマイホームへと移動する。
「ここは!?」
マイホームに到着し、サチを寝かせるためにベッドに運ぼうとするが、リビングに着くとサチが目を覚ました。ここまでずっとツナのお姫様抱っこでの移動である。
「ここは俺達の家だよ。」
「ツナさん。ギルドホームですか?」
「違うわ。ツナさんのマイホームをみんなでシェアしてるのよ。」
「私もここに住んでるの。」
ツナの回答にサチはギルドホームと勘違いしたが、アネットとロッタが補足説明をする。
「ツナ。ちゃんと説明はしてほしいんだけど。」
「最近ボク達に構ってくれないのはサチさんに夢中だったから?」
「ん?人族は強き者でも一夫多妻はダメなのか?」
サチをお姫様抱っこをして帰ってきた時から不機嫌になっていたアスナとユウキが威圧感を込めてツナに説明を求める。キズメルはツナなら一夫多妻でもいいのではと考えているらしく、近くにいたアヤ・カノン・ミルローゼに問いかけていた。
「ふぇ!?私はツナになら・・・って何を言わせるんですか!」
「私はご主人様が望むなら構いませんわ!」
「私がツナさんと・・・。」
アヤは一人で先走り誤爆し顔を赤くしてキズメルに抗議をする。カノンはツナさんは理想のご主人様ですからと、ツナに身を任せるつもりでいたため普通に返答する。ミルローゼは想像したのか全身が赤くなり固まってしまった。
「黙っていてゴメンね。俺達はボンゴレっていうギルドなんだ。」
「あのボンゴレですか?」
「ツナがリーダーで私がサブリーダーのアスナです。」
ツナはサチに自身のレベルやボンゴレのことを伝える。サチは多少困惑してはいるが、アネットとロッタが横に座り手を握ってくれていたこともあり落ち着いて聞くことができた。
「ツナさん。私もボンゴレに入れていただけませんか?」
「逆にこちらからお願いします。これからよろしくね。」
ツナはサチを招待し、サチも承認ボタンを押す。するとサチのスキルに大空の加護と無限槍が発生する。
「大空の加護?無限槍?」
「大空の加護については後で説明するね。無限槍はユニークスキルかな。サチは戦闘職でいいの?」
「大丈夫。次はツナさんの横でみんなと一緒に戦いたいから。」
「わかった。みんなで強くなろう。」
ツナはサチに発生したユニークスキルに驚く。サチをこのまま戦闘職でいさせるべきかどうかを危惧していたツナだが、サチ自身の意思が固いことを理解し戦闘職での加入となった。
「サチさんよろしくね。」
「約束した友達を紹介します。」
アネットとロッタも嬉しそうにサチを歓迎する。ロッタはサチの手を取り幼い組がいるテーブルへと案内し紹介していた。
「ところで、ツナは一夫多妻を目指してるのかな?」
「ん〜ボクは反対ではないけど一番は誰なの?」
「アスナ、ユウキ。一夫多妻はキズメルの想像だからね!」
ツナはロッタとサチを微笑みながら見守っていたが、視界に威圧感を出したアスナとユウキが入ると焦り始めて一夫多妻を否定する。
「あら?一夫多妻は誰も反対しないと思うわよ。囲んだ女は全部俺のもの!っていうくらいの気概でいいと思うわ。」
ツナや周りにいたメンバーはアスナの言葉に驚く。アスナは一夫多妻に反対派だと考えていたからだ。
アスナは自身もツナに対して好意を寄せており、ギルドメンバーのほとんどがツナに好意を寄せていることにも理解していた。また現実世界でもツナはモテていたんだろうとも考えている。
アスナは現実世界に帰還した際に、ツナの周りをギルドメンバーで囲んでしまい他の女を近づけさせない計画を密かに立てていたのだ。そのために一夫多妻を利用することにした。