大空のSAO   作:ばすけばすけ

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朝霧の少女③

〜始まりの街〜

 

「ん〜ここに来たのは久しぶりだよ!」

 

「私も数えるくらいしか来たことないわ。」

 

「うむ。ここがツナ達のスタート地点なのだな。」

 

「私はあまり良い思い出がないのでこないです。」

 

「私とキャロは子供達の様子を見に来ますよ。軍の方々が変な行動をしないか監視もしたりしてますし。」

 

「はいです!私達の他にも交代で来たりはしていますが、シリカさんみたいに良い思い出がない方もいますので慎重にお声掛けをしてるです。」

 

「ユイ、はぐれないように手を繋ごうか?サチは保護施設に行くのは初めてだよね?」

 

「うん。あるのは知ってはいたけど、私も始まりの街は色々ありすぎて避けてたから。でも・・・もう大丈夫。」

 

到着したツナ達は転移門広場にて始まりの街の印象を語りながら保護施設に歩いて行く。デスゲームが始まり絶望に囚われた場所ということからシリカやサチの様に始まりの街を避けているプレイヤーは多い。

 

暫く歩いていると保護施設にしている教会に到着した。教会の庭では子供達が大人と一緒に元気に走り回ったり、遊んだりしていて賑やか雰囲気を作っていた。中に入ると三人の女性がツナ達を待っていた。

 

「お久しぶりです。サーシャさん、ユリエールさん、ヨルコさん。」

 

「初めましての方もいらっしゃるようですね。この施設の責任者でサーシャといいます。よろしくお願いします。」

 

「私はユリエールといいます。施設の警備部門を担当しています。」

 

「私はヨルコです。ツナくんに助けてもらってから、ここの警備部門をしてます。」

 

初対面のキズメル、サチ、シリカ、ユイも自己紹介をし、ユイのことや最近の始まりの街について変わったことはないかときいていると教会の入口が開き

 

「ツナ〜。巡回任務終わったよ!」

 

「ちょっとフィリア引っ張らないで!そっちはなにか進展あったの?」

 

フィリアとフィリアに手を引かれたアヤがツナに駆け寄ってきた。

 

「今日は二人が巡回担当だったんだね。」

 

「こっちは終わったから合流していいよね?未知のダンジョンに行かない?」

 

「街で面白い噂を聞いたのよ。昨日第一層のフィールドにダンジョンが急に出てきたらしいわよ。他のギルドが攻略しようとしたけど、資格がないって入れなかったらしいわ。アルゴさんに確認したら情報屋達の間でも事実確認の最中なんだって。このタイミング的に気にならない?」

 

フィリアは街できいた未知のダンジョンの情報でテンションが上がってしまい、ツナに抱きついた後はユイを持ち上げてクルクル回り始めてしまう。ユイが嫌がる素振りを見せず喜んでいたためサチも微笑みながら見守っていた。

 

アヤが他のメンバーにも得た情報を共有していく。アヤやアルゴはユイが発見された日にダンジョンが出現した為、ユイに関係するイベントなのではないかと考えているらしい。

 

「つまりアルゴさんやアヤはユイちゃんがイベントNPCだと言いたいの?」

 

「サチ落ち着いて!別にそういうわけじゃないわよ。でもタイミング的に関連性を考えるのが普通じゃない?」

 

「確かにアヤの言うとうりね。サチ・・気持ちはわかるけど、そのダンジョンには向かうべきだわ。」

 

「ん〜!!未知のダンジョンか〜。久しぶりの大冒険かな?」

 

「私は一度エルフの城に戻って情報収集をしてこよう。」

 

「このメンバーなら大丈夫だとは思いますが、ちょっと緊張しますね。アイテムはっと・・・」

 

「はわわっ!私もアイテムと装備の確認をしないと。」

 

「落ち着きなさいキャロ。シリカも。第一層に出てきたわけですから難易度は高くないかと思いますよ。」

 

アヤの説明を聞いたサチはユイをNPC扱いしているのかと槍を構えそうになるが、アヤの言い分やアスナに説得されて槍から手を離す。そんな三人を見てユウキは身体を伸ばしながら気分を変える為の発言をする。

キズメルは急に出てきたダンジョンについて王との情報共有をするために城に戻ることにした。

ユウキの発言を聞いたシリカやキャロは未知のダンジョンの大冒険ということで慌てて装備やアイテムの確認をし始めるが、アネットが二人を落ち着かせる為に頭を撫でながら階層的に大丈夫だろうと言うと二人は恥ずかしがりながらも落ち着きを取り戻した。

 

ツナは顎に手を当てて考え事をしていたが、急にシステムウィンドウを操作し始める。

 

「今まで騙し騙しやってきたけど、22層のホームをギルドホームに設定するね。」

 

「ツナ!?」

 

「また勘か?だがツナがそう判断したなら従おう。」

 

ツナの行動に驚くアスナとキズメル。大空の庇護下について知っているのは二人だけなため後のメンバーは不思議そうな顔をしていた。

 

「ボンゴレにはみんなに秘密にしていることがあるんだ。後で話すね。」




本編の補足
キズメルの一番の優先事項はエルフの王との情報共有です。ツナ達との旅の同行がアインクラッドの異変調査なためこのようになっております。

教会にいるメンバーはボンゴレには加入していません。シンカー、カインズ、シュミットも教会にいます。

次でユイ編は終わらしたい。

大変申し訳ありませんが、リズベットを細かく書く気はありません。ツナの最強装備はグローブですので鍛冶屋を絡ませにくいです。


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