第2層某所にて
「オイラはアルゴっていうんだ。お互いの目的も合致したことだし、レベル上げと最強プレイヤーの捜索完了までの護衛を頼んだヨ。」
「うん!ボクはユウキ!一緒に頑張ろうねお姉さん!」
フードを被っている方が情報屋の鼠のアルゴ、紫色のロングヘアーな女の子がユウキ。偶然出会った二人であったが、第1層と第2層を攻略したプレイヤーを探すためにパーティを組むことにした。
アルゴのレベルは10でユウキのレベルは14ではあるため第3層に進めなくはないが、念には念を入れるため第2層の迷宮区を経由してレベルを上げながら行くことにした。
第3層迷い霧の森
「私の名はキズメル。そなたらのお陰で第一の秘鍵は守られた。助力に感謝する。司令からも褒賞があろう。野営地まで案内しよう。」
キズメルが言い終わると彼女の頭の上にクエスト進展を知らせるマークが点灯した。
「それじゃ、お言葉に甘えて」
アスナが一歩前に出てキズメルに答える。すると頭上のマークが消えて
「野営地は森を南に抜けた先だ。」
とキズメルが歩き出した。同時に三人目のパーティ加入を告げるメッセージが流れた。
15分ほど森を進むと野営地に到着した。キズメルの後ろに従いながら先遣部隊司令官との面談を行い報酬をもらった。
「ツナ、アスナ。私のことはキズメルと呼んでくれ。一度街まで送り届けることもできるが、野営地の天幕で休んでも構わん。」
「一度「なら天幕をお借りします。」・・・」
ツナが喋り出そうとすると、それに被せるようにアスナが答えてしまう。
「予備がないゆえ、私の天幕で三人で寝てもらうことにはなるが我慢してくれ。」
キズメルは言い終わると食堂の方に歩み去っていった。
「ツナは私と同じ毛布で構わないわよね?」
「いやいや!三等分できる広さだからね!なんなら俺は外で寝るし!」
「ブーッ!」
アスナは天幕に入ると境界線を作るが、何故かツナとアスナは一つの毛布で寝る計算になっており、ツナが断ると口を尖らせてホッペを膨らましていた。
すると天幕の入り口が上げられてキズメルが入ってきた。
「大したもてなしはできぬがこの天幕は自由に使ってくれ。食堂はいつでも食事をとれるし、湯浴み用の天幕もある。」
「お風呂!あるんですか?」
アスナがすかさず反応し、キズメルは湯浴み用の天幕を指差した。アスナはツナの手を引いて「お風呂に行って来ます!」と天幕から飛び出す。
「・・・お風呂、一つしかないわ。」
湯浴み用の天幕に着いたのだが、入り口はひとつのみで中を覗いても湯船がひとつしかなかったのだ。
「俺が見張ってるからお先にどうぞ。」
「??なに言ってるの?一つしかないんだから一緒に入るしかないわよね?ほら行くわよ!」
ツナは天幕から背を向けて座ろうとするが、アスナがツナの手を引いて幕内に連れ込もうとする。
「アスナ。ここは犯罪防止コード圏外なんだ。だから二人揃っての武装全解除は危険なんだよ。」
ツナはアスナの頭を撫でながら二人で入る危険性を伝えて諭していく。アスナは納得して一人で幕内に入っていった。ツナは表面上は冷静に対処していたが、ポーカーフェイスでやり過ごしただけで内心ではテンパりまくっていた。
時刻は午前三時
ツナ、アスナ、キズメルの三人は司令官から与えられたクエスト【毒蜘蛛討伐】を進めるために野営地を後にした。
一時間後、毒蜘蛛討伐はなんの苦労もなしに完了し、ツナ達三人は司令官に完了の報告をするために野営地に戻って来ていた。
驚いたことに【大空の加護】はキズメルにも発生していた。しかも効果が二倍から三倍に膨れ上がっている。どうやら発生している人数により数字も変動する仕組みになっているようだ。
第2層にて
「ディアベルは〜んディアベルは〜ん。」
と泣きながら宿屋の前に座り込んでいる男と、無言で座り込んでいる男がいた。
また初のプレイヤー鍛冶屋も誕生しようとしていた。