プリキュアオールスターズ×仮面ライダー~bの復活とsの暴走 ~ 作:鈴木遥
・星空家には、今怪人がいる。
いや、彼らは人間に憑依している為、傍目には彼女たちの異変に気付けないだろう。
「え〜、整理しますと、皆さんは時の列車で旅する
愉快(でもない様にみえるが)な四人組で、れいかちゃんにウラタロスさん、なおちゃんにリュウタロスさん、あかねちゃんにキンタロスさん……あれ、でもさっきまで髪の毛赤くなかったですか?」
「せやった!デンライナーから飛び出た衝撃で、モモの字吹き飛ばしてしもうた!」
何の因果か、この時間の七色が丘町の 星空家に迷い込んでしまった イマジン4人組とやよいは 状況を整理しあっていた。
「ちょっとキンちゃん、先輩どこまで飛んでったワケ?」
「そう遠くはないハズやねんけど……。」
と、 その時。キッチンからみゆきの母、星空育代の悲鳴が聞こえた。
「ちょっとあなた!どうしたの!?」
「うるせぇ!ここは何時の何処かって聞いてんだ!」
まさか……と、顔を見合わせるやよいとイマジン達。
キッチンに降りると、「まさか」は「大当たり」に変わった。
みゆきの父が髪と瞳を赤く変色させ、ドスの効いた声で母に迫っていた。
「あら、やよいちゃん来てたの。ねぇ、ウチのパパどうしちゃったのかしら!」
この状況をどう説明するべきか迷った。本当のことを言うわけにもいかず、かといって下手に言い訳すれば、かえって心配をかけるだろう。
「みゆきの母ちゃん、ホンマすまんけど、ちょっと旦那さん借りてくわ!」
「あら、あかねちゃん声低くなった?」
「ききき気のせいや、気のせい。」
と、 ギリギリのところでどうにかごまかし 、みゆきの父(INモモタロス)を 無事みゆきの部屋に連行することに成功した。
「それで、ここは何時の何処なんだよ、落ち着かねぇよこの身体……。」
「不思議ですね。 モモタロスさんとキンタロスさんだけみゆきちゃんパパとあかねちゃんパパの声のままだ……言葉荒いけど。」
「大人の事情だからさ、ツッコまないであげてよ。」
「わーい、モモタロスがおじさんになったー、かっこ悪ー!」
「んだと小僧テメェ!」
イマジン2人が大乱闘を始める前に、すっかり忘れられていた妖精ポップがツッコミを入れた。
「各々方、いい加減本題に入るでござるよ。 メルヘンランドの情報が オーナー殿と知り合いだとおっしゃっていたから、案内に拙者もここに来たのでござる」
「そうクル。 この世界に大変な危機が迫ってるクル。」
「キャンディ、その『大変な危機』ってのがイマイチ……。」
と、やよいが頭を抱えていた時、みゆきの父(INモモタロス)が血相変えて立ち上がった。
「臭うぜ!イマジンの臭いだ!」
全員がモモタロスの視線の先、 部屋の入り口に目を向け、緊急時への構えを取った。
部屋に入ってきたのは他ならぬみゆきだった。
いつものやよいであれば、なんだと安堵するところであるが、イマジンが見てもまたやよいが見ても、今目の前にいるみゆきは異常だった。
それがなぜなのか気づくのに、やよいは数秒かかってしまった。砂粒が、服の袖口から、ズボンの中から、足から大量に溢れ出ていた。
当然の様に、イマジン達は警戒を解かない。
みゆきから溢れ出た砂は、一箇所に固まり、吹き上がり、人の形を成した。
それはやがて、単なる砂ではなく、 一体の異形の怪人の姿に変わった
そう。イマジンだ。モモタロス達と同等の存在であるが、彼らと違い、時間の運行を妨げ、 過去を自分の思い通りに作り変えることを目的とする。
過去へ飛ぶためには人間と契約し、その望みを叶える事で、その人間の記憶をよりしろに時間を移動するのだ。
みゆきは今回、このイマジンが過去へ飛ぶための契約者に選ばれてしまった。
「ジョーカーの案内のおかげで楽に仕事が出来た。」
醜いバケモノは下卑た笑みを浮かべる。
体格はがっしりとしているが、 軽やかな雰囲気の羽帽子と 木の葉で作った様な緑色のコートはまるでピーターパンを思わせる。頭部は銀色の鬼そのもので、袖やズボンの外側からも、怪しく煌めく銀色の皮膚が見え隠れしている。
(ジョーカー!?)
ウラタロスの「意識の奥底」にいたれいかは『ジョーカー』の名に反応し、むりやりウラタロスを外へ飛ばした。
「びっくりした!」
腰を抜かすウラタロスを尻目に、れいかはピーターイマジンを睨んだ。
「答えなさい。『ジョーカーの案内』とは、どういう意味ですか!?……あの男が一体何を!?」
「お前はさぞあの男が憎かろうが、今はどうでも良かろう。さて……契約完了。」
イマジンは呪文を唱えるかの様にそう言って 美幸の体を 半分に裂き、裂け目の中に飛び込んだ。
「まずいで!もう契約完了してもうた!あの娘の身体使って、過去を滅茶苦茶にする気や!」
何とかして早く追わなきゃ。と意気込むやよいだが、外から轟音が聞こえてきた。
見れば、真っ黒い塊のような赤鼻の怪物、アカンベーが 通行人たちを襲っていた。
「こりゃやべぇ!カメ、クマ、小僧! 俺はやよいにとりついて野郎を追う!テメェらはあのバケモンを何とかしろ!」
「私も!」
そう叫んだのはれいかだった。
「何言ってんだテメェ!こっからはオレもどうなるか分からねぇ!テメェまでここに居なくなったら、こっちの
戦力が……。」
「分かっています!けれど、『ジョーカー』の名が出た以上、私が傍観している訳にはいきません!プリキュア一年の戦いの折、あの者を仕留め損ねたのは私ですから……!」
あまりに強いれいかの押しに、さすがのモモタロスも競り負けた。
憑依体をみゆきの父からやよいに移し、ガッツポーズをきめた。
「っしゃあ行くぜ!遅れんじゃねえぞ!」
「いいけど先輩、どうやっていく気?デンライナーは離れちゃったし……。」
「……あ!」
「考えてなかったんか?あほやんけ……。」
「やーいやーい!モモタロスのバーカバーカ!」
「うるせー!どうすんだよ、コレ!!」
罵り合う 4人。だがれいかにしてみれば、青い瓶の怪人と戸プリキュアのパートナー3人が罵り合っている非常に珍妙な光景なのだ。
対処しかね、途方に暮れていた時、みゆきの部屋に一組の男女が入ってきた。
れいかには、 自分とさほど離れていない、年端もいかぬ少年少女に見えた。
「この四バカ共!やっぱりココにいた!」
少女が甲高い声で怒鳴った。
「探したよ、 オーナーがプリキュアさん達の事を教えてくれなかったら、合流できるのがいつになってたかわからない。」
イマジンに体をよりしろにされ、茫然自失になっているみゆきの額に、少女は一枚のチケットをかざした。
その瞬間、チケットにはピーターイマジンのシルエットと、 2012年 11月10日の文字が浮かんだ。
「この日付に記憶は?」
「私が……私たちがジョーカーに負けた日……。」
どこを見ているのか分からない虚ろな目で自重する様に、また謝罪する様に、みゆきは力なく答えた。
「……なぜ、それがみゆきさんの……。」
「わからないけど、 イマジンが過去を変えるために飛んでいくほど価値のある、重要な記憶ってことだね。」
その様に解説した後、彼は自らを野上良太郎と名乗った。 横にいた少女はフルネームを名乗ることなく ただハナと呼ぶ様に言った。
「そうこうしてるウチに、イマジンが どんどんこの子の過去と記憶を変えていく。そーなる前に何としてもあいつを止めなきゃ……!」
「よっしゃ! あのあかっぱなのバケモンはオレら任せて お前ら早く、イマジンを追うんや!」
「お願いね、ウラ、キン、リュウ!」
れいかがハナたちと共に猛ダッシュで外に出ると、そこにはもうすでに デンライナーが停車していた。
れいか、ハナ、やよいは客席に、モモタロスと良太郎は 運転席に乗り込んだ。
「モモタロス、行くよ!」
電王ベルトの赤いボタンを押し、ライダーパスをセタッチ(セット&タッチ)。
基本アーマー『プラットフォーム』の形成と共にモモタロスが憑依し、仮面ライダー電王『ソードフォーム』へと変身した。
「っしゃあ、行くぜ!しっかり掴まれよ!」
運転席に備えられている専用バイク、マシンデンバードに乗り込み、ピーターイマジンのシルエットが刻まれたチケットを挿入。
バイクのアクセルを踏むと、デンライナーは自動発進。
車両先頭のランプの下にチケットに書かれた日付が刻まれ、その時間、みゆきの記憶にある場所へ向け発信する。
長きにわたる正義と悪の因縁に決着をつけるため、時の列車は今、様々な思いを乗せで疾走する……!
2012年11月10日は 実は適当につけたわけではなく数年前のある映画の公開日が関係していきます そこに登場するキャストについて紐解いていくと おそらく今回のエピソードのスポットはどちらかと言うとキュアビューティーに当たっていることが分かってくるはずです すべての真相は近日更新予定の後編でどうぞ