あの後、教務科に呼び出されて、蘭豹にこっぴどく怒られた。
まぁ、人間辞めてますランキング殿堂入りした俺が暴れたからだろう。
「はあ、戻ってきてから疲れる。」
別にバーサーカーしなくても普通に勝てるんだけどさ、その戦い方も問題だからね。
「あ、藤原君なのだ!」
ぴょこぴょこと歩いてきたのは平賀さん。
「お、アレは出来たのか?」
「勿論バッチリなのだ!」
そう言って取り出したのは斬糸のグローブだ。
どういうものかと説明すると、目に辛うじて見えるようなワイヤーで相手を巻き取ったり、切り刻んだりするものだ。
「試してもいいか?」
「勿論なのだ!」
俺は平賀さんと訓練場に行き、早速試してみた。
「うん、手に馴染むし、使い辛くもない。」
丸太に向かってワイヤーを振るう。
すると丸太は6つに切断された。
「ほお、いい感じじゃん。」
「お気に召したようで良かったのだ!」
だが、使うとなると周りを巻き込んだりしそうだな。
慣れるようにしなくてはな。
「ちょっと、ワイヤーが鋭いから扱いには注意してもらいたいのだ!」
「わかった。これでアイツらボコボコにできる。」
「武偵憲章は破らないで欲しいのだ。」
「分かっている。」
そんなやり取りをして、平賀さんと別れた。
そして、ひさびさに教室に戻ってきた。
さて、入ろうかとすると、銃弾がいきなり飛んできた。
それを難なくはたき落とす。
ちょっと、イラッと来たかな?
俺は教室のドアを蹴破る。
クラス全員がこちらに注目する。
「おい、俺に向けて銃弾撃った奴出てこい。」
教室中に『あ、やばい奴来た。』という空気が流れる。
「ん? 俺は聞いてるだけだが、誰なんだ? なるほど、遠山か、遠山なんだな?」
「俺じゃねぇよ! 勝手に決めるなよ! 撃ったのはアリアだ!」
「なぜ、出てこない?」
「お前が、その武器持ってるからだろうが!!」
「あ? これか? これは俺なりの銃を構えてますアピールだよ。」
「いやいやいや!! お前のは洒落にならねぇよ!」
「そうか。んで、俺に向けて発砲した奴は?」
クラス全員がアリアを指差す。
「そうか、そのちっこいのか。」
その瞬間に何かが切れるような音がした。
「おい、ちっこいの、悪いことしたら『ごめんなさい』だろう? そんな事も出来ないのか? ちっこいの、それにここは小学生が来るところじゃない。分かったかちっこいの?」
「ばっ!? おい!?」
「ん? 何か悪いこと言ったのか?」
「ちっこいのとか言うなよ!!」
何言ってんだコイツ?
「だ〜れ〜が!!! 小学生でちっちゃいかぁぁぁぁ!!!!」
「おお! キレたキレた。」
「お前な! 煽るなよ!」
「ちょっとはかっこいいからって、馬鹿にして!!!」
「「「「「「あ」」」」」」
「皆さん! 逃げてください!!」
担任の高天原ゆとり先生が焦ったように言ったが遅かった。
あの馬鹿!!
「馬鹿アリア! それは言ってはいけない言葉だ!」
「何がよ!!」
「アイツにカッコいいとか言ったらダメなんだ!!」
「うっさいわね。当たり前のことを言って何が悪いのよ!」
「アリア、お前死ぬぞ?」
一周回って冷静になったのだろう。
「え? それはどう言う『グルァァァァァァァア!!』っ!」
「誰が、誰がカッコいいだぁぁぁぁぁ!」
「何なのよ!」
アリアが後ずさる。
「おい! 逃げることに専念しろ!!」
アリアとキンジが窓から飛び降りる。
「逃すかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
二人の顔近くをモーニングスターが過ぎ去る。
「ちょっと! 今の当たってたら死んでたわよ!!」
「お前が原因なんだよ!!」
「グルァァァァァァァア!!」
人間離れした跳躍で、正面に回られた。
マズイ。
そう思った時、藤原を鎖が拘束した。
「ウゥゥ! ガアァァァ!」
もがくが解けそうにない。
「やあ、無事かな?」
そこには緑の長い髪をした男性(?)がいた。
「はぁ、間に合ってくれたか。」
俺は脱力し地面に座る。
「ねえキンジ、アイツは何なの?」
「ああ、アイツは人間辞めてますランキング殿堂入りした奴だ。」
「は? まさか、あのランキングの?」
「それ以外に何があるんだよ。」
「え? 嘘? だって、それまでは山の翁とか言う人だったじゃない?」
「アイツが超えたよ。アイツの二つ名は『凶戦士』だ。」
アリアは呆けてしまった。