ぼやけた視界から景色があらわになる。
保健室のようだ。
「あー、またやっちまったか。」
教室で何か言われた後から記憶がない。
おそらく、禁止ワード言われてバーサーカーしたんだろう。
「やあ、目が覚めたんだね。」
「よお、エル。悪い目覚めだ。」
「仕方ないよ。思いっきり絡めたからね。」
どおりで身体中が打撲みたいに痛むわけだ。
「流石回復は山の翁を倒しただけあるね。」
「勘弁しろ。鐘の音が鳴らなかったから勝てたんだからさ。」
それでも剣術化け物、気配消すの化け物、攻撃化け物、遠距離も化け物の存在が化け物をなんとか下したんだからさ。
鐘の音が鳴っていたら寒気がする。
「それでもだよ。僕たちの所属する組織、そして組合の長として誇らしいよ。」
「そうか。」
照れるな。
あ、組合で思い出した。
あいつら大丈夫かな?
特にポートラルの長は変態だし、テンペストは露出狂だし、シルヴァニアは四人しかいないし、仲良くやってるかな?
「そうだ。彼女たちから連絡があったよ。」
「だれからだ?」
「屍からだよ。」
うわぁ、よりによってあいつからか。
「どっちだ?」
「黒い方からだよ。『くふっ、そろそろ大きな戦いが始まる。我らの王も参加せねばならない。どちらに着くか決めておけ。敵は任せておけ、所詮は豚と塵芥しかおらんのだからな。』ってさ。」
「極東戦役か。それしかねぇな。でも、イ・ウーが解体されるのか?」
「いや、予言らしいよ。トオヤマとアリアが解体させるみたい。」
そうか。
しばらくは様子見か。
「ふむ、なるほど。」
「で、どうする? 『人理修復機関カルデア』、生存組合『ポートラル』、『テンペスト』、『シルヴァニア』の統合団長たる君は参加するのかい?」
「ふっ、もちろんだよ。お前の友がうるさいんだよ。」
「ふふっ、確かに彼なら『我の街、我の土地で無粋な真似をするでない!!』って言いそうだもんね。」
「そうそう、だから参加する。そして、すぐに終わらせれるようにする。」
「そうだね。平穏な日々のために。」
そう言ってエルは立ち上がり、保健室から出て行った。
それと入れ替わりで、キンジとアリアが入ってきた。
俺を目の当たりにした瞬間にアリアは頭を下げた。
「ごめんなさい。あなたの事全く知らなかったの。」
「ああ、気にしてないさ。俺が、ああなるのはいつものことだったしな。」
キンジに目を配らせる。
「そうだな。」
遠い目をしてキンジが同意する。
「あの時は大変だった。蘭豹は一撃ノックアウト、校長は近づけず、狙撃は弾き返す、強襲科の先輩は薙ぎ倒されるって散々だった。」
「あの時は前日に腹が立った出来事があったし、それに朝から蘭豹の無茶振りでキレる直前だったからさ。」
「それは理解してる。」
「さて、昔話はそこらへんで、本題に入ろうか。」
二人を俺は見据える。
「さて、俺に何の用かな?」