IS~一夏とボンゴレファミリー~   作:黒猫の棺

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待っている人は少ないだろうけどお待たせしました。卒研が終わり再提出を残すのみとなったので、相変わらず亀更新ですが、投稿を再開します。久しぶりなので矛盾等があるかもしれませんがやんわりと指摘してくれれば幸いです。


寮にて

翌日、余裕を持って学園に登校した一夏は荷物を置くために職員室に寄り、山田先生に寮の場所を聞き、その部屋に向かっていた。余裕を持って来たために始業までにはまだ時間はあるが、身だしなみ等に時間がかかるためか少なくない生徒が起きている気配があった。

 

一夏は部屋番を確認しながら自分の部屋である「1025」を目指した。部屋の前でノックをしても返事がない。部屋の中に人の気配がするので中にいることは確かである。シャワーでも浴びているのであろう。普段なら引き返しているのだが、荷物の整理をしなくてはならないため、受け取っていた鍵で部屋の中に入る。中に入るとすぐ近くから水の流れる音が聞こえてきた。

 

 

予想通り同居人はシャワーを浴びていたようだ。足を奥に進めるとベットやタンスなど、必要な家具類が二人分設置されていた。流石に開けてどっちが使われているか確認するわけにもいかず、床に荷物を置いて肩に下げていた竹刀袋から一振りの

刀を取り出した。

 

「蒼炎」

 

元々は無銘の刀だが、一夏が時雨蒼燕流を継承した際に一夏が山本から授かった愛刀。本来は時雨金時を継承するのだが、一夏の編み出した型との相性がイマイチで山本の雨のボンゴレリングとの相性がいいことから一夏は時雨金時を継承しなかったために山本がその代わりにと用意したのだ。

 

一夏が蒼炎の手入れを始めて数分後、水の流れる音が止んだ。一夏は素早く刀を竹刀袋にしまい込み、使っていた道具を片付けたところでシャワールームから同居人長い髪をふきながらが姿を現した。その女生徒は一夏の姿を見た瞬間体をこわばらせた。

 

「い.....一夏?」

 

その女生徒は一夏の幼なじみである篠ノ之箒だったのだ。箒は同居人が一夏であることを知らなかったのだろう。部屋にいる一夏を見て驚いていたが、自分の格好を思い出し、顔を真っ赤にしながら自分の体を隠すように手をやり、バスルームに駆け込んでいった。

 

「な、何故ここにいる!?」

 

「ここが俺の部屋と言うだけだ」

 

「な、何?同居人は明日来ると聞いていたがお前だったのか?」

 

「らしいな」

 

「お....お前が言ったのか?私が同居人がいいと....?」

 

「そんなわけないだろ。おおかた織斑千冬あたりが提案したんだろう。『同居させるなら幼なじみである篠ノ之のほうがいい』とでも言ったんだろう」

 

一夏の予想は半分正解である。一夏が急遽寮に入ることになったのは篠ノ之束の圧力があったからだ。束は妹である箒が一夏に好意をよせていたのを知っていた。だから、政府に圧力をかけ、一夏が寮生活をするように仕向けたのだ。あとは、千冬が箒との同居を提案すると踏んでいたのだろう。そして、その読み通りに事が進んだ結果なのだ。

 

箒は一夏の言葉に項垂れるが、顔を上げて昨日から聞こうと思っていたことを口にする。

 

「一夏....千冬さんと何かあったのか?何かよそよそしかったのだか....?」

 

「お前には関係のないことだ」

 

「関係ないはないだろう!?私はお前の幼なじみだぞ!」

 

「幼なじみだからといってなんでも話せと?恋人でもなければ家族でもないただの幼なじみだけというだけのお前に?幼なじみに相手の全てを知る義務なんてないと思うが?」

 

「し....しかし」

 

「それと、俺に付き纏わないと約束したはずだ。同室になったとはいえそれは変わらない。必要最低限は仕方ないにしろ約束は守ってもらう」

 

一夏はそう言い残すと部屋を立ち去った。箒は悔しさで顔を歪めていた。

 

「お前に何があったというのだ...一夏」

 

箒にとって一夏はヒーローだった。小学校の頃、箒は男女と馬鹿にされ、物を取られるなどのいじめを受けていた。それを一夏が助けたことがきっかけで箒は一夏に好意をよせている。箒にとってIS学園への入学は義務だった。

 

箒が小学校の頃に転校したのも、篠ノ之束の妹だから狙われる危険性があるというもので家族も同様の理由で離れ離れになってしまった。自分から家族を、一夏を奪ったISや姉を箒は嫌悪していた。

そんな時、一夏がISを動かし、IS学園の入学が決まった。箒はそれを運命だと思った。今まで離れていた分一夏との時間を取り戻そうと、取り戻せると思った。しかし、実際は違った。あの優しかった目は刃物を連想させるほどに鋭く、自分だけを見てくれていたのに自分など眼中に無いと言わんばかりになってしまっていた。箒は何が原因かを考え、SHRの自己紹介を思い出した。

 

『家族』

 

確か、自分の好きなものに家族と言っていた。千冬は一夏の態度から違うだろう。何があったのかは知らないが一夏は千冬のことを家族だと思っていないのだろう。なら誰が....。

 

(その家族とやらが一夏を狂わせたのか!!)

 

箒はそんな見当違いなことに思い至った。自分勝手な思考からそんな見当違いな答えに至ってしまったのだ。

 

「待っていろ一夏。必ず私がお前を救ってみせる....!」

 

箒は決意する。それがどれだけ愚かなことかも知らずに....。

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