------------------------------響
やあ、皆響だよ。今日は1日司令官を観察するよ
最近暁の様子がおかしい。夜中に司令官と一緒にトイレに行くようになったり、苦手なピーマンを食べるようになったり、辛いものはきっぱり食べなくなった。中でも1番変わったのは、2人きりの時だけだが司令官をお兄ちゃんと呼んでいた
きっと司令官と何かあったのだろう、そこはわかる。しかし今まで自分から人の前で弱いところを見せなかった人だ。それを皆が気づかない程の短期間で改変させた司令官に興味が湧いた
響「というわけで、今日は1日ずっと司令官といるよ」
哲也「何がというわけかわからないが、まあ響がそうしたいなら自由にしてくれ」
響「ありがとう司令官」
哲也「でも、俺に付いてくると仕事とかする派目になるぞ?」
響「それぐらいどうってことないさ」
哲也「そうか」
そして執務仕事に取り掛かる。早速探られない程度に暁と何があったか聞いてみよう
響「司令官」
哲也「ん、どうした?」
響「最近、暁が変わったんだが何か知らないかい?」
哲也「…俺は特に」
今間があったなぁ…きっと嘘が苦手なんだね
響「そうかい?夜中に司令官と一緒にトイレに行ってる暁を何度も目撃してるんだが」
哲也「暁に頼まれただけだ」
響「私の姉さんは自分の弱さを内側に隠す人だ。そう簡単に自分の弱いところを見せたりしない。それに暁が司令官をお兄ちゃん呼びしてるのも知ってるよ?」
哲也「……」
司令官が黙り込んでしまった。流石に追い込みすぎてしまったか……
哲也「暁のこと、バレてたのか…」
響「あぁ、今まで暁のために黙っていた。それで暁に何をしたんだい?」
哲也「何をしたっていうか、暁が兄か姉みたいな甘えられる存在が欲しいって言ってたからそれを叶えただけだよ」
響「なるほど、それでお兄ちゃん……」
暁が司令官をお兄ちゃんと呼んでいたのはこれが原因か
哲也「ああ、後は膝に乗せたりとか」
響「ほう、それはなかなか…じゃあ私も」
司令官の膝の上、実に座り心地が良さそうだ
響「よいしょ」スクッ
哲也「どうだ、座り心地は?」
響「うん、上々だ。暁が甘えたくなるのも頷ける」
哲也「それは良かった」
何となくだけど、暁が司令官に心を許した理由がわかった。この人といると何故だかとても暖かい気持ちになる。なんというか家族のような感じだ
響「司令官は、暖かいね」
哲也「そうか?特別体温が高いわけじゃないと思うんだけど」
響「ああ、そういうわけではなくて…その……とにかく暖かいんだ」
哲也「はは、なんだそれ」
響「うーん…」
この暖かさを言葉にするとなると……難しいな。ただ、一つだけ言えるとしたらずっとこうしていたい、って思えてくる
響「難しいな、取り敢えずこのままだと暖かさに依存しそうだからおりるよ」ヨイショ
哲也「ん、そうか」
さて、暁の変化の原因もわかった、仕事も少し片付ければ私は暇になる……
響「……」チラッ
哲也「……」カキカキ
……今日1日はこの人と一緒にいよう
お昼
お昼時、司令官を食事に誘った。意外にも司令官は1人で昼食を取ることが多いらしい。さらに司令官の場合基本自炊だった、どうやら間宮さん達の仕事の負担を減らしたいらしい
そしてこの流れから私の分も作ってもらうことになった
哲也「うーん、適当にチャーハンでも作るか」
響「野菜切るぐらいだったら手伝えるよ?」
生憎私はボルシチしか作れないためこれぐらいしか出来ることがない
哲也「お、そうかじゃあ半分頼む」
響「了解した」
かと言いつつも、司令官は若干少なめの量の食材を渡してきた。相変わらずの自己犠牲精神だね
響「司令官終わったよ」
哲也「ああ、ありがとう響」
そして戸棚の置くからとても大きい中華鍋をより出していた。適当とはなんだったのだろう
響「司令官、それを使うのかい?」
哲也「ああ、そうだが?」
響「そうか…」
その後、中華店と全く同じやり方でチャーハンを作っていき、完成品を食べた。間宮さんと張り合えるぐらいのできだった
昼食後さすがに出撃の同行は却下されてしまったので仕方なく部屋に戻る。そして部屋の中に入るとまず最初にやさぐれた電が目に入る
電「…むー……」
響「ただいま、電」
電「あ、おかえりなのです。響ちゃん」
響「いつまでそうしてるんだい?もう何日目だ?……」
ここ最近電は司令官と用事が合わず余り会えていないらしい。そのせいかいつもふくれっ面で機嫌が悪そうにしている
電「もう少し、電のことも見てほしいのです」
響「もういっそのこと電から誘ったらどうだい?」
電「それができたらやってるのです。けど司令官さん最近は1日中他の子といるので誘えないのです」
響「はぁ…」
早くなんとかならないものか……司令官が好きなのはわかるけど…
電「そういえば響ちゃんは何をしていたのです?」
響「私かい?そうだな……しいていえば観察、かな」
電「観察?なんのです?」
響「司令官」
電「……」
もうこの際面倒なので電を焚き付けて司令官の元へ突撃させてしまおう
電「そ、そうですか…」
響「ああ、実は最近暁の様子がかなり変わってね。司令官が関わってそうだったから側で観察してたんだ」
電「それで何かわかったのです」ムスー
電の顔がみるみる内に不機嫌になっていく。それはもう入って来た時の倍はすごい
響「うん、どうやら暁が兄か姉が欲しいって言ったらしくてね。司令官がそれになったそうだよ」
電「兄……」
響「ああ、ちなみに司令官と2人きりの時はお兄ちゃんと呼んでいる。あとよく膝に座らせてもらってるそうだ」
電「……」
響「だから私も座って来たよ」ブイ
電「……」
話を進める内に電の目からハイライトが消えていく。少しやりすぎただろうか…
電「そう、ですか…」
響「あ、ああ……」
電「少し…寝るのです……」
響「う、うんおやすみ…」
そうして電は布団に潜ってしまった
私には愛とか恋とかはよくわからない、けど恋する心は時に猛威をふるうということだけはわかった。それだけさっきの電の目には色がなかった。自分でやっといてなんだがもしかしたら取り返しのつかないことをしたかもしれない………
響「司令官、ファイト……」
取り敢えず今は司令官に任せよう。さて、そろそろ司令官の元に戻ろう。もう帰って来てるはずだ
先ほどのことは一旦忘れ、私は再び司令官の温もりを味わいに行った
響の観察結果を聞いた電、嫉妬と寂しさを抱きながら哲也の元に突撃する。焚き付けられスイッチが入った電、今までのストレスとともに放たれる口撃に哲也は耐えられるのか
次回「激おこ!電ちゃん」
やっと電回じゃあぁあ!!