電さんと化物提督   作:コントラポストは全てを解決する

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ハンカチよーいスチャ__(⌒('ω')_□





6章 告白編
39艦 この想いが届くなら


『提督へ:

 

 急なお手紙申し訳ありません、明日の夕方5時に執務室に来てください。大事なお話があります

 

 山風より』

 

 哲也「……」

 

 長門と飲んだ後部屋に帰って来てすぐ寝てしまった、そして朝起きテーブルの上を見るとこの手紙が置いてあった

 一昨日にこんな手紙はなかった、ということは昨日の内に来たのだろう

 

 哲也「となると手紙の明日って今日になるのか」

 

 

 大事な話……おそらく悪い話ではないと思うが、なんだろう。何か山風に関する大事なこと……何かあったっけ?

 

 

 哲也「今日の夕方か……山風に聞きに行きたいけど、時間まで指定されてるし待ってた方がいいよな」

 

 

 「」コンコン

 

 哲也「ん、どうぞー」

 海風「失礼します提督」

 

 哲也「おぉ、海風かどうした?」

 海風「いえ、少しお話が……山風からのお手紙は読みましたか?」

 

 哲也「ん、ああこれだろ。しっかり読んだよ、それがどうかした?」

 海風「いえ、それが確認できれば良いです。失礼しました」

 

 哲也「お、おう」

 

 

 まさか妹が出した手紙を、相手がしっかり呼んだか確認するためだけに来るとは……お姉ちゃん恐るべし

 

 海風「提督……あなたがどんな答えを出そうと山風は受け止めます。だから、気は使わないでくださいね」

 

 哲也「どういうこと?」

 海風「すぐわかります……しっかり山風の気持ちに答えてあげてください。あの子のためにも、提督のためにも……では…」バタン

 

 

 

 

 

 

 

 哲也「……」

 

 大事な話、山風の気持ち、どんな答えでも受け止める……ここ最近恋というものを知った俺としてはこれから起こることが容易に想像出来てしまった

 

 

 哲也「…マジかー……」

 

 改めて己の知能の低さと愚かさに悲痛の声を上げる……思えば山風も電と同じような反応してた時があった、皆もたまにあったが山風はそれより上、電と同じくらいだったと思っている

 

 

 哲也「なんでこうなったかなー」

 

 学生時代は非モテ非リアのぼっちで、軍に入ってからも電と出会い鎮守府に来るまで、元帥さんと大和さんぐらいしか仲のいい人がいなくて、いまだに彼女いない歴=年齢を更新し続けていた俺が…何故こんな恋愛漫画並の三角関係の波にもまれているのか

  

 

 哲也「ここでOKを出せば、山風は幸せになる。その代わり俺の気持ちは完全無視、かと言って断れば山風が傷つく……」

 

 

 両方選ぶという方法も艦娘相手ならできるだろう、しかしそれは戦時中だけであって深海棲艦との戦いが終わればどちらを選ぶかに結局は行き着いてしまう。結論を出すのを先延ばしてるに過ぎない

 

 いっそのこと両方選ばないという手段もあるが、生憎最近自分の電love度合いを自覚した俺にとって、ないようなものだ

 

 

 海風『 提督……あなたがどんな答えを出そうと山風は受け止めます。だから、気は使わないでくださいね 』 

 

 

 いや、海風はああ言っていたし、しっかり俺の気持ちを伝えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕方

 

 

 

 

 

 ------------------------------山風

 

 

 

 夕方、ちょうど日が沈み始める時間帯。あたしは約束の時間の三十分前だが執務室の前にいる

 

 

 「」ガチャ

 

 

 哲也「……やぁ、山風」

 山風「提督……」

 

 

 扉を開けるとそこには既に提督がいた。予想はしていたけど本当にいるとは思わなかった……

 

 哲也「お茶飲む?」

 

 山風「うん、ありがとう…」

 哲也「隣、座るな」

 

 山風「うん……」

 

 

 提督が隣に座る、それだけで鼓動が早く動いてしまうのがわかってしまう。提督は電が好きだからとか、どう結論をつけようとこの気持ちは変わらないらしい

 

 湯呑みに入ったお茶を見ながら、今までのことを思い出す。どれも提督とのかけがえのない思い出だ

 

 

 山風「提督…」

 

 哲也「うん?」

 

 山風「あたしが、ここに…来てから、大分たった…よね」

 哲也「ああ、そうだな」

 

 もう何ヶ月たったかはわからないけど、もうここに来てかなり時間がたったと思う。楽しい時間は流れて行くのがあっという間だった

 

 

 

 

 

 

 その楽しい時間を心の中で一つ一つ思い出す………これから私は提督に告白する。多分……というか絶対提督は辛い想いをしちゃうけど、それでもあたしは伝えたい

 

だから、聞いて欲しい…あたしの気持ち

 

 

  

 

 

 山風「別の…鎮守府で、生まれて、1度…は捨てられて…深海棲艦に、なって…」

 

 哲也「……そうだな」

 

 --あの時の、寂しさと不安は今でも覚えてる。きっと一生忘れないと思う

 

 山風「でも、提督が…あたしを、助けて、くれ…て」

 哲也「うん」

 

 --艦娘の皆があたしを沈めようとする中、提督だけは手を差し伸べてくれた

 

 山風「すごく、嬉し…かった、よ」

 

 哲也「まぁ、あの時は俺も助けられちゃったけど」

 

 --提督はもう1度、艦娘として生きる機会を与えてくれた

 

 

 

 山風「その後、この鎮守府に…配属させて、もらって」

 

 --どうしてもこの鎮守府にきたくて……提督に会いたくて、我が儘言ったっけ…

 

 山風「提督と…また、会えて…すごく、嬉しくて」

 

 --あたしに、たくさんのものをくれて…恋をすることを教えてくれて

 

 山風「提督が、いる…ここ、で過ごす……毎日が、好き」

 

 --あたしに、たくさんの思い出をくれた提督が……

 

 山風「皆が、笑って…楽しそうに、している…ここが、好き」

 

 --皆に幸せをくれる提督が…

 

 山風「……いつも、優しく…笑いかけて、くれて。自分の、ことより…皆の、ことを…優先しちゃう…そんな、あなたが…」

 

 --あたしに光をくれた提督が……

 

 山風「あたしは……あたし、は………」

 

 --あたしは、この世界で1番提督のことが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山風「……好き、です…」

 

 

 

 

 

 

 ------------------------------哲也

 

 

 

 山風「……好き、です…」

 

 

 哲也「……」

 

 山風は、包み隠さず自分の想いを伝えてくれた。これで俺の気持ちを伝えればこの話も終わり……しかし、俺の心は気持ちを伝えることを拒んでいる

 

 心が痛い……どうしようもないくらいに………

 

 

 山風「その、提督の気持ちも……聞かせて…欲しい」

 

 哲也「……」

 

 

 これから山風を傷つける……ここに来る前にあれだけ決意をしたのにそれでも、俺の心は逃げたがる

 

 山風を傷つけてしまうという現実から逃げたがっている……

 

 

 山風「提督…?」

 

 哲也「……うん…」

 山風「……」

 

 でも、ここで逃げたら勇気を出して気持ちを伝えてくれた山風の失礼に当たる。それに、しっかり山風の想いに答えて欲しいという海風の願いにも背いでしまう

 

 

 哲也「………山風」

 

 山風「…うん」

 

 

 呼吸がうまくできず喉が少し震えている……

 

 

 哲也「先に、答えだけ言うと……山風の想いには答えられない…」

 

 山風「……」

 

 

 山風はとてもいい子だ、口数が少ないけど優しくて、引っ込み思案だけどそこもまた可愛い。本当に魅力的な女の子だ

 

 哲也「俺も山風のことはもちろん好きだ。でも、それはここの鎮守府にいる仲間としての好きで、1人の女の子として好きになることは、できない……ごめん…」

 

 山風「……そっか…」

 

 

 山風は俯いて震える俺の顔に手を伸ばし、自分の額と俺の額をくっつける

 

 

 山風「提督……ありがとう…」

 

 哲也「山風?」 

 山風「あたしの、気持ち…に、答えて……くれて」

 

 哲也「……」

 

 山風「嬉しかった…よ。提督、あたし達を、傷つけるの……嫌う、から…OK、しちゃうんじゃ…ないかって」

 哲也「山風の姉さんに言われたんだよ、「山風の気持ちに答えてくれ」って、これで逃げたら皆に顔向けできないよ」

 

 山風「うん、それでも…ありがとう」

 

 

 声音から山風が微笑ん出るように感じる。自分が知らない内にいつの間にか山風の精神が強くなっていた

 

 哲也「山風は強いな、俺なんかこんなに震えてるのに」

 

 山風「まぁ、心構えは…してきた、から。提督には……好きな人が…いるん、でしょ?」 

 

 哲也「……あぁ、俺は…電が好きだ。どうしようもないくらいに……ごめん」

 

 

 山風「提督、謝ら…ないで。それに…謝罪より、お礼の方が嬉しい」

 

 哲也「……ありがとう、山風」

 

 

 山風もふられて悲しいはずなのに、なんでこんな笑っていられるんだろう。俺は今にも泣きそうなのに……心構えもしっかりしてきたのに…

 

 山風「うん……じゃぁ、この…話はお終い、ね?お菓子…食べよ?」

 

 哲也「……本当に山風には敵わないなぁ…」

 山風「私だって、ここに…来た時より…成長、してる。今から、たくさん、甘える…から、ね?」

 

 山風のおちゃらけたその声に、少しだけ心の痛みがおさまった

 

 

 山風「あ、そうだ…提督。少し…だけ、目…閉じて?」

 

 哲也「ん、こうか?」

 

 言われたとおり目を閉じる、もしかして思いっきり殴られたr…

 

 

 山風「えい……♪」チュッ

 哲也「!!」

 

 暖かくて柔らかいものが頬に触れる。生まれてこの方されたこともしたこともないが、何故かそれがキスされたとわかってしまった

 

 

 そっか俺…キスされたんだ。あー、なるほどねーそっかそっか、キスかー……

 

 哲也「山風!?」

 

 山風「ふふ、これくらい…なら、いい…よね?」

 

 

 哲也「はぁ…まったく……」

 

 山風「♪」

 

 

 

 山風は顔をほくほくさせながらお菓子を食べていた。いったいこんな強靭なメンタルどこで鍛え上げて来たんだか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ------------------------------山風

 

 

 

 時刻10時過ぎ、結局あのまま提督と遊んでしまった。まぁ、少し楽になったからいっか……

 

 

 「」ガチャ

 

 

 

 割と執務室に近い私達の部屋、あまり人が多いのも苦手なので提督に頼んで海風との相部屋にしてもらっている

 

 

 山風「ただいま……」

 

 とは言っても、もう寝ちゃってるよね……あたしも早く着替えて寝よう。明日から提督の部下として頑張らなきゃ

 

 海風「おかえりなさい、山風」

 山風「あ、起きて…たん、だ」

 

 

 海風「はい、それで……えっと…」

 

 海風が口ごもる、きっと告白が上手くいったか聞きたいのだろう。相変わらず、妹想いな人だなー

 

 山風「えへへ、ふられ…ちゃった……」

 

 海風「……そう、ですか」

 山風「うん……」

 

 

 海風がなんとも言えない顔をしていた、あたしに、なんて声を掛ければいいか探ってるのかな……

 

 

 山風「提督、ね…ちゃんと答えて…くれたん、だ。電が、好きだって」ニコ

 

 海風「……」

 山風「やっぱり、電…には、勝てなかった。あたしじゃ、提督の1番には…なれなかった、みたい」

 

 

 告白した時を思い出す、提督はあたしが強いと言っていたが本当はただ痩せ我慢をしてただけだった。心の中では苦しくて仕方がなかった

 でも、提督はもっとつらそうだった。艦娘の傷つけることを嫌う提督のことだ、告白を断ったことであたしを傷つけてしまったと思ったのだろう。だからあたしはなんともないように振舞った

 

 

 山風「……海、風………」ジワッ

 

 海風「よく、頑張りましたね。山風」ギュゥ 

 

 

 ………でも、提督がいない今なら少しくらい泣いても問題ないよね?

 

 

 山風「提、督……提督…グスッ…」

 

 海風「……」ポンポン

 

 海風が背中をさすってくれる。抱きしめられてるせいか余計に涙が出てきてしまう

 

 

 これが失恋か、答えもわかってて覚悟もして挑んだのにここまでズタボロになっちゃうなんて……でも、ふられちゃったけど今でも提督は大好きで、どこか冷たいけど心の中にある小さな光が暖めてくれるようでその感覚が異様に心地よくて……

 

 山風「海風…恋って、いいね」

 海風「良かった、ですね……」

 

 山風「うん…」

 

 

 あたしの想いは届かなかったけど、提督の想いが届くように願ってるよ……

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

  

 --ありがとう、初恋の人( 提督 )




取り敢えず色々書く前に一つ、山風ファンの皆さんマジすいませんした……



山風の「あなた」というフレーズ、萌えを感じてしまった変態はつひこです。気づけば次で四十話、ここまで読んでくださりありがとうございます

そして今回は山風回、山風ちゃん健気です。可愛いです。ペロペロしt…(‘д‘⊂彡☆))Д´)パーン。コホン、そして次回は念願の……


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次回「いつか全てを救うまで」私は極力ネタバレしない



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