電さんと化物提督   作:コントラポストは全てを解決する

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42艦 恋は人を変える、それは確からしい

電と恋人同志になって二週間あまりが過ぎ、俺はあの日から電と同棲するようになった。寝るときは一緒の布団で添い寝をし、朝起きる時は二人同時に起きる、しまいにはお風呂まで一緒に入る時もある(水着を着用して)

 

 そんな幸せ真っ只中の俺達は、鎮守府から少し離れた中央街に来ている。何故このような場所にいるのか、それは今朝のことである

 

 

 ◇回想

 

 

 電「司令官さん、あの…今日は街の方に行きませんか?」

 

 哲也「ああ、中央の方の…何か欲しいものでもあるの?」

 電「い、いえそうではなくてその……」

 

 哲也「?」

 

 

 電「司令官さんと…で、デートがしたくて……だ、ダメでしょうか?///」

 

 

 

 ◆回想終了

 

 

 

 ……まぁ、一瞬でOK出したよね。だってさ上目遣いで顔赤くしながら恋人が「デートしたい」って言ってきたんだよ?断れるわけないし断る理由もないし、そもそもこれ断ったら男失格だぞ? 

 

 

 そんなわけで電とデートするためにここに来た。来る途中でよく兄妹とかに間違えれたのでしっかり訂正しておいた。その時の電の嬉しそうな顔は忘れない

 

 

 だがしかし、俺もノンノンとデートを楽しんでいるわけではない。というのも最近の深海棲艦についてである、萱野さんから電話をもらったあの日からどういうわけか深海棲艦の目撃情報がなくなったのである。元帥さんもこのまま現れなければ完全に消滅したという扱いにすると言っていた

 

 大変嬉しいことなのだが、こうもあっさりと平和が戻るものかと俺の中では少なからずの疑心がある。それに何故か妙な胸騒ぎもする。わかりやすく言うところの嫌な予感と言うやつだ

 

 

 電「……司令官さん?どうしたのですか?」

 

 哲也「ん?何が?」

 

 電「い、いえ何か難しい顔をしていたので」

 哲也「そうだったか?いや、ごめん。お昼ご飯どうしようかなってさ」

 

 電「お昼ご飯、ですか…」

 

 まぁ、今はそのことは置いといて電とのデートを楽しもうせっかく2人で街までやってきたんだし。あれはあれ、これはこれである

 

 哲也「電は何か食べたいものある?」

 電「食べたいもの………ぁ…」

 

 哲也「お、何か見つかった?」

 

 電「はい、えっと……」

 

 

 

 

 

 

 数十分後

 

 

 

 

 

 場所は変わり、喫茶店。レトロな音楽に西洋な雰囲気のある家具、一昔前の懐かしいという言葉が似合う感じの場所だった。恋人と来るならもっと現代風なカフェでパフェでも食ってろと思う人もいるかもしれない、でもこういう趣きのある店も案外いい

 

 

 女店員「お待たせしました。ご注文のオムライスとナポリタンでございます。ごゆっくりどうぞ」

 

 

 そして電が頼んだのはオムライスだった。何でも間宮さんとは違うこういうお店のものが食べたかったそう。まぁ俺も同じ理由でこれを頼んだんだけど

 

 電「いただきます、なのです」

 

 哲也「いただきます」

 

 

 1口、口に入れてみる、ウインナーやピーマンなどの王道の具材にケチャップの酸味が加わり、味わい深いものに仕上がっていた。間宮さんの料理とは全く別の方向性で味の追求をしているのが伝わってきた

 

 そして電も満足な様子でオムライスを食べている。数口食べたら傍に置いてあるナプキンで口を拭き、目を閉じ小さく微笑みながら食べている。ここに見合うよう大人のように上品さを持って料理を食べようと振舞っているのが見て取れた

 

 

 哲也「……」

 

 電「?、司令官さんどうしたのです?」

 哲也「あー、その…なんだ……」

 

 電「?」

 

 この優雅な気分に浸かっている電に言うべきか言わぬべき迷ってしまう………ほっぺたにケチャップがついている、と

 

 哲也「その、ほっぺたにケチャップが…な?」

 

 電「……」

 

 

 だが、言わないとこの少しながらに恥ずかしい光景が続いてしまうので、電のためにも言う事にした。電がしばらく無言になる、そして無言を貫いたままナプキンを取り頬を拭き始める。よく見ると耳が赤くなっていた、相当ノリノリだったらしい

 

 哲也「電、逆側だよ」

 

 電「……」フキフキ

 

 

 こういう抜けた所があるから電は可愛い。ふと横を見ると店員達が娘を見るように微笑んでいた、きっとほんわかするのだろう 

 電「……」フキフキ

 

 哲也「……」ペコリ

 

 俺は電に気づかれないように小さくお辞儀をしておいた。店員達もそれに応え、小さくお辞儀を返してくれた

 

 

 ちなみに電は最終的に「プシュー」という音が出そうなくらい顔を真っ赤にしてしまった、かなり恥ずかしかったらしい

 

 

 

 

 

 

 

 それから会計をし、店を出た後電に感想を聞いてみたら若干顔を赤くしながら「おいしかったです」と答えてくれた。写真に収めとけばよかったなぁ

 

 

 哲也「さてと、これからどうしようか?」

 

 電「あの、司令官さん」

 哲也「ん?どうした?」

 

 

 電「司令官さんはどこか行きたい場所とかはないですか?」

 

 哲也「うーん、特にないかな」

 電「そうですか…」

 

 哲也「どうしたの急に?」

 

 電「そ、その朝から電のお願いばかり聞いてもらっているので何だか悪い気がしてきちゃって」

 

 哲也「あー、そういうこと…」

 電「は、はい」

 

 

 俺としては電と一緒にいられればそれで良いんだけど、電も負い目を感じ始めてるからここは甘えておこう。そういえばここに来る途中で変わったアクセサリーを売ってる場所があったし行ってみるか

 

 

 哲也「じゃぁ、少し寄りたい所があるんだけどいい?」

 

 電「はい!」

 

  

 電はとてもいい笑顔を見せてくれた。もうこの顔が見れただけで充分なのだが、まぁとりあえず行っておこう。それに電にプレゼントも買いたいし

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は街の少し外れ、そこに出店のような小さい店構えをしている場所がある。おそらくハンドメイドで作った物を売りに来ているのだろう、店の店主も占い師のような格好をし雰囲気を出していた

 

 店主「いらっしゃい、お2人は……恋人同士ですか?」

 

 電「は、はい!」

 

 

 ここに来て初めて最初から恋人として見てもらえたことに電は喜んでいた。よくよく考えればかなり悲しい事案じゃないこれ? 

 

 店主「それだと、2人にはこれですね」

 

 哲也「?」

 電「これは…ネックレスですか?」

 

 

 女店主が渡して来たのはオレンジ色と空色の宝石が紐を通しただけの簡単なネックレスだった。しかしその宝石は少し変わっており、近付けると互いに引っ付き合う磁石のようなものだった

 

 店主「これはね磁石じゃないのにくっつく石なんです。不思議でしょ?」

 

 電「本当なのです……」

 哲也「これは、あなたが?」

 

 店主「ええ、私は旅が好きなんですが時折旅先で見つけたこういう変わった石を削ってアクセサリーを作るのが趣味なんです」

 

 

 哲也「へぇ……」

 

 店主「ちなみにその石は『どんなに離れても引き寄せ合って再び巡り会う』って効果があるそうですよ」

 哲也「おぉ…」

 

 これは、中々良いな。電にプレゼントすのにも丁度いい。値段が書いてないけどいくらすんだろうか。電もさっきから石をくっ付けたり離したりしていて気に入ってるようだし

 

 哲也「これって2個で1つですか?」

 

 店主「はい、そうですね。お一ついかがですか?」

 哲也「じゃぁ1つ下さい……えっとお代は」

 

 店主「お代は結構ですよ。私の趣味なので」

 

 哲也「え、でもこんな珍しいものタダで貰うわけには……」

 

 俺が言おうとすると店主は人差し指を俺の唇にあて、それを静止した

 

 

 店主「私は私の作ったもので誰かが幸せになるのを見ていたいんです。だから、お代はいただきません」

 

 哲也「……」

 

 店主「その誰かの幸せの中にあなた達も入っているのですよ?」

 

 ……この世の中にこんな心が清らかな人がいるのか。やばい、惚れそう……

 

 

 哲也「……そういうことなら」

 

 店主「ご理解ありがとうございます、どうぞ」

 

 ネックレスの入った袋を渡し、小さく微笑む店主

 

 哲也「ありがとうございます。あなたと出会えて良かったです、またここに来ます」

 

 店主「あら、口説いてるんですか?」

 電「……」

 

 哲也「いえいえ、心からの言葉です」

 店主「ふふ、冗談ですよ。ではお待ちしてますね」

 

 哲也「はい、いつかまた」

 

 

 店主と約束の握手を交わし店を出ていった。どうせなら名前も聞いておけば良かったな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 電「司令官さん、浮気しちゃダメなのですよ?」ムスッ

 

 哲也「どうしたいきなり……」

 電「司令官さんがあの店主さんに現を抜かすからです」

 

 哲也「えぇ……」

 

 

 どうやら電の嫉妬ポイントに触れてしまったらしい。俺も少しは恋愛について理解したと思っていたがまだまだのようだ

 

 

 

 

 





もっとデレデレで甘々なシチュが書きたかった……まぁ、他の子に期待しよう

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