皆〜、お久しぶりで〜s……本当すいませんでした。
南西海域、鎮守府から数十キロと離れたとある海域に俺たちは来ていた。あたりを見回せば、戦艦、空母、重巡、軽巡、駆逐艦、潜水艦…など全ての艦種が揃っている。その数は目視では数え切れない程。
ここまでの数の艦娘を揃え何をするのか。それはこれから始まる新たなる存在との交戦のためだった。
それぞれの艦隊が提督の指揮下のなか、艦載機を飛ばし電探を発動させ、敵の捜索に専念する。こっちも球磨と夕立に頼み偵察機を発進させ反応を待っていた。
哲也「二人共、何か反応はあった?」
球磨「特にないクマー」
夕立「こっちも同じっぽいー」
2人揃って肩を竦める仕草を取る。やはりそう簡単には相手は見つからないか……
時雨「それにしても、こんな大事な戦いに僕達を連れて来てよかったの?戦艦とかの方がいいんじゃ…」
哲也「この艦隊が1番指揮に慣れてる、って長門が言ってた」
時雨「そうなんだ」
指揮に慣れてると言ってもこの鎮守府で任せた指揮は、大分前の萱野さんとの演習だけ。たった1回だけの指揮で慣れたと言えるのだろうか……
そんな疑問もあり、鎮守府で指揮を任せている長門にこっそり通信を取ってみた。
哲也「なぁ、長門」
長門「どうした提督?問題事か?」
哲也「いや、違うけど。長門、この艦隊が1番指揮に慣れてるって言ってたろ?たった1回しか指揮してないのに大丈夫なのか?」
長門に真意を尋ねる。すると長門はフッと小さく鼻で笑ったあと、質問の答えを返して来た。
長門「提督、私を侮って貰っては困る。この長門、以前の鎮守府でも艦隊の指揮は取っていた。その中で水雷戦隊の指揮は好んで行っていた」
哲也「なんで?」
長門「?、提督には以前話しただろ?私は小さきものが好きなのだ。小さきもの…ただそれだけで活力が溢れて来る」
ああ、そういうことか……そう言えばこいつ、ロリコンだったな……
いつもは俺の相談事に素敵なアドバイスをくれる良いお姉さんポジの人なのに……本当残念だな…。
返事に呆れながら色々とあれなこの方に一つ礼を返し、その場に戻ることにした。
哲也「さてと、海上、上空もダメだとすると後は海中かな」
夕立「でも潜水艦はいないっぽいよ?」
哲也「大丈夫大丈夫」
電「?」
イムヤ「黒木さん、お待たせしました」
夕立との会話途中、足元からひょこっとモグラのようにイムヤが出てくる。そして海中での探索結果を事細やかに伝えてくれる。
実は長門の要望により潜水艦が連れて来られなかったため、急遽萱野さんに承諾のもとイムヤに情報伝達などの頼みました。
情報をくれたイムヤに対し、「ありがとう」と一つ礼をしそっと頭を撫でる。やっぱり照れた顔が少し可愛い……
イムヤ「あ、あの…///」
哲也「遠慮しない、遠慮しない」
電「……」
球磨「すごいクマ、嫁の前で堂々と浮気してるクマよこの男」
時雨「提督、流石にそれは……」
山風「……」
夕立「ぽいー?」
球磨は1周回って尊敬したような目線を送り、時雨には呆れられ、山風からは、なんだろう…こう、ドMに浴びせたらきっと悦ぶであろう眼力で睨まれ、夕立は話を理解していなかった。そして電は……
電「司令官さん?」
哲也「あ、いや電これは、その…昔の癖で」
敵も現れていないというのに魚雷を両手で持ち、氷点下の目線を向けたまま今にも飛び掛って来そうだった。実際ジリジリと詰め寄られている……
電「…もう、司令官さんなんて知らないのです」
哲也「oh......」
襲いかかるのかと思いきや、顔をそっぽに向けていじけてしまった。正直可愛さの塊でしかないのだが……ずっと見てたい…。
哲也「電ー?」
電「ぷんすか、なのです」
ああ、本気で怒ってるんだな……やばいすっごい可愛い。でも、電を本気で怒らせてしまったらしい。何度呼びかけても返事をしてくれない……結構来るな、これ…
哲也「山風、助けて…」
山風「提督が、悪い…」
球磨「全くもってその通りだクマ」
時雨「提督も成長しないね…」
男の子に人権なんてなかったんや……
取り敢えず電の事は一旦置いておこう。置いておける事案じゃないけど……
一応確認だが今は敵との交戦前である。しかし、あたりを見回しても波を打つ海とその上にいる艦娘達だけ。時雨、球磨、電、山風、夕立……
哲也「…あれ、夕立は?」
時雨「?、さっきまでそこに……」
夕立「提督さーん!」
突如消えた夕立を心配し周囲に目を配ってみる。夕立はいつの間にか俺達からかなり離れ、手を振っていた。そしてもう片方の手には何か黒いものを持っている。
こちらが呼び戻すと軽快に水面を移動してきた。
哲也「夕立、危ないから離れちゃダメだろ」
夕立「うぅごめんなさいっぽい…。でも、面白いもの見つけたっぽい!」
そう言いながら、夕立が持っていたのは約2mほどある巨大な黒い剣だった。しかもサビがなく、刃こぼれもしてない新品のもの。1体誰がこんなものを捨てたのだろうか。
不法投棄はダメ絶対。そもそもどんな目的があってこれを作ったのだろうか……
そんな考えはさておき、先ほどから夕立が期待に満ち溢れた目でこちらを見てきている。まぁ、何をしてほしいのかはわかる、わかるんだけど…電が絶賛怒なのよね……あぁ、でも夕立が両耳ピコらせてる…
夕立「……」
哲也「……ほら…」
夕立「ぽい!」
負けました。皆がえげつないくらい冷たい視線を送って来ています。誰か助けて……
だって仕方ないじゃない、これで断ったら夕立が寂そうな顔して「ぽい〜」とか言い始めるんだよ?断れるわけないじゃん。本当に誰か助け…
『』ビービー
時雨「!、提督反応があった」
哲也「ああ…全員警戒を怠るなよ」
先ほどのおふざけ空気から一転、全員目を張り巡らせ敵の襲撃に備える。
辺りは釈然と静まり返り、空は曇っている。反応がどんどん強くなり、遂には艦娘が徘徊する範囲にまでやってきた。視覚で認識できないとすれば相手は海の中か上空…イムヤ達か航空隊が戦っているのか?
山風「提督、何もこない…」
哲也「そうだな…どうなってるんだ?」
時雨「静か、過ぎるね……」
それぞれの艦隊が警戒のため背中合わせになる。聞こえるのは波の音と風の音……
夕立「ぽい〜」
哲也「夕立、今は遊ぶのは我慢してくれ……」
……それと夕立の鳴き声だけだった。こんな状況で緊張感なくただ1人先ほどの剣で遊んでいる。どうやら相当気に入ったのだろう、見つけてから肌身離さずもっている。
夕立「……ぽい?」
哲也「どうした夕立?」
夕立「提督さん、この剣…光出したっぽい」
確かに先ほどより多少発光しているが、やたら防水性が高いな……そもそも、この国では基本銃刀等の所持は違法のはず…だとしたらこれは……
哲也「…!、夕立それから離れろ!」
夕立「ぽい?……きゃぁ!?」
光出した剣は途端に暴れだし始める。周囲を見ると海面から同じようなものが何十何百と飛び出てきた。右往左往と旋回し次々と艦娘を切り裂いていく剣、こちらも武装を駆使し少しづつ撃ち落としていくがキリがない…
飛ぶかうそれは止まることを知らず、始まってから僅か数分、俺の艦隊を除き辺りの艦娘達は艦種関係なく大破や中破状態に陥っていた。
3号「テキカンタイ、ソンショウカクニン。コレヨリ、オペレーションFVヲジッコウスル」
哲也「なんだあれ……!?」
先ほどの剣が黒い粒子状に変わり、百メートル先ほどに集まって来る。そしてその粒子は物質を構成していき、最終的には戦車に足を生やしたもの刀の尻尾を取り付けたような独特なシルエットをしていた。
そんなものに気を取られている中、相手は剣を空中に生成しそれをこちらに飛ばして来る。ギリギリ目で追っていけるほどの速さだった。
哲也「速すぎんだろ……腕にかすったか…」
3号「ターゲット、ソクテイ、ソクテイカンリョウ。ブソウテンカイ、セッキンセンにイコウスル」
哲也「…っ……」
自分の図体より3倍は大きいその機械は突進と重力を乗せて、尻尾に生える無数の剣を振り下ろす。重い一撃に刀と傷を腕からミシっと不可がかかる音がする。
何故俺を狙って来るのか疑問だが、逆に今はチャンスだ。今のうちに他を撤退させられる。
哲也「イムヤ!」
イムヤ「はい、黒木さん!」
哲也「全体通信でここにいる全艦娘を撤退させるように伝えてくれ!」
イムヤ「了解です!」
刀で剣の攻撃を防ぎながら水面から顔を覗かせたイムヤに指示を出す。この大人数、全体への通信のためかなり時間がかかるだろうが、1対1なら相手がどれだけ武器を持っていようが俺は負けない……
全員へ指示が通り始めると同時に、俺も皆に撤退命令を下す。全員、ここで俺のサポートをすると言っていたが相手のスピード、パワー等が艦娘のそれを遥かに超えているため危険だった。皆に大雑把にだがそれを伝えると、苦虫を噛み潰したような悔しそうな顔ではあったがなんとか撤退を了承してくれた。
……これで正真正銘の1対1、たとえアレが失敗しても周りに被害が及ぶことはない……
3号「ガルゼサマノタメ二、ソノクビモチカエル」
哲也「やれるもんなら、やってみろよ」
全身に駆け巡る黒い物質を右腕に収束させていく。あの時もそうだったがこれを使ってる時だけ気性が荒くなってしまう。そのせいで、前は大爆発を起こしてしまった。けれど今回はその反省も活かし、量も、力を与える部位も、最小限に抑える。
数年間この体に蓄積され続けてきた怨念を武装として身にまとい、元々人とはかけ離れた身体能力を持つ俺のそれを更に向上させる技。右手に集まった怨念はそれに相応しいオーラと光を解き放つ……
哲也「開放…」
それが技の名。俺の中にある最大にして最凶の技、使い方次第では自分の体や精神すら崩壊させてしまう諸刃の剣。
裁判長「被告はつひこ、永きにわたる投稿放棄の罪で死刑とする」ダンッ!
はつひこ「そ、そんな」(ノД`ll)
こんにちは、はつひこです。投稿が遅れてしまい本当に申し訳ありません。皆様のおかげでテストも無事乗り切れました(本当はまだ1日残ってるけど……)。
2週間?あまり投稿を休ませて貰ったのですが驚くことにアクセス数が伸びてました。ここまでご愛読してくださるなんて感謝の念で爆発しそうです…