哲也「あ、そういえば今日明石の検査の日だ」
電「そういえばそうでしたね」
長門「むっ、ならば私達もそろそろ戻るとしよう」
時雨「そうしようか。山風はどうする?」
山風「私も、戻る…」
シーツや俺の病衣、朝食の食器などを纏め、全てを配膳車に乗せ戻る支度をする。
長門、時雨、山風は「お大事に」という言葉と共にその場から去っていった。
哲也「電は今日の予定とか決まってるのか?」
電「?…司令官さんと1日中一緒にいますが?」
キョトンと首を傾げながら、どうかしましたか?とでも言いたそうな顔をしている。
一緒と言う事は検査にも同行するということ。おそらく機械にデータを測定されるだけの姿を延々と眺めさせられるクソ詰まらない時間になると思うのだが……
哲也「一応、非番なんだから無理して一緒にいなくても平気だぞ?」
電「いえ、その…電はこれと言ってやる事がないので」
哲也「いやでも…」
両手の人差し指をつんつんさせながら何か恥ずかしそうにしている電。
訳が分からなかったので「姉妹と一緒にいなくて良いのか?」「電も、もっと楽しんでおいで」とお前は親かとツッコミが入りそうなほど説得し続けた。
そして、聞くたびにはぐらかしていたが観念したように顔を赤くしせながら言ってくる……
電「……ほ、本当はその…司令官さんと一緒にいたいだけなのです……///」
哲也「……」
電「あうぅ……///」
赤面・涙目・上目遣い、3点いただきました。最高に可愛いです。本当にありがとうございます。
以前の電とならこの程度なら何とも無かっただろう。電との距離が遠ざかってる気がするが、理想の恋人図としてはそれに近づいてるはず。
これが一緒に寝る(意味深)を通り越した俺と電の姿。照れた電の姿を横目に、謎の優越感に浸るこの時間…素晴らしい……
さぁ、叫ぼう。電が恥ずか死しそうになってるが関係ない!!この胸に駆け巡る興奮を思いっきりこの世界に解き放とうではないか!!!!
…スゥ……電可愛i!!……
明石「提督、検査の時間になったので迎えに来ました。それと点滴外しますね」
哲也「……」
…そっか、もうそんな時間か。
軽く身支度した後、明石に点滴の針を抜いてもらう。これで割かし移動が自由だ。やったね……はぁ…
哲也「電行こっか」
電「あ、はい」
仲良く手を繋ぎ、医務室を出る。
電の手ってこんなに暖かかったっけ…まぁ、いっか。
すぐ隣の部屋に移動をしたあと、血液検査やらレントゲンやらをとって貰った。
その結果、もう何の以上もなく普通の生活に戻ってもいいとのこと。
やっと自由が帰って来た……
そういうわけで病衣から軍服に着替え、退院の準備をする。
何故か明石が不思議なものを見るような目でこちらを見ていた。
哲也「どうした?」
明石「いえ、提督ってなんだろうなーっと」
哲也「提督は提督だろ?執務仕事して艦娘達とコミュニケーションとって」
電「司令官さん、明石さんが言ってるのは多分哲也さんがなんなのかと言う事だと思うのです」
哲也「あぁ、そういうこと」
俺がなんなのか…そんなの俺にもわからない。最近、というか怪我の治療中は、その回復の速さからもう人間じゃないんじゃないかという疑問が生まれていた。
哲也「…まぁ、俺が言えるのは人でないかもしれないし、もちろん艦娘とも違う、男だし」
明石「曖昧ですね…」
哲也「まぁ、俺なんて存在自体曖昧だろ。変な力持ってて、これで人だって言われたら違和感覚えるし、違うって言われたら、じゃぁ何なんだってなるし。そういうものなんだよ」
明石「はぁ…」
曖昧でスッキリしない答えだったが一応は理解をしてくれたらしい。
哲也「じゃっ、そろそろ失礼するよ」
明石「あっ、提督。少し電ちゃんと話がしたいのでお借りしますね」
哲也「借りるって…本人いるんだから直接聞けよ…」
明石「いえいえ、彼氏さんの許可も必要ですから~」
ニヤニヤしながらそんなことを言ってくる。これがあれか、恋に飢えた女の子ってものなのか。
まぁ、そんなことより電だな…
哲也「電は大丈夫か?」
電「はい、大丈夫です」
哲也「わかった、じゃぁ執務室にいるから何かあったら来てくれ」
電「了解なのです」
敬礼を一つ、俺は二人に別れを告げ部屋をあとにした。
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哲也が去ったのを確認すると、明石は電を工廠へ向かった。明石曰く見せたいものがあるとのこと。
工廠へたどり着くやいなや、部屋の奥に行き実験部屋のところへ電を招き入れた。
明石「これを見てください」
電「これは……」
明石が取り出したのは砲塔にサバイバルナイフのような刃が一緒についている単装砲と思われるものと試験管が2本、片方は血液ともう片方は黒い煙のようなもの。
単装砲の方はなんなのかと言うと、3号が消滅した時の帰り電がこっそり持って来た3号の残骸だった。
何かの役にたてばと哲也には秘密で保管していた。
明石「電ちゃんが持ってきたこの部品、調べて見たところ3号という敵の核にあたるものだと言う事がわかりました」
電「核…ですか」
変わった形だがおそらく艦娘が装備していたのだろう。その証拠に全体的に形が歪んでおり、砲塔に至ってはへし折れていた。
明石「そして、この黒い物質。これがその装備から検出されました。さらに調べてわかった事がもう一つ、この物質を艦娘の装備や軍の戦車など、兵器へ大量に投下すると、電ちゃんや提督が戦ったあの怪物になるようです」
電「……」
…つまり、あの3号というものはこの単装砲にあの黒い煙が大量にまとわりついたものという事になる。3号を見るに、元になった兵器の形や扱い方が戦闘スタイルに反映されるようだ。
何故突然このようなものが生まれて来たのか、生物ならまだしも何の意思も命も持たない兵器である。突然変異などが起こるとは到底考えられない……もしかしたら、何か大きな力が働いているのかもしれない……
電は色々考えてみるが、情報が少ないため何もわからなかった。
そんな中、電の視界にもう一本の試験管が写る。
電「明石さん、その赤い液体は何なのです?」
明石「これですか。まぁ、察しはつくと思いますが血液です、誰のかは一旦伏せといて下さい」
電「はぁ…」
明石はおもむろに血液の入った試験管と例の物質が入った試験管の栓を抜き、ポケットから取り出した別の試験管に3:7の割合で混ぜ合わせ、それに栓をした。
電には何をしているのかがよくわからなかったが、明石は電の前に混合させた液体を差し出す。
明石「今日、電ちゃんに1番見て欲しかったものです」
電「………これは…」
血液に黒い物質が触れた瞬間、物質の方が光の粒子になり消えていった。
そして、光が消えたあとしばらくの間血液は黒く染まり最後には先程の黒い物質になっていく。
なんというのだろう…血液が黒い物質を光に変えていったが、量が多すぎたためか残ったものに侵食されてしまうようだった。
電「これは……」
明石「原理かはわかりませんが、この血液は黒い物質を光の粒子に変えられるようです。ですが、1度にたくさんの量を変えすぎると血液…というより本体が耐えきれなくなり血液どころか身体、精神の全てがこれに蝕まれ、あの怪物へと変わってしまうようです」
電「でも、その上限を超えなければ侵食された兵器を元に戻せるのですよね?それは凄いのです。いったいこの能力を使っているのは誰なのですか?」
電が質問すると、明石はとても答えずらそうにしていた。不思議に思い再び問い返そうとしたが、意を決したように耳元でそっと話し出す。
明石「この血液の……この変える力を持つ人の名前は………」
そして、明石が発したその名に耳を疑った。
さらに明石曰く、この力は使えば使うほど本人が黒い物質に侵食されていくものらしい。
--そんなはずはない、だってあの人はいつものように変わりなく自分に接していた。普通に食事を取り、普通に睡眠をし……
電には信じられなかったし、信じたくない。その想いが心の中を埋め尽くしていた。
よりによってどうしてこの人なのだろうか……もう今まででさえたくさんの辛く苦しい経験をしてきているのに……
……全て自分のせいだ、あの人に頼り過ぎたんだ…そのせいであの人はいなくなってしまうかもしれない。
でも、今ならまだ間に合う……けれど、あの人はきっと優しいから自分が終わるその日まで力を使い続ける。だから無理矢理にでも辞めさよう……もしかしたら嫌われるかもしれない、けど…それで自分の好きな人が守れるなら充分だ。
明石「……電ちゃんはどうしますか?」
電「もちろん止めるのです。だから行ってきます」
電は明石に礼をし、早々に工廠から立ち去った。そして、あの人が待っている場所に向かう。
電「今までたくさん救けてもらいました…だから今度は……何も出来ない電ですが、せめてこれだけは救けたいのです………だから、待ってて下さい……司令官さん…」
テスト期間中だけど執筆してやったぜーい!(`・∀・)ノイェ-イ!………アカン赤点とる……
こんにちは、はつひこです。もうすぐクリスマスですね。皆さんは誰と過ごすのでしょうか?家族か友人か、それとも恋人か……まぁ、自分はバイトなんですけど( `−ㅿ−´)
1回クリスマスパーティー的な事をしてみたいです……
サンタに電って頼んだら連れて来てくれるのかな……