今回かなり短めです
哲也「……」
哲也は考えていた、もし自分が人ではなかったらと。生まれつき備わっていたと考える吸収能力と艦娘以上の身体能力と修復能力、今まで何回か考え、自分は人と言い聞かせていたがさすがに限界かもしれない……いったい自分はなんなのか。
人以外の存在だった場合、周りはどう思うだろうか。元帥さんや皆は自分を気味悪がって距離を置いたりしてしまうのか、提督としてここに居続けられるのか。
電は、受け入れてくれるだろうか……
金剛「ヘーイテートクー!一緒にティータイムにするネー!」
哲也「ん、金剛か……」
そんな事を思考していると、金剛が部屋に入ってくる。いつの間にやら紅茶セットや菓子がテーブルの上に並べてあった。金剛は忍か何かなのだろうか…
しかし、生憎今は楽しくティータイムと言う気分ではなかった。自分についてもっと深く突き止めていかなければ。
哲也「あー、金剛……なんていうか、今日は…その…」
金剛「……悩みがあるなら聞くネー。ひとりで抱え込むのはノーなんだからネ」
哲也に人差し指を向けながら指摘してくる。そして、勝手に椅子に座り、紅茶を飲み始めた。
金剛の強引さに苦笑しながらも、向かい側に座り一口紅茶を飲む。
哲也「……美味しい」
金剛「ワタシお手製のハーブティーネー。テートク、ずっと忙しそうだったから入れてみたデース。疲れが取れるヨ」
哲也「そっか…ありがとな」
ハーブティーのおかげで少し落ち着いた。金剛はずっとこちらを見ながらニコニコしていた。
哲也は不思議になり金剛に聞いてみたが、「なんでもないデース」とあしらわれてしまった。
金剛「それで、テートクは何を悩んでたデース?」
哲也「…少し長くなるけどいい?」
金剛「ノープロブレムデース」
一人で考え込んでても仕方ないし。
そもそも皆からの俺の見え方がどう変わるかなのに第3者の意見なしでどう答えを出そうとしてたんだ俺は…
それから哲也は今、心の内に抱え込んでいる事を話した。
自分自身が人間か否か、それにより提督業を続けられるのか、皆から距離を置かれたりしないか、電が受け入れてくれるかを全て打ち明けた。
哲也「…と、まぁこんな感じだ。ごめんな、こんなどうでもいい話に付き合わせちまって……」
金剛「ムゥ……」
一応、今抱えてる事は全て話した。なのだが金剛の様子がおかしい……
急にそっぽを向いて拗ねた様子で紅茶をちまちま飲み始めてしまった。何か怒らせるような事を言ってしまっただろうか…
哲也「こ、金剛?どうした急に?」
金剛「…テートクはワタシ達の事がキラいデース?」
金剛がそんな事を聞いてくる。
哲也は答えた、もちろん皆好きだと。
しかし、だからこそ皆から邪険な目で扱われるようになったり、突き放されたりされるのが怖かった。
元帥さんはいたが、昔から基本一人で生きてきた。あの頃は周りの目なんてどうでも良かったのに……
やっぱり時間で人って変わるんだな。
金剛「もっとワタシ達を信じて欲しいデース。ここにいる皆は形はどうあれテートクに救われてるネ。だからテートクが考えてるような事にはならないヨ絶対に…」
哲也「……」
金剛は笑ってみせる、その笑顔と言葉に哲也は少しだけ心が軽くなったような気がした。
金剛「それに、皆もテートクが大好きだヨ。もちろんワタシも」
哲也「…そう、なのかな」
金剛「そうネ。テートクが誰であろうと、なんであろうとワタシ達の中ではテートクはテートクデース。だから、自分が誰なのかなんて気にする必要ないネ」
金剛はそこまで言うと、お茶菓子を食べ始める。
自分の言いたい事が言えてスッキリしたのか、質問した時よりずっとニコニコした嬉しそうな顔だった。
哲也「…そっか……俺は俺か」
金剛「デース、だから電もきっと大丈夫ネ」
そっか、人かどうかなんて考える必要なかったんだ……1番大切なのは自分であることなんだな…
うん、金剛のおかげで悩みが吹っ切れた。
哲也「…金剛、ありがとな」
金剛「イエース、いいフェイスしてるネ。もう大丈夫そうデース」
哲也「ああ」
初めてあった時はとても暗くふさぎ込んでいた金剛が今はこれか。
金剛に助けられちまったな……