電さんと化物提督   作:コントラポストは全てを解決する

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日常だ……日常だ


66艦 君はどこ? どこは君?

ありとあらゆる建物の瓦礫が散らばる地獄絵図と化した街で、響は「それ」を……いや、それらを見ていた。巨大な異形と白き艦娘が戦っている2人の姿と……

 

 「……これ、は…」

 

 

 

 

 圧倒的な恐怖を放ちその2人の前に姿を表したソレを……

 

 

 

  「フフ…この時を待っていたわ……」

 

 

 

 

 ソレは唐突に何か囁いたと同時に異形に向かって何かを突き刺した。そしてそこから異形の力を吸い出すかのように何か畝りだし、しばらくしてソレと異形はそれぞれ姿を変えた。

 

 

 

 

 

 「……しれい、か…ん」

 

 

 

 

 そこには、体中に棘のようなものを生やし黒い刃を持つソレと全身傷だらけで横たわる哲也がいた。響は哲也を介抱しようと向かいに行こうとするが足が動かない……

 それが目の前にいるソレの能力でも白い艦娘の力でもなくただ恐怖で足がすくんでいるということに気付くまでさほど時間は掛からなかった。

 

 

 

 

 「さて、次は…あなたね……それ♪」

 「ッ!?」

 

 

 

 

 ソレが黒い煙を白い艦娘へと放つ、するとその煙が白い艦娘への包んでいき彼女についていた力を消滅させるように姿を戻していく。

 

 

 

 

 「…な、なんで……」

 「フフ、あなたの力は元々私の力。私が完全になるために返して貰うわよ……それじゃぁ、消えてね♪」

 「!?」

 

 

 

 白き艦娘、電はソレから再び放たれた黒い煙を浴びる。そしてその身体は徐々に煙に侵食されるように消えていき……

 

 

 

 

 「ッ…電!」 

 

 

 

 

 咄嗟の事で無意識に恐怖を乗り越え電のもとへ必死に手を伸ばしながら響は走った。

 

 

 

 

 

 

 

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 目を覚ますと白い天井がそこにあった。窓からは眩しい日差しがカーテンの隙間を通って入り、もう一眠りしたくなる…そんな気分になってしまいそうなほど心地良かった。 

 

 

 

 

 「体の節々が痛い……」

 

 

 

 

 激しい運動でもしたのか全身の筋肉が軽い悲鳴をあげており、腕を動かすとそれなりの痛みが走る。 

 

 

 

 

 はてさて自分は何をしていたんだったか……心無しか何か悲惨な夢を見ていたような気がするが…まぁ気のせいなのだろう。

 

 

 

 

 取り敢えず一旦その事は置いておこう。今まで自分は寝ていた。そこは理解しよう………しかしだな…

 

 

 

 

 「「Zzz」」 

 

 

 

 

 この状況はなんなのだろうか?銀色と緑色がベッドの両脇にいる。しかもちゃっかり手まで繋いでいるじゃないですか…まるでハーレム。

 

 

 

 

 「よしよし…」

 「ん、んン……」

 

 

 

 哲也がそれとなしに頭を撫でてみると響は気持ちよさそうな声を出す。それと同時、撫でられた時の小さな揺れのせいか響は目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

 「ぁ………おはよう、司令官…」

 「?……おはよう」

 

 

 

 

 

 響は何故か疑問顔の哲也にこちらも疑問に思いながらも挨拶をする。そして、反対側の山風を揺すりこちらの方も目を覚ます。

 

 

 

 

 

 「……おはよう、提督」

 「うん、おはよう」

 

 

 

 

 山風は哲也に挨拶をした後、何処か不安そうにじっと顔を見つめていた。響も響でまだ手を握っている。

 

 

 

 

 「司令官、もう大丈夫なのかい?」

 「…あぁ、少し筋肉痛だが支障はないよ」

 「無理しちゃダメ、だよ?提督……」

 

 

 

 

 哲也を心配するような表情と別の何か言い難い事をひめた顔で2人は哲也を見つめる。そして、1度お互い見つめ合った後、意を決して口を開く……

 

 

 

 

 「司令官…大切な話があるんだ……」

 「?」

 

 

 

 

 哲也を目をじっと見つめながら声を出そうとする。一瞬、息がつっかえたがなんとか立ち直した。

 

 

 

 「実は……」

 

 

 

 

 ((グゥ〜

 

 

 

 

 「「……」」

 「……すまん…」

 

 

 

 響の一大決心による言葉は哲也の腹の音によってかき消されることになった。

 

 

 

 

 「い、一旦ご飯にしない?」

 「「はぁ…」」

 

 

 

 

 2人は哲也に冷たい目線を向けながらも、心の底では日常が帰って来たことに少し喜んだ。

 

 

 

 ……たった1つ、けど1番重要なものがかけているが、と……

 

 

 

 

 

 哲也の体を支えながら2人は食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ----------------

 

 

 

 

 哲也をかかえ食堂にやってきた響達。中に入ると同時、哲也を視界に入れた他の艦娘達が次が次へと押し寄せ2人はその波に潰されて行きそうになる。

 

 

 

 「提督さーん!久しぶりっぽい!!」

 「うおっ!?」

 

 

 突然波の最後尾から者達を掻き分け夕立が突進してくる。その勢いは闘牛にも劣らないほどであったが哲也は身体に響く痛みを覚悟して受け止める。

 

 

 

 

 「痛い……」

 「ぽい〜」

 「だ、大丈夫?提督?」

 

 

 避ければ良かったのではないかとも思ったがやっぱり受け止めなくては行けない……そんな謎の使命感にかられながら痛みが響く身体にムチを打ちなんとか意識を保つ。

 そして、そんな状態の哲也を心配そうに見つめる別の少女。夕立の相方とも入れる艦娘、時雨がそこにいた。

 

 

 

 

 「……あぁ、大丈夫だ。お前こそ目の下が赤いが大丈夫か?」

 「うん、大丈夫。少し嬉し泣きしただけだからね………提督、ずっと目覚めなかったから……」

 「……そっか…」

 

 

 

 「ずっと」……何か大切なワードに聞こえる。まぁ、そんなことはさておき具体的にはどれくらい眠っていたのだろうか?この様子だと最低でも三週間くらいは経っているのか?

 

 

 

 

 

 「皆が泣くのも無理ないっぽい、提督さん4ヶ月も寝てたから……」

 「4ヶ月……」

 

 

 

 

 全く実感がわかない……普通に数時間寝ていた感覚しかないのだが、本当に不思議な気分だ。しかし、この筋肉痛とは別の歩き辛い感じの説明もつく。道理で2人に支えて貰いながらじゃないと歩けないわけだ。

 

 

 

 

 「悪い、心配かけたな」

 「心配したっぽい……これはデートしてもらわなくちゃ……」

 「ゆ、夕立さすがにそれは……提督には電だって」

 

 

 

 「時雨と3人で!」

 

 「「えっ」」

 

 

 夕立の3人デート発言に困惑する哲也と夕立。もはやそれはデートと呼ばないのでは?

 

 

 

 「時雨もいいっぽい?」

 「僕は……提督に任せるよ?」

 「ここで俺にふるか……まぁ、2人が良いなら良いよ。それより時雨、顔が赤いが大丈夫か?」

 

 

 

 

 黒木哲也、4ヶ月経ってもこういうところは全くたっても変わっていなかった。

 この発言をした瞬間、周囲からも冷たい目線を浴びせられ哲也は戸惑どった。

 

 

 

 

 

 「…ったく、相変わらずの女たらしクマ」

 「3人で盛り上がってんじゃないわよ」 

 

 

 

  

 突如背後からそんな声がする。振り向くとそこには、鎮守府のぬいぐるみこと球磨と、提督以外には優しい子最近では提督にも優しい子として通っている曙がそこにいた。

 

 

 

 

 目覚め立ての哲也に近づき、威圧を乗せた眼差しを向ける…「私達には何かないのか?」、と。

 

 

 

 

 「お、お二人は何をご所望で……?」

 「添い寝を所望するクマ」

 「私はあんたの手料理で」

 

 

 

 

 

 恋人持ちの哲也にとって叶えていいのかわからない願いがたくさん来ました。  

 

 

 

 

 

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 -----------------

 

 

 

 

 

 

 「ふむ、提督が目覚めたか」

 「ああ、皆泣いて喜んでるよ」

 

 

 大勢の艦娘の波から逃れた響は、まだ食堂へ来ていない者達のために各部屋を回っていた。

 

 

 

 

 

 「それで、提督は大丈夫そうか?」

 「食堂でご飯を食べてるよ」

 「そうか……それで、電の事は……」

 

 

 

 長門の一言に響は俯き黙ってしまう。それを見て大方察しのついた長門は再び口を開く。

 

 

 「まぁ…なんだ…無理するものじゃない。なんなら私から……」

 「それは……大丈夫。私から伝えたいから…」

「……わかった」

  

 

 

 響の決意の目を見て、長門は代わってあげたい気持ちをなんとか押し止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 響は哲也に伝えなくてはならない。哲也がいない間に電がどうなってしまったのかを……

 しかし、本当に伝えていいのかわからない。今は電がいないことに何故か疑問を持っていないがいつか伝えなくては行けない。

 

 

 

 ……本当に辛いな…

 

 

 「じゃぁ、私はそろそろ行くよ。お邪魔したね」

 「いつでも来ていいぞ。今度は提督も連れて来てくれ」

 「ああ、わかったよ」

 

 

 

 長門に挨拶をし部屋を出る。途中で山風と合流した後、響は哲也のもとを目指し進み始めた。

 

 

 

 

 

 

 ------------

 

 

 

 

 

 

 食堂で食事を取り終えた途端、急にガタが来たように動かなくなってしまい手伝いを貰いながらなんとか哲也は病室に戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 「………」

 「………」

 

 

 

 

 今俺の目の前には幼女がいる。白を基調としたセーラー服のようなものを着ており、紺色の帽子にはⅢの形をしたバッジを付けていた。

 

 

 

 「……あ、あの…今は、二人きり……よね?」

 「……うん」

 

 

 

 何故か顔を赤くしながらあたりをキョロキョロし、時折チラチラとこちらを見てくる。そして、4,5回スゥ、ハァと深呼吸してから口を開く。

 

 

 

 

 「あ、そ…その……お兄、ちゃん……」

 「……おう」

 

 「…////」

 

 

 

 唐突な「お兄ちゃん」発言後、数秒たっぷりと硬直、そのまま顔を隠ししゃがみこんでしまう。よく見ると耳まで真っ赤になっていた。

 

 

 

 ………なんだろうすごく撫でたい……

 

 

 

 「うぅ…やっぱり…司令官をお、お兄ちゃんなんて言うのは恥ずかしいわ///……でも、司令官がせっかくなってくれたんだし………」

 

 

 

 

 

 何か小声でブツブツと呟いていてうまく聞こえないが、見ていて飽きない。このままずっとこうしててくれないだろうか……

 

 

 

 「……よし、司令官!」

 

 

 

 

 そんな願いも虚しく砕け散り、いきなり立ち上がる。そして被っていた帽子をとり、頭をこちらに突き出して来る。

  

 

 

 「んっ」

 「お、おう?」

 

 

 

 

 突然の事で反応に困ってしまう。これはなんだ?これは何かの合図?それとも暗号?撫でればいいの?

 

 

 

 

 取り敢えずそっと頭に手を置いて左右に動かして見る。すると気持ち良さそうに目を細め、素直に撫でられてくれた。

 

 

 

 

 

 

 「……やっぱり我慢出来ない…司令官……少しだけでいい……ギュッてして…」

 

 「……わかった」

 

 

 

 

 撫でるのを1度やめ、そっと抱きしめてあげる。小さい身体で子供のように暖かいが、何処か少し震えているように感じる。

 

 

 

 

 

 「大丈夫?震えてる……」

 「……したんだから」

 「えっ?」

 

 

 

 暁は哲也を抱き返し、小さくふるふると震えていた。

 

 

 

 「心配……したんだから、ね……」

 「……」

 「暁にとって、司令官も…お兄ちゃんも、電と同じように暁の家族なんだから………」

 「…ありがとう、暁……」

 

 

 

 片方の手で暁の頭をそっと撫でてあげる。暁も我慢の限界が来たのか哲也の胸の中で小さくすすり泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数十分たっぷり泣いた後、暁は目の下を赤くしながらも元気に笑っていた。

 

 

 

 「それじゃぁ、お兄ちゃん。そろそろ別の人が来るだろうし私は行くわ」

 「あぁ、またおいで。好きなだけ抱きとめるから」

 「も、もぅ///からかわないで!///」

 「はは、ごめんごめん」

 

 

 

 暁は最後に赤く照れた顔をしながら部屋を出ていった。

 

 

 

 

 「……」

 

 

 

 

 

 …暁が部屋を出ていったのを確認してから数秒。緊張の糸が切れたように「ハァ…」と小さくため息を吐く。そしてあたりを見回し誰もいないことを確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………なんとか誤魔化せたか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暁……自分の事を「お兄ちゃん」と呼んでいたか……。今朝もそうだった、見知らぬ銀髪と緑髪の女の子2人が自分の手を握って寝ており、起きたと思ったら俺を「司令官」と呼んでいた。時雨ともう1人の子が時雨の名前を出してくれなかったら危なかったかもしれない………

 

 そして、会う人皆が口にする「電」という言葉、きっと俺にとって大切な人のはずだ。恋人、配偶者……?いや、暁が電と同じ家族って言ってたから血縁関係か?しかし、それだと暁も名前が出てくるはず……

 

 

 

 

 

 「…電って、誰だ………」

 

 

 

 わからない……電がどう言った存在で俺に何をしてくれていたか。そもそもの話、俺自身は何者なんだ?

 

 

 もう、何がなんだかわからない……

  

 

 

 「でも、取り敢えずは……」

 

 

 

 記憶がなくなってまず真っ先に頭を巡ったのは、この事が皆に知られては行けないという考えだった。何故かはわからないが、ここにいる子達は悲しませちゃ行けない……そんな気がするのだ。

 

 

 

 

 「なんとか隠さなくちゃな……」

 

 

 

 

 

 「…その話、詳しく聞かせてくれるかな、司令官?」

 「……」

 

 「!ッ」

 

 

 

 

 

 哲也が声のした方に振り向くとそこには悲しげな、しかし何処か怒っているような表情をした響と山風がいた。




日常(ほのぼのとは言っていない)



序盤から電の消失を匂わせつつ順調に響がばらすのかと思いきや哲也の記憶喪失。

自分自身日常モノを書いた、書いたつもりなんだ……だけどなんだろ、こう…が〇こうぐらしの1話のほのぼのからゾンビサバイバルの絶望に突き落とされたような感覚。暁の「お兄ちゃん」シーンが書いてて癒しでした。

メインヒロイン消失、主人公記憶喪失……これ、どうやって物語進めればいいのさ……




ごちうさのほのぼの小説書いて心ぴょんぴょんしたい……
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