電さんと化物提督   作:コントラポストは全てを解決する

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ストーリー考えるのにえらく時間を使ってしまった……









67艦 『普通の人間』

「………」

 

 

バレた……絶対隠し通すと思った矢先にバレた……

 

 

「ど、どうしてここに?」

 

 

「そんな事はどうでも良い、司令官……電の事、わからないのかい?」

「提督……」

 

 

「……」

 

 

どう誤魔化すべきだろうか……というかこの状況で誤魔化すとか出来るのか?……いや無理だろ。2人ともなんとも言えないような顔してるし…怒ってるの?泣いてるの?

取り敢えず一旦それは置いておこう。今はなんとか誤魔化してこの状態から抜け出す事を最優先に……

 

 

 

「……あはは!そんなわけないよ!ほら、時雨も暁も他の皆だって覚えてるから、な?」

 

 

陽気に笑顔で何事も無かったかのように語りかける。

 

俺が目覚める前に何があったか知らないけど電、だっけ?その子と喧嘩したとか些細な事でしょ?多分…

 

さっき考えても電との関係がわからないからこういう感じで纏めておいた。

 

 

記憶がちゃんとあるように見せるためちゃんと名前も出すようにしたし、これなら行けるはず…

 

 

 

「じゃぁ、提督…私達の名前……言ってみて」

 

 

行けなかった。はい、詰んだ……俺2人の名前知らない、というか自分自身もわからない状態なのに誰か名前覚えてるとか無理ゲーすぎるわ……

 

 

ここはもう素直に白状した方が良いのだろうか、それとももう少し粘った方がいいのかな?でも、どっちにしろ2人を傷つけそうで怖い。

なんと言えばいいのかわからないが心の奥底からこの人達を傷つけさせないという使命感が湧いてくる。

 

 

「………」

 

 

「司令官……」

「提督……」

 

 

しばらく悩み考えている中、2人は色々な感情が混ざった視線を向けて来た。

怒り、悲しみ、悔しさ……どれも負の感情ばかり、どうしてそんな目をするのか。俺にはそれがわからない……

 

 

 

「……ごめん、2人共」

「!っ…」

 

「あっ、おい………」

 

 

いくら考えてもわからない……だから、仕方なく白状した。したのだが、そう答えた瞬間銀髪の子が部屋から出ていってしまった。そして薄ら、その目から涙が出ているようだった。

 

 

「……提督」

「んっ?」

 

 

響が去ってしまった後、残された山風は哲也に向き直り1つ質問をする。

 

 

「提督は、記憶喪失なんだよね?」

「…あぁ、それだな」

「なんで隠そうと思ったの?」

 

 

なんで、か。そう聞かれると答えにくい………どう、答えるべきだろう?あと、何故か知らないけど緑髪が妙にそわそわしている……もしかしてトイレに行きたいのか?まぁ、今は置いておこう。

 

そうだな……答えるとすれば……

 

 

数秒たっぷり考えた後、哲也は口を開く。それは自分が目覚めてから何も思い出せないが唯一心に残っていた感覚だった。

 

 

 

「…よくわからないんだけど、俺が目覚めた時真っ先に思いついたのがさ『ここにいる子は絶対悲しませてはいけない、例え自分がどうなっても』だったんだよね。だから、自分が記憶ないのをなんとか隠したんだ。不思議と悪い気はしなかったよ、皆が笑顔になってくれたし」

 

「そっか……」

 

「?」

 

 

また、複雑な表情をしていた。しかしさっきの悔しさ、怒りではなく喜んでいいのか泣いていいのかという困惑の表情だった。何かおかしな事を言ってしまっただろうか?緑髪は何に対してその表情を向けているのか……

 

 

「…え、えっと…俺、何かおかしな事言った?」

「ううん、やっぱり…提督はやっぱり提督なんだな、って思っただけ」

「そ、そっか」

 

 

 

一体前の俺はどんな人間だったんだ?女の子を泣かせないようにすることはわかる。まぁ、そこまでの事そうそう起きそうにないが……けど、自分がどうなってもいいって、どこまで自己犠牲的だったの?

てか、緑髪が大粒の涙流しながら泣き始めたんだがどうすればいい?

 

 

 

「え、えっと……な、泣かないで、ね?」

「無理…だよ。だって……だって……!」

 

 

 

 

緑髪は顔をくしゃくしゃにしながら俺に抱きついて来る。そっと抱き返すと身体を一瞬震わせた後、安心したように身体を預けてきた。

やっぱり4ヶ月も寝ていたとなると、これだけ心配されるか………そういえば他の子よりずっと心配してくれるけど、もしかしてこの子が電なのかな。

 

 

 

「ごめんな、心配かけて……名前聞いていい?」

「あたしは、山風。白露型八番艦の山風……」

「そっか」

 

電じゃなかったか……でも…山風、か。うん、いい名前。

 

 

「俺の記憶が戻るまでよろしくな、山風」

「うん、よろしく……哲也」

 

ここでようやく泣き止んでくれた山風、俺から離れるがその目の下はまだ赤かった。そしてどうやら、俺の名前は哲也と言うらしい。

 

 

 

 

「山風早速で悪いんだが、俺や俺の周りについて教えて欲しい」

「うん」

 

 

 

 

それから山風は俺に色々な事を話してくれた。

黒木哲也と言う名前でここの鎮守府という場所で提督をしているらしい。そして、ここにいる艦娘という存在を指揮し暁の水平線に勝利を刻むものだそうだ………本来ならば。

俺はそんな定石から外れたイレギュラーで艦娘を指揮するどころか、提督自身が海へと赴き深海棲艦とやらを艦娘にしていたそう。中々ぶっ飛んでるじゃねーか。

まぁ、そういうことをしていた事もあり当鎮守府では轟沈はゼロ、艦娘達からの信頼度・好感度ともにMAXというのが現状らしい。最後のの方で山風の機嫌が悪くなったのは俺のせいじゃないはず……

 

何はともあれ、ますます俺の記憶喪失がバレちゃいけない状況になった。もしこれがバレでもしたら皆がショック症状でも起こして鎮守府が壊滅する可能性がある。割とマジで。

 

 

 

「まぁ、取り敢えずだいたいの事はわかったよ。何がなんでも記憶喪失は隠しとうそう」

「うん……」

 

 

俺が何者かを把握したところで、最後はずっと疑問に思ってること訪ねよう。

 

「なぁ山風。電って誰?」

「………」

 

 

電……その名前、名前でいいんだよな?……を出した途端また顔を俯かせ表情を暗くしてしまう。本当、一体何があったのだろう。

 

「電は、提督と恋人同士だったよ」

「……破局したの?」

「ううん…」

 

 

山風は首を横に振る。

良かった……知らない間に昼ドラ始まってたら泣くところだった。

 

 

「電が消えた…」

「……うぇ?」

 

昼ドラじゃない、サスペンスだった。え?なに?行方不明なの?なんでそんな冷静なの?

そんな慌てる俺に山風が「落ち着いて」と視線を促す。

 

 

 

「消えた……正確に言うと『消滅』した……」

 

「消滅?」

 

……行方不明じゃなくて神隠しってことか?

 

 

 

「服も武器も全部、跡形も残さずに消滅した……って言ってた」

「…言ってた?誰が?」

「響……あっ、あたしと一緒にいた子」

 

 

あぁ、あの銀髪の子か。そういえば泣いてたな………後で様子見に行こう。

それにしても消滅か……持ち物まで消してしまうとは、消した相手は恨みでもあったのだろうか。

でも、恋人、ね……俺にもそんなのがいたんだな。ケッコンはしてたのかな……

 

 

 

「山風も俺の恋人だったりするのか?」

「………ふぇ?」

「いや、ケッコンカッコカリでいくらでもそういう関係になれるらしいから……」

 

俺が尋ねると、素っ頓狂ながらも可愛らしい声をあげた後みるみる赤くなって行く。

 

 

(て、提督と)……(哲也と……こ、恋人?)…………(だ、ダメあたしは1回ふられてて)……(で、でも……うぅぅぅ)///」

 

 

 

急に赤面しだしたと思ったら、今度はブツブツと小声で何か言っている。もう少し大きな声で話して欲しいところなのだが……

 

 

「山風?」

「うぇ!?……あ、ど、どうしたの提督?」

「大丈夫か?」

 

「あ、うん……大丈夫。その、哲也とは恋人じゃない」

 

「そうなんだ」

 

 

 

ここで乗って置けば哲也の恋人(仮)になれるんじゃないかと言う邪念は捨て去り、山風は哲也の方に向き直る。

哲也と電と自分が三角関係といういざこざをこじらせた事は一旦内緒にしておき、今はなんやかんやで自分とは親友関係である事をしっかり教えこんでおく。哲也のためだけでなく、目の前の誘惑に負けそうな自分のためにも…

 

「そっか、平和に過ごせてたのか俺」

「あ、でも提督に告白しようとしていた子ならいた」

「まじか…」

 

 

うん、俺よく生きてた。よく背後から刺されたりしなかったな、俺。記憶喪失前の俺グッジョブ。

まぁ、それはさておきこれからどうしようか?いや、記憶を取り戻すのが最優先だが……これからの生活でどのように過ごして行こう………出来るだけ皆の名前を覚えるまでは出会うのは避けたいところ。まずそこからか。

次に……あの響って子が気になるな。随分塞ぎ込んだ顔してたし。

 

 

「まずはここにいる艦娘達の名前を覚えるところからだな。あとは……響か」

「響?」

「あぁ、多分あの子も俺と何かある。山風、何か知らない?」

「ううん、あたしはなにも……」

「そっか……」

 

 

響は何をあんなに苦しんでるのかな……女の子は幸せそうに笑ってて欲しいのに………

 

 

「よし、そうと決まれば早速行動だ!山風、ここにいる子達全員の資料作成お願い出来る?」

「うん、任せて……」

 

 

小さく、でも元気の良い返事をすると山風は小走りで部屋から出ていく。

 

 

 

 

 

 

「さてと、これからどうなることやら……」

 

 

俺は多分人間だ。記憶をなくす前は深海棲艦を艦娘にしたり、艦娘の深海化を鎮めたり、艦娘が勝てないような相手を単独で仕留めたりと色々な偉業をやってのけていたらしいが、今の俺にはそんな事をする程の力がない。いや、もしかしたらあるのかもしれないが力を使う感覚が思い出せない………至って普通の人間になってしまっている。

そんな俺が出来るのはせいぜい艦娘のメンタルケアがいい所、執務などの提督業など全く出来ないため上にバレたら即解雇だろう。そういえばこの組織のトップはどんな人だろうか?1度会ってみたい。

 

 

「……ん?メール?」

 

そんな風に考えていると側に置いておいた携帯が振動する。画面を見てみるとメール受信ボックスに1と表示されており差出人は『元帥』となっていた。あ、首飛んだわ……

軍に解雇という概念があるかわからんが、これは確定だろう………

 

「……」

 

 

『1週間後大本営へこい』

「わぁお……」

 

 

なんで俺が元帥のメアド知ってるかはともかく、俺の専用携帯直々に連絡してくるとは………

 

 

「1週間、全力で提督やろう……」

 

 

俺はそう意気込んだ後、掛け布団を頭からかぶった。

 

 

 




こんにちは、はつひこです。最近ノートにざっくりとしたあらすじを書いてから執筆するようにしたのですが、如何せんネタが思いつかなかったです……
電いないし、哲也記憶喪失だし…自分でやっといてなんですが物語がとても進めにくい。電ポジを誰に補ってもらうか、このままだとタグから恋愛が消えてしまう……
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