電さんと化物提督   作:コントラポストは全てを解決する

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なんとなく前回のあらすじ

大本営行く→元帥さん抱きつく→心配される→亀甲縛り&大和さんと元帥さんにナニかがあった



以上


69艦 友 恋 愛 情

大本営に招かれてから数時間、適当にお茶をして話して、昔の俺について少し知ることが出来た。

 

知る…と言っても、やんちゃだったとか寂しがり屋だった、正義感が強かったなど性格性分的なものだった。

どうやら俺は昔は物静かでいつも何かを悟ったような顔をしていたらしい。そして口癖は「人間って素晴らしい…」だったそう。いや、何様だお前…と自分に自分でツッコミを入れたくなった。

 

元帥さんも大和さんも本当の息子との思い出を話すように感慨深く、楽しむように語っていた。

 

元帥さんに比べれば大和さんに会ったのなんて最近じゃない?と思った貴方、そこは悪しからず。

 

そんな中で俺はどうしてたかと言うと、思いっきり恥ずかしがってた。

記憶喪失だから別人の話のように聞いていたが、何故か少しづつ恥ずかしいと思うようになっていた。割と余裕があるのかもしれない。そろそろ記憶戻るかな?

 

 

まぁ、大本営へ招集された理由も記憶喪失である俺との顔合わせという事であり、目的が終わればこんな風にお茶会を開いて昔話。俺はただいじられるだけでいじる方は本当に楽しそうだった。

威厳あるおじいちゃんと大和撫子が茶目っ気たっぷりで遊んで(いじめて)くるからんだから人間って怖い。

 

 

 

まぁ、そんな事もありながら気づけば日が沈み始め空が紅く染まっており、丁度いいタイミングだったので、2人に一言別れの挨拶を交わして大本営を出発し、電車で数時間ほどかけて鎮守府まで戻ってきた。

 

大本営からかなり離れてるため、帰って来る頃には深夜になっている。

 

 

さすがにもう日が変わるか変わらないかという時間帯なので鎮守府は怖くなるほど静かで、照明はついているが誰も歩いていないので寂しさが広がる。

鎮守府内の階段を早足で上り、3階廊下隅にある『司令官専用宿舎』に向かいドアを手をかけ少しだけ開ける。すると、何故か部屋の中から消したはずの照明の光と鼻を燻るスパイスの効いた匂いがした。

 

 

「…そもそも、なんで鍵開いてんだ」

一瞬の内に背中から嫌な汗がでてくる。艦娘達が侵入者に関しては目を光らせているこの場所でどうやってここまで辿りついたのかはしらないが、もしもの時はそれ相応の対処をさせて貰う。

 

そう意気込みドアを思い切り開け放ち、この時間帯なら下手をすれば近くの部屋(近隣)から苦情がきそうな大声で叫ぶ。

 

 

「誰だ!」

「!?ッ………て、提督?」

 

……ドアを開けるとそこには、白と黒を基調とした制服に首に赤い首輪をつけている緑髪の少女…山風がいた。しかも、その制服の上からは緑色の一色に白文字で『ヤマカゼ』と書いてあるエプロンをつけている。

 

 

何故彼女がここにいるのか、疑問に思っていたが服装でだいたい察した。夕飯を作っていたのだろう。まぁ、夕飯と言うより夜食という時間だけど…取り敢えず驚かせてしまった事を謝罪しよう。

 

 

 

「悪い驚かせたな」

「う、ううん…大丈夫。あたしも、勝手に入っちゃってたし………え、えっとご飯にする?お風呂にする?」

 

「……山風で」

「え?」

うん、あっけらかんとしてる。何を言われてるか理解していないようだ。こういう時のお約束だと思ったのだけど。

 

「………えっ!?、え…その、つまり………そういう事?」

「うん」

「で、でも提督には電がいて……」

 

 

時間を置いて気がついたようだが今度は顔を困惑させながらブツブツ呟いていた。どうやら俺と電の関係性を再び御教授してくれているようだ。

しかし、俺には電がいると言い聞かせているが「…でも、電がいなくて溜まってるなら……」といつの間にか山風自身が自分に言い聞かせてエプロンと制服の肩に手を掛けていた。

よく見たら布団セットしてあるじゃないですかヤダー。

 

それはそれとしてそろそろ止めないと、素敵なパーティーが始まってしまう……

 

 

「山風、冗談だ」

「えっ」

 

「冗談だ」

「……」

 

「冗談d……」

「〜〜〜///!!!」

 

 

 

 

3回ほど伝えたところで顔を紅くしながら俺の胸をポカポカと叩いて来た。

怒っているのか照れているのか、はたまたその両方か………まぁどちらにしろ可愛い事に変わりはない。

 

「バカ、バカ…!///」

「悪かった悪かった、ほらドウドウ」

「い、犬じゃない…///」

 

 

真っ赤なお顔の山風さんは俺の宥めによって落ち着きを少し取り戻しました。

 

「山風って意外とむっつり?」

「〜〜!///」

再び荒れました。

 

 

 

 

 

 

取り敢えずしっかりと山風を落ち着かせたあと、俺は夕飯を選んだ。本当はお風呂を選んだのだが冗談で「一緒に入る?」と尋ねたら、無言で包丁を俺の息子に突き立ててきたのでやむ無く食事にした。さっきの可愛いやつが見たかったのに……

 

このやりとりが僅か15分の間で行われていたと思うと、案外時間の流れって遅いんだなーって思ったりする。

 

 

そんな事を考えている間にも山風は着々と食事の支度をしていた。テーブルの上には主食から

副菜まであらかた揃っている。

 

 

「じゃ…提督、食べよ?」

「あぁ、そうだな」

お互い向かい合って座り、両手を合わせ「いただきます」といつも通りの作法を取りカレーに手をつける。

 

「…美味しい」

「…良かった」

 

 

俺が食べるのをまじまじと見ていた山風がそんな言葉を漏らした。

部屋に入った時からあんなにもいい匂いを出していたのに味の心配をするか……どこまで手作りかはわからないけど程よくスパイスが聞いてて本当に美味しい。

カレー1つでここまで本格的なものが作れるとは…将来山風と結婚した人は幸せなんだろうなぁ……

 

 

「山風はいいお嫁さんになれる」

「お、お嫁さん……」

「うん、お嫁さん。料理できるし可愛いし、文句なし」

「///」

 

こっちのサラダだってお手製のドレッシングで味付けして、野菜独特の青臭さを和らげている。

手作りってしゅごい、胃袋から落とされそう………でも、電という子と再開してこの状況を知られたら多分命を落とすことになるから我慢しなきゃ……

そういえば山風がさっきからずっと真っ赤なのだが大丈夫だろうか?

 

「あ、あのね提督」

「どした?」

 

「えっと……その、ね?」

 

 

カレーに目線を向け、スプーンでルーを弄りながら山風は何かを言おうとしている。しかし、話しずらい事なのかずっと口ごもっていた。

 

「山風、言いにくいことなら無理して言わなくていいぞ?」

「あ、ううん……そこまで大げさじゃない、から………えっと、その…提督の記憶の事で、話して無い事があってね?……実は…」

「うん」

 

 

「あたしね…その、提督に告白してるんだ……」

 

「………え?」

 

なんだろう今割と…ていうかかなり重要な単語が聞こえてきた気がする。

え、なに?告白?というかかなり大げさじゃねーか。

 

取り敢えず1回整理させてくれ。俺は電と付き合ってる、それは紛うことなき事実……俺と電が付き合う前から恋人(パートナー)としてほぼ完成していて誰も付け入る好きがなかったというのは聞いた。

という事は?俺と電の関係性をどうにかくぐり抜けて突撃してきたと。でも、俺と電は超仲良しで?言っちゃ悪いが告白成功率が0に等しいのにアタックしたの?OKされる可能性を感じる何かがあったのか?

 

…………まさかとは思うけどさ俺もしかして……

 

「二股したの?俺?」

「違うよ?」

普通に違った。

 

 

「その時の俺は電とはまだ?」

「うん、付き合ってない。けど、その時期に提督が電への気持ちに気づいた……」

「?……それでも告白したのか?」

 

「…何もしないのは、嫌だったから……」

 

 

なるほど…つまり粉砕覚悟で特攻したと言うわけか。なんだこの甘酸っぱい三角関係…青春漫画みたいだな。

ただ、一応これが自分の身に起こった事だとわかってるからなんとも言えない気分…

 

「なんかごめん…言いづらい事言わせちまったな」

「あ、あたしが言いたかっただけ…だから。そ、それとね…まだ話あって……」

「おう」

 

「…」

「…」

何故かお互いに沈黙が訪れる。

山風、君は一体何を頼もうとしているんだい?

 

 

「き、記憶が戻るまででいいから…提督の部屋で過ごしていい?」

 

「………え、それだけ?」

なんかもっと凄いの想像してたんだけど、「電なんて捨ててあたしだけのものになって…」的な。

いや、そんな事言わない子だってしってるけどさ…

 

「う、うん」

「ちなみに理由を聞いても?」

 

「その、提督…記憶がなくなってから料理も洗濯もしなくなったから……今のあたしは何も出来ないけどせめてお世話くらいって…」

「なるほど……」

 

 

そういえばここ一週間身の回りの世話は艦娘達に任せっぱなしだったな。みんな嫌な顔せずにやってくれるからついつい甘えてしまっていた。特に雷という子はお世話をすればするほどキラ付く変わった子だった。あんな小さな子にお世話してもらうのも複雑な気分だが…

 

「じゃぁ、しばらくお願いするよ。よろしく山風」

「う、うんっ!」

 

 

すっげぇキラキラしてる……最近は男の世話をするのが世間の女の子の間で流行ってるのか?

まぁいっか、今はカレーが冷めない内に食べないとな。

 

 

「〜〜♪」

(山風、本当に嬉しそうだな……)

 

 

山風の可愛い顔を見ながら食べるカレー。うん、よきかなよきかな。

 

「提督おかわり、いる?」

「あぁ、頂こう」

 

 

山風はお世話することではなく、哲也と一緒にいられる事を喜んでいたのだが……それを哲也が知る由はなかった。

 

 

 

 

 

-----

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ、イムヤ」

「ん、何?」

哲也の鎮守府とはまた別の場所。

1人の女性がイムヤへと話しかけていた。

 

「黒木君のところに遊びに行こっか」

「本当!?」

 

黒木哲也という名を聞いた瞬間瞳をキラキラさせながるイムヤ。

 

「なんか…食いつきすごくない?」

 

「ふふ…♪」

 

 

ご機嫌に鼻歌を奏ながら少女は支度を始める。

 

(…イムヤ……もしかして黒木君に惚れてる?)

 

 

哲也は知らない。

電不在の中、哲也の元に新たな浮気相手(かもしれない)が現れる事を…

 

 

 

 

 

 




記憶喪失の哲也を心配し、住み込みでのお世話を申し出た山風。順風満帆新婚生活のように過ごしていたがそれを知った他の娘達が我も我もと押し寄せる。
そんな2人の元に女指揮官と潜水艦娘が訪れる。

萱野「黒木くーん!遊びにきたyー……」


あ ふ れ で る さ と う お ー ら

ひ と り の お と こ を と り あ う お ん な た ち

ぜ っ さ ん し ゅ ら ば ま っ さ い ち ゅ う


次回『ようこそ砂糖と修羅場の鎮守府へ』

少し古かったかもしれないなこれ……
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