しかし、カリーヌでさえあの有様なので・・・・・
今回は雑なので注意。
片づけを終え食堂で食事をしていると騒がしくなった。
聞いてみるとあのギ―シュが他の生徒たちと話をしている所へ、落し物の小瓶を拾ったメイドが持ち主を尋ねると、その小瓶はギーシュが「洪水(本当は香水)」のモンモラシーから贈られた香水が入った小瓶だとわかり、ケティと言う1年生がギーシュをひっぱたき、更にその様子を見ていたモンモラシーが嘘つきという理由でさらにひっぱたかれ、絶交宣言。
俗に言う浮気がばれて双方から愛想尽かされたというわけだ。まあ、自業自得だが無駄に誇り高い彼はそのメイドに八つ当たりしていた。
だが、それがこともあろうにあのシエスタだったのだ。
「君が軽率に、香水の瓶なんかを拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷付いた!どうしてくれるんね!」
「申し訳ありません!!貴族様・・・・・・・どうかお許しを!!」
シエスタは泣きながら謝罪していた。いくらなんでもあそこまで言うのは男として失格だ。
「そのぐらいにしてあげなさい。元はと言えばあなたが二股をしていたのが悪いんでしょ?」
私はシエスタの前に立ちギ―シュに向かって言う。そう言われるなり周りの生徒たちは非難し始める。
「そうだギーシュ!お前が悪い!」
「そのメイドに謝れ!」
「ゼロのルイズに言われて恥ずかしくないのか!」
周りから散々言われてギ―シュは追い詰められる。この際、今後こんなことがないようにお灸をすえておくか。
「それに自分の失態を認めないのは貴族として男としても最悪だな。」
「うぅ!!ふ、ふん!確かにゼロのルイズは平民と仲良くしているのがお似合いだろうな。君の味方をしてくれるのは平民だけだからな。」
「何?」
「魔法が使えないゼロは平民と仲良くするのがお似合いだと言ったんだよ。そうだろう諸君!」
「そうだ!そうだ・・・・・・!?」
周りの生徒たちがギ―シュに続いて言おうとしたもんだから私は少し殺気を発たせた。すると生徒たちは一斉に恐怖をし始める。
「それに君はどういう事情かは知らないけど君はサモン・サーヴァントにさえ成功していないじゃないか?それでよく進級・・・・・・・」
「今度はその減らず口を叩けないように教育しておこうか?」
「!?」
ギ―シュは一瞬で自分の背後に回った私を見て怯え始める。それは蛇に睨まれた蛙の様だった。まあ、師匠が蛇遣い星座の聖闘士だったこともあるけど。周りに生徒たちも一体何が起こっているのか分からなかった。
「そうね・・・・・・いいことを思いついた。ギーシュ・ド・グラモン、この際だからあなたに決闘を申し込むわ。」
「な、何を言っているんだ!?き、君は!?魔法も使えない君がぼ、僕にか、勝てるわけないじゃないか!」
「さあ?どっちが後で泣くことになるのやら?」
私は意地悪そうに言う。
「し、仕方ないね!僕に決闘を申し込んだことを後悔させてあげるよ!ヴェストリの広場で待っている!精々逃げないことだね!(決まった!)」
そう言うとギ―シュはその場から退散していく。シエスタは怯えながら私の顔を見る。
「み、ミス・ヴァリエール・・・・・申し訳ありません・・・・・私のせいで。」
「貴方は気にしなくていいわ。悪いのはあの男よ。自分の罪を他人に押し付けるなんて人として問題よ。」
しかし、私は考えた。
決闘の場で黄金聖衣を使用してよいのだろうか?
元はアテナを守護するために作られたような物。まあ、今回は飽くまでシエスタと二人のことを踏まえてで私利私欲のためではないから問題はないが・・・・・。
決闘、それもよりによって聖闘士でなく、メイジに使用するとなると・・・・・・・確かに例外として母とやったのはある。だが、今回の相手はそのスクウェアメイジの母よりもはるかに劣るドットメイジのギ―シュだ。黄金聖衣を纏って決闘などしたら最悪大怪我どころでは済まされない。
「・・・・・・仕方ない。決闘するときは外すか。」
私は一呼吸してそう決めた。
黄金聖衣を纏って広場に行くとギ―シュは当然のごとく待ち構えていた。
「よ、よく逃げなかったね・・・・・・って、何なんだい?その鎧は?」
ギ―シュは私を見るなり言う。ギャラリーの方もかなり騒いでいるようだ。
「ちょっとしたアクセサリーだと思ってくれればいい。」
流石に黄金聖衣の話をしても。信じてもらえないからな。私は聖衣を外す。
「なんだ?それを着て僕と戦うんじゃなかったのかい?」
「生憎こんなふざけたゲームには、相応しくないからな。それにこれを着て戦うと最悪怪我じゃ済まされないからね。」
「ゼロのルイズにここまで舐められるとは・・・・・・僕も馬鹿にされたもんだね・・・・」
プライドは無駄に高いから、不味かったのかもしれない。まあ、怪我をさせてしまうよりはマシか。
「諸君、決闘だ!」
ギ―シュの掛け声でギャラリーは盛り上がる。
正直言ってこの魔法学院では娯楽というものはあまりない(聖域も似たようなものだが)。そのため、この貴族同士の誇りをかけた決闘は、彼らにとって賭けと暇つぶしの対象となっている。
ギ―シュは小手試しとばかりにバラの造花を振る。すると青銅のゴーレム『ワルキューレ』が数体召喚される。
「僕に二つ名は『青銅』!精々楽しませ・・・・・!?」
話が長くなりそうだから私は容赦なくスカーレッドニードルでワルキューレを破壊する。ギ―シュは目の前で突然ワルキューレが爆散したため、思わず目を丸くしてしまった。
私は杖を持っていない。
それなら私の代名詞ともいえる失敗魔法の爆発も使えないはずだ。
にも拘らずワルキューレは見事に爆散してしまった。私がやっていることと言えば人差し指を突き出しただけ。
「一体何が起きたんだ!?」
「ゼロのルイズの指先が一瞬光ったように見えたけど・・・・」
「もしかして先住魔法!?」
ギャラリーは騒ぎ始めたが一番動揺しているのはギ―シュの方だ。
「い、一体何が起こったというんだ!?ルイズ!一体何をしたんだ!?」
「私は自分の技を出しただけ。それ以外は何もしていないわ。」
私は冷淡と答える。
「そんな馬鹿な!杖もなしに!」
「聖闘士は修行で己の肉体を極限まで鍛え、原子を砕くという破壊の究極を身に付ける。呪文を唱えて時間をかけてしまうメイジとは格が違うのよ。それにあなたはメイジとしては未熟過ぎるわ。」
「何意味の分からないことを言っているんだ!それに僕は未熟じゃない!」
彼は更にワルキューレを召喚しようとする。しかし、私は隙を与えず、スカーレッドニードルで彼の杖を弾き飛ばす。
「グッ!?」
ギ―シュの杖は高く飛ばされて私の手に落ちる。
「メイジの決闘は相手が杖を落としたら負けだったな?では、お前の負けだ、ギ―シュ。」
私に敗北宣言をされ、ギ―シュの顔は真っ蒼になった。
「そんな・・・・・そんなわけない!僕が・・・・僕が君負けるはずなんてない!まして、杖さえ使わない君に負けるなんてそんなことが・・・・」
ギ―シュが負けを認めなかったため、私は彼に向かってスカーレッドニードルを放つ。無論当てるつもりはなかったため、紅い閃光は彼の頬を僅かに掠めて、学園の壁を貫通させた。
「往生際が悪い・・・・・・それとも、私のこの技で死ぬことを選ぶつもりかしら?スカーレッドニードルを受け続けた相手は中枢神経を刺激され、激痛と共に全身を麻痺されて最悪の場合は死が訪れる。それでもいいの?最もあなたが認めないというのならあなたに裏切られた二人とシエスタの分、も含めて三発その体に打ってあげるけど?」
私の威嚇とばかりの視線にギ―シュは歯をガタガタさせて尻餅をついた。
「わ、わ、わ、わ、わ、分かった・・・・・・ぼ、僕の負けだ・・・・・」
「ならいい、あまり騒ぎにもしたくないからな。三人には謝るように。」
そう言うと私は広場を後にして行った。
その後、生徒たちの間で私を怒らせたら危険という噂が立ったのはまた別のお話。
後、もう一つ。
シエスタを助けたことと食事に関して礼を言ったのがよっぽど驚かれたのかマルトーと言う食堂のコック長から「貴族って嫌な奴ばかりだと思ったけど、おめえさんみてえな立派な奴もいるんだな!」と称賛された。
次回は街に行く?
君は小宇宙を感じたことはあるか?