チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
ミッドナイトから第二種目である騎馬戦のルール説明の後、15分のチーム決めが行われる。そこで私はと言えば。
「俺とチーム組もうぜ!」
「いや俺とだ!」
「私でもいいでしょう?」
「オイラと組んでくれよぉ!」
選手に囲まれていた。何人か見知ったA組も居る。てか騎馬戦だろもっと戦闘力高い奴と組めよ。私なんて本来戦闘からっきしだぞ。入試0Pだぞ。
「悪いが1人は決めてある。残りはそいつと相談する」
断りを入れて向かう先はただ1つ。
「人気者だな物見」
「ポイント数や順位で選ばれても困るんだがな。予選の種目と相性良かっただけだっての」
「……はぁそう思っているのは君だけだ。見ていたが轟だっけか、あの氷に対処出来るってだけでも価値は高いんだ」
「実際は対処しきれていないの知ってんのなんてお前だけだろうな」
会話している間にも時間は過ぎていく。心操が何かと妬みの籠った視線を受けているが当の本人は慣れていると言わんばかりだ。
「で残り誰誘うよ」
「適当でいいよ。俺が騎手やって最後にポイント多い奴を止めて取るから」
「あいよ。じゃあ私は適当に壁でも作っとくか。多分狙われるだろうし」
実に雑な決め方だがこれでいいだろう。この場合他の人の個性は余り関係無い。私は視界が広い前馬であり両手が塞がるため心操にポーチを丸投げする。
「敵が来たら壁の欠片か地雷の欠片でも投げててくれ。私が勝手に直すから」
さて残り2人を決める作業に入るか。個性知ってるのは……あの2人でいいか。
「おっす。尾白組もうぜ」
「!!物見さんか。なんで俺なんだ?」
「数合わせ。あと個性知ってるし」
「そんな理由でいいのか……君だったら他に良い人が居るだろう」
「いいんだよ誰でも。爆豪とか轟とか強い連中なんて既にチーム作ってるし」
「……わかった。組ませて貰う」
1人確保。あとは人気なさそうな青山だな。誘ったら即決だった。チョロい。
「連れて来たぞ」
「ああ。よろしく」
「よろしく頼むってお前!教室の!」
「まーまーいいだろ。今はチームだ」
「よろしくねっ☆」
そういや心操A組挑発してたな。忘れてた。心操を騎手にして開始の合図を待つ。てか尾白力あるな。左手側の負担がほぼゼロだ。誘って正解だった。
「まーボチボチ行きますかね」
『3!2!1!スタート!』
開始の合図が鳴る。と同時に緑谷に大量のチームが襲い掛かる。1000万ポイントは辛いねぇ。
「左からこっちに人が来てるぞ」
「ん?ってアイツ誰だ」
「牽制よろしく」
「あいよ」
実況でヒーロー科って言ってるしB組か?対峙して騎手が心操のハチマキを取ろうと……する前に心操が目の前に投げた地雷の欠片を視界に収めて直す。突如現れた地雷複数に躊躇している間に後退して次に投げられた壁の欠片で壁を作る。
「合図も無しに息ピッタリか……2人は長い付き合いなのか?」
「その話は後でな」
心操が人の流れを読みながら最低限の指示を飛ばす。牽制しながらポイントを維持。時に現在の各ポイントを確認しながら残り時間1分の所で心操が最後のポイントを確認。狙いを定めて確実に4位以内に入れるポイントを得られるチームを決める。
「じゃあ行くぞ物見に青山に尾白」
「……」
「ああ」
「うん☆」
私だけが答えずに後ろ騎馬2名に洗脳を掛ける。これで制御完了だ。
当たりをつけたチームに突き進み心操が一瞬動きを止めてハチマキを奪い取りその少しの衝撃で相手の洗脳を解除。そしてわざと肩をぶつけさせて尾白の洗脳を解除。最後に地雷の置き土産。
『タイムアップ!』
予選が終了する。
「ご苦労様」
心操がいやらしい笑みを浮かべて尾白と青山を労う。尾白は何があったか分からないといった顔だ。
「お疲れさん」
私も2人を労う。直ぐ後に結果発表が行われる。
1位轟チーム
2位爆豪チーム
3位心操チーム
4位緑谷チーム
私にとっては予想通りの通過者たちである。この後の種目次第だな。尾白がこちらをてか心操をじっと睨みつけている。
昼休憩1時間の後に午後の部だという。心操を誘い休みに入らせてもらう。
今更だけど11話で(過去編飛ばせば7話で)既に体育祭編ってこのサイト的に展開早すぎるのではと思ってしまう。
あと未だに主人公のヒーローネーム決めてない……どうしましょ。
感想欄で心操よりよっぽどヴィランじみた事が出来る系主人公になってきている。力の使い方って大事ね。
wikiに書いてないのですが職場体験ってヒーロー科だけの行事なんですかね?ヒーロー科オンリーの行事だったら普通科の主人公が選べない事による事務所からの大ブーイング不可避ですが……