チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
次の対戦相手は飯田くん…あっ(察し)
日間一位ありがとうございます。記念に物見さんが脱ぐ番外編を職場体験前に…
少しの休憩時間の後、ついに始まる体育祭1年の部最終種目決勝戦。
轟vs爆豪というダイナミックな試合展開が予想される対戦カードである。
「物見としてはどっちが勝つと思うんだ?」
「ん?そうだなぁ……私としては爆豪だと思ってる。戦ってみて分かったがアイツはヤバイ。こっちの攻め方見た上での対処が並じゃない」
待ち姿勢って性格でも無いのに的確に攻め筋潰して来るから性質悪い。力押しだけって訳でも無く避けるべき所はキッチリ避けるし。
「戦うのが巧いタイプってのはああいうのを言うんだろうな」
轟も強い個性なのだが……まぁいいか。あっ始まった。
開幕大氷壁を爆豪が掘り進めて出た後に轟に急接近して空中で掴み投げる。……あの投げされてたら私なら場外で速攻負けてたな。
轟は氷を出して場外を回避。近づいた爆豪を左手でいなす。だが緑谷戦で見せた炎を使わないのが不服らしく爆豪がキレている。
そして爆豪が麗日に使った以上の特大火力をぶっ放す。轟も一瞬だけ炎を出すも引っ込めて爆発をモロに受けて場外に吹っ飛ばされる。
1ミリも納得いってない爆豪は気絶している轟に詰め寄るもミッドナイトにより眠らされる。
『轟くん場外!よって――爆豪くんの勝ち!!』
『今年度体育祭1年優勝は――A組!爆豪勝己!』
観客席から歓声が沸き上がる。まぁ対戦者2人共眠ってしまっているためリアクション無いのが残念だが。
「さてと最終試合行って来ますか」
「頑張れよ物見」
「頑張れ委員長!」
心操の声をきっかけにクラスメイトからの激励が飛ぶ。それに対して背を向けたまま腕を横に伸ばして親指を上げるだけで控室まで向かう。
「直せんのは……3回がいいとこか?」
控え室で体力を考えながら復元の使用可能回数を見定める。場外狙いか降参狙いか……中途半端にやってたら体力的にアウトだろう。
「…………」
呼び出しのアナウンスがあるまで考える。轟が出した氷の排除に時間が掛かっているのか中々来ない。
「…………」
呼び出しのアナウンスがあるまで……
「…………」
あるまで……
「無いじゃん!」
いつまで経っても呼び出しのアナウンスが無い!何かトラブルでもあったのか?そう思っていると控え室に入って来るのは焦った様子のミッドナイト。
「物見さん。表彰式よ」
…………はい?
特設された表彰台の上。拘束されたまま暴れる爆豪という愉快なオブジェが一番上に居る中で3位の台に立たされる。
『えー約2名納得いってない様な感じですが表彰式に移ります!』
なんでも飯田は家の事情により先程早退してしまったらしい。えー……。
『メダルの授与よ!今年メダルを贈呈するのは勿論この人!』
ミッドナイトの呼び声でドームの上から降りて来るのは
『我らがヒーロー!オー「私が!メダルを持って来た!」ト』
……この体育祭らしく締まらないなぁ。
「物見少女おめでとう。修復のパフォーマンスは見事だった」
「素直に喜べないですね……」
「リカバリーガールから聞いている。体力的にギリギリだってね。それでも3位を勝ち取ったのは事実だ。誇りたまえよ」
「……はい」
最後に頭をよしよしと撫でれらる。それだけで少し安心してしまう。
続いて思い詰めた顔の轟に、最後に口の拘束だけ外された爆豪にそれぞれメダルを授与する。
「さぁ今回は彼らだった!しかし皆さん!この場の誰にもここに立つ可能性はあった!」
オールマイトの〆の挨拶が始まる。そして終わりに
「皆さんご唱和ください!せーの!」
『プルス・ウ「おつかれさまでした!!!」……』
会場全体からのブーイングで1年の体育祭は幕を閉じた。それでいいのか……。
本来なら教室へ戻ってのホームルームだが私だけはリカバリーガールに呼び出されて治療を再開する。
「無茶する必要が無くて私としては一安心さね」
リカバリーガールが気にしていた焦げていた髪も治して貰い歩けるだけの体力を残して保健室を後にする。
「ん?ってもうホームルーム終わってたのか」
「体育祭で皆疲れているだろうって事でね」
外で待っていてくれていた心操に声を掛けてホームルームでの連絡事項を聞く。
「明日と明後日は休みだそうだ」
「よかった……久々に無茶したから体休めないとな」
「そうしてくれ。何かあったら手伝うよ。それと休み明けには来週に行われる職場体験でのプロスカウトの結果を報告するみたいだ」
「職場体験なんてそういやあったな」
はてさて私と心操に票はどれくらい入っているのかね……
「っとと……」
「大丈夫か?」
大丈夫じゃないな……うん。ぶっちゃけ歩くのもやっと。てなわけで
「ちょっと腕貸せ心操。流石に辛い」
「はいはい」
腕に捕まりながらも帰宅するのであった。なお最終的には力尽きておんぶして貰うハメになっていた。すまない。
飯田戦なんてなかった。
なお後日に主人公から試合を申し込み見事に負けた。実際戦ってみて開幕レプシロは無理ゲーとは本人の談。いきなり間合いを潰されるのも苦手なのです。
体育祭の最終種目は30秒経っている試合の方が少ない気がするの。
作者の所の雄英の独自設定として
1.職場体験は全学科対応。じゃないと4000近い事務所から募集掛けないでしょ。
2.ヒーロー科でなくても全学科でヒーロー情報学がある。ヒーロー関係の法律とかも情報学で勉強するみたいですので妥当かなと。