チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 主人公の過去や能力です。


便利な個性の裏側と過去 その1

 私『物見 直』は所謂転生者である。しかも元男である。前世ではパッとしない一男子であり、これといった得手も無かった。

 そんな自分は気が付いたら赤ん坊になっていた。知らぬ世界、知らぬ家、知らぬ親。良く分からない環境のまま自身はすくすくと育っていった。

 

 今世の両親は裕福……という訳ではなく、むしろ貧乏に位置するであろう。だがその事に不平不満がある訳でも無い。両親はこんな自分にも優しく接してくれたし、友達にも恵まれた。

 幼稚園に入ったあたりで自覚した容姿もかなり整っている部類であろう。

 そんな好条件での人生再スタートであったが、その環境に甘えず前世では成しえなかった親孝行を行うと誓いながら時を過ごす。

 

 個性の発覚自体は他の子どもたちと同じで4歳辺りだった。

 申告では「物を直す」と分かりやすいモノにしているが、実は直す方法は自身では2つに分別している。

 それは「修復」と「復元」である。

 鉛筆を例にすると分かりやすいであろう。

 鉛筆を真っ二つに折って折れた箇所を繋ぐのが修復。

 鉛筆を削って、それを新品の状態に戻すのが復元。

 

 超人社会の中では派手さの無い地味な個性と言えるだろう。実際、自分も発覚して初めの頃は鉛筆2本を修復するのが精一杯であった。復元なんてとても出来るモノではなかった。

 さらに母のお気に入りであった黒く長い髪が個性を使った次の日に見る影もなく白色に染まっていたのである。個性の副作用である事は想像に難くないのだが、それ以上の制限がある事に気付いたのがその日に再び個性を使おうとした時である。個性の発動が出来ないのである。最初1度キリの個性なのかとビクビクしたのは内緒である。

 白髪になって2日後、髪の色が元の黒に戻り個性の発動も可能になった。なおその2日間友達にどうしたのと心配されたのはご愛嬌である。

 

 そうして個性の伸ばし方を考えながら過ごす幼稚園時代であった。

 

 小学校の勉強は個性の向き合い方についての道徳以外はさして変化なく当然の如く満点ばかりであり、子供たちを纏めるリーダーとしても先生から頼りにされていた。個性も同級生が個性によって不可抗力で壊した物に絞り直す事も多く一部の生徒からは便利屋扱いされていた。

 

 そのような学校生活を送りながらも自身が女性である事を意識する機会は少なく、やはり個性を伸ばす事のみを考えて活動していた為、実際に周りにどう見られていたかは意識した事はほぼ無い。

 

 

 

 そんなこんなで名部中学校に上がって1人の人物の噂を聞く。その人物の個性が自分とは正反対で興味を持った。

 

「おーっす心操って居るかい?」

 

 その人物のクラスに顔を出し尋ねる。生徒たちが指さした先には跳ねた紫髪の目つきが悪い生徒であった。

 

「君が心操かい?」

「そうだが。なんの用だい委員長さん?」

「そのあだ名はやめて欲しいな。物見だ、よろしく」

 

 握手を求めるが返さずに無反応。どうしたものかと思ったがすぐに話し始める。

 

「なぜ俺に話しかけた?名前を知っているって事は個性も知っているって事だろう?」

「ああ知っているが、それがどうした?」

 

 個性の把握なぞしているに決まっている。心操もこっちの個性を知っているだろう。

 

「じゃあ何故俺の言葉に返事を返す?」

「返事しないと会話できないだろう」

「操るとは思っていないのか?」

「全然」

 

 洗脳の個性は確かに危険だろう。しかしだ

 

「自分が危険だと前もって忠告する奴が安易に個性使うもんか」

 

 その危険性を自分が十分に理解しているなら尚更。

 

「まあそんな訳だ」

「訳って……それで何の用だい」

「ああ、何簡単な事だ。コンビ組んで欲しい。それだけだ」

 

 そんなことを言われるとは思っていなかったのか目を見開く心繰。

 

「俺とコンビ?何を考えている?」

「相性の問題だ。お互いが干渉できない部分でのフォロー。それを最も効率良くこなしてくれるのは君の個性だからだ」

 

 私の個性はぶっちゃけ身を守る事に関しては1ミリも自信がない。まして犯罪の多くをヴィランと呼ばれる敵が起こしている以上襲われたらどうしようもない。だから敵を一方的に封じられる心操を選んだ。

 

「へえ可哀想だからとか言って丸め込むタイプだと思っていたがそうでも無いんだ」

「悪人面したお人好しだ。可哀想とも怖いとも思わんさ。それでどうだ?」

 

 再び握手を促してみる。

 

「まったく……変わった人だ」

「よく言われる」

 

 今度はしっかり握手を返してくれた。コンビ成立と見ていいだろう。

 

「君みたいな人とはもっと早く出会いたかったよ」

 

 そう呟く心操の言葉を耳にしながら。




 原作キャラで最初に会ったのは意外や意外、心操人使です。無機物には効果がない心繰と無機物にしか効果がない物見。別ベクトルで便利な個性の2人だと思います。

 話中では語られないのも含め主人公の個性の制限まとめ。
 1、個性の発動は本人の体調と体力に左右される。
 2、個性の発動限界は次の日の髪の色で判断可能(完全回復は2日かかる)
 3、直せるのは視界に収めた範囲のみ
 4、個性を限界以上まで使うと丸1日気を失う。
 5、直す事が出来るのは破損してから30日以内の物のみ
 6、修復よりも復元の方が遥かに体力を使う。
 7、1つの物につき5回修復及び復元可能。
 
 書いてない部分が多いけど、全部書いてたらぐだぐだ過ぎるから省いた!

 7/17発動制限等を少し緩くしてみた。
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