チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
ヒーロー名も決まったので先生から指名先のリストを受け取り心操と共に体験先を選ぶ。
「心操はどんな所から指名来てんだ?」
「ヴィラン関係が多いね。都心なんかでむやみやたらに範囲攻撃等が行えない場所からの指名が目立つな」
「ああ都心だと確かに周りの被害馬鹿にならないだろうしな。そう考えるとピンポイントで対処できる心操はかなり有力だろう」
「福岡・名古屋・大阪・東京・札幌の5都市それぞれから1件ずつ来てるよ」
「こりゃまた都会から……私とはエライ違いだ」
一方で私の指名先で多いのが
「災害系のレスキュー事務所から凄い数を貰ってるな」
「爆豪や轟には出来ない災害地域の復興をやって欲しいみたいだな。あとは工業系からも複数」
リストにはその事務所のタイプと場所・指名理由が書かれているのだが、多くがレスキュー系に偏っている。13号の事務所からの指名も見つけていたりする。
「単純に秘書として欲しいとかもあるな。ホント人それぞれだ」
「物見」
「なんだ」
「なんか3枚ほど取り除いているがそれは?」
「ん?ああこれな」
それは1つの事務所からの指名依頼。これだけなら普通だが見た時に「なぁにこれぇ」と思ってしまった奴だ。
「あるヒーロー事務所からの熱烈な勧誘だ」
「ふーん。ヒーローって?」
「ああ!それってMt.レディ?」
そう3枚に渡って指名理由を書いて来たのが他でも無いMt.レディの事務所であった。
その事務所を選んだ際のメリット・デメリットから体験に来たら就職の際の採用において優遇をしてその条件が書かれていたり、事務所の現状を暴露したり、挙句の果てにはどんだけ来て欲しいのか分かる懇願じみた事まで書かれている。まるで意味が分からんぞ!
「一学生の職場体験指名に書く文章じゃねーよ」
「そんだけその事務所も必死なんだろうな」
必死すぎて怪文書みたいになっているリスト。いや目には付くけどさ……大人としてのプライドを投げ捨てすぎている。それでいいのかヒーロー。
「多分これ行かないと事務所の人泣くよな?」
心操は微妙な顔をするだけで何も答えてくれない。まあ焦って決める必要も無いか。今週末までに提出らしいし。今はまだ私の動く時ではない。
………………
そして放課後、1週間ぶりの学校からの依頼で施設の修復を行っていた。体育祭の3日前以降は無かったし。まあその間にビルや壁の修復がてら破片を拝借したのだが。もちろん許可は貰った。
その帰り際にリストを持って悩まし気にしている飯田と鉢合わせする。
「おっす飯田。帰りか?」
「む?物見くんか。ああ事務所の相談をしてその帰りだ」
「悩むよなぁ」
「物見くんにも指名が入ったとは思っているがどれ程入ったんだ?」
「1800。1年総合3位らしいが1・2位はやっぱりあの2人か?」
「せんはっ……コホン、ああ1番が轟くんで2番が爆豪くんだ」
「体育祭の順位と逆か。って事は親の事務所とのコネ作り狙いの指名もありそうだ」
「轟くんも親の話ありきだと言っていたな。まあ爆豪くんの場合はあの性格や言動にも問題あるだろう」
確かにあの言動だと扱い辛いだろうな。
「でもやっぱ戦闘系の方が票集めんのかねー」
「いや君の1800も十分集めているよ。A組でも爆豪くんの3000からいきなり300まで票が下がっている」
「同じヒーロー科でそんなに差があんのか」
「というよりもA組でも票が入っているのが10人も居ない」
「マージでか」
飯田曰く戦闘を頼むならやはり体育祭上位の人を取るらしく派手さも相まって2人に集中したらしい。
「同期に凄いライバルが居たもんだな。ヒーロー科は」
飯田が何か言いたげな目で見ていた。お前もライバルだぞと言わんばかりである。
「じゃあな」
だが何も言ってこないのでそれだけ言って立ち去った。
なお帰りにまた人だかりが出来てしまった。この人だかりは3日程続いたとさ。
次の日の昼も蛙吹に拉致られて得票数やどこに行くのかと根掘り葉掘り聞かれた。君達も好きだねぇ……一応候補2つを伝えてみたがうち1つは麗日がもう1つは峰田が反応していた。
指名理由とかは原作には無いのですが「すまっしゅ!!」にはあったので勝手に採用しました。逆輸入ですよ逆輸入!