チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
保須市の謎のヴィラン襲撃と裏(マスコミ的にはこっちが表)ではヒーロー殺しの再出現と逮捕の翌日。マスコミ各社が保須市の事件を大きく取り上げていた。
そして謎のヴィラン「脳無」の襲撃の記事に1人の人物のコラムがあった。
『謎の美少女メイドヒーロー出現!!』
記事内容はそのメイドが通った場所が瞬く間に直っていくというもの。またビルの中の修復の際に迷子になった子供たちを見つけて保護したという事も書かれていた。
被害総額3億越えと言われていた事件を損額0に抑えたとして市長他多数の業界人から称賛の声が挙げられた。
謎のメイドヒーロー……一体何者なんだ。
「なーんでメイド部分強調すんの?馬鹿なの?」
誠に遺憾である。画像や動画も多数出回っている様でクソコラもあった。止まらないメイド・イツカBBとかいう名前の奴が。
ヒーロー殺しの映像とかは消されまくってんのにメイドと脳無の映像はいつまで経っても消されない。再生数が既に100万を超えている。
「1つの新聞しか私のヒーロー名取り扱ってないんだが」
どうしてこうなった。後から聞いたが私個人の所にマスコミ連中が押しかけない様にその関係者に学校が動いてくれてた様である。ありがとうございます!
……………
そして翌朝。校長室にて。
「保須市での働き見事だったね」
個性の個人使用に怒られるのかなと思ったが掛けられるのは称賛であった。曰く「現場の警察が許可を出したのなら問題無い」との事。
「その言葉をかけるために呼んだって訳ではないですよね根津校長」
「ああ勿論だとも」
他に何かあったっけ?と首を傾げていると渡されるのは紙束。その一番上の紙には「ヒーロー科編入について」と書かれていた。
「これは……」
「見ての通りさ。君のヒーロー科編入の為の書類だ」
「こんなに早い時期に?」
「元々体育祭での活躍で意見自体は出ていた。だがこんなにも早くに編入となると他の生徒の親族や事務所が納得しなかったんだ」
「それじゃあ何故?他の方達が納得しないんでしょう?」
「そこで君の保須市での一件さ」
そう言ってまた別の紙束を取り出す。そこには大きくこう書かれていた。
『雄英高校1年 物見直のヒーロー科推薦の署名』
保須ヴィラン事件の翌日に当時その場に居た中で動けるヒーロー達がこの様な署名活動を行っていたらしい。そして昨日の夜に提出された。
「これ一体どれ位の数が集まったと思う?」
「え?いえちょっと想像が付きませんね……100?が良い所ですか?」
こんな一生徒の為に動く人なんて……
「70万だよ」
「……え?」
「保須市の推定人口100万。その7割の人達が君のヒーローへの道を薦めたんだ。君の行動はそれだけ人の心を動かしたんだ」
この署名のおかげで文句を言ってた人達は黙らざるを得なかったらしい。ヒーローは市民からの人気ありきの職業だ。この署名を見て文句を言う奴は逆に非難されたとの事。
「これだけ早い編入なんて過去には無かった。特例も特例さ」
「そんな特例を私に………」
「オールマイトも言っていただろう。君の活躍の結果だ。誇りたまえ。それが称賛された者の礼儀さ」
そうそうと根津校長からまた何かあるらしい。
「編入の際には勿論試験を受けて貰うよ」
「筆記と実技ですよね」
「ああ。まあ君の場合筆記は問題無いだろうさ。となると実技だね」
思い起こすは入試の実技試験。
「今の君ならもう倒せるだろう?ヒーローとして敵を……ヴィランを!」
そう私が受からなかったのはただただヴィランとの戦闘をしなかったからだ、その印象を覆す。私も戦えると……私が来たと。
「当然です」
「迷いの無い良い返事だ。期待しているよヒーローの卵」
ここから再び始めよう。私の
「あ、君のヒーローコスチュームはこちらで勝手に決めてあるから。後日説明があると思うよ」
……嫌な予感しかしねぇ!
ちなみにヒーロー科は本来期末試験で実技があるらしいが私は編入試験が期末試験代わりになるらしい。なお期末試験後の働きに期待していると言われた。一体どんだけ被害出す気だよ。
主人公のヒーローコスチューム……全く予想できませんね……一体どんな服になるんだー(棒)