チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 チキチキ主人公にとって特に意味の無い林間合宿はっじまるよー。たった1週間で割と振り切ってるスタミナなんて伸びないんや……


林間合宿なう

 行き先を変更して当日までどこに行くのか分からないバスの中。騒がしいクラスメイト達に囲まれながら揺られていた。

 

「ねーねーモノミン!次「ご」だよ!」

「拷問」

 

 芦戸達のやっていたしりとりが不参加の私の所に何故か流れて来たので〆とく。

 

「えーモノミンノリ悪ーい」

「ああすまん。つい癖で」

「どんなクセ……」

 

 しりとりって長く続くからな。飽きるし流れてきたら一旦切って別の事を提案した方が良いのだ。

 

「見た所山の中だし川はあるだろうが泳げるか微妙だな」

「だねー一応水着持って来たのに残念」

 

 話題を振りながらも到着を待つ。30分程経った頃に相澤先生から停車の指示が出て私だけ受け取った装備を持ちバスから降りる。見た所まだまだ道すがらといった場所である。

 

「何も目的が無く来たのでは意味が薄いからな」

 

 言って現れるのは猫っぽいコスチュームを着た2人の女性。

 

「煌めく瞳でロックオン!」

「キュートにキャットにスティンガー!」

『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!』

 

 どうやら今日からお世話になる方達らしい。緑谷曰く山岳救助のプロチームらしい、

 

「そういや指名入ってたな……あまりに怪しい名前だから見る事を拒絶してた」

 

 思い出していると山のふもとにあると指さされる私達の宿泊施設。現在9時半。

 

「12時半までに辿り着かなかったキティ達はお昼抜きね!」

 

 個性により崖の下まですってんころりん。放り出されてしまう。一緒にあった柵近くの車大丈夫?

 個性の使用自由な私有地で3時間で宿泊施設に来いとの事。そして視線の先には

 

『マジュウだー!』

 

 生物らしき何かが居た。口田の個性が通じない所を見て即座にスカート下にセットしてある銃を抜く。

 

「……」

 

 まだゴーグルとカチューシャを装備していないが一応1月は使っている銃だしあんだけ的が大きければ当てられる。

 一先ず先制で2発撃ち込む。正体は土塊だったらしく当たった所がボロボロと崩れていき緑谷他3名の追撃であっけなく崩壊する。

 

「1人の個性は土の操作って所か……合ってるか緑谷?」

「うん。ピクシーボブの個性だ」

 

 だとすれば話が早い。いくら倒しても問題無いし壊したという訳でも無い。ゴーグルとカチューシャを装備してだ。

 

「ちゃっちゃと切り抜けましょうや」

 

 A組全員で切り抜ける。

 

 

………………………

……………………………

 

 時刻は午後5時。ようやく宿泊施設に到着する。

 

「何が3時間ですか」

「悪いね私達ならって意味あれ」

「実力差自慢のためか」

 

 もっとかかると思ってたらしく土魔獣が簡単に攻略された事も含めて褒められていた。

 

「事前装備に携帯食料や水っていうのはどうなの」

「あいつは事前に申請していたからな。大目に見てやって下さい」

「いやいや私達は褒めているんだ。事前の準備もヒーローにとっちゃ大事さ。他の子達もそれを実感しただろう」

 

 個性をそこまで使わずに来た為にあまり疲れても無い私を指差して何か話し合っている。そして訳あり少年浩太の紹介を済ませて荷物を降ろして夕食である。

 

「ん……うまい」

 

 切島他男子の声をBGMに皆で夕飯を囲む。うまい。

 

「モノミンも後で男子の大部屋行くでしょ!」

「ん?あーそうだな折角だし行くか」

 

 うまい。

 

…………………

 

 そして現在。

 

「ふぅー極楽極楽」

 

 風呂である。温泉である。つまり最高である。

 

「戦艦や………戦艦が2隻もおる」

 

 麗日が呟き私の横に一緒に浸かっている八百万と共に周りの視線が集まる。

 

「麗日も十分だと思うが?」

「嫌味にしか聞こえへん!」

「そんな自慢をするのはこの胸かー!」

「胸かー!」

「おい芦戸と葉隠!暴れるんじゃねぇ!てか胸揉むな」

 

 むにゅむにゅと形を変える私の胸を無造作に揉みしだく芦戸と葉隠。これがヤオモモ越えの胸かー!って叫ぶな。隣の男子湯に聞こえてるだろ。

 

「………くっ!」

 

 耳郎が人間の不平等さを訴えかける目で見て来る。

 

「おーい蛙吹助けて」

「梅雨ちゃんと呼んで。確かにうるさいわよ芦戸ちゃんも葉隠ちゃんも。折角の温泉なんだもの静かに浸かりたいわ」

 

 蛙吹には逆らえないのか芦戸も葉隠も離れていく。

 

「助かった梅雨ちゃん」

「いいのよ物見ちゃんも大変ね」

 

 蛙吹ホントいい子。ちょいちょいと手招きしてつい抱きしめてしまう。

 

「よーしよーし」

「流石に恥ずかしいわ物見ちゃん」

「えー私達と対応がちがーう」

 

 黙らっしゃい。そのまま蛙吹を膝の上に座らせてのんびりしていると横の八百万がクスクスと笑う。

 

「物見さんでも心許す女子って居ましたか」

「ん?私ってそんなに対応微妙だったか?」

「いえ対応は大丈夫ですが……一歩引いて見ている感じはありましたね」

「物見ちゃんは自分が余所者だと思っている節があるわ。私達はもっと仲良くしたいの」

「そうか………?」

 

 周りを見ると少し頷かれる。

 

「……その一歩の距離感が分からん」

「そうね……一番分かりやすい言い方だと「物見ちゃんから触ろうとしない」って所かしら。受け身すぎるのよ何もかも」

「あー……あー成程な」

 

 そう言われて納得だ。

 

「少しずつでもいいから近づきましょう?その方が私達も嬉しいから」

「………ありがと」

 

 再度頭を撫でてやる。嬉しそうにケロケロと鳴く蛙吹。

 その後、峰田が覗こうとして浩太の手によりブロック。私達の声に振り向いた浩太が轟沈してしまった。

 その後に男子の大部屋に上がり込んだりしながらも忙しかった1日目が終了する。




 個性強化訓練……主人公何しましょ?重い着けながら飯田と一緒に外周コースをランニングが無難か?それか戦闘訓練をこなさせるか……

 携帯食料と水は装備のポーチの片方に入ってます。あと痛み止めや包帯、消毒液他レスキュー関連アイテムが多数。痛み止めと下痢止めで青山君を酔い止めで麗日をサポートしてました。

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