チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
合宿3日目。起きて髪の状態を確認する。
「4割か。いつもより遅く起きてるしな……それよりも筋肉痛がきついが」
昨日ストレッチしたんだけどな。色々普段使わない筋肉酷使しまくってるのもあるが痛いのである。
あと最近筋肉の付き方が凄まじい。腹筋はまだ割れていないが腕と脚の筋肉が引き締まっている。ヒーローとしては正しい?のだがこのままムキムキになってしまうのは女性として如何なものか。
「弱音言っても始まらないか」
今日も一日がんばるぞい!
………………………
「というわけで頼めるか八百万」
「了解しましたわ」
訓練が始まる前に八百万にブラについて相談を行う。何でも八百万御用達の奴を創ってくれるみたいだ。
「今度何かあれば言ってくれ。流石にお礼がしたい」
「お礼だなんてそんな……それじゃあ」
「何かあるか?」
「合宿が終わったら体育祭のリベンジ……受けて下さいますか?」
並々ならぬ決意の八百万。
「ああ分かった受けよう」
「ありがとうございます。楽しみにしておりますわ」
これは私も相応の覚悟で挑まないとな。必殺技と合わせて訓練に身が入る案件が増えていく。
「じゃあこちらを」
ズルズルと腕から這い出る黒のスポブラ3つ。ありがてぇ。
「この前の下着屋で大きさは把握してありますから問題は無いと思いますが」
「ありがとう八百万。お互い頑張ろうや」
「はい!」
今日も八百万の笑顔が眩しい。
………………………
さて午前の我ーズ・ブートキャンプと近接戦闘訓練をこなしていく。攻撃指示で攻撃を繰り出すも相変わらずかすりもしない。
「なかなかへばらない良い根性だ!その調子で伸ばせ筋肉!」
「サー!イエッサー!」
他の連中が少しずつバテている中昨日と同じ様に私は1人追加で訓練を受けていた。
「チェストォ!」
虎さんの細かいジャブを目で追い躱しながら反撃に移ろうとするが腕を取られて投げられる。
「相手の動きを見れる目があるなら次を読んで反撃!その場その場の対処じゃ死ぬぞ!」
「サー!イエッサー!」
どうにか目で追えるようになったが絶対本気じゃないだろうなコレ。学生相手に合わせてる。隙っぽく見せるために少し溜め作ってるし。
「実戦じゃへっぽこの大振りなんざ当たらんと思え!細かく速くを意識しろ!だが腰は入れろ!一撃一撃が軽くては意味が無い!」
「サー!イエッサー!」
思考しながらも言われた事は実践していく。こうして午前の訓練は過ぎて行く。
………………………
「物見さん」
昨日と同じ様に午後の為に休憩を挟んでいると珍しく緑谷から声をかけられる。
「おーどうした?」
「あっ……とその昨日も思ったけど今日の訓練も見ててさ、やっぱりスタミナ凄いなぁと思って」
「個性の都合で無駄にな。緑谷はどうよ?骨折連発を克服して新技身に着けてっけど」
「あっうんフルカウルね。まだまだ慣れも必要だし集中しないとすぐ解除されちゃうからキツイよ」
フルカウルって事は全身への強化か……期末でも見た感じ前見たいに全部吹っ飛ばす訳じゃないし良しとする。
「そういや緑谷」
「どうしたの?」
「そのフルカウルって全身の強化だよな?」
「そうだけど」
「腕より強い脚の力を移動の為だけに使うのって勿体ないって思ったんだけど足技の方は鍛えないのか?手数増えて良いと思うけど」
「あー……うん!?確かに……いやでもオールマイトは……」
「すまん藪蛇だったか?」
ブツブツが始まってしまった。かく言う私も足技の訓練は最低限しかしていないのだが。私の場合手を武器なんかで塞ぐ事多いからゼロ距離まで詰められたら蹴りで応戦する事もあった。本当に戦闘の幅広がるよ。
「ありがとう!僕もこの合宿で鍛えてみるよ!」
「そうか。それで用事ってのはこれだけか?」
「あっ!そうだそうだ聞いたよ合宿後に八百万さんと戦うって!」
誰経由で広まったんだそれ。
「そうだが?」
「それさ僕も見学していい?物見さんの戦闘って中々見れないからさ!」
「そもどこでやるかとか全く決めて無いから分からんが、いいんじゃないか?八百万が許可すれば」
「八百万さんも物見さんが許可すれば良いって言ってたよ」
「あっそう」
似た者同士か私達は。この調子だとA組全員見に来るだろうな。
「八百万に言っとくか」
装備の量産を相変わらずお願いしているためこの後会うし。
………………………
「後ろぉ!」
本日最後の午後訓練。流石に後ろに付かれた時の対応なんかも慣れて来た。後ろに居る事に気付く事も出来るようになったし良い調子か?
体の動かし方も段々と分かって来たし。どこから奇襲が来るのか大体分かる様になってしまった。
「にしても……」
この2日間で確信した。一発で倒せないというのは思いの外大変である。帰ったら装備の更新をお願いしよう。もうちょい威力がある物と弾の弾数が多い物を。6発は辛いリロードも多いし。
「弾と言えば」
何かこう一発これを当てれば倒せるって感じの奴が欲しい。そういう弾も考えないとな。どこぞの正義の味方親子見たいな必殺の弾丸。
「着弾した場所で爆ぜる弾丸とか無いかな」
……いかん。相手が土魔獣なせいで殺意しかない案しか出てこない。しかも銃使用前提である。
「我ながら染まったなぁ……銃撃スタイルに」
個性を最低限にしているため右腕のスリングショットの出番も減っている。金属破片突き刺しての復元強いんだけどなぁ。
「……金属破片を弾に詰め込めば良くね?」
完全に行ってはいけない方向に行ってしまっている事にこの時は気付いてはいなかった。後日聞いたらダメと言われてしまった。
この主人公と八百万のライバル感……書いてて楽しい。男主人公だったら対応違っただろうなぁ。
次で肝試しからのヴィラン連合戦ですね。主人公どう動かそうか……