チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 主人公の部屋ぇ……
 何というか八百万ファンの皆様本当にごめんなさい。


部屋王を決めなきゃ(使命感)

 築3日になった日。皆が来た。全員集合である。私は相澤先生の横に居る。

 葉隠だけ親の説得に少し難航したみたいだ。

 夏休みの残り期間は仮免取得に動いて行くらしい。ちなみに試験自体は私も受ける。あんまり意味無いけどネ!

 

「5人はあの晩あの場に爆豪救出に赴いた」

 

 意識が無い2人と拉致られていた爆豪以外は、全員反応を示す。

 

「色々棚上げした上で言わせて貰うよ。オールマイトの引退が無けりゃ俺は爆豪・耳郎・葉隠・物見以外を全員除籍処分にしてる」

 

 皆顔を俯かせる。私はそんな皆の顔を何気なく眺める。あ、八百万と目が合う。そして目を逸らされた。他の皆も同様だ。

 

「彼の引退によってしばらくは混乱が続く……ヴィラン連合の出方が読めない以上、今雄英から人を追い出す訳にはいかないんだ」

 

 私の顔をチラリと見る相澤先生。何でしょうか?

 

「正規の手順を踏み、正規の活躍をして信頼を取り戻してくれるとありがたい」

 

 私のは正規と言っていいのだろうか……前に聞いたら学校側が許可を出し、プロや警察が責任を持つと言ったなら大丈夫だと言っていたが。

 

「以上!さっ!中に入るぞ元気にいこう」

 

 皆暗い顔をしたまま動かずに居た。仕方ないかと思ったら爆豪が動き上鳴を使った茶番を繰り広げていた。

 そして相澤先生が寮の説明を行い今日は全員荷解きとなった。私は女子達の手伝いだ。

 

「じゃあまずは八百万だな」

「お隣同士ですわね。今日からよろしくお願いします」

 

 八百万の謎の大量の荷物とやたらと馬鹿でかいベッドの設置を手伝っているが、どうもお互い無言である。

 

「八百万」

「ひゃい!」

 

 何か凄く驚かれた。リアクション大きすぎないか八百万よ。

 

「目が覚めて良かった」

「あ……はい。心配をお掛けしました。もう大丈夫ですわ」

「そうかい」

「……」

「……」

 

 再び無言。黙々と部屋の整理を前もってあった指示通り行っていると、無言を貫いていた八百万が口を開く。

 

 

「あの!その……」

「ん?」

「私は……物見さんの言っていた事を守れていませんでした。貴女を失望させてしまいましたわ」

「私はお前の飼い主でも何でも無い。私が勝手に押し付けた物をいちいち気にするな」

「ですが……」

「ああでもしないと、あの馬鹿共は止まらないと考えたんだろう?ならいいんじゃないか?結果全員無事だったし」

「結局止められませんでした。それに私は……あの場では何もしていませんわ。他の皆さんが動いて……それで」

 

 どんどんと暗い顔になって行く八百万。私は溜息と共に近づきデコピンをくらわせる。

 

「あうっ」

「考えすぎだ馬鹿。緑谷菌が移ったか?それに私じゃなくてもっと別に言うべき奴が居るだろ」

 

 無茶した事を咎めたりするのは私の仕事ではないし、世話を押し付けた私に咎める資格なんて無い。

 それでも納得いかない顔である八百万。

 

「もっと心配掛けた奴に言って、そいつに何か言われて来い」

「……物見さんがそう言うなら、そうしときますわ」

「そうしろそうしろ」

 

 私が無理矢理〆る。そうして作業再開して、無事夕飯前に終わらせる。

 

「にしても何個かダンボールに残ったな」

「すいません……あれもこれもと思って実家から持って来たら量が多くなってしまい」

「ちなみに聞くがこれらって使う事はあるか?」

「使おうとは思っていますが……スペース的に入り切りそうに無いので実家に返しますわ」

「いや。折角だし私の部屋にでも置くか?スペース無駄に余ってるし。八百万さえ良ければだが」

「!よろしくお願いしますわ!」

 

 私の提案に乗ってくれた。てっきり遠慮するかと思ったが。ま、いいか。

 ダンボールを持ち隣の私の部屋まで運び込む。八百万も私の後に続く。

 

「カギは掛けてませんの?」

「私の部屋に盗む物なんて無いからな。だけど今度から一応掛けとくか。八百万の荷物も入ったし」

「ありがとうございます。その……今夜お礼をしますわ」

 

 お礼って……んな気を遣わんくていいのに。てか何で顔赤いんだ。

 

「楽しみにしていてください」

「お、おう」

 

 そして他の女子達の様子を見ながらも風呂と飯を早めに済ませてC組……普通科への寮へ立ち寄る。

 

「おっす心操。部屋はどうだ?」

「まあボチボチだ。物見は……って聞くまでも無いか」

「おう。聞くまでもないぞって訳で部屋入るぞ」

「はいはい」

 

 共同スペースで心操を捕まえて部屋に案内して貰う。

 

「心操は風呂や飯は?」

「すでに済ましてる」

「そうか」

 

 部屋のドアを閉めて内鍵を掛ける。そして勉強卓の椅子に座ろうとする腕を引き、備え付けのベッドへ押し倒す。

 

「おいっ!ちょ!物見!」

「黙れバーカバーカ。疲れたんだよ。休ませろ」

 

 そのまま上から覆い被さり体を密着させる。突然の事で個性の使用はできなかったのだろう。洗脳されていない私は手を取り指を絡める。

 動かそうとする足を私の股で抑え込む。ふはははこれで動けまい。観念して私の抱き枕となるがいい。

 

「疲れたっておい物見」

「……」

「…………お前も色々抱え込んだもんだな」

 

 小さく頷く。

 

「はあ……しかもよりによってオールマイトからか」

「……」

「分かった分かった。個性は使わねぇから」

「……本当か?」

「当たり前だ」

 

 被さったまま話す。洗脳はされていない。

 

「私もさーあの場で個性使えばああなるのは知ってたよ」

「だろうな」

「その結果があれだよ。本当にもー急すぎるんだよー」

「ニュースでも言ってたしメールでも見た」

 

 傍から見たら平然としているだろう。だけどいくら私でも四六時中持つ気なんてサラサラ無い。心操の前で位なら下ろしてもいいだろ。

 

「てな訳で心操よ……えーと、ほい」

 

 ポケットに入っていた物を取り出して渡す。

 

「なん……物見お前」

 

 めっちゃ動揺する心操。私も本気だと目で訴えかけるも、流石に相手の気持ちも尊重したい。

 

「嫌…………か?」

「嫌とかじゃなくてだな」

「じゃあいいだろ。いい加減私の気持ちも察しろ」

 

 そして私達は…………

 

…………………………………………

 

 1時間半程経っただろうか。私は普通科の寮を後にしてA組寮に引き返す。そこで私は謎の部屋王決定戦なる企画に巻き込まれた。

 ちなみに男子部屋は既に行き次は女子部屋らしい。

 

「別に構わんが、多分面白くないぞ?」

 

 順々に女子部屋を蛙吹と爆豪を抜きに見て周る。とはいえ私は女子全員分見ているが。

 そして案の定八百万の部屋のインパクトが異常であった。驚くよな、あの馬鹿でかいベッド。

 

「さー最後はモノミンだ!」

「多分お察しの通りだぞ」

 

 私は自分の部屋の扉の鍵を開き中に入れる。

 

「お、おう。わかっちゃいたが」

「あんまり物ねーな」

「あ!でも13号のぬいぐるみがある!」

「何冊か漫画もあるね。アメコミや少年漫画が多いけど」

「この段ボールは?」

「八百万のだから。あんま触んなよ」

 

 私の部屋は全員に備え付けてあるベッドや勉強卓。それに加えて本棚代わりのカラーボックスだけだ。一応壁にはカレンダーが掛けてある。部屋の端っこには八百万の荷物が。

 全部クローゼットに入っているからなぁ。

 

「床用の机すら無いの?」

「無いぞ」

「障子ほどじゃねーが物見も物欲ねーよな」

「でも、この趣味と思える物は……?」

 

 そう言って指差すベッドの上に鎮座する13号ぬいぐるみや漫画類。

 

「13号のぬいぐるみはプレゼントで貰った物だ」

「……一応聞くね。誰からの?」

「心操」

「……うん」

「この漫画は?」

「心操が読み終わったって言ってくれた中古の奴」

「…………うん」

「他のも大体アイツがくれた物でな……」

 

 私の部屋の説明をしていると男子連中は死んだ魚の目に、女子連中はキャーキャー言っていた。

 

(つまり彼氏部屋じゃねーか!!)

 

 私の部屋を見て男子が思う事なんて大体分かっている。てかお前ら顔に出過ぎだ。

 

「ん?ねえ物見さん。このカレンダーの丸印は?」

「ああそれか?私の誕生日」

 

 緑谷が指さす16日についてる赤い丸。それについて素直に答えると皆私の顔を見て驚いていた。

 

「モノミン言ってよ!私モノミンの誕生日祝いたいんだけど!」

「そうだぜ物見!水臭ぇぜ!」

 

 芦戸と切島が乗り気だ。他の連中もうんうんと頷いていた。

 

「物見のプロ入り祝いも兼ねてパーティ開こうぜ!パーティ!」

「正式なプロじゃないんだが……お前ら騒ぎたいだけだろ」

 

 私の言葉を無視して皆ワイワイ騒いでいた。

 あ、部屋王は砂藤に決まった。何でもケーキがうまかったとかいう理由で。部屋関係ねぇな!私?葉隠に入れたぞ。

 

 部屋王が決まり解散となりかけた頃、神野区へ行った5人が麗日経由で蛙吹に呼ばれていた。私は部屋に戻りますかね。

 

 

…………………

 

 部屋でさっきの事を思い出しながら悶々としているとノック音が響く。

 

「少し待てって八百万か」

「ええ先程の約束を」

 

 そう言ってやって来たるは八百万の部屋。ベッドの上にはタオルが3重に渡り敷いてあり、横には……なんだあれ?

 

「物見さんは最近の出来事でお疲れだと思いまして、少しばかりマッサージを」

「マッサージね」

 

 納得である。でも疲れはさっき取ったばっかり……とは言えないな。てかアレはあれで疲れて……ねーな。心操が先に力尽きた。

 

「じゃあ頼む」

「はい!それじゃあ服を脱いでうつ伏せに寝て下さい……」

 

 言われた通りにベッドに横になり……と、準備を完了させる。

 

「じゃあ行きますわ」

「おーう」

 

 手についたオイルを塗りこんでいきながらも肩や背中を中心に揉み解されていく。あーダメになるー。心がぴょんぴょんするんじゃー。

 

「あー……眠くなるー」

「ふふっ我慢してください」

 

 あ、八百万が笑っている。

 

「蛙吹と何かあったか」

「ええ……蛙吹さんは随分と心配して下さいました。それを嫌われてもいいという覚悟で話してくれましたわ。本当に申し訳なく思いました」

 

 だが暗く悩んでいた蛙吹が本音を言った上でまた皆と楽しくお喋りがしたいと、言っていたらしい。本当に優しい子だな蛙吹は。

 

「私も暗い顔のままなんて嫌ですわ。だから笑おうと決めました」

「そうか」

 

 腰までマッサージをこなす。これで終わりか。

 

「あら物見さんまだ終わりじゃありませんわ」

「え?」

「前もやりますわよ」

 

 えーと八百万さん?何でそんなにやる気なんでしょうか?え?いいから仰向けになれ?アッハイ。

 

「何か……すごく恥ずかしい気がして来た」

「あらあら女子同士。何も恥ずかしがる事なんてありませんわ。ほら胸を隠してる腕をどかしてください、マッサージの続きを」

「八百万何かこう大事な物が崩壊してない?」

 

 この後滅茶苦茶マッサージした。




 主人公の部屋はまあお察しの通りです。物欲無い+貧乏=ほぼ貰い物で埋まる。

 次回は少し番外編のifルートを。
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