チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
あ、ちなみに自分の小説は原作及び、アニメ見ている前提で描写や人物をことごとくカットしていく事を再度言っておきます。
あれから仮免試験当日までの間。各々が装備を整えて、必殺技を編み出していた。
私の必殺技は「粉をまき散らして復元する」という、八百万に使ったあれが必殺技扱いになってしまった。技名は勝手につけられた物がある。
「粉塵封陣」という言い辛いダジャレっぽい名前だ。なお私は訓練中一度も名前を言っていないし、大体が「ふんじん」と略される。名付けた意味無いやん。
そんなこんなで会場に着きバスから降りたら、一気に注目を集めていた。ヒソヒソ話が聞こえて来る。
「注目集めてるなー流石有名校」
「いや大体お前のせいだぞ物見」
「仮免試験受ける必要が無いお前が、何故ここに居るのかって話だわな」
「あー確かに。物見さんは既に本免同等の資格持ってるもんね」
「それ以上にモノミンは有名人過ぎるからね!」
等々好き勝手言われる。自覚はあるが実感が湧かない。神野以降特に何もしてないんだもの。
切島が円陣しようぜ!と言っていると後ろからのそりと大男が近づいて、何故か円陣に加わっていた。
士傑高校という有名校の生徒らしい。ほーん。何でもかんでも好きと言いまくってるが大丈夫なのか。むしろ嫌いな物があるのか?
「物見直さんも好きっス!あの夜の活躍は今でも尊敬するっス!」
「あっそう」
何故か私に飛び火していた。夜の活躍って聞くと微妙に感じるな……あれ活動的に朝の時間の方が近かった気がするが。
あと女子に向かって軽々しく好きって言うのは如何なものか。
「わーモノミンモテモテだー」
「状況知ってて言ってるだろ。男に好かれるならアイツ一人で十分だ」
「おおう……出たなモノミンの浮気しない宣言」
「今更だろ」
私の恋バナを振っても特に発展しないのは分かり切ってる事だろうに。
あ、話している内に士傑さんが去って行った。するとまた別の高校が近づいてくる。
挨拶の後にいきなり相澤先生に求婚している個性的な先生だ。
緑谷からヒーローの情報を聞きながらも、その先生が担当する生徒が紹介される。
真堂とやらがイケメンムーブしていると、私に対しての挨拶をして来た。
「神野の奇跡の立役者。「再建の旗」。君に見られても恥じない戦いをさせて貰うよ。物見さん」
「あっそう」
私にイケメンムーブされてもな。ぶっちゃけどうでもいい。逆に私が見て恥じる戦いってなんだ。
ひょこっとこちらに近づいてくる女子1名。先程轟に話しかけていたが。
「わー本物だー!本物の物見さんだー!サインくださーい」
「残念ながら私は影武者だからサインは出来ない」
「嘘!?じゃあ本物は!?」
「私だ」
「君だったのか」
「暇を持て余した」
「受験生の」
「「遊び」」
「…………………………」
「…………………………」
固い握手を交わす。この人とは仲良くなれそうな気がする。向こうの先生も大爆笑してるし。周りがポカンとしているが気のせいだろう。
「改めて物見直です」
「中瓶畳だよ。よろしくねー!」
「いやなんですかこの展開は?」
八百万が何か言っている。いやー謎の波長を感じた。なんでだろ。
その後傑物学園の方々に挨拶されながらも、相澤先生の言葉に従い会場に移動してコスチュームに着替える。
一次試験のルールが発表されたり、合格者が101名だったりと少ないと言われたり。てかその1名は何なのだ。え?私のせい?さーせん。
そして試験場がオープンされる!
「税金の無駄遣いっ!」
目の前に広がる多数の建造物。見渡すと森やら滝やら崖やら。
何故に雄英に負けず劣らずのステージを用意するの?暇なの?馬鹿なの?
あっ皆がどう動くか話し合っている。何名かが自由行動をしているが。
「物見さんはどうする?」
「お前達について行こう」
「わかった」
残念ながら私は初見の相手に一対多を出来る程の戦闘技能は無い!
そうして崖エリアに移動するうちに開始が宣言される。と同時に多数のボールが飛んでくる。
「てい」
流石に拳銃でどうこう出来る数ではないので、素直に壁を設置する。うむ流石雄英高校の壁だ。どうってことないぜ!
「締まって行こう!!」
幾ばくかの攻防の後、イケメンが何かしようとしている。果てさて何を……
「割る!」
その一言と共に起こる大地震。ほうほう……そういう個性ね……ほーん。私に恥じないねー。ふむふむ。規模がかなり大きいな。
「…………………………はぁ」
私の中で何かが切れた。そんな気がした。