チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性 作:八神っち
真堂への個人的粛清も終わり、一次試験も突破して現在、合格者待機室である。
銃のちょっとしたメンテナンスをしていると、第2の通過者が現れる。
「物見さんじゃないっスか!真っ先に突破するなんて流石!尊敬するっス!」
「夜嵐も早かったじゃないか。一次試験突破おめでとう」
「恐縮っス!」
頭突きする程に深くお辞儀する夜嵐に笑ってしまう。元気な奴だ。中学の頃にこんな奴が居れば心操も楽しかっただろうな。
「物見さんのコスチュームカッコイイな!」
「ん?そうか。そいつはどーも。てかコスだけ見ると雄英よりも士傑寄りだな私は」
私は自身のコスを見る。うむ白軍服である。ただ頭は帽子無しで白のカチューシャを付けているが。ゴーグルも首に掛けている。
士傑寄りという言葉を聞いて嬉しそうな顔をする夜嵐。近づいて来るが何をするのやら。
「……」
「……」
士傑高校の帽子を被せて来た。ポーチから鏡を取り出し、位置を調節して確認する。
「どーよ」
「似合ってるっス!物見さんが士傑とか熱い展開!!」
うーむ……にしても帽子か。心操には……似合わんな。
「そういえばあの服はどうしたんすか?」
「あの服って……ああ、あれか。アレはぶっちゃけ成り行きで着ていただけで不本意だ」
私=あの服の印象を覆さねば(使命感)
その後は授業はどうかとか、そんな他愛ない話をしていると何名かの通過者が入って来る。
「流石士傑……もう2人も……」
「雄英0人か……」
と、受験者達が呟き合っている。士傑が2人とはなんのこっちゃ。
「物見お前何やっている?」
「おう轟。来たか」
「いや、それよりその帽子は……」
「ん?って……ああ悪い悪い忘れてた」
夜嵐から士傑の帽子を借りっぱなしだった。思いの外深く被っていた帽子を頭から取りほいっと返す。ああだから士傑がどうのと言っていたのか。
「って物見じゃねーか。いつの間に士傑に……」
「物見って再建の旗か?プロヒーローじゃねーか。なんだってこんな試験に」
その2つ名浸透しすぎじゃない?あとプロ認定されているだけで、プロとしてまだ活動してないんだがな。
「……」
「……」
そんな他所の会話を聞いている内に何やら険悪な空気になっている2名。雄英の推薦とかで因縁があるんだっけ。ま、どうでもいいか。
「……」
「……」
ただ私を挟んでの険悪な空気は止めて頂きたい。居心地悪いったらありゃしない。てかどっちか退いて?飴ちゃんあげるから退いて?
なんで轟は私の傍にいるの?特に関り無いよな?同じ学校のクラスメイト以外の接点皆無だよな?ええい!視線が突き刺さる!私銃のメンテで動けないんだけど!助けて!
「なあ物見」
「なんだ」
「お前試験中なにやらかした。一部分がお通夜状態だったが」
「遠慮なしに大地震起こしたバカを粛清しただけだ」
「……そうか」
それ以上の会話は無い。気まずい……さっさとメンテ終わらせよ。あ、夜嵐が離れて別の奴等に絡んで行った。よかった。
轟は離れる気は……無いですか。そうですか。てか興味深そうに銃のメンテを眺めていた。銃への興味とかそこらへんは男の性ってやつなのかね。分かるぞ。
そんなこんなで続々と通過者が続き、101名全員が揃った。雄英は全員突破していた。
雄英以外の面識の無い通過者は私の顔を見るなり「物見さんだ……」とか「あれが神野の……」とか噂していた。
なお崖エリアの連中から非難轟々であった。あの後戦闘出来る雰囲気では無かったけど、他所から来た人たちが空気を読まずに攻撃して、戦闘再開したという。
……余は悪くないもん!
…………………………
…………………………
二次試験の内容の発表の際に、モニターが現れて……
「爆破する必要……あるか?」
試験場全体を爆破していた。なんでや!
かなりうんざりした顔をしていただろう。そしてテロに巻き込まれた市民の救助を行えというのが二次試験の内容だった。
『物見さんは試験開始から15分間、その場から出ず又個性の使用を控えて下さい』
名指しで活動を制限される。恐らく私の個性以外のレスキュー能力と、私が絡まない場合のレスキュー速度を見たいのだろう。
そして控室が開いて二次試験が開始されるのであった。
夜嵐と会話させようと思ったけど面倒になったの巻。
誰も!ヒーロー名で!呼ばないのである!
ヒーロー名の知名度皆無というか「再建の旗」がインパクト強すぎてヒーロー名と勘違いしている人も居るのだ!