チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 各人プレゼントを渡すか、クラスメイトで選んで1つを渡すかを悩みました。


幕間3 誕生日会!

 書類の心配やらが無くなり少なからず安心している私。さて、寮に戻りますかね。

 

(本当に感謝してますよ。根津校長)

 

 あそこは素直に甘えるのが正解だろう。変に畏まったら逆に失礼だ。だからこそついでに1つお願いをしたのだ。私にとっては死活問題だったし。

 

(にしても「甘えるべき」ねぇ……)

 

 難しい……が、まあ適度に甘えていこう。それが大人の望む事ならば。

 

 それはさておきだ。寮に戻ると先に八百万からプレゼントがあると、八百万の部屋に女子達から押し込まれた。そこにはおめかしした赤色のドレスを着る八百万の姿があった。

 そしてその横のマネキンには、八百万が着ているのと同じタイプの青……いや紺色か?の豪華なドレス……パーティドレスがあった。

 セレブが着ている様な、大きく肩が露出したパーティドレス、え?あれ着るの?私が?

 

「えっと……それが八百万からのプレゼント……って事でいいんだよな?」

「はい。これに加えて他の服がもう1着ございますが、一先ずはコレをと思って」

 

 そのもう1着が気になるが。と、考えていたら八百万が服を脱がしにかかる。

 

「いや、自分で脱ぐからな?大丈夫だぞ」

 

 あ、少し残念そうな顔。普通脱がされたくないぞ?どうしても着せたいのだろう。素直に受け取りますよっと。

 

「てかこれブラを取るよな?流石に直接着るって事は無いよな?」

 

 あ、ちゃんと肩紐無しの奴もあるようでした。面積小さいけど、見えたらダメなのは理解している。渡されたそれを着けて。うーむ、胸の安定感が不安である。

 

「では、こちらを……」

 

 マネキンから外して、手慣れた手つきで私に着せていく。紺色のパーティドレスはやはりというか、私の体にフィットする様に作られて、腰回りや尻、胸の形もはっきり見える。オーダーメイドなのだろうか着心地は抜群である。高いだろうなぁ……これ。あと肩がスースーして落ち着かない。

 着せている途中の八百万は上機嫌なのか鼻歌混じりであった。

 

「髪、触りますね」

 

 そう言って髪型を整えていく八百万。櫛を駆使し、髪を丁寧に梳かして、形を付けていき、グルグルと左右の後ろ髪の一部それぞれ、一対の三つ編みにし、三つ編み同士を結っていく。綺麗な紺色の髪留めで留められた髪を、八百万が用意した後ろ用の鏡越しに確認する。

 

「この髪型は?」

「ハーフアップと呼ばれる物ですわ」

「ほーん」

 

 ついでに前髪ともみあげ部分も整えていく八百万。楽しそうですね。私には他の人の髪をいじるなんて出来ない。あ、もみあげ部分にカール用のヘアアイロンが掛けられている。

 

「おお……カールなんて初めてだ。ふわっとするもんだな。でも私にこのふわっと感はどうなんだ?」

「似合ってますわよ。白色だと柔らかい印象を受けますし」

「黒色だったら?」

「素直にストレートですね」

 

 そういうもんらしい。私にはわからん。

 

「さて髪型はこれくらいで、物見さんはお化粧したことは?」

「ある様に見えるか?」

「ですよね」

 

 女に生まれてこの方、化粧なんぞしたことない。母はやっていたが、無理には誘ってこなかった。

 

「では、失礼しますわ……」

 

 そうして人生初の化粧を施された。とは言え厚化粧って感じでも無く、それぞれの顔のパーツの存在感を少し浮き出させる、そんな感じの化粧である。まあ八百万がやったのだ。大丈夫なのだろう。

 

「流石、素材がよかったです。でも少し疲れが出ている顔でしたので、隠しました。少し大人っぽい感じを出してみました。とは言え物見さんは既に大人っぽいのですが」

「むしろ私の顔で可愛目は無理だろ」

 

 前に聞いた女子達からの私の顔の総評は「無駄にイケメン」である。うむ。中学上がってから「かわいい」と言われる事は皆無なだけある。

 

「それで……ハイヒールかぁ」

 

 女子の中では高い方の身長が更に高くなる。歩き辛い。何とか転ばずにいるのは普段の訓練の賜物かねぇ。

 八百万が隣に立って一緒に鏡に映る。黒と白、赤と紺で対になっている。スタイルも似たようなものである。身長は……私の方が高いか。

 過多な装飾品も無い。変に気取らずありのままで。って感じか。

 

「完璧ですわ!」

 

 八百万が満足そうでなによりである。そうして私の手を取り、リビングへ誘おうとする。

 

「行きますわよ?直さん?」

「……素直にエスコートされますよっと……百」

「……」

「……」

 

 名前呼びって調子狂うなー。何故このタイミングで変えたんだか。合わせてあげるけどさ。てか八百万さんや。固まるなー。と思ったらめっちゃ嬉しそうな笑顔。

 階段に気を付けながら降り立つ一階。角を曲がればすぐそこは共同スペースである。

 そして入った瞬間に、一斉にクラッカーの音が鳴り響く。

 

『物見さん!お誕生日とプロ就任おめでとう!』

「直さん。お誕生日おめでとうございますわ」

 

 誕生日から1日過ぎているというのは気にしてはいけないのだろう。声を合わせて告げられる。何人か先生の姿もある。

 

「ありがとう。皆」

 

 送られてくる拍手。そしてテンション高く芦戸と葉隠が駆け寄って来る。

 

「おー!モノミンめっちゃ綺麗!ドレスも似合ってる!」

「綺麗だよー!物見さん!八百万さんも!2人でいると絵になるね!」

「ん……ありがと」

「モノミン照れてるー!」

 

 芦戸と葉隠を皮切りに周りの人も「似合ってる」と言って来る。峰田が肩出しエロい!と言っていたが相澤先生から睨まれて大人しくなった。

 そして会の挨拶として先生方の代表なのか13号が花束を持って来る。

 

「物見さん。お誕生日おめでとう。それとプロの就任も。これから大変になるだろうけど頑張ってくださいね」

「はい。ありがとうございます」

 

 13号から花束を受け取り、頭を撫でて来る。そして先生方の拍手。ありがとうございます。

 

「次は私からですわね」

 

 生徒代表は八百万の様だ。てっきりクラス代表の飯田かとも思ったんだが。ちなみに心操はこの場にはいない。ま、完全にアウェーだわな。

 

「直さん。お誕生日とプロ就任。おめでとうございます。色々言いたい事があるのですが……これからも良き友達で居て下さいね」

「勿論だ。ありがとう百。皆もありがとうな」

 

 いつの間にか取り出した花束を渡される。そして沸き起こクラスメイトからの拍手。どーもど-も。

 で、次は何をすればいいのやら。

 

「あ、物見さん。これ飲み物。花束はちょっと退けるわね」

 

 お疲れのはずのミッドナイトが、花束を預かり、代わりに飲み物のグラスを手渡す。中身は……見た目的にシャンパンか?

 見渡すと皆グラスを手に持っている。

 

「じゃあ物見さん。いっちょ音頭、お願いね?」

「はい」

 

 渡されたグラスを高く掲げる。

 

「今日は私のためにありがとうございます。こんな誕生日は初めてで嬉しい限りです!では乾杯!」

『乾杯!』

 

 短い音頭と皆の声。各々グラスを鳴らし合う。今までと違って賑やかな誕生日。グラスの飲み物を一気に飲み干す。

 

「物見さん。お誕生日おめでとう。これ私達、教師からの誕生日プレゼントよ」

 

 ミッドナイトが手渡すのは、大きさそこそこだが軽めのノートパソコン。……え?マジですか?

 

「ありがとうございます。これ設定の方は?」

「物見さんパソコン使った事ないと思って、こっちで設定しといたわ。すぐに使えるわよ」

「いやー……まあ使った事あんま無いですけど。ありがとうございます。大切に使わせて貰います」

「物見さんなら大切に使ってくれるって分かってるから」

 

 パソコン、後で設置してね?と花束の横に置かれる。そしてだ。

 

「じゃ、邪魔な大人たちは退却しますか!後は子供達だけで楽しみなさい」

「俺は監視で残るけどな。ま、ホドホドにしておけ」

 

 相澤先生以外の先生方がそそくさと出ていく。わざわざ集まってくれたのね。重ね重ねありがとうございます。

 

「じゃ次は俺からだな」

 

 今度は飯田からか。渡す役は別々にしている様だ。

 

「物見くん。お誕生日とプロ就任おめでとう!君の様な級友に恵まれて誇り高い限りだ。これはクラスの皆で選んだものだ!受け取ってくれ」

「ああ。ありがとう。皆もありがとな。嬉しいよ」

 

 包装されたプレゼントを受け取る。ふむ……軽い……か?

 

「開けてみてもいいか?」

「勿論だとも!」

 

 包みを外し、箱が見える。手の平より大きいか。どれどれ……?

 

「……眼鏡?」

 

 縁なしでフレーム部分が黒色で統一されている眼鏡であった。ケーツも付いている。

 

「これからパソコンを使う君の目の保護をと思ってね!クラスで相談して何が良いかと選んで、多数決の結果、これになったんだ!」

 

 多数決で……他の候補が気になる所だが……気にしたら負けだろう。

 

「ん。私の事を考えてのプレゼントなんだな。ありがとう。皆もありがとう」

 

 折角だし掛けて見るか。ふむ。フレームの素材が軽いのか耳に負担が無い。視界もクリアだ。多分飯田が妥協せずに選んだんだろう。

 

「どーよ?」

「似合ってる」

「キャラ被りだー!」

「知的な感じがしますわね!」

「知的というか物見さん実際頭良いしね」

「だな」

「スーツを着れば仕事できる秘書っぽく見えるな」

「でも正直今着ているドレスとは合わないわね」

「あ、梅雨ちゃんそれ言っちゃうんだ」

「梅雨ちゃんは嘘つけないからね」

 

 蛙吹の一言で、私は眼鏡をはずし、ケースに収めて。

 

「大事に使わせて貰う」

 

 そう言ってノートパソコンの上に置かせて貰った。

 

 その後は、作ってくれた料理を飲めや食えやで大盛り上がり。砂籐が作ったイチゴのショートケーキも堪能させて貰った。残念ながら私はデザートの類は作れないと言ったら意外そうな声を上げられた。

 私の部屋にある八百万の荷物の1つであるティーセットを使い、美味しい紅茶もご馳走になった。どや顔の八百万が微笑ましかった。

 

 そしてしばらくの時間の後、私は1つのメールを受けて、席を立たせて貰った。




 ハーフアップってなんぞや?という方。SAOのアスナの髪型と思って下さい。

 ちなみに個別のプレゼントとなると以下の様になります。

 八百万→変わらず。服2着
 芦戸・葉隠・麗日→お金を出し合って私服2着、下着2着
 蛙吹→化粧水セット
 耳郎→音楽プレイヤーとヘッドホン

 緑谷→13号のフィギアとポスター
 峰田→Mt.レディのフィギア
 飯田→眼鏡
 切島・上鳴・瀬呂・爆豪・常闇→金を出し合って筋トレ用の道具
 轟→蕎麦
 口田→ふかふかの動物ぬいぐるみ
 青山→オリーブオイルとチーズ
 尾白→目薬
 障子→アロマキャンドル
 砂藤→ケーキ各種
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