チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 注意!この過去は作成当初は無かった完全な後付けです!体育祭で終わる予定の作品だったからね!是非も無いよネ!矛盾も沢山あるよ!

 この主人公、忘れがちですが一応TSしてますから!転生者ですから!死に設定ですけど!


死に設定って思わぬ所で出て来るよね

 次の日になり、個性は使えないが体が動く様になって、私は各所にお礼を言いに行ったり、緑谷と爆豪の私闘の話を聞き少し怒ったり、放課後に休んでた授業の補習を受けたりとしていて、あっという間に夜になった。

 

「んで?確か私の昔話を聞きたいって事だったか」

「出来る限りで構いませんので是非」

 

 決闘があっさり終わった代わりにとそんな約束していた。それを今後の接し方の参考にしたいからだと。

 

「で、芦戸達も居るのは何故だ」

「モノミンあんまり自分の事語らないから、折角だし知りたいなと思って」

 

 八百万の部屋のバカデカいベッドにパジャマパーティー的な感じで集まって来たA組女子達。皆、芦戸の言葉にうなずいている。

 

「ま、いいけどな」

「楽しみやね」

「そうね」

 

 麗日と耳郎もやけに乗り気だ。けど私の過去なんて聞いても楽しくないぞ。

 

「じゃ、まずは根本的な事を1つだけ」

 

 これを言わんとな。ただほぼ忘れてる前世うんぬんでは無く、今生的な見方をした時の言い方だ。

 

「私はそもそもの思考回路……というか心が女性ではなく男性的だ。ぶっちゃけて言えば性同一性障害。まあ診断してないが」

「…………」

 

 皆ノーリアクション。何も言えない雰囲気だ。何故だ。

 

「ちなみにもうそんな深刻じゃ無くなってるぞ?とはいえ考え方は未だ男性寄りだが」

「え?えーとつまり男性扱いした方が良いって事……ですか?」

「んにゃ全然。今まで通り女性扱いで構わんよ。てか今更男性扱いとか無理だろ」

「まあ確かに」

「男性っぽい喋り方だなーと思ったけどまさか元からとは」

 

 あ、やっぱり思ってたのね。小学校の時とか低学年の時は無理に女の子っぽく演技してたけど無理だった。親にも心配掛けたなー。

 

「あれ?でも物見さ、現在彼氏いるけどそれいいの?」

「私が男……というか心操好きになるまで色々あったんだよ。てか今でも他の男が良いとは欠片も思わん」

「じゃあ女子は?男性的な思考なら興奮とかしないの?」

「あー……今となっては無理。聞いたと思うが、あのトラウマのせいで女性に対する興奮とか恋愛感情が全て消え失せた」

 

 だから女性相手に抱こうとも抱かれたいとも思わない。スキンシップはもう諦めた。女子で私の胸が妬ましいのか揉んでくる奴多数居たし。私から胸とか触りたいとは思わんが。

 

「で彼氏……というか心操好きになるまでの過程、というか過去だな」

 

 どこから語った物だろうか……

 

「まず私の小学校が制服無しの私服だったから、スカート穿かずにほぼズボンで、男性口調だ。男女区別がそこまで無かったからなんだかんだで男子扱いだったな。成長しても着れる様にダボダボの服で居たし」

「うわーなんか凄く想像できる」

「女子力の欠片も無い服だったからな」

 

 てか当時の家庭状況と思考回路で女子っぽくって言われても出来る訳ないのだが。

 

「中学上がって女子制服になって、まあ言ってしまえば一気に女子と認識され始めた訳だ。スカートだし。体も女性らしさが増し始めたし」

「つまり胸も大きくなっていったと」

「遺憾ながら」

 

 そう言ったら耳郎からの妬みの視線を貰ってしまった。下着代シャレになんねーんだぞ。当時は一生AAカップで良いと思ったわ。

 

「かつてのクラスメイト達も私を女子として意識し始めたのか……まあそういう視線も出始めた訳だ。私個人は個性の訓練でそれどころじゃなかったが」

「やっぱり直さんも苦労したんですね」

「そりゃそうよ。なんせ反動がキッツイからな。街中で使って倒れてみろ。即救急車呼ばれるか、ヴィランに拉致だぞ」

「経験あるんですね……」

「ヴィラン拉致られたと目覚めた時に言われた時は、よく死ななかったなーと思ったな。ヒーロー来たから事なきを得たが」

 

 うっかりで体力管理ミスると一気にピンチだからな!てか生きてるのが奇跡ですし。

 

「流石に命の危機を感じた私は、ヒーロー目指すとか豪語して無暗に個性振りまわすクラスメイト連中から離れて、守ってくれそうな相手を探した訳だ」

「それが心操君だったのね……でも相手はよく了承したわね」

 

 蛙吹よ。私もそう思うぞ。

 

「その時は恋愛感情なんて無くて、ただ無償で守ってくんねーかなー程度だったわけだ」

「現金な女ね物見ちゃん」

「言うな蛙吹。私もそう思うから。で、話している内にこいつ良い奴じゃないか?と思う訳だ。実際良い奴だった」

「惚気だしたわね」

「だしたね」

 

 この程度で惚気とは……いいか別に。

 

「1年の……秋頃だったかな。あの件が起きて女子に対する恋愛感情が無くなった。で、信じれる相手も激減したんだ。当時女子が全部アウトになったしな」

「かといって男子も……って事ですわね」

「両方共友達は居たんだぞ?趣味を共有できないから表面上の関係だが」

「そんな悲しい事実暴露されても……」

 

 だってテレビも見てない中学生なんか話題もクソも無いのが事実だし。ファッションの話振られても着いて行けないし。

 

「そんな私にずっと付き添ってくれた心操に、もうコイツだけ居ればいいんじゃね?と思ってしまったんだ」

「さらっと重いよ物見さん」

「中2に入って遅めな生理も始まり、いよいよ自分って女性なんだなーと思った時にな」

「うん」

「夏休みにショッピングモールでヴィランに襲われて?……巻き込まれて?……突っ込んで?心操共々死にかけたんだ」

「直さん。普通そんな簡単に死にかけません」

 

 言うな八百万。過去の私はなんだかんだで死にかける事が多いんだ。ほぼ個性のデメリットのせいだが。

 

「そこで13号に助けて貰って私も、ヒーローを本格的に目指す事になったんだが、同時に吊り橋効果というか……女子としての自覚が芽生えた私が……そのだな。意識し始めてな……」

「めっちゃ照れてる!かわいい!」

「茶化すな葉隠。私としては苦悩したんだぞ。言っただろ男性思考だって。なんで私が男なんかをってな」

 

 性同一性障害とも言える思考回路の弊害だったな。私は本当に男が好きなのかって……心操も私の男性思考を分かってるからか、私だけが悩んで。もし男扱いされたら……とか散々悩んだよ。

 

「悩みながらも少しずつだが女子っぽい感じに振る舞い始めたんだよ」

「おー乙女なモノミンがこうして生まれたのか」

「そんで女子っぽく振る舞ったせいで、別の問題が発生しやがった」

「問題?」

「男子連中からの告白。元々スタイルは良かったみたいでな。それで女子っぽい感じになったら告白して来た」

「誰かからの奴受けたの?」

「受ける訳無いだろ……全部断ったわ。で、その対応が一部少数の女子から顰蹙を買ったみたいで」

 

 中にはその男子が好きな女子も居たそうな。

 

「その一部女子から、まあ無視されたりと。これは別にいい。関係無い」

「普通ショック受けるはずだけど……」

「問題は過激なアホ共だよ。夏休みに一気に女子っぽくなった私を妬んで根も葉もない噂を垂れ流した訳だ」

「噂……ですか?」

「そう噂。さて問題です『急に女子っぽくなったスタイルの良い借金娘。貶めるにはどんな噂が効果的でしょうか?』」

「……?」

「………………………………!え?嘘……まさか……?」

「信じたくないわね……でもこれだろうし」

 

 何か分からない八百万と、答えに辿り着いたであろう芦戸と耳郎。他にも声には出さないが、見るからに嫌悪感が漂っている。ま、女性として致命的だろうな。

 

「正解は『売春や援助交際』だ。今思い出しても胸糞悪い」

 

 八百万の顔が青ざめている。意味は知っている感じか。他の女子も眉間に皺が寄っている。女子としての嫌悪感を全開にしている。

 

「そんなクソみたいな噂を鵜吞みにした一部の馬鹿共が居てだな……その女子と結託して売春現場をでっち上げようと画策された」

「……っ!!」

 

 皆怒り心頭である。女子として許せないだろうな。私も許せないし。

 

「それっぽい写真。例えば誰かからお金受け取るとか、そんな写真を加工してばら撒かれた。それを真に受けた馬鹿が襲ってくるわけだな」

「それ先生方は?」

「勿論、皆協力して止めてくれたよ。事実無根の噂だし。でも、そういう噂が流れたせいで……ヴィランにも狙われるわ、噂を言ったヴィランの言葉で、警察から事情聴取があったり。事件になったからマスコミ連中が嬉々として記事にしたんだ」

 

 そんな噂が有名になった現在にまたぶり返して。各所が圧力掛けて記事を書かせない様にしているらしいが。

 

「それから脅される事多数。制服もボロボロにされて。私としても限界だったよ。女性である事が嫌になったよ。そんな私をな……心操はずっと守ってくれたんだよ。何があっても私を信じてな」

「直さん……」

 

 辛かった時、ずっとそばに居てくれた。それが嬉しかった。信じてくれたんだから。アイツも色々言われただろうに……それでも私を守ってくれた。

 

「私もさ……流石にそこまでされると意識するよ。好きに……なるよ。コイツの前“だけ”では女性で居たいって思ったよ。女性として意識されたいって」

 

 まさかここまで重いとは思わなかったのか、茶化してた連中は罪悪感一杯という表情。

 

「中3の春には、もう完全に女子としての意識が出来上がって、誰かに恋をするって感覚を知って……周りも何も言わなくなって来て」

 

 あの頃にはもう心操と私はセット扱いだったっけか。もうなつかしさすら感じる。

 

「それからは雄英受験のためにそれどころじゃなくて……で、受験終わったら心操を押し倒して気持ちの最終確認。結果は見ての通り。無事女子としての私が完成した訳だ」

 

 ヒーローになるって言っている割に意外と雄英希望ってクラスや学校毎だと少ないのだ。そんだけ本気になれるかどうかだ。

 

「だいたいそんな感じの過去でしたよと」

 

 なんだかんだで全部言ってしまったが。まあ聞いてて面白くはなかっただろう。全員暗い顔である。あ、顔を上げて。

 

「「「重い!!」」」

 

 声を揃えて言われてしまった。

 えー?皆こんなもんじゃない?え?違う?そうなの?誰一人として同意してくれない。悲しい。

 

 そんな感じで私の過去語りは終わりになりましたとさ。




 ミッドナイトの「女子として生まれた事後悔してない?」と言う問い。その意味です。

 次で幕間を1つやって、そんでインターン投げ捨てて文化祭も軽く流して単行本最新のビルボードチャートですね。

 書きたい別ネタが貯まりまくってて辛い。R18も何か書きたい。

 そういえばこの作品、今更ながらだんだんとタイトル詐欺になって来たので何か考えているんですけど。パッと思いついたのが

「修復個性の成り上がり」とかいうなろうっぽい感じの奴しか思いつかなくて、結局このままでいいやって結論に至りました。

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