チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 ハイエンド戦RTAはっじまるよー!


多分これが一番早いと思います

 さて、脳無の噂やら聞きながらホークスの地元である福岡での昼下がり。

 各々のファンに囲まれながら過ごした街中と違い、静かなビル内店舗の料亭の料理に舌鼓を打ち、お会計になった時ソレは訪れた。

 

「……マジでか」

 

 呟きながらも各自戦闘態勢に入り、私はホークスからの羽根に体を任せてビルを離脱。

 ビルを一望できる距離まで離れて、倒壊しかけているビルを個性によって一瞬で直す。自由落下していた人たちはホークスによって既に救助されていた。

 

「嬢ちゃん!」

「わかってます!」

 

 私のやる事は避難誘導と戦闘による2次被害を食い止める事。それを理解している為、ホークスの羽根の動きに従い地上に向かい避難警告を出す。

 

「皆さん!ここから先は脳無の戦闘区域です!周辺ヒーローの指示に従い速やかに避難を!……っと!」

 

 エンデヴァーさんの戦闘の余波によって飛んでくる瓦礫を遮る様に壁を張ってゆく。遠目にホークスがエンデヴァーを何やら煽っているが気にしている暇は無い。

 

「なんか脳無が分離したんだが……」

 

 近くに居る人達へ害が出る前に倒さなくちゃいけない訳であるが、如何せん周りのヒーローは脳無を止め切れるほど火力や能力が無い。

 

「あっちの対処にこっちの修繕と忙しいったらありゃしねぇな」

 

 エンデヴァーと脳無の戦闘は激しさを増していき、ビルの一つ二つ当たり前の様に倒壊する。そのフォローを行いながらもホークスに指示を出し羽根を動かして貰う。

 

「っと!白脳無へ接敵、ヒーロー2R武力介入を開始する!」

 

 とはいえ相手は再生能力がデフォだと思われる脳無である。飛行能力が無いとはいえ厄介である事には変わりない

 戦闘中のヒーローの邪魔にならない程度の手出しをと考えるが、それじゃあ時間が掛かる。

 

「再生能力持っていようと……体ごと固定してしまえばねぇ!」

 

 戦闘中であるため、上を向く事の無い脳無。30M程の上空から粉の入った手榴弾を落とし、壁粉を空中にばら撒く。

 

「粉塵風陣だっけか?まあいいや!」

 

 その粉の中から多数の先の尖った柱を白脳無の上に復元して落として行く。勿論、落とす直前にヒーローには銃声とアイコンタクトによる退避を促したが。

 コンクリートすら易々と抉り脳無の体から足、喉に至るまでを5本の柱によって縫い留めている。藻掻いてもその場から動けないのを確認しておく。

 

「……えげつない……可愛い顔してえげつない」

 

 周りのヒーローの誰かが呟いた。が、気にしちゃいられない。こんな戦い方出来るのは再生能力持ちの脳無相手くらいだ。普通のヴィランにやろうものなら普通に死ぬ。

 

「じゃ、残り相手して来ますんで!見張りよろしくお願いします」

 

 同様の方法で脳無の動きを止め続けたのは言うまでも無いだろう。

 

「さてさて……少しは様子をみてたけど、あちらは……」

 

 マガジンを「特殊な物」に変えてと、えー……何か物凄く熱が籠って……ちょ!

 

「うわー火力ヤバイですねエンデヴァーさん」

 

 人間技じゃない炎の扱い方をしていたが、今度は大出力の炎で脳無を焦がしているが、状況を理解して一息で脳無に射程圏内まで近づく。

 

「十分ですエンデヴァーさん」

 

 そう呟くと共に脳無の繋がっている首に向かって引き金を引く。

 誰も反応出来ない刹那の時間での行動。予想外の襲撃に防げない脳無。

 そして銃弾が当たった瞬間……黒脳無は飛ぶ事無く地に堕ちて行くのであった。

 

「任務完了……って訳じゃないんですよね」

 

 落ちて行く脳無の真下にある物を生み出す。その生み出された物に落下した脳無は足掻こうとするも、体が勢いのまま飲み込まれていく。

 

「おー流石に抜け出せないか」

 

 これで脳無の無力化は完了だろうか。

 

 

………………………………

 

 

「十分です……じゃない。小娘なんだアレは」

「アレってどれですか?」

 

 地面に降りていて1秒後、エンデヴァーに問い詰められている私が居た。

 

「急に奴が動きを止めた件と今現在脳無を飲み込んでいるアレだ」

 

 睨みつけられていてこれは言わなきゃダメな雰囲気っぽい。だが、周りの目もあるため言うに言えないのである。

 

「何してンすか。ほらカメラ回ってますから新しい№1をアピールする時間ですよ、嬢ちゃんも」

 

 間に入って来たホークスの声もあり、エンデヴァーは周りを見渡し腕を上げる。それに合わせて拍手喝采が流れる。私も拍手に参加する側であったが、途中でホークスに背中を叩かれる。

 

「えー私もですか?エンデヴァーさんだけで良くないですか?」

「白脳無を一人で殲滅しておいて、何もしていない様に振る舞うの良くないでしょ。ほら頑張れサブリーダー」

「あれはホークスさん居たから出来た事なんですがねぇ」

 

 機動力の無い私を見事に補ってくれたのは他でも無いホークスだ。だから私だけの力という訳でもないのであるが。

 何というか周りの視線がキラキラしている。どんな事をするんだろうと期待の眼差しである。

 

「まあ……いいか」

 

 私は見物客やマスコミを見渡しながらも一緒に背景となるビル群を綺麗に修復し、軍服のスカートを摘まみ一礼。

 

「……」

 

 アピールが終わるとエンデヴァー同様の大喝采。これで終わり!閉廷!

 

 と、思ったがヴィラン連合の荼毘が襲撃したりしましたとさ。

 死柄木が私を物凄く恨んでいると言われても困る。何の因縁も無いでしょうが!

 

「そんで結局アレなンですか?」

「アレ?例のヤクザさん所から流れた銃弾。ヒーロー協会から私宛に送られて来た奴」

 

 切島が喰らった一時的な効果の物の奴らしい。ま、厄介な個性のヴィランも多いし重宝させて貰いますよと。

 

「それともう1つはファットガムさんの個性を元にしたクッションです。犯人の拘束に良し、着地地点の確保に良し、物の保護に良しと割と便利ですよ?」

 

 欠点は広げたら圧縮出来ない事。私には関係無いけどね!

 

「どんだけ道具準備してンすかね……」

「企業秘密ですね。色々詰め込んでますんで」

 

 いや本当に色々詰め込んでいる。

 

「気にしたら負けですよ」

 

 ですよ!




 ハイエンド戦を1600文字で終わらせるSSがあるらしい。

 就活やら何やらで色々ドッタンバッタン大騒ぎしてようやく書けました。このまま終わらせられたらいいなぁ。

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