チートそうでチートじゃない、けどあったら便利。そんな個性   作:八神っち

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 エンデヴァー視点の主人公を書こうとして完全に諦めたでござるの巻
 感想返信は明日一気にやると思います。


巨乳娘が変装程度で注目されないわけないだろ!

 先のハイエンド襲撃から数日経ったある日の祝日。一日仕事無しの完全オフであった。

 

「さてと」

 

 心操は前の日にストレス発散に付き合って貰い死にかけている。それ故に一人でのお出かけであるのだが……

 

「うわーこれ似合ってんのか?」

 

 姿見で自分の今の姿を見て違和感を覚えていた。理由は単純明快。

 

「金髪のウィッグと青のカラコン……大丈夫かこれ?」

 

 事前に八百万にだけ着けた時の印象を尋ねたら「大丈夫」と言われてはいるが、不安しか残らん。

 

「まあ一応私だと分からないとは言って貰えた」

 

 私が金髪ウィッグまで付けている原因はただ一つ。元の姿だと確実に人だかりが出来てしまい買い物所ではなくなるからだ。

 服も普段は着ない青を軸に少し姫様チックなワンピである。

 

「まーバレたらそん時はそん時だ」

 

 そう開き直って最後にメガネを掛けて変装完了である。

 

「荷物は……ヒーロー用のポーチはロッカーに預けるとして、バッグと財布と携帯と……っとこれでいいか」

 

 財布の中身は……よしちゃんと入っているな。

 

「5万とか持ち歩くの怖いなぁ」

 

 通帳の中?……依頼1件毎に別料金で数百万入って来ます異次元すぎて怖いです。文化財や観光地相手に仕事行く事多いからね仕方ないね。

 

「レッツゴー」

 

 部屋を出て玄関へ行くために通る共同スペース。そこには部屋着の切島が居たが気にせずに通り過ぎ……

 

「いや!お前誰だよ!」

 

 れなかった。二度見からのツッコミが入った。

 

「私だよ。分からなかったか切島?」

「雰囲気違い過ぎて別人だよもはや!」

「ならよし」

 

 クラスメイトで気付かないという事は、他人から見たらほぼ気付かないって事である。これで騒がれる事は無い筈である。

 

「じゃあ私は出かけるんで」

「出掛けって……ああだからそんな恰好なのな」

「お忍びってやつだ」

 

 私は今有名人なのである。非常にめんどくさいのである。

 

「じゃ行ってくるわ」

「あ……ああ気を付けろよー色々と」

「おーう」

 

 久方ぶりの一人で羽根を伸ばしてお出かけだ。楽しまねば。

 

………………………………

 

「うへぇ……何だこれ」

 

 ショッピングモールで仕事用ポーチを預け、ふらっと立ち寄った本屋で見かけるヒーロー雑誌。その表紙の比率は私が3割占めていた。

 

「えーと……『花の女子高生ヒーロー2R!その素顔とは!?学校関係者をインタビュー!!』ってこんな事も記事にすんのか」

 

 いや確かに私自身ほぼっほぼインタビューを受けない。というより仕事時のスケジュールが忙しすぎて相手に出来ないというのが正しいのだが。

 

「どれどれ……普段の学校態度とか学業とかか、あとは進路はどうなるのか……恋愛関係も聞いてんのか。あ、一度ヒーロー科落とした事も書かれてる」

 

 ある事ない事色々書かれている。特に恋愛関係については根掘り葉掘り捏造されている。既に100名からラブレター!とか盛り過ぎである。

 

「実際はンなモン貰わねーけどな」

 

 雄英高校では相手も渡した結果が分かり切ってるからな。わざわざ玉砕黒歴史なんざ作りたくないだろうさ。

 本屋で幾つかの本を見繕い後で購入しようと決めておく。

 

「次は服でも……」

「ヘイ彼女!独りかい?」

「……」

 

 唐突に知らない声がかかるが無視である。きっと私にでは無い筈だ。

 

「おーい!君!君!金髪の君だよー?」

「……」

 

 金髪の女……一体誰なんだ?

 

「いや君の事だよー?」

「うっせー死ね」

 

 あ、台詞間違えた。

 

「五月蠅いですわよ?死んで下さらない?」

「言ってる事一緒だからねそれ!?」

「そうか。じゃあ死ねそれか私の前から消えろ」

 

 純度100%の殺意を込めて言って見るとあら不思議、ナンパが逃げていきました。

 

「よし」

「いや「よし」じゃないよ!?何やってんの物見さん!?」

「ナンパを追っ払ってただけだが?」

「それはいいが言葉を選んだ方がいいぞ。せめて助けを呼ぶとかだな」

「ああいう輩は率直にドス効かせて勝てないと思わせる事が、手っ取り早く追っ払うコツだ」

「そんなコツは無いよ物見ちゃん」

 

 声を掛けて来たのは緑谷・飯田・麗日の3人組であった。流石に声を聴けば私だと分かるか。

 

「それでその恰好は……?」

「変装。以上」

「ああ……成程」

「出来れば本名は遠慮してくれ。変装の意味がな」

「うん今の見た目で日本名だと微妙だもんね」

 

 何か違うが気にしたら負けだな。

 

「それでお前らは仲良く買い物か」

「あ、うん。それでえーと」

「あー……ナーシャでいいだろ」

 

 3秒で考えた雑な名前である。「な」が付くそれっぽい名前なだけだが。

 

「ナーシャちゃん……さんね!それでナーシャさんは何を?」

「買い物だよ。適当にブラブラとな」

「そうなんだ、だったら一緒に回らない?」

「いや遠慮しとく。今日は一人でゆっくり過ごしたい」

「そっか残念……じゃあいつか一緒に買い物行こうね」

「そうだな……そん時は女子連中で行くか?」

「うん!」

 

 笑顔の麗日。うむ良きかな良きかな。

 

「じゃ私はあっちだから」

「気を付けてねー?」

「あいよー」

 

 その後は服を見繕おうとするものの……まあ元の私と違い過ぎて選べず仕舞いであった、ちくせう。結局服は買わなかった。

 

「あ、ゲーセンやんけ」

 

 目に付き立ち寄るゲーセンコーナー。ヒーローのフィギュアが並んでいるクレーンゲームを見ていると本日入荷と書かれた場所に人だかり。

 

「なんじゃろな?」

 

 近づき背伸びしてみるとそこには

 

「これかぁ」

 

 そこに置かれている景品は私のフィギュアである。確かに作っていいですよと許可をしたけど早すぎない?

 

「メイド服と軍服の2バージョン同時っすか」

 

 可愛らしい笑顔で佇む白髪メイドと、勇ましく銃を構えて笑う黒髪白軍服の私である。

 ちなみに数だけ見るとメイドの方が取られているっぽい。なんでさ!?

 

 私の買い物はもう少しの間続いた。




 変装主人公の見た目?FGOの獅子王かジャンヌ辺りでええやろ(適当)

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